CONSTRUCTION建設・不動産

建設業界の市場規模・主要企業・動向

日本の建設業界は建設投資75.6兆円(2025年度、前年度比 +3.2%)。スーパーゼネコン4社が業界の上位、許可業者は48万社の階層構造で、2024年問題とi-Construction 2.0が中核論点。

日本の建設業界は、2025年度の建設投資が75.6兆円(前年度比 +3.2%)で、政府33% / 民間67% の構成です。スーパーゼネコン4社(鹿島・大成・大林・清水)が業界を牽引する一方、許可業者48万社の階層構造が特徴。市場規模・主要4社業績・維持修繕シフト・2024年問題・i-Construction 2.0まで、業界の現在地を見ていきます。

最終更新
データ出典:
国土交通省 建設投資見通し(令和7年度版)国土交通省 建設業許可業者数調査(令和7年5月公表)日本建設業連合会 建設業ハンドブック「でこはん」内閣官房 国土強靭化年次計画2025国土交通省i-Construction 2.0

業界サマリ

業界概要・市場動向・競争環境の 3 軸で整理

業界概要

建設業は、土木(道路・橋梁・港湾等のインフラ)と建築(住宅・非住宅・工場・商業施設)の2軸 で構成される基幹産業である。日本の 建設投資は75.6兆円規模(2025年度、国交省)で、政府投資25.2兆円と民間投資50.4兆円から成る。業界は スーパーゼネコン4社(鹿島・大成・大林・清水)→ 準ゼネコン → 中堅ゼネコン → 地場・専門工事業者 のピラミッド型階層構造で、許可業者数は 48万社 と裾野が広い分散構造を形成する。

  • 建設業は、土木(道路・橋梁・河川・港湾・上下水道等のインフラ)と建築(住宅・非住宅・工場・商業施設等)の2軸で構成され、29業種の許可種別で細分化される。
  • 日本の建設投資は 75.6兆円規模(2025年度) で、政府投資25.2兆円・民間投資50.4兆円の構成。民間住宅16.4兆 + 民間非住宅21.0兆 + 民間建築補修13.1兆の内訳。
  • 業界は スーパーゼネコン4社(鹿島・大成・大林・清水)→ 準ゼネコン → 中堅ゼネコン → 地場・専門工事業者 の階層構造。許可業者数は483,700社(令和7年3月末)で、ピーク時(2000年)から -19.5%。
  • 主要顧客は 国・地方自治体・民間ディベロッパー・事業会社。公共発注は入札中心、民間は特命・指名+JV(共同企業体)の併用が一般的。
  • 関連領域として 不動産開発・PPP/PFI・インフラ運営・建設機械・建設資材 が密接に関係。スーパーゼネコンは建設事業 + 不動産開発 + 海外建設の3本柱を持つ社が多い。
  • インフラ老朽化を背景に 維持修繕(リニューアル)市場が拡大 しており、2001年の21% から2023年の32% までシェアが伸長している。
基礎データ: 国交省 建設投資見通し(令和7年度)/ 国交省 建設業許可業者数調査 / 日建連ハンドブック / EDINET 4社有報

市場動向

建設投資は2010年代の50兆円台から 75.6兆円(2025年度)まで長期で拡大基調民間非住宅(オフィス・物流倉庫・データセンター・半導体工場)が +8.7% で最大の伸び、再開発・大型施設投資が需要を牽引する一方、民間住宅は人口減で長期減少傾向。インフラ老朽化を背景に 維持修繕(リニューアル)市場のシェアは2001年21% → 2023年32% へ拡大、新設一辺倒から維持修繕とのバランス型市場へと構造転換が進んでいる。2024年問題(時間外労働規制の建設業適用) に伴う労務費上昇は物価スライドで吸収中。

  • 建設投資総額は75.6兆円(2025年度、前年度比 +3.2%、国交省)と、2010年代の50兆円台から長期で拡大基調。
  • 民間非住宅(オフィス・商業・物流・工場)は +8.7% と最も伸びが高く、データセンター・物流倉庫・半導体工場・再開発が需要を牽引。
  • 民間住宅は +1.2% と低成長。新設住宅着工戸数は人口減で長期減少傾向、注文住宅から賃貸・分譲へのシフトも進行。
  • 新設vs維持修繕: 2023年で新設68% / 維持修繕32%、リニューアルシェアは22年で +11pt拡大(2001年21%)。
  • 5か年加速化対策(2021-2025) が政府投資の中核。次期計画への接続準備が進んでおり、政府投資25兆円台の維持が中長期で見込まれる。
  • 労務費・資材費の上昇 が継続。2024年問題以降、建設会社は「物価スライドを含む追加請負金獲得」で対応し、4社の建築完成工事総利益率は改善傾向。
基礎データ: 国交省 建設投資見通し / 日建連ハンドブックchart5-1(建設投資・維持修繕推移)/ 国土強靭化年次計画2025

