最終更新
STAT DETAIL · LICENSE

建設業許可業者の都道府県別・業種別ランキング|48万社の構造と長期推移【2026年版】

日本の建設業許可業者は令和7年3月末で483,700社、前年度比+0.9%です。平成12年3月末の約60万社のピークから-19.5%の減少を経て、平成30年度以降は再び増加に転じました。都道府県別では東京9.2%・大阪8.6%・神奈川6.1%、業種別ではとび・土工38.0%・建築29.7%・土木27.3%が上位3業種を占めます。スーパーゼネコン4社合計シェアは建設投資の12-13%に過ぎず、残り87%を48万社の中小・地場業者が下請構造で担う零細・分散構造の数値的裏付けとなる指標です。

許可業者数(R7/3末)
483,7000.9% YoY
出典: 国交省 業者数調査
ピーク比
-19.5%
2000年60.1万社 → 2025年48.4万社
出典: CREX算出
上位3業種シェア
95.0%
とび土工 + 建築 + 土木(延べ業種数。1社が複数業種許可を取得するため合計100% 超)
出典: 国交省 業種別

建設業許可業者数の推移(1990-2025)

単位:
0200,000400,000600,000800,000508,87490551,66195600,98000562,66105513,19610472,92115472,47320483,70025
出典: 国土交通省 建設業許可業者数調査 (1990-2025年度末)
年度199019911992199319941995199619971998199920002001200220032004200520062007200820092010201120122013201420152016201720182019202020212022202320242025
508,874515,440522,450530,665543,033551,661557,175564,849568,548586,045600,980585,959571,388552,210558,857562,661542,264524,273507,528509,174513,196498,806483,639469,900470,639472,921467,635465,454464,889468,311472,473473,952475,293474,948479,383483,700
前年比
読み解き

建設業許可業者数は1990年の51万社から平成12年(2000年)3月末の約60万社にピークアウトし、その後18年連続で減少して平成27年(2015年)の47.0万社まで縮小しました。減少の背景には、(1)バブル崩壊後の建設投資縮小(1992年84兆円 → 2010年42兆円)、(2)公共事業削減(小泉政権下の三位一体改革・民主党政権の「コンクリートから人へ」)、(3)経営悪化による廃業、(4)後継者不足、の4要因があります。

一方、平成30年度(2018年度)以降は微増に転じ、令和7年3月末は483,700社(前年度比 +0.9%、+4,317社)と直近2年は増加基調。背景には、建設投資の拡大(2010年42兆円 → 2025年75.6兆円)、5か年加速化対策による公共投資の維持(25兆円台)、データセンター・物流倉庫・半導体工場・再開発の民間需要拡大、新規参入のしやすさ(一般建設業許可は資本金要件なし)が並列して効いています。ピーク比 -19.5% という長期トレンドのなかで、近年は底打ちと緩やかな回復が確認できる構図です。

都道府県別 許可業者数TOP 5(令和7年3月末)

東京・大阪・神奈川・愛知・北海道

東京都 — 約44,500社(9.2%、首位)

概要

東京都の許可業者は約44,500社で全国シェア9.2% と首位。スーパーゼネコン4社(鹿島・大成・大林・清水)すべての本社所在地で、再開発・データセンター・オフィスビル・商業施設の大型案件発注地としても日本最大の市場です。

特徴

民間建築(オフィス・商業・住宅)の比重が圧倒的に高く、虎ノ門・八重洲・渋谷・大手町・品川等の再開発エリアで継続的に大型案件が発生。スーパーゼネコン中心のピラミッド構造のなか、設備系専門工事業者(電気・空調・配管・内装)の集積度も全国一です。

動向

令和6年度から7年度にかけても増加傾向で、再開発の継続と物流倉庫・データセンター需要が業者数を底支えしています。一方、土木業者の比率は地方より低く、建築・設備系の比重が高いのが東京の特徴です。

大阪府 — 約41,500社(8.6%、第2位)

概要

大阪府の許可業者は約41,500社で全国シェア8.6% と第2位。竹中工務店(中堅大手)の本社所在地で、関西圏最大の建設市場として商業施設・物流倉庫・工場・住宅の発注が集中。万博関連の建設需要も寄与しています。

特徴

関西電力系のきんでん(電気工事業最大手)の地盤でもあり、設備系専門工事業者の集積度が高い。商業施設・ホテル・物流の建築需要が中核で、製造業(パナソニック・シャープ・キーエンス系のサプライヤー)の工場建設・改修も継続的に発生しています。

動向

2025年大阪・関西万博関連の建設需要が業者数を底支えし、近年は微増傾向。万博閉幕後は反動減リスクがあるものの、IR(統合型リゾート)計画と都市再開発が継続的な需要源として期待されます。

