最終更新
STAT DETAIL · MARKET SIZE

建設業の市場規模・建設投資の推移|75.6兆円の内訳と長期トレンド【2026年版】

日本の建設投資は、2025年度に75.6兆円で前年度比+3.2%の見通しです。政府投資25.2兆円で33%、民間投資50.4兆円で67%の構成で、建築・土木で見ると建築49.2兆円・土木26.4兆円。1990年代後半から2010年頃まで縮小したのち、2013年以降は拡大基調が続いています。本ページでは長期推移と直近10年の内訳を、政府/民間と建築/土木の2軸で整理します。

2025年度 建設投資
75.6兆円3.2% YoY
出典: 国交省 建設投資見通し
33年ピーク(1992)
84.0兆円
ピーク比 -10.0%
出典: 付表1
10年CAGR
+2.9%
2015 → 2025
出典: CREX算出

建設投資の推移:政府投資と民間投資(1992-2025)

単位: 兆円
政府投資民間投資
0.0025.050.075.0100.084.092939479.0959697989966.2000102030451.6050607080941.9101112131456.6151617181962.8202122232475.625
出典: 国土交通省 建設投資見通し (政府投資 + 民間投資、1992-2025年度)
年度1992199319941995199619971998199920002001200220032004200520062007200820092010201120122013201420152016201720182019202020212022202320242025
政府投資兆円32.3334.2133.2535.2034.5832.9633.9931.9429.9628.1925.9223.4520.8318.9717.8016.9516.7217.9317.9816.3316.0518.3718.6120.2020.9921.7821.5922.4823.8623.5123.8924.4125.0425.21
民間投資兆円51.6447.4945.5043.8248.2342.2337.4336.5736.2333.0930.9230.243232.5933.5330.7531.4325.0323.9525.7826.4029.9328.8836.4437.7539.5540.2439.8538.9041.6543.9647.0648.1750.36
合計(兆円83.9781.7078.7579.0282.8175.1971.4268.5166.1961.2856.8453.6952.8351.5651.3347.7048.1542.9641.9342.1142.4548.3047.4956.6458.7461.3361.8362.3362.7665.1667.8571.4773.2175.57
前年比-2.7%-3.6%+0.3%+4.8%-9.2%-5.0%-4.1%-3.4%-7.4%-7.2%-5.5%-1.6%-2.4%-0.4%-7.1%+0.9%-10.8%-2.4%+0.4%+0.8%+13.8%-1.7%+19.3%+3.7%+4.4%+0.8%+0.8%+0.7%+3.8%+4.1%+5.3%+2.4%+3.2%
読み解き

1992年の84.0兆円をピークに2010年の42.0兆円まで縮小(18年で約半減)しました。バブル崩壊後の不動産投資の急減、財政再建路線下での公共事業削減(1990年代後半のピークから2012年に6兆円台へ)、新設住宅着工戸数の構造的減少(人口減・世帯減)、製造業の海外移転による工場建設の縮小、が並列して効いた構図です。

2013年以降の反転拡大は、東日本大震災の復興需要、安倍政権下の財政出動と国土強靭化への政策転換、消費増税前(2014・2019年)の駆け込み建築、東京五輪関連需要、そして2020年以降の労務費・資材費の急上昇による単価押し上げが重なった結果です。2025年は75.6兆円で、政府投資は5か年加速化対策(2021-2025)で25兆円台に回復、民間投資は50.4兆円と過去30年で最高水準となっています。

建設投資の推移:建築投資と土木投資(1992-2025)

単位: 兆円
建築投資土木投資
0.0025.050.075.0100.084.092939479.0959697989966.2000102030451.6050607080941.9101112131456.7151617181962.8202122232475.625
出典: 国土交通省 建設投資見通し (建築投資 + 土木投資、1992-2025年度)
年度1992199319941995199619971998199920002001200220032004200520062007200820092010201120122013201420152016201720182019202020212022202320242025
建築投資兆円49.0845.3143.9340.9945.7739.8934.9134.6533.6230.8129.2028.6729.7029.7130.5827.7228.4422.6922.1023.7824.8928.7228.1937.0938.3140.8640.4940.1837.7640.5842.7745.8947.2349.20
土木投資兆円34.9036.3934.8238.0337.0335.3036.5233.8532.5830.4827.6425.0223.1321.8520.7419.9819.7120.2719.8318.3417.5619.5819.3019.5620.4320.4721.3422.152524.5825.0825.5825.9826.37
合計(兆円83.9881.7078.7579.0282.8075.1971.4368.5066.2061.2956.8453.6952.8351.5651.3247.7048.1542.9641.9342.1242.4548.3047.4956.6558.7461.3361.8362.3362.7665.1667.8571.4773.2175.57
前年比-2.7%-3.6%+0.3%+4.8%-9.2%-5.0%-4.1%-3.4%-7.4%-7.3%-5.5%-1.6%-2.4%-0.5%-7.1%+0.9%-10.8%-2.4%+0.5%+0.8%+13.8%-1.7%+19.3%+3.7%+4.4%+0.8%+0.8%+0.7%+3.8%+4.1%+5.3%+2.4%+3.2%
読み解き

建築投資は1990年代後半から縮小し、2010年に22.1兆円まで落ち込みました。バブル後の不動産価格下落で大型ビル開発が止まり、新設住宅着工戸数(1990年代後半の150万戸超水準 → 2010年の80万戸台)の半減、製造業の海外移転による工場建設の縮小が要因。2013年以降の急回復は、都心再開発(六本木・虎ノ門・渋谷再開発)、Eコマース拡大による物流倉庫の急増、データセンター・半導体工場の建設ブーム、ホテル・宿泊施設の新設が需要を主導した結果で、2025年は49.2兆円まで戻りました。

土木投資は政府投資(公共事業)の比重が大きく、1990年代の35兆円台から2010年代前半の20兆円付近まで縮小しました(小泉政権下の公共事業削減 + 民主党政権の「コンクリートから人へ」政策の影響)。2020年以降は国土強靭化5か年加速化対策(2021-2025、約15兆円規模)でインフラ老朽化対策・防災・減災への重点投資が増え、2025年は26.4兆円。次期計画への接続が中長期の論点です。

主要論点

なぜ建設投資はここ数年拡大しているのか?