競争環境

建設業界は 「上層の寡占 + 下層の分散」 という二極構造が特徴。スーパーゼネコン4社(鹿島・大成・大林・清水)の合計売上は約9-10兆円で建設投資75.6兆円の12-13% を担い、残り87% は 許可業者48万社の中小・地場業者 が担う。FY2026 Q3は 4社揃って増益基調(鹿島 +81.6% / 清水 +108.6% / 大成 +53% / 大林 通期予想 +18.2% 上方修正)で、物価スライド対応 + 大型案件竣工 + 海外建築の収益性改善 が共通の追い風。共通課題は (1) 国内新設の頭打ち、(2) 維持修繕シフト、(3) 2024年問題への対応で、各社は 海外受注比率拡大 + 大型案件獲得 + DX省人化 に注力している。

  • 鹿島建設(東証プライム1812): FY2025連結売上2兆9,118億円(+9.3%)、純利益1,258億円(+9.4%)、ROE 10.2%。FY2026 Q3累計は売上 +5.9% / 営業利益 +81.6% で、通期予想は営業利益2,280億円・純利益1,700億円の過去最高見込み(Q3短信で再上方修正、対前期営業利益+50.1%)。米国Core5(流通倉庫開発)、シンガポール、欧州を含む海外関係会社が成長領域。
  • 大成建設(東証プライム1801): FY2026 Q3累計売上1兆4,277億円(-6.5%)/ 営業利益 +53%、土木完成工事利益率21.9%(+3.4pt)/ 建築10.9%(+6.5pt)と採算改善が顕著。FY2026 Q3で東洋建設を新規連結化(海洋土木強化)。TAISEI VISION 2030を中期戦略に据える。
  • 大林組(東証プライム1802): FY2025通期売上2兆6,201億円(+12.7%)/ 営業利益1,434億円(+80.7%)/ 純利益1,461億円(+94.6%)/ ROE 12.6% で中計2022目標(ROE 10% 以上)を超過達成。FY2026通期予想は営業利益1,950億円(前回1,650 → 1,950へ +300億円上方修正、2026/2/9発表)。FY2026 Q3海外受注比率は7.8% に拡大。Obayashi Sustainability Vision 2050を経営の柱に置く。
  • 清水建設(東証プライム1803): FY2024連結営業損失 △247億円からFY2025 +710億円へV字回復。FY2026 Q3累計は営業利益 +108.6% / 純利益 +99.6% と回復が継続。建設・非建設(不動産・エンジニアリング)の2軸構成で、海外建設は売上構成比で限定的。
  • 4社合計売上は約9-10兆円(FY2025推計)で、建設投資75.6兆円の12-13% に相当。残り87% は 許可業者48万社の中小・地場業者 が担う零細・分散構造で、業種別では とび・土工38.0% / 建築29.7% / 土木27.3% の上位3業種で過半を占める。
  • 競争軸の変化: 国内新設の頭打ち + 維持修繕シフト + 2024年問題への対応が共通課題。各社は 海外受注比率の引き上げ + 大型案件(データセンター・再開発)獲得 + DXによる省人化 に注力し、利益率改善で競争している。
基礎データ: 鹿島・大成・大林・清水の決算短信(FY2025通期 + FY2026 Q3)/ 鹿島FACT BOOK 2025.9 / 各社中期経営計画

主要トピック

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市場データ

市場規模推移

2016-2025 · 民間投資 + 政府投資
単位: 兆円
民間投資政府投資
0.0020.040.060.080.058.71661.31761.81862.31962.82065.22167.82271.52373.22475.625
年度2016201720182019202020212022202320242025
民間投資兆円37.7539.5540.2439.8538.9041.6543.9647.0648.1750.36
政府投資兆円20.9921.7821.5922.4823.8623.5123.8924.4125.0425.21
合計(兆円58.7461.3361.8362.3362.7665.1767.8571.4773.2175.57
前年比+4.4%+0.8%+0.8%+0.7%+3.8%+4.1%+5.3%+2.4%+3.2%
出典: 国土交通省 令和7年度(2025年度)建設投資見通し / e-Stat付表1-6(名目値・実質値・地域別、1960-2025)
CREX Editorial · 市場規模の読み解き
市場規模・建設投資の構造

