最終更新
COMPETITION DETAIL · KEY STATIONS

在京キー局5社の業績比較|連結売上・営業利益・ROE・自己資本比率【2026年版】

在京キー局5社はEDINET開示で連結財務が比較可能で、FY2025 (2026年3月期) の連結売上は規模順にフジ・メディアホールディングス5,508億円、日本テレビホールディングス4,619億円、TBSホールディングス4,067億円、テレビ朝日ホールディングス3,241億円、テレビ東京ホールディングス1,558億円となっています。各社とも放送以外の不動産・観光・ライフスタイル等のセグメントを収益源に組み込んでおり、収益基盤を分散させてきました。フジ・メディアホールディングスは2024-2025年に表面化したガバナンス問題を受けて経営体制刷新が進行中で、FY2025の連結純損益は201億円のマイナス、ROEはマイナス2.4%となり、在京5社内では唯一のマイナス決算となりました。

在京キー局5社の事業構造と業績

各社のFY2025連結数値と事業セグメント構成、ガバナンス論点を5社H3で詳細展開

5社は規模順に並べると約3.5倍の差がありますが、各社とも放送以外の不動産・観光・ライフスタイル・音楽出版・都市開発等のセグメントを収益源に組み込んできました。放送収益のみへの依存を減らす方向で事業ポートフォリオを調整してきた構造が共通します。各社の有価証券報告書でセグメント区分の取り方が異なるため、放送外比重の数値比較は単純化が困難です。

フジ・メディアホールディングス (4676) — 規模1位、FY2025は唯一のマイナス決算

フジHDはFY2025の連結売上が550,761百万円 (約5,508億円) で在京5社最大規模、FNNネットワーク中核として産経新聞社の連結補強もあります。事業セグメントは「メディア・コンテンツ + 都市開発・観光」で、フジテレビ本業に加え不動産・観光ビジネスを展開しています。

FY2025の連結純損益は△20,134百万円 (約△201億円) で、ROEはマイナス2.4%、在京5社内で唯一のマイナス決算となりました。FY2024の純損益+37,082百万円 (約+371億円)・ROE+4.4%から大幅に悪化しており、2024-2025年に表面化したガバナンス問題と関連の特別損失が業績に明確に影響しています。第三者委員会報告書の公表と経営体制刷新が進行中で、株主との対話・内部統制の見直しが中期論点です。

自己資本比率は56.8%で在京5社内で最も低い水準です。FY2019の56.5%からFY2023の60.6%まで上昇した後、FY2025は56.8%へ低下しました。連結基盤の財務健全性指標は他4社 (70-80%台) より相対的に低い局面です。

日本テレビホールディングス (9404) — 規模2位、安定的な業績

日テレHDはFY2025の連結売上が461,915百万円 (約4,619億円) で在京5社規模2位、NNNネットワーク中核です。事業セグメントは「メディア・コンテンツ + 不動産関連 + 生活・健康関連」で、放送本業に加え丸の内不動産事業や生活・健康関連事業を展開しています。Hulu Japanの完全子会社化、TVerの主要株主など配信戦略も進めています。

FY2025の連結純損益は+46,000百万円 (約+460億円)、ROE 4.9%、自己資本比率77.9%です。FY2022の純損益+47,431百万円・ROE 5.7%が直近のピークで、FY2023-FY2024に低下した後、FY2025は再び回復しました。営業利益は54,917百万円 (約549億円) で在京5社内で大きい水準です。

中期戦略として政策保有株縮減、KANAMELの完全子会社化、戦略的投資の継続が決算説明資料で明示されています。FY2025は増配と自己株式取得も実施し、株主還元と成長投資の両立を目指す局面です。

TBSホールディングス (9401) — 規模3位、放送 + ライフスタイル + 不動産

TBS HDはFY2025の連結売上が406,700百万円 (約4,067億円) で在京5社規模3位、JNNネットワーク中核です。事業セグメントは「放送 + ライフスタイル + 不動産・他」で、TBSテレビとTBSラジオに加え、ライフスタイル関連事業と不動産事業を展開しています。

FY2025の連結純損益は+43,914百万円 (約+439億円)、ROE 4.2%、自己資本比率72.2%です。営業利益は19,465百万円 (約195億円) と純利益を下回る構造で、特別利益・損失や投資有価証券評価益等が純利益に影響しています。FY2022の純損益+32,008百万円から増加傾向です。

直近では再開発不動産事業のサイクルが業績に影響する局面で、放送本業と不動産事業のバランスが中期テーマです。

テレビ朝日ホールディングス (9409) — 規模4位、ROE改善傾向

テレ朝HDはFY2025の連結売上が324,056百万円 (約3,241億円) で在京5社規模4位、ANNネットワーク中核です。事業セグメントは「放送・コンテンツ + 音楽出版 + ショッピング」で、テレビ朝日本業に加えEMIレコードやテレ朝ショッピングなどを展開しています。