2025年度の建設投資は75.6兆円(+3.2%)で、2010年の42.0兆円ボトムから15年で約1.8倍に拡大しました。背景には3つの要因が並列しています。

第1に 民間非住宅建設投資の急増(2025年で前年度比 +8.7%)で、データセンター・物流倉庫・半導体工場・都市再開発が需要を牽引。第2に 物価上昇・労務費上昇 による単価ベースの押し上げで、4社決算でも「物価スライドを含む追加請負金獲得」が増収要因として明示されています。第3に 公共投資の維持(5か年加速化対策2021-2025、政府投資25兆円台)が下支え。

民間住宅は +1.2% と低成長ですが、民間非住宅と建築補修(民間建築補修 +2.5%、累計13.1兆円)の伸びがマクロ拡大を主導している構図です。

政府投資25.2兆円は今後維持できるのか?

政府投資は1990年代の30兆円台から2010年の18.0兆円まで縮小し、その後5か年加速化対策(2021-2025、約15兆円規模)で25兆円台に回復しました。2025年度は対策の総仕上げ年で、次期計画への接続が中長期の論点です。

国土強靭化年次計画2025(令和7年6月策定)では、防災・減災、インフラ老朽化対策、デジタル等の重点分野が示され、次期5か年計画への移行準備が進んでいます。インフラ老朽化(建設後50年以上経過の施設割合の加速度的増加)と気候変動による災害激甚化は、政府投資の維持を正当化する構造的要因として作用します。

中長期では、政府部門25兆円台の維持が見込まれる一方、民間需要の伸びとの相対比率(2025年で政府33% / 民間67%)はさらに民間優位に動く可能性があります。

民間建築補修13.1兆円が示す構造変化とは?

民間建築補修(改装・改修)投資は2019年から建設投資見通しに新たに計上された比較的新しいカテゴリーで、2025年は13.1兆円(+2.5%)に達し、民間投資50.4兆円の26% を占めます。

この数字は、建設業全体が 新設中心からストック市場(既存建物の改修・更新)へとシフト している構造変化の数値的裏付けです。日建連ハンドブックの維持修繕統計でも、新設vs維持修繕のシェアは2001年の21% から2023年の32% まで +11pt拡大しています。

背景には、(1)高度経済成長期に集中整備された建築ストックの老朽化、(2)人口減少と都市集約による新設需要の頭打ち、(3)SDGs・脱炭素を背景としたリノベーション需要の拡大、の3要因。スーパーゼネコン各社もリニューアル工事の受注を中期戦略の柱に据えており、「新設競争」から「ストック市場での既存改修」への重心移動が業界全体の方向感です。

中期見通し

近未来1-2年

2026-2027年度は物価上昇と大型案件竣工が建設投資を支える見込み。スーパーゼネコン4社はFY2026で揃って増益基調にあり、追加請負金獲得と高採算案件の進捗が利益率改善を牽引します。政府投資は次期5か年計画(2026-2030想定)の枠組み次第で25兆円台維持が焦点。民間非住宅は半導体工場・データセンター需要が引き続き堅調と見込まれます。

中長期3-5年

2028-2030年は維持修繕(リニューアル)市場の一段の拡大が業界全体の方向感を決める時期。新設シェアの低下と引き換えに、ストック市場での技術力・採算管理が勝敗を分ける構図です。i-Construction 2.0(令和6年4月策定)連動のDX投資が建設現場の省人化を促し、人手不足下での労働生産性向上が業界共通課題となります。

関連業界への波及

建設投資75.6兆円規模は、建設機械・建設資材(鉄鋼・セメント)・電気/設備工事・不動産・運輸・PPP/PFI・インフラ運営まで広範に波及します。スーパーゼネコンの大型案件は地域経済への波及効果が大きく、土木では地域建設業者の受注確保が、建築では設備系専門工事業者(電気・空調・配管)の繁忙度を左右する構造となっています。

よくある質問

日本の建設投資の規模はどれくらいですか?
2025年度の建設投資は75兆5,700億円で、前年度比 +3.2% の見通しです。1990年代の80兆円台ピークから2010年の42兆円ボトムまで縮小し、その後2013年以降は拡大基調が続いています。
政府投資と民間投資の比率は?
2025年度は政府投資25.2兆円(33%)と民間投資50.4兆円(67%)の構成です。政府投資は5か年加速化対策(2021-2025)で25兆円台に回復、民間投資は建築需要回復と物価上昇で過去30年で最高水準となっています。
民間建築補修(改装・改修)13.1兆円とは何ですか?
民間建築補修は2019年から建設投資見通しに計上された新しいカテゴリーで、改装・改修工事の投資額を示します。2025年度は13.1兆円(+2.5%)で民間投資の26% を占め、新設中心からストック市場(既存建物の改修)へのシフトを表す代表指標として注目されています。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    国土交通省 令和7年度(2025年度)建設投資見通し
  2. 2.
    e-Stat付表1-6
  3. 3.
    国土交通省 建設工事受注動態統計調査
  4. 4.
    国土交通省 建設総合統計
📄 資料DL💬 無料相談