2025年度の建設投資は75兆5,700億円(前年度比 +3.2%)の見通しで、政府投資25兆2,100億円(33%)と民間投資50兆3,600億円(67%)の構成です。民間投資の内訳は、住宅16.4兆円・非住宅21.0兆円・建築補修13.1兆円で、建築・土木で見ると建築49.2兆円(65%)/ 土木26.4兆円(35%)の比率です。長期推移では2010年代前半の40兆円台ボトム(2010年41.9兆円)から、2015-2019年は50-60兆円台、2020年以降は60-70兆円台へと段階的に拡大し、2024年73.2兆円・2025年75.6兆円に到達しています。

建設投資の長期推移と政府/民間 + 住宅/非住宅の内訳を詳しく見る

新設からリニューアルへの構造シフト

維持修繕(リニューアル)市場のシェアは2001年の21% から2023年の32% まで +11pt拡大しています。維持修繕工事は2023年で28.8兆円規模(土木7.3兆 / 建築17.5兆 + その他)で、民間維持修繕比率30.9% / 公共維持修繕比率35.4% と、公共のほうが維持修繕の比重が高い構造です。背景には高度経済成長期インフラの老朽化と新設需要の頭打ちがあります。

維持修繕(リニューアル)市場の推移と内訳を詳しく見る

主要プレイヤー:スーパーゼネコン4社の構造

FY2025通期確定値で、鹿島2兆9,118億円(+9.3%)、大林2兆6,201億円(+12.7%)、大成2兆1,542億円、清水1兆9,443億円(-3.0%)の構成で、合計は約9.6兆円。これは建設投資75.6兆円の12-13% に過ぎず、残り87% は許可業者48万社の中小・地場業者が担う 零細・分散構造 です。FY2026 Q3では4社揃って増益基調で、特に鹿島は営業利益 +81.6%、清水は +108.6% と回復が顕著です。

スーパーゼネコン4社の業績・戦略を詳しく比較する / 業界規模と業者数推移を見る

政策・規制:2024年問題と国土強靭化

2024年4月から建設業に時間外労働の上限規制が適用され、月45時間・年360時間が原則上限となりました(特別条項でも年720時間以内、月100時間未満)。労務費上昇は4社決算でも増収要因として挙げられ、「物価スライドを含む追加請負金の獲得」が利益率改善に寄与しています。令和8年3月適用の公共工事設計労務単価は全国全職種加重平均25,834円(前年度比 +4.5%)で初の25,000円超、14年連続上昇 と人材確保コストの上昇トレンドが鮮明。一方、国土強靭化年次計画2025は5か年加速化対策(2021-2025)の総仕上げと次期計画への接続を進めており、政府投資25兆円台の維持が中長期で見込まれます。

2024年問題の規制内容と業界対応を見る / 国土強靭化と公共投資の動向を見る

DX:i-Construction 2.0と中長期見通し

令和6年4月策定の i-Construction 2.0 は「建設現場のオートメーション化」を中核方針として打ち出しました。3本柱は施工・データ連携・施工管理のオートメーション化で、ロードマップは短期(5年)リアルタイムデータ活用 → 中期(10年)大規模土工の自動施工標準化 → 長期(15年)大規模現場の自動施工実現、と段階的に進む計画です。生産年齢人口減少下での省人化が業界共通課題となるなか、4社いずれもDX投資を中期計画の柱に据えています。

