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STAT DETAIL · LABOR & DX

外食の人手不足と省人化|深刻化の背景と現場の対応【2026年版】

外食は慢性的な人手不足に直面しています。飲食店の中核職種である調理・接客の有効求人倍率(求職者1人あたりの求人件数)は全職業平均を大きく上回り、各社は配膳ロボットなどの省人化と、特定技能制度による外国人材の活用で対応しています。人手不足の深刻さ・省人化DX・人材確保の動きを整理します。

有効求人倍率 飲食物調理
2.56
令和7年3月(単月)。全職業計1.16倍を大きく上回る
出典: 厚生労働省「一般職業紹介状況」令和7年3月分 参考統計表
有効求人倍率 接客・給仕
2.82
令和7年3月(単月)。全職業計1.16倍の2倍以上
出典: 厚生労働省「一般職業紹介状況」令和7年3月分 参考統計表
有効求人倍率 全職業計
1.16
令和7年3月(単月、常用〔パート含む〕)。比較の基準
出典: 厚生労働省「一般職業紹介状況」令和7年3月分 参考統計表
特定技能 外食業 在留者数
44,925
令和7年12月末・速報。令和6年12月末27,864人から急増
出典: 出入国在留管理庁「特定技能在留外国人数の推移」(速報値)

特定技能(外食業)在留外国人数の推移(2024年末→2025年末、人)

速報値ベース(2024年末=令和6年12月末、2025年末=令和7年12月末)。約1年で27,864人から44,925人へ
単位:
012,50025,00037,50050,00027,8642444,92525
出典: 出入国在留管理庁「特定技能在留外国人数の推移」(令和7年12月末・速報値)
年度20242025
27,86444,925
読み解き

特定技能(外食業)の在留外国人数は、令和6年12月末の27,864人から令和7年6月末の36,281人、令和7年12月末の44,925人(速報値)へと急増しています。約1年で大きく増え、外国人材が外食の人材確保の重要な経路になりつつあります。本系列は出入国在留管理庁の推移資料の速報値で統一しています(令和7年6月末の確定値は35,771人で、速報値とわずかに異なります)。

特定技能は外食業を含む分野で外国人材を受け入れる在留資格で、外食業分野は全分野の中でも在留者数の多い分野の一つです。ただしこれは「人材確保の動き」を示すもので、人手不足そのものの深刻さは前述の有効求人倍率が示しています。

省人化とDXの取り組み

店舗オペレーションの省人化

人手不足への中心的な対応が、店舗オペレーションの省人化です。代表的なのが配膳ロボットで、ファミリーレストランや回転寿司などの大手チェーンを中心に導入が広がっています。注文ではモバイルオーダー(客のスマートフォンや卓上端末からの注文)、会計ではセルフレジ・セルフ精算が普及し、ホールの人員を抑えています。

調理・バックヤードの自動化

厨房側でも、調理の自動化・標準化やセントラルキッチンの活用で、店舗での調理人員と熟練依存を減らす動きがあります。これらの省人化投資は、最低賃金の連続引き上げによる人件費上昇への対応でもあります(人件費・最低賃金の詳細はコスト構造のページで扱います)。なお、省人化が人件費を実際にどれだけ削減したかを示す横断的な定量データは公表が限られ、本ページでは定性的な動向として整理しています。

外国人材の受け入れと定着

省人化と並ぶもう一つの柱が外国人材の受け入れです。特定技能(外食業)の在留者数は急増しており、人材確保の経路として定着しつつあります。受け入れにあたっては、教育・生活支援や定着のための処遇改善が課題となります。賃上げや働きやすさの改善は、国内人材の確保とあわせて各社の共通テーマです。

主要論点

なぜ外食は人手不足が深刻なのか?

外食の人手不足は、求人の需給に明確に表れています。令和7年3月(単月、常用〔パート含む〕)の有効求人倍率は、飲食物調理従事者が2.56倍、接客・給仕職業従事者が2.82倍で、全職業平均の1.16倍の2倍以上です。求人を出しても人が集まりにくい状況が続いています。

背景には、外食が労働集約型で、調理・接客に多くの人手を要することがあります。加えて、パート・アルバイトなど最低賃金の近傍で働く労働者への依存度が高く、最低賃金の連続引き上げが人件費を押し上げています(コストの詳細はコスト構造のページで扱います)。

さらに、深夜・休日を含むシフトや繁閑の差の大きさも、人材確保を難しくする要因です。こうした構造的な要因から、外食は他産業より人手不足が深刻になりやすく、省人化と外国人材の活用が急務となっています。

省人化はどこまで進むのか?