神奈川県 — 約29,500社(6.1%、第3位)

概要

神奈川県の許可業者は約29,500社で全国シェア6.1% と第3位。横浜・川崎の都市再開発、湾岸エリアの物流倉庫・データセンター集積、京浜工業地帯の工場改修等が需要源。東京都市圏の一部として首都圏建設市場を支える中核地域です。

特徴

物流倉庫・データセンター・工場の比重が高く、土木では港湾・橋梁・高速道路(首都高速・横浜環状)の更新工事が継続。住宅では持家・分譲のリフォーム市場も活発で、業種構成のバランスが取れた地域です。

動向

データセンター需要の拡大と物流再編で湾岸エリアの大型案件が増えており、業者数は微増基調。横浜駅周辺・みなとみらい・川崎駅周辺の再開発も継続的に進行中です。

愛知県 — 約26,500社(5.5%、第4位)

概要

愛知県の許可業者は約26,500社で全国シェア5.5% と第4位。トヨタ自動車を中心とする自動車産業の集積地で、工場新設・改修・設備更新の需要が継続的に発生。中部地方最大の建設市場です。

特徴

トヨタ・デンソー・アイシン系のサプライヤー工場、物流倉庫、半導体工場(関連メーカーの中部展開)の建築需要が中核。土木では中部国際空港、名古屋環状高速、リニア中央新幹線関連工事が継続。建築・土木のバランスが良い地域です。

動向

リニア中央新幹線(東京-名古屋間2027年開業予定 → 延期)と半導体投資の拡大で、業者数は緩やかな増加。トヨタのEV投資拡大に伴う工場増設・改修需要も中長期で見込まれます。

北海道 — 約19,500社(4.0%、第5位)

概要

北海道の許可業者は約19,500社で全国シェア4.0% と第5位。広大な土地面積と寒冷地の特殊性から、土木業者の比重が他都道府県より高い構造です。冬期休工がある一方、防災・除雪・道路維持管理が継続需要となります。

特徴

土木の比重が高く(道路・橋梁・河川・港湾)、地方公共投資との結びつきが強い。建築では札幌都心部の再開発が継続、ラピダス(次世代半導体)千歳工場の建設で大型案件が発生中です。

動向

ラピダス千歳工場(2027年量産開始予定)の建設で大型工事が継続し、関連サプライヤー工場・物流倉庫・住宅・商業施設の需要が中長期で拡大する見通し。地域の業者数を構造的に押し上げる要因として作用します。

業種別 許可業者数TOP 5(29業種中)

とび・土工・建築・土木・電気・大工

とび・土工工事業 — 183,700社(38.0%、首位)

業務内容

とび・土工工事業は、足場の組立・解体、地盤改良、杭打ち、コンクリート工事、土砂等の運搬埋戻しなど、建設現場の基礎・仮設・地盤工事を担う業種。29業種のうち最も業者数が多く、ほぼすべての建設工事で必要とされる必須職種です。

業者数推移

183,700社(令和7年3月末)と全業種首位で、シェア38.0% は他業種を圧倒。建築工事・土木工事のいずれにも必要とされる基礎工事の性質から、新設・維持修繕の双方で需要があり、業者数の安定性が高い構造です。

背景

(1)建設現場で必須の業種で、受注機会が広く分散している、(2)資本金要件が低い一般建設業許可が多く新規参入のハードルが相対的に低い、(3)スーパーゼネコン4社の下請として中小・地場業者が安定的な受注を確保できる、の3要因。中小・地場業者の主力業種として全国に広く分布しています。

建築工事業 — 143,593社(29.7%)

業務内容

建築工事業は、住宅・オフィスビル・商業施設・工場等の建築物全般を一式工事として請け負う業種。スーパーゼネコン4社や中堅ゼネコン、地場ゼネコン、住宅メーカー、工務店等が主要プレイヤーで、業界の中核業種です。

業者数推移

143,593社(令和7年3月末)でシェア29.7%(第2位)。住宅メーカー・工務店・地場ゼネコンが大半を占め、新設住宅着工戸数の長期減少(1996年163万戸 → 2023年82万戸)にもかかわらず業者数は安定的に推移。リフォーム・既存改修需要が業者数を底支えしています。

背景

(1)住宅市場の地域性が強く、地場の住宅メーカー・工務店が広く分布、(2)既存ストックのリフォーム・既存改修需要が新設減少を補完、(3)民間非住宅(オフィス・商業・物流)の需要拡大、の3要因。ストック市場へのシフトで業者数の構造的安定性が高まっています。

土木工事業 — 131,889社(27.3%)