i-Construction 2.0とDXの進捗を詳しく見る

業界構造

主要プレイヤー / サプライヤー / 流通 / 需要
建設業界の構造
Players & Stakeholders · 2026
01
建設資材・部材
Upstream
主要建設資材
鉄鋼材
日本製鉄・JFEスチール・神戸製鋼 等
セメント
太平洋セメント・住友大阪セメント・宇部三菱 等
木材・木質建材
住友林業・三菱地所ホーム 等
コンクリート二次製品
日本コンクリート工業 等
電装品・配電設備
パナソニック・三菱電機・東芝 等
建設機械
コマツ・日立建機・コベルコ 等(i-Construction 連携)
03
専門工事業者
29 業種許可・全国 48 万社
主要業種(許可業者数 TOP3、令和 7 年 3 月末)
とび・土工工事業
183,700 社(38.0%、首位)— 仮設・足場・地盤改良
建築工事業
143,593 社(29.7%)— 一式工事・主要建築
土木工事業
131,889 社(27.3%)— 道路・橋梁・河川
04
発注者・需要側
Demand Side
公共発注(建設投資の 33% / 25.2 兆円)
国(国土交通省・防衛省 等)
直轄事業、5 か年加速化対策の中核発注者
地方自治体(都道府県・市区町村)
地方単独事業、入札制度
高速道路・空港・鉄道運営
NEXCO・空港会社・JR 各社
民間発注(建設投資の 67% / 50.4 兆円)
不動産ディベロッパー
三井不動産・三菱地所・住友不動産・東急不動産(再開発)
事業会社
製造業の工場、データセンター運営、物流倉庫
個人・中小オーナー
住宅(持家・貸家)、小規模商業施設
CREX Editorial · 業界構造の読み解き

日本の建設業は スーパーゼネコン 4 社(鹿島・大成・大林・清水)→ 準ゼネコン → 中堅ゼネコン → 地場・専門工事業者 の階層構造。許可業者は 483,700 社(令和 7 年 3 月末)に達するが、4 社合計売上 9-10 兆円は建設投資 75.6 兆円の 12-13% に過ぎず、残り 87% を 48 万社の中小・地場業者が下請構造で担っている。

上流の 建設資材 は鉄筋・セメント・木材・電装品の専門メーカーが供給し、ゼネコンは現場監理を中心に複層的に外部調達。下流の 専門工事業者 は 29 業種に許可種別が細分化され、とび・土工 38.0% / 建築 29.7% / 土木 27.3% が上位 3 業種を占める。発注者は 公共(国・地方自治体)と民間(ディベロッパー・事業会社・住宅) の二系統で、公共は入札中心、民間は特命・指名+JV(共同企業体)の併用が一般的。

近年の構造変化として、(1)維持修繕(リニューアル)市場の拡大(シェア 2001 年 21% → 2023 年 32%)、(2)スーパーゼネコン 4 社の海外受注比率の引き上げ(大林 2.6% → 7.8%)、(3)i-Construction 2.0 連動の DX 投資(BIM/CIM 原則化、施工オートメーション化)、(4)2024 年問題への対応(時間外労働上限規制 2024/4 適用)、の 4 つが業界共通テーマとなっている。

業界の3大論点

01
なぜ建設投資は維持修繕(リニューアル)にシフトしているのか?

維持修繕シェアは2001年の21% から2023年の32% まで +11pt拡大しています。金額ベースでも2023年の維持修繕は28.8兆円規模(土木7.3兆 / 建築17.5兆 + その他)で、新設61.1兆円との比率はおよそ1:2まで縮まりました(出典: 日建連ハンドブックchart5-1。なお、この合計約90兆円は新設 + 維持修繕 + 設備工事を含む広義の建設市場で、国交省 建設投資見通し2023年71.5兆円とは集計範囲が異なる別データセット)。

背景には、(1)高度経済成長期に集中整備されたインフラの老朽化(建設後50年以上経過する施設割合が加速度的に進行)、(2)人口減少と都市集約による新設需要の頭打ち、(3)市区町村の4分の1で技術系職員が配置されておらずメンテナンス人材が不足、という3つの構造要因があります。i-Construction 2.0(令和6年4月策定)も「予防保全型のインフラメンテナンスへの本格転換」を中核課題に位置付けており、政策面でもリニューアル需要の取り込みが業界の中長期方向感です。

民間vs公共で見ると、2023年の維持修繕比率は民間30.9% / 公共35.4% で、公共のほうが維持修繕の比重が高い構造です。スーパーゼネコン4社も大林の「リニューアル工事受注」明示のように、新設競争から維持修繕・既存改修への重心移動を進めています。今後も維持修繕シェアは拡大の方向感で、業界全体としては縮小よりも質的変化(新設 → リニューアル + 大型・高難度化)として整理すべき局面にあります。

02
2024年問題(時間外労働上限規制)で建設業はどう変わるか?

