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広告業界の上場主要3社の事業構造|電通グループ・博報堂DY・サイバーエージェント【2026年版】

日本の広告業界には、業界1-2位の総合代理店2社 — 電通グループ (4324) と博報堂DYホールディングス (2433) — を中心に、デジタル代表のサイバーエージェント (4751)、電通連結子会社のセプテーニ・ホールディングス (4293)、アドテク代表のフリークアウト・ホールディングス (6094) の上場5社が存在します。本ページでは業界の5タイプの担い手のうち、業界1-2位の総合代理店2社とデジタル特化代表1社の 主要3社 (電通・博報堂DY・サイバー) の規模感と事業構造を、各社決算期が異なる点に留意しながら整理します (4293/6094は本ページでは言及のみ)。

電通G売上総利益
1.20兆円
FY2024連結、代理店業の付加価値指標、FY2017の87.76兆円から8年で+37%
出典: 電通グループ 統合レポート2025 (financial data、IFRS連結)
電通G親会社帰属当期利益
-19.22兆円
FY2024、海外事業ののれん減損を中心とする構造改革で-1,921億円の一時損失を計上
出典: 電通グループ 統合レポート2025 (financial data、IFRS連結)
博報堂DY売上高
1.58兆円
FY2025/3連結、営業利益+18.9% YoYで前年比増益、3月期決算
出典: 博報堂DY HD 2026年3月期 通期 連結決算概要
サイバー 売上高
87.40兆円
FY2025/9連結、5年で+31%、メディア・ゲーム事業含む全社売上
出典: サイバーエージェント5年間業績ハイライト

上場主要3社+補助2社の事業構造と役割分担

広告業界の事業者構造の中での各社の位置、決算期と集計対象差に留意

業界1-2位の総合代理店2社 (電通・博報堂DY) は媒体料・制作費の取扱を主軸にグローバル展開、デジタル特化のサイバーエージェントはインターネット広告とメディア・ゲーム事業を融合した4セグメント構造で異なる成長軌道を歩んでいます。電通グループは構造改革局面、博報堂DY HDは緩やかな増益、サイバーは投資育成を含む高成長と、3社の事業構造は補完的です。

電通グループ
代表ticker
4324 (東証プライム)
事業領域
グローバル代理店業、CT&T新領域、海外3地域 (Americas/EMEA/APAC)
直近売上高
6.35兆円 (FY2024)
決算期
12月期 (1-12月)
博報堂DYホールディングス
代表ticker
2433 (東証プライム)
事業領域
博報堂・大広・読売広告社等を傘下、国内主軸+海外子会社
直近売上高
1.58兆円 (FY2025/3)
決算期
3月期 (4-3月)
サイバーエージェント
代表ticker
4751 (東証プライム)
事業領域
インターネット広告・メディア (ABEMA)・ゲーム・投資育成の4セグメント
直近売上高
87.40兆円 (FY2025/9)
決算期
9月期 (10-9月)
セプテーニ・ホールディングス
代表ticker
4293 (東証プライム)
事業領域
電通連結子会社、マーケコム・ダイレクトビジネス・データソリューション
直近売上高
本L2では深掘り対象外
決算期
12月期
フリークアウト・ホールディングス
代表ticker
6094 (東証グロース)
事業領域
アドテク代表、DSP・動画広告・海外展開 (RED)
直近売上高
本L2では深掘り対象外
決算期
9月期

電通グループ (4324) — グローバル代理店業の業界1位

電通グループはFY2024連結売上高6.35兆円 (取扱高に近い粗額認識)、IFRS適用後の収益認識は1.41兆円 (純額認識)、代理店業の付加価値を示す売上総利益は1.20兆円となり、グローバル代理店業としての規模感が複数の見方で確認できます。FY2017の売上高5.19兆円から8年で約22%拡大、海外事業 (Americas/EMEA/APAC) の本格化が成長ドライバーでした。

一方、FY2024は海外事業ののれん減損を中心とする構造改革で、親会社株主帰属当期利益が-1,921億円と一時的に大幅な損失を計上しました。これは事業モデルの転換期を示すもので、CT&T (Customer Transformation & Technology、データ・テクノロジー・コマース統合の新領域) の構成比拡大が中期戦略の柱となっています。