配膳ロボット・モバイルオーダー・セルフレジ・調理自動化といった省人化は、大手チェーンを中心に着実に広がっています。注文から配膳、会計までの各工程で機械化が進み、限られた人員での店舗運営を可能にしています。

ただし、省人化の効果や進度を横断的に示す定量データ(人件費の削減率など)は公表が限られるため、ここでは定性的な動向として扱います。一般に、設備投資の余力がある大手チェーンほど省人化を進めやすく、小規模店との間で対応の差が出やすい構図です。

中長期では、人口減少で人手不足が構造的に続く前提のもと、省人化はコスト対応にとどまらず、店舗運営のあり方そのものを変えていく見通しです。一方で、接客の質や体験価値をどう保つかが、機械化と両立すべき課題となります。

外国人材(特定技能)はどんな役割を担うのか?

特定技能(外食業)の在留者数は、令和6年12月末の27,864人から令和7年12月末の44,925人(速報値)へと急増し、人材確保の重要な経路になりつつあります。外食業分野は、特定技能の全分野の中でも在留者数の多い分野の一つです。

特定技能は、一定の技能と日本語能力を持つ外国人材を受け入れる在留資格で、調理や接客など外食の現場を支える戦力となっています。国内人材の確保が難しいなかで、外国人材は省人化と並ぶ人手不足対策の柱です。

課題は受け入れ後の定着です。教育・生活支援、処遇改善、キャリアパスの整備などが、外国人材に長く働いてもらうために重要になります。省人化と外国人材活用の両輪をどう回すかが、外食の人手不足対応の中心テーマです。

中期見通し

近未来1-2年

2026-2027年は、有効求人倍率が高止まりするなか、省人化投資と外国人材の受け入れがさらに進むとみられます。配膳ロボットやセルフレジの導入が一段と広がり、特定技能の外食業在留者数も増加が続く見通しです。人材を確保できるかが、出店や営業時間の維持を左右します。

中期3-5年

中期では、省人化が店舗運営の標準になっていく見通しです。設備投資の余力がある大手と小規模店の間で、人手不足への対応力の差が広がる可能性があります。外国人材については、受け入れ拡大とともに定着・処遇の整備が一段と重要になります。

長期

長期では、人口減少と生産年齢人口の縮小により、人手不足は構造的に続きます。省人化・外国人材・処遇改善を組み合わせて人材を確保できる企業と、対応が難しい企業との間で、店舗の新陳代謝が進むと考えられます。人手をどう確保するかが、外食の持続性を決める根本的な課題であり続けます。

よくある質問

外食はどのくらい人手が足りていないのですか?
求人の需給で見ると深刻です。飲食店の中核職種では、令和7年3月(単月、常用〔パート含む〕)の有効求人倍率が飲食物調理従事者で2.56倍、接客・給仕職業従事者で2.82倍です。全職業平均の1.16倍に対し2倍以上で、求人が求職を大きく上回る人手不足の状況です(厚生労働省「一般職業紹介状況」)。
有効求人倍率とは何ですか?
有効求人倍率は、求職者1人あたり何件の求人があるかを示す指標で、有効求人数を有効求職者数で割って求めます。1倍を超えると求人が求職を上回り、数値が高いほど人手不足(採用が難しい)状況を意味します。外食の調理・接客職種は全職業平均を大きく上回っています。
外食の省人化にはどんな取り組みがありますか?
配膳ロボット、モバイルオーダー(客の端末からの注文)、セルフレジ・セルフ精算、調理の自動化などがあります。ファミリーレストランや回転寿司などの大手チェーンを中心に導入が広がり、限られた人員での店舗運営を可能にしています。最低賃金の連続引き上げによる人件費上昇への対応でもあります。
特定技能の外食業の在留者数はどのくらいですか?
出入国在留管理庁の推移資料(速報値)によると、特定技能の外食業分野の在留外国人数は、令和6年12月末の27,864人から令和7年12月末の44,925人へと急増しています。外食業は特定技能の全分野の中でも在留者数の多い分野の一つで、人材確保の重要な経路になりつつあります。
特定技能とは何ですか?
特定技能は、一定の技能と日本語能力を持つ外国人材を受け入れる在留資格で、外食業を含む複数の分野が対象です。調理や接客など外食の現場を支える戦力となっており、国内人材の確保が難しいなかで、省人化と並ぶ人手不足対策の柱になっています。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    厚生労働省「一般職業紹介状況(職業安定業務統計)」令和7年3月分 参考統計表
  2. 2.
    出入国在留管理庁「特定技能在留外国人数の推移」(令和7年12月末・速報値)
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