2024年4月から建設業に時間外労働の上限規制が適用され、月45時間・年360時間が原則上限、特別条項付き36協定でも年720時間以内・月100時間未満(休日労働含む)・複数月平均80時間以内、月45時間超は年6ヶ月までという制限が課されました(労働基準法)。働き方改革関連法(2018年成立)で5年間の適用猶予を経た後の本格適用です。

業界への影響は2つの軸に整理できます。第1に 労務費の上昇 で、4社決算でも「物価スライドを含む追加請負金獲得」が利益率改善要因として挙げられ、大成は土木完成工事総利益率 +3.4pt / 建築 +6.5pt(FY2026 Q3)、鹿島は単体建築総利益率11.8% へと改善しています。第2に 発注者への要請強化 で、2026年初に厚労省・国交省が公共発注者・主要民間団体・建設業者団体へ「適正工期」「処遇改善」を要請する協力依頼を発出し、建設業法等改正法(令和6年法律第49号、令和6年6月14日公布)の価格転嫁・適正工期記載義務などが令和6年12月13日に施行されました(残る規定は公布後1年6か月以内に政令で定める日から施行)。

中長期の論点は、(1)労務費上昇を発注者がどこまで受容するか(追加請負金vs入札価格)、(2)担い手確保(55歳以上比率は全産業より高い)とDXによる省人化(i-Construction 2.0)の両立、(3)災害復旧の例外規定(労基法33条 / 139条)の運用、の3点です。短期的には増収増益要因ですが、構造的には業界の質的変化(人手不足下の生産性向上)を迫る規制と整理できます。

03
スーパーゼネコン4社の競争力はどこにあるか?

4社合計売上は約9.6兆円(FY2025通期確定)で、建設投資75.6兆円の12-13% に過ぎず、残り87% は許可業者48万社の中小・地場業者が担う 零細・分散構造 です。4社の差別化軸を整理すると、規模では 鹿島が連結2.91兆円で首位、大林2.62兆円、大成2.15兆円、清水1.94兆円と続きます。

戦略の違いとしては、鹿島は国内建築・国内土木・海外・不動産の4セグメントで、米国Core5(流通倉庫開発)・シンガポール・東欧を含む海外関係会社が成長軸。FY2026 Q3累計は売上 +5.9% / 営業利益 +81.6% で通期予想を再上方修正(営業利益2,280億円・純利益1,700億円の過去最高見込み、対前期営業利益+50.1%)。大成はFY2026 Q3で東洋建設を新規連結化(海洋土木の強化)、土木21.9% / 建築10.9% の利益率改善が際立ちます。大林はFY2025通期で売上 +12.7% / 営業利益 +80.7% / ROE 12.6% と中計2022目標(ROE 10%)を超過達成、FY2026通期予想 営業利益1,950億円(前回1,650 → 1,950へ +300億円上方修正)と海外受注比率2.6%→7.8% への拡大が際立ちます。清水はFY2024営業損失 △247億からFY2025 +710億へのV字回復が象徴的で、建設・非建設の2軸構成。

中長期の競争軸は、(1)海外受注比率の引き上げ(米国流通倉庫・東南アジア・欧州)、(2)大型案件(データセンター・再開発・洋上風力)の獲得力、(3)i-Construction 2.0連動のDX投資による省人化、の3点に集約されます。FY2026 Q3で4社揃って増益基調にあるのは、物価スライド対応 + 採算重視 + 大型案件竣工が共通の収益ドライバーとして働いた結果と整理できます。

よくある質問 (FAQ)

Q.日本の建設業界の市場規模はどれくらいですか?

A.

日本の建設業界の2025年度の建設投資額は75兆5,700億円で、前年度比 +3.2% の見通しです(国土交通省 建設投資見通し)。構成は政府投資25.2兆円(33%)と民間投資50.4兆円(67%)で、民間の内訳は住宅16.4兆円・非住宅21.0兆円・建築補修13.1兆円です。建築・土木では建築49.2兆円 / 土木26.4兆円の比率となっています。

Q.スーパーゼネコンとは何ですか?4社の規模は?

A.

スーパーゼネコンは、日本の総合建設会社で売上1兆円を超える上位4社(鹿島建設・大成建設・大林組・清水建設)を指します。FY2025通期確定値で鹿島2兆9,118億円、大林2兆6,201億円、大成2兆1,542億円、清水1兆9,443億円という売上構成です。4社合計は約9.6兆円で、建設投資75.6兆円の12-13% を占めます。

Q.建設業の許可業者数はどう推移していますか?

A.

建設業の許可業者数は令和7年3月末時点で483,700社(前年度比 +0.9%)です。ピーク時の平成12年3月末(約60万社)と比較すると -19.5% で、長期では減少基調が続きましたが、平成30年度以降は増加に転じました。直近2年は微増傾向です。都道府県別では東京9.2% / 大阪8.6% / 神奈川6.1% で多く、業種別ではとび・土工38.0% / 建築29.7% / 土木27.3% が上位3業種です。

Q.「2024年問題」とは何ですか?