FY2025の連結純損益は+25,816百万円 (約+258億円)、ROE 5.95%、自己資本比率79.6%です。FY2024のROE 4.21%からFY2025の5.95%へ大きく改善しました (1.74 pt改善)。自己資本比率は在京5社内で最高水準で、財務健全性は高い局面です。

営業利益も19,704百万円 (約197億円) で、FY2024の12,337百万円から大きく回復しました。改善要因はIR資料で開示されますが、複数年の継続性で評価するのが妥当です。

テレビ東京ホールディングス (9413) — 規模5位 (最小)、ROE在京5社最高水準

テレ東HDはFY2025の連結売上が155,837百万円 (約1,558億円) で在京5社最小規模、TXNネットワーク中核です。事業セグメントは「地上波放送 + 不動産関連」で、アニメと経済番組に強みを持つ局として知られます。

FY2025の連結純損益は+6,034百万円 (約+60億円)、ROE 6.0%、自己資本比率68.8%です。ROE 6.0%は在京5社内で最高水準で、小規模ながら高効率の業績を維持しています。FY2022以降のROEは6.9%・7.4%・7.0%・6.0%で安定的に推移しています。

営業利益は7,789百万円 (約78億円) で、FY2024の8,836百万円からやや低下しました。連結売上の規模は他4社より小さい一方、収益性指標は安定的で、規模と効率のバランス型と評価できます。

在京キー局5社の主要財務指標一覧 (FY2025連結)

連結売上規模順、主要セグメント情報は§2 segment-breakdownで詳細展開、出典は下記source欄を参照
フジ・メディアHD (4676)
FNN中核 + 産経新聞連結補強
連結売上 (億円)
5,508
営業利益 (億円)
183
純利益 (億円)
-201
ROE (%)
-2.40
自己資本比率 (%)
56.8
日本テレビHD (9404)
NNN中核 + Hulu Japan + TVer株主
連結売上 (億円)
4,619
営業利益 (億円)
549
純利益 (億円)
460
ROE (%)
4.90
自己資本比率 (%)
77.9
TBS HD (9401)
JNN中核 + TBSラジオ
連結売上 (億円)
4,067
営業利益 (億円)
195
純利益 (億円)
439
ROE (%)
4.20
自己資本比率 (%)
72.2
テレビ朝日HD (9409)
ANN中核 + EMIレコード
連結売上 (億円)
3,241
営業利益 (億円)
197
純利益 (億円)
258
ROE (%)
5.95
自己資本比率 (%)
79.6
テレビ東京HD (9413)
TXN中核 + アニメ・経済番組
連結売上 (億円)
1,558
営業利益 (億円)
78
純利益 (億円)
60
ROE (%)
6.00
自己資本比率 (%)
68.8
読み解き

FY2025の連結純損益順位はNo.1日本テレビHD 460億円、No.2 TBS HD 439億円、No.3テレ朝HD 258億円、No.4テレ東HD 60億円、No.5フジHDマイナス201億円です。連結売上規模 (フジHD 5,508億・日テレHD 4,619億・TBS HD 4,067億・テレ朝HD 3,241億・テレ東HD 1,558億円) と純利益順位は一致しません。

ROE順位はテレ東HD 6.0%、テレ朝HD 5.95%、日テレHD 4.9%、TBS HD 4.2%、フジHDマイナス2.4%で、規模と効率のバランスは各社で異なります。テレ東HDが最小規模ながらROE最高水準、フジHDが最大規模ながらマイナス決算となる対称的な構造が観察されます。

在京キー局5社の連結売上推移 (FY2019-2025、億円、5社stacked)

7年連結売上trend (出典は下記source欄を参照)。コロナ局面のFY2021に各社一段下落、その後回復
単位: 億円
フジ・メディアHD (4676)日本テレビHD (9404)TBS HD (9401)テレビ朝日HD (9409)テレビ東京HD (9413)
05,00010,00015,00020,00019,1141918,5372016,4062117,3622217,7332318,4072418,99325
出典: EDINET経由のDB ingest (各社有価証券報告書FY2019-FY2025、TELEVISION_LISTED_FINANCIALS_YEARLY)
年度2019202020212022202320242025
フジ・メディアHD (4676)億円6,6926,3155,1995,2515,3565,6645,508
日本テレビHD (9404)億円4,2494,2663,9134,0644,1404,2354,619
TBS HD (9401)億円3,6643,5683,2573,5833,6813,9434,067
テレビ朝日HD (9409)億円3,0172,9362,6462,9833,0463,0793,241
テレビ東京HD (9413)億円1,4921,4521,3911,4811,5101,4861,558
合計(億円19,11418,53716,40617,36217,73318,40718,993
読み解き