業務内容

土木工事業は、道路・橋梁・トンネル・河川・港湾・上下水道・空港等のインフラ全般を一式工事として請け負う業種。公共工事の発注比重が高く、地方自治体・国土交通省・NEXCO等の発注を地場ゼネコン・中堅ゼネコンが受注する構造です。

業者数推移

131,889社(令和7年3月末)でシェア27.3%(第3位)。地方公共投資と密接にリンクするため、公共事業削減期(2000年代)には業者数が大きく減少した経緯があります。直近は5か年加速化対策の重点分野化(インフラ老朽化対策)で底打ちし、緩やかに増加傾向。

背景

(1)公共投資の維持(5か年加速化対策で25兆円台、政府投資の33% を占める)、(2)インフラ老朽化対策の重点分野化(建設後50年超施設の急増)、(3)地方経済における建設業の重要性(雇用・税収の中核)、の3要因。地方経済との結びつきが業界全体で最も強い業種です。

電気工事業・管工事業 — 各70,000社規模

業務内容

電気工事業は、屋内配線・受変電設備・照明・通信設備等の電気設備を施工する業種。管工事業は、給排水・空調・衛生設備等の配管工事を施工する業種。両業種とも建築工事に伴う設備工事として必須で、ゼネコンの下請として受注する構造です。

業者数推移

電気工事業・管工事業はそれぞれ約70,000社規模で5-6位。きんでん(電気工事業最大手、関西電力系)、関電工(東京電力系)、九電工(九州電力系)、ダイダン(管工事業)等の大手と、地場の中小業者の二層構造です。

背景

(1)建築工事に伴う設備工事は必須で受注機会が安定、(2)電気設備の更新・改修需要(築古ビルの設備更新)、(3)データセンター・半導体工場等の電力需要拡大に伴う特高設備工事の増加、の3要因。i-Construction 2.0連動のDX施工管理でも設備系業者の役割が拡大しています。

大工工事業 — 約30,000社規模

業務内容

大工工事業は、木材を使った構造躯体の組立・造作工事を担う業種。木造住宅・木造建築の建築工事で必須となる職種で、地場の工務店・大工が主要プレイヤーです。

業者数推移

大工工事業は約30,000社規模で、長期では減少傾向。新設住宅着工戸数の減少(特に持家比率の低下)と職人の高齢化が業者数を押し下げる構造要因として作用しています。

背景

(1)新築持家戸数の長期減少、(2)大工職人の高齢化と若手不在、(3)プレカット工法の普及で現場大工の人月削減、の3要因。一方、リフォーム市場の成長と木造非住宅(中大規模木造)の拡大が下支え要因として機能しており、業者数は緩やかな減少にとどまっています。

主要論点

なぜ業者数はピークから -19.5% も減少した後、増加に転じたのか?

建設業許可業者数は平成12年3月末ピーク(約60万社)から平成27年(2015年)の47.0万社まで18年連続で減少し、その後平成30年度以降は微増に転じました。長期減少と直近の増加転換、それぞれ別々の要因で説明できます。

減少期(2000-2015)の要因: (1)バブル崩壊後の建設投資縮小(1992年84兆円 → 2010年42兆円、約半減)、(2)公共事業削減(1998年14.9兆円ピーク → 2012年6兆円台)、(3)小泉政権下の三位一体改革と民主党政権の「コンクリートから人へ」政策、(4)経営悪化と後継者不足による廃業、の4つが並列して効きました。土木業者の比重が高い地方で減少が顕著だった構造です。

増加転換(2018-2025)の要因: (1)建設投資の拡大(2010年42兆円 → 2025年75.6兆円、+80%)、(2)5か年加速化対策(2021-2025、約15兆円規模)による公共投資の維持、(3)民間非住宅(データセンター・物流倉庫・半導体工場・再開発)の急増、(4)労務費・資材費上昇に伴う物価スライド対応で建設業者の収益性改善、の4要因。ピーク比 -19.5% の長期トレンドのなかで、底打ちと緩やかな回復が直近7年で確認されている構図です。

とび・土工業者がシェア38.0% で首位なのはなぜか?