A.

建設業の「2024年問題」は、2024年4月から建設業に時間外労働の上限規制が適用されたことを指します。月45時間・年360時間が原則上限、特別条項付き36協定でも年720時間以内・月100時間未満(休日労働含む)に制限されます。働き方改革関連法(2018年成立)で建設業に与えられていた5年間の適用猶予が終わり、2024年から本格適用となりました。災害復旧の事業については例外規定があります。

Q.i-Construction 2.0とは何ですか?

A.

i-Construction 2.0は、国土交通省が令和6年4月に策定した「建設現場のオートメーション化」推進方針です。施工のオートメーション化、データ連携のオートメーション化、施工管理のオートメーション化の3本柱で構成され、ロードマップは短期(5年)リアルタイムデータ活用、中期(10年)大規模土工の自動施工標準化、長期(15年)大規模現場の自動施工実現と段階的に進めます。生産年齢人口減少下での省人化が中核目的です。

Q.維持修繕(リニューアル)市場はなぜ拡大していますか?

A.

維持修繕(リニューアル)市場のシェアは2001年の21% から2023年の32% まで +11pt拡大しています。背景には、(1)高度経済成長期に整備されたインフラの老朽化(建設後50年以上経過する施設割合の加速度的増加)、(2)人口減少による新設需要の頭打ち、(3)市区町村のメンテナンス人材不足、の3つの構造要因があります。2023年の維持修繕は28.8兆円規模で、民間30.9% / 公共35.4% の比率となっています。

Q.国土強靭化の予算規模はどれくらいですか?

A.

国土強靭化の中心となる「5か年加速化対策」は2021-2025年度の5か年で約15兆円規模の事業費を予定し、防災・減災、インフラ老朽化対策、デジタル等を重点分野としています。令和7年6月には国土強靭化年次計画2025が策定され、次期計画への接続準備が進んでいます。建設投資の政府部門25.2兆円(2025年度)の中核を占める政策です。

Q.日本の建設業界の中長期見通しは?

A.

日本の建設業界の中長期見通しは、(1)維持修繕シェアの一段の拡大(2023年32% → 2030年代に向けてさらに上昇の方向感)、(2)スーパーゼネコン4社の海外受注比率引き上げ(大林は2.6% → 7.8%)、(3)i-Construction 2.0と人手不足下での生産性向上が業界共通テーマ、の3軸で整理されます。FY2026は4社揃って増益基調で、物価スライド対応・大型案件・DXが収益ドライバーとなっています。

農業機械
建機・油圧機器・エンジン技術の一部重複
不動産準備中
需要側 — 民間建築の発注主体
建設機械準備中
上流(重機・ICT建機)— i-Construction 2.0で連携深化
住宅準備中
民間住宅投資16.4兆円が建設投資の22%

建設 業界の他のカテゴリ

5 業界

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    2025年度建設投資75.6兆円、政府/民間/住宅/非住宅/建築/土木の政府/民間 + 住宅/非住宅の内訳
  2. 2.
    令和6年度末483,700社、都道府県別 / 業種別 / 67年分の年次推移
  3. 3.
    建設投資・維持修繕・建築需要・公共工事の年次データ(Excel直DL)
  4. 4.
    令和7年6月策定、5か年加速化対策(2021-2025)の総仕上げ + 次期計画準備
  5. 5.
    令和6年4月策定、建設現場のオートメーション化3本柱 + 5/10/15年ロードマップ
  6. 6.
    2024年4月適用、月45h・年360h原則、特別条項上限、Q&A 4回追補
  7. 7.
    FY2025連結2.91兆円、FY2026 Q3売上 +5.9% / 営業利益 +81.6%、Factbook 2025
  8. 8.
    FY2026 Q3営業利益 +53%、東洋建設新規連結、TAISEI VISION 2030
  9. 9.
    FY2025売上2.62兆円・ROE 12.6%、FY2026通期営業利益予想1,950億円(+300上方修正)
  10. 10.
    FY2025売上1.94兆円、V字回復(前期 △247億 → +710億)、FY2026 Q3 +108.6%
データ出典 (要約)
国土交通省 建設投資見通し(令和7年度版)国土交通省 建設業許可業者数調査(令和7年5月公表)日本建設業連合会 建設業ハンドブック「でこはん」内閣官房 国土強靭化年次計画2025国土交通省i-Construction 2.0
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