5社の連結売上の規模順 (フジHD→日テレHD→TBS HD→テレ朝HD→テレ東HD) はFY2019からFY2025まで安定しており、順位の入れ替わりは観察されません。コロナ局面のFY2021は各社とも一段下落 (フジHD 5,199億・日テレHD 3,913億・TBS HD 3,257億・テレ朝HD 2,646億・テレ東HD 1,391億円) し、5社合計でFY2019比較で約10-13%の減収となりました。

FY2022以降は回復傾向で、FY2025までに各社ともFY2019水準に到達し、フジHD・日テレHD・TBS HD・テレ朝HD・テレ東HDの順で売上が回復しました。フジHDのFY2025売上はFY2019の669,230百万円から減少して551,761百万円ですが、これは販売関連の事業再編による減収影響です。

業界の3大論点

フジHDのガバナンス問題は他4社にどう影響するか?

フジ・メディアホールディングスはFY2025の連結純損益が前年度+371億円からマイナス201億円へ転落し、ROEもプラス4.4%からマイナス2.4%へ低下しました (差分572億円悪化、ROE 6.8 pt悪化)。第三者委員会報告書の公表と経営体制刷新が進行中で、株主との対話・内部統制の見直しが中期論点です。

他4社 (日テレHD・TBS HD・テレ朝HD・テレ東HD) はFY2025とも安定的な収益性を維持しており、フジHDのガバナンス問題による直接的な業績波及は観察される範囲では限定的です。ただし、業界全体のガバナンス意識の変化、株主との対話姿勢の見直し、認定放送持株会社制度の運用議論など、中期的な間接影響は規制動向と業界共通の論点として観察する必要があります。

フジHDのガバナンス問題が他4社の業績や経営体制に直接波及するかは現時点で観察される範囲では限定的、中期影響は規制動向と業界全体のガバナンス意識変化を含めた長期の論点です。

放送外事業の比重増は構造的か景気循環か?

各社のセグメント構成は、日テレHD「メディア・コンテンツ + 不動産関連 + 生活・健康関連」、TBS HD「放送 + ライフスタイル + 不動産・他」、フジHD「メディア・コンテンツ + 都市開発・観光」、テレ朝HD「放送・コンテンツ + 音楽出版 + ショッピング」、テレ東HD「地上波放送 + 不動産関連」と各社で異なります。放送外事業の比重増の方向で各社が事業ポートフォリオを調整してきた構造が観察されます。

テレビ広告費の長期縮小 (地上波テレビシェア2009年29.0%→2025年20.3%) を背景に、放送外事業 (不動産・観光・ライフスタイル・音楽出版等) の収益貢献度を増やす方向は構造的なものです。一方、各社の有価証券報告書でセグメント区分の取り方が異なるため、放送外比重の数値比較は単純化が困難です。

放送外事業の収益貢献度はIR開示のセグメント区分次第で見え方が変わるため、各社の有価証券報告書の連結セグメント情報を確認しながら比較する必要があります。中長期では業界全体の事業ポートフォリオ再構成が進む方向で、構造変化として捉えるのが妥当です。

各社の規模差 (3.5倍) は固定的か可変か?

FY2025の連結売上規模差はフジHD 5,508億円vsテレ東HD 1,558億円で約3.5倍です。FY2019-2025の7年間で各社の順位は (規模順) 安定で、フジHD→日テレHD→TBS HD→テレ朝HD→テレ東HDの順で入れ替わりは観察されません。個別年度では規模差の幅は変動しますが、順位そのものは固定的です。

短期的には在京キー局5社の規模差は固定的ですが、中長期では変動の可能性があります。フジHDのガバナンス問題のような個別要因や、各社のM&A・事業再編 (例: KANAMEL完全子会社化、ライフスタイル事業のサイクル) で規模差が変動する局面はあります。また、認定放送持株会社制度や系列ネットワーク再編の政策議論も中長期の規模差変動要因として観察すべきです。

在京キー局5社の規模差は短期的には固定的ですが、フジHDのガバナンス問題のような個別要因や、各社のM&Aや事業再編で中長期では変動の可能性があります。在京5社の固定的構造は事実として観察できますが、「業界全体の寡占」というframingは地方民放・衛星有料・新興OTTを含めると不適切で、放送業界の流動性は領域別に異なります。

中期見通し

短期 (1-2年)