とび・土工工事業は183,700社(令和7年3月末)でシェア38.0% と全業種首位で、第2位の建築工事業(29.7%)、第3位の土木工事業(27.3%)と合わせると上位3業種で許可の95% を占めます(延べ業種数ベース。1社が複数業種の許可を取得するため、業者の重複を含む数値)。とび・土工が首位に立つ構造要因は3点に整理できます。

第1に 建設現場での必須性。足場の組立・解体、地盤改良、杭打ち、コンクリート工事、土砂運搬等は、建築工事・土木工事のいずれでも必要となる基礎工事で、ほぼすべての建設プロジェクトで受注機会があります。これは建築・土木の発注変動に対する強い耐久性を生み、業者数の構造的安定性につながっています。

第2に 新規参入のしやすさ。一般建設業許可(請負金額4,500万円未満)は資本金要件がなく、専任技術者の要件も比較的低いため、中小・地場業者の参入ハードルが相対的に低い。第3に 下請構造での受注機会の広がり。スーパーゼネコン4社や中堅ゼネコンの大型案件で、足場工事・地盤改良・コンクリート工事は必ず下請に発注されるため、中小・地場のとび・土工業者が安定的な受注を確保できる構造です。地方経済での雇用吸収力も大きく、48万社の零細・分散構造を象徴する業種となっています。

4社合計シェア12-13% / 残り87% を48万社が担う構造の背景は?

スーパーゼネコン4社の合計売上は約9-10兆円で、建設投資75.6兆円の12-13% に過ぎません。残り87% を許可業者48万社の中小・地場業者が担う零細・分散構造は、他産業と比較して際立つ業界特性で、構造要因は3点に整理できます。

第1に 建設プロジェクトの分散性。建設は地域密着・現場密着の事業で、全国一律の量産が難しく、各地域・各プロジェクトに固有の調整・人脈・労務管理が必要。これは規模の経済を効かせにくく、地場業者の存在余地を構造的に確保します。第2に 下請構造の機能。スーパーゼネコン4社が大型案件を受注し、中堅・準ゼネコンが二次請、地場業者が三次・四次請として実工事を担うピラミッド構造のなか、各層が役割分担で機能。とび・土工38%、建築29.7%、土木27.3% という業種別シェアもこの構造を支えています。

第3に 公共発注の地域配分。地方自治体の公共工事は地元業者への配慮が強く、入札制度上も地元優遇が機能。地方経済における建設業の雇用・税収面での重要性が、地場業者の存続を政策面で支える構造です。中長期では、人手不足とDX投資余力の格差が中小業者の淘汰を進める可能性がある一方、ピラミッド構造の根幹(下請構造の機能性)は維持される見通しで、緩やかな業者数減少と階層集約が並列して進む構図と整理できます。

中期見通し

近未来1-2年

令和7年度から8年度にかけて業者数は微増基調が継続する見込み。建設投資の拡大(2025年度75.6兆円 + 2026年度想定76兆円超)、5か年加速化対策の総仕上げと次期計画への接続、民間非住宅(データセンター・物流倉庫・半導体工場)の継続需要が業者数を底支えします。一方、2024年問題(時間外労働上限規制)と人手不足が経営圧迫要因となり、規模の小さい業者の廃業・統合が一定程度進む可能性があります。

中長期3-5年

2028-2030年は世代交代とDX投資余力の格差が業者数構造を変化させる時期。経営者の高齢化(建設業の経営者平均年齢は60代後半が中心)と後継者不足で、地場の中小業者が一部廃業・吸収合併される一方、DX投資余力のある中堅業者は規模拡大を進める可能性が高い。緩やかな業者数減少と階層集約が並列で進む構造です。

関連業界への波及

業者数の構造変化は、建設機械(小型機・改修向け)、建設資材(補修材)、設備工事(電気・空調・配管)、不動産(地方の遊休不動産活用)、金融(建設業向け融資・M&A仲介)まで広範に波及します。地場の中小業者の事業承継M&Aが進めば、地方銀行・信用金庫・事業承継ファンドの新たな案件機会となり、関連業界の収益機会拡大につながる見通しです。

よくある質問

日本の建設業許可業者数はどれくらいですか?
令和7年3月末時点で483,700社(前年度比 +0.9%、+4,317社)です。平成12年3月末ピーク(約60万社)から -19.5% の減少を経て、平成30年度以降は再び増加に転じ、直近2年は微増傾向となっています。
都道府県別の業者数TOP 5はどこですか?
東京9.2%(約44,500社)、大阪8.6%(約41,500社)、神奈川6.1%(約29,500社)、愛知5.5%(約26,500社)、北海道4.0%(約19,500社)の順です。3大都市圏(首都圏・関西・中部)で全国シェアの過半を占めます。
業種別では何が多いですか?
とび・土工工事業38.0%(183,700社)、建築工事業29.7%(143,593社)、土木工事業27.3%(131,889社)の上位3業種で許可の95% を占めます(延べ業種数ベース、1社が複数業種の許可を取得するため重複あり)。とび・土工は建築・土木のいずれにも必要な基礎工事で、業者数の構造的安定性が高い業種です。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    国土交通省 建設業許可業者数調査
  2. 2.
    国土交通省 建設投資見通し
  3. 3.
    CREX算出値
📄 資料DL💬 無料相談