フジHDの経営体制刷新の進捗と業績回復が焦点。FY2026にマイナス決算から黒字転換できるかが第三者委員会報告書後の中期評価点です。他4社は安定的な収益性を維持する見通しで、放送外事業 (不動産・観光・ライフスタイル) のサイクルが業績変動要因となります。

中期 (3-5年)

テレビ広告費の長期縮小局面 (地上波シェア2009年29.0%→2025年20.3%) で、各社の放送外事業の比重がさらに増加する見通しです。配信事業 (TVer + 各局見逃し配信) の収益化、不動産関連事業のサイクル、生成AI活用による制作効率化が中期テーマです。系列ネットワークの再編議論も中期で進む可能性があります。

長期 (5-10年)

在京キー局5社のビジネスモデルが「放送 + 配信 + 不動産 + ライセンス + 観光」の多角化方向で進化する見通しです。各社の規模差は中長期で変動する可能性があり、認定放送持株会社制度や系列ネットワーク再編の政策議論も長期的な構造変動要因となります。テレビ業界の構造再編は長期論点として観察が継続必要です。

よくある質問

在京キー局5社の連結売上はどれくらいですか?
FY2025 (2026年3月期) の連結売上はフジ・メディアホールディングス5,508億円、日本テレビホールディングス4,619億円、TBSホールディングス4,067億円、テレビ朝日ホールディングス3,241億円、テレビ東京ホールディングス1,558億円です。フジHDがトップ、テレ東HDが最小規模で約3.5倍の差があります。
フジ・メディアホールディングスはなぜマイナス決算なのですか?
2024-2025年に表面化したガバナンス問題を受けて経営体制刷新が進行中で、FY2025の連結純損益は201億円のマイナス、ROEはマイナス2.4%となりました。在京5社内で唯一のマイナス決算です。第三者委員会報告書の公表+経営体制刷新で株主との対話+内部統制の見直しが中期論点となっています。
どの会社が一番収益性が高いですか?
FY2025のROEではテレビ東京ホールディングスが6.0%、テレビ朝日ホールディングスが5.95%で在京5社の上位です。テレ東HDは連結売上1,558億円の最小規模ながら、地上波放送+不動産関連で安定収益。テレ朝HDはFY2024の4.21%からFY2025の5.95%へROEが大きく改善しました。
各社の放送外事業の比重はどう違いますか?
各社のセグメント構成は、日テレHD「メディア・コンテンツ + 不動産関連 + 生活・健康関連」、TBS HD「放送 + ライフスタイル + 不動産・他」、フジHD「メディア・コンテンツ + 都市開発・観光」、テレ朝HD「放送・コンテンツ + 音楽出版 + ショッピング」、テレ東HD「地上波放送 + 不動産関連」で、放送外事業の中身が異なります。
在京5社の系列ネットワークは何ですか?
NNN (日本テレビ系) / JNN (TBS系) / FNN (フジ系) / ANN (テレビ朝日系) / TXN (テレビ東京系) の5系列で、各系列に地方局が加盟する組織原理です。在京キー局を起点にニュース+番組が地方局へ供給される構造で、民放連加盟194社中の多くが5系列のいずれかに所属しています。
コロナ局面で在京5社の業績はどう動きましたか?
FY2021 (2021年4月-2022年3月) は各社とも一段下落しました。フジHD 5,199億円 → 日テレHD 3,913億円 → TBS HD 3,257億円 → テレ朝HD 2,646億円 → テレ東HD 1,391億円で、FY2019比較で各社10-13%の減収となりました。FY2022以降は回復傾向で、FY2025までに各社ともFY2019水準に到達しました。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    在京キー局5社 (9404日テレHD / 9401 TBS HD / 4676フジHD / 9409テレ朝HD / 9413テレ東HD) FY2019-FY2025連結財務 (有価証券報告書経由DB ingest)
  2. 2.
    FY2025決算短信+決算説明資料 (KANAMEL完全子会社化 + 政策保有株縮減 + 配当予想)、インパクトレポート2025
  3. 3.
    統合報告書2025 + 中期経営計画updated (放送 + ライフスタイル + 不動産・他)
  4. 4.
    統合報告書2025 (★ 第三者委員会報告 + 経営体制刷新)、産経新聞社連結補強
  5. 5.
    統合報告書2025 (放送・コンテンツ + 音楽出版 + ショッピング)
  6. 6.
    統合報告書2025 + 決算短信 + TDNet開示 (地上波放送 + 不動産関連、アニメ・経済番組強み)
データ出典
EDINET (金融庁)日本テレビホールディングスIRTBSホールディングスIRフジ・メディアホールディングスIRテレビ朝日ホールディングスIR
📄 資料DL💬 無料相談