博報堂DYホールディングス (2433) — 業界2位の総合代理店

博報堂DY HDはFY2025/3 (2025年4月-2026年3月) 連結売上高1.58兆円、売上総利益40.60兆円、営業利益447億円 (前年比+18.9%) を計上しました。傘下に博報堂・大広・読売広告社等の主要広告会社を持ち、国内事業を主軸としつつ海外子会社も連結しています。

本ページでは博報堂DY HDはFY2025/3単年のみ取得済で、過年度時系列はページ拡張で追加予定です。最新の規模感の参照として活用してください。

サイバーエージェント (4751) — デジタル代表の急成長

サイバーエージェントはFY2025/9連結売上高87.40兆円、営業利益717億円。FY2021の66.61兆円から5年で約31%拡大と、3社の中で最も急成長しています。インターネット広告事業を中核に、メディア事業 (ABEMA)、ゲーム事業、投資育成事業の4セグメント構造で、広告事業単体の規模ではなく全社売上を計上している点に留意が必要です。

生成AIクリエイティブ、Retail Media、コネクテッドTV動画広告などの新領域で先行投資を進めており、デジタル特化の成長モデルが業界1-2位とは異なる軌道を示しています。

セプテーニ・ホールディングス (4293) — 電通連結の補助プレイヤー

セプテーニ・ホールディングスは電通連結子会社で、マーケティングコミュニケーション (運用型広告)・ダイレクトビジネス・データソリューションの3セグメントを展開しています。本ページでは言及のみとし、深掘りはページ拡張で対応します。

フリークアウト・ホールディングス (6094) — アドテク代表の補助プレイヤー

フリークアウト・ホールディングスは国内最大級のDSP (Demand-Side Platform、広告主側広告配信プラットフォーム)・動画広告事業者で、海外子会社RED (台湾発のSNS) を傘下に持つアドテク代表です。本ページでは言及のみとし、深掘りはページ拡張で対応します。

上場主要3社の売上高年次推移 (億円)

電通8年 + サイバー5年 + 博報堂DY最新1年、決算期は各社異なる
電通グループ (4324、12月期)
FY2020 → FY2024、構造改革局面を含む
直近-4年
44,982
直近-3年
52,565
直近-2年
58,195
直近-1年
59,534
直近
63,524
サイバーエージェント (4751、9月期)
FY2021 → FY2025、5年連続成長
直近-4年
6,661
直近-3年
7,099
直近-2年
7,195
直近-1年
8,012
直近
8,740
博報堂DY HD (2433、3月期)
FY2025/3単年、過年度はL2拡張で追加予定
直近-4年
直近-3年
直近-2年
直近-1年
直近
15,805
読み解き

3社の売上高の年次推移は、規模の桁が異なる + 決算期が異なる + 集計対象が異なる の3点でそのまま比較ができません。電通グループはグローバル代理店業として海外を含む集計で5兆円台、サイバーエージェントは4セグメントの全社売上で1兆円規模に成長中、博報堂DYは国内主軸の総合代理店で1.58兆円。 博報堂DY HDの過年度時系列が「—」表記の理由: 博報堂DY HDは本ページでは最新FY2025/3単年のみ取得済で、過年度時系列は次回のページ拡張でintegrated report別版から追加取得予定です。電通8年・サイバー5年と比較する場合は、博報堂DY HDの過年度実績は同社IR (https://www.hakuhodody-holdings.co.jp/ir/) で別途参照してください。 比較を意味あるものにするためには、(a) 売上総利益の比較 (代理店業の付加価値ベース)、(b) セグメント別売上の比較 (広告事業単体ベース)、(c) 同一決算期の同期比較、のいずれかの軸を選ぶ必要があります。本ページでは絶対額を併記する形でとどめ、深掘りは個社IR・有報をご参照ください。

電通グループ8年の売上高・売上総利益・親会社帰属当期利益の推移 (FY2017-FY2024、億円)

構造改革局面 (FY2024) を含む業界1位の事業モデル転換
単位: 億円
020,00040,00060,00080,00051,8731753,5731851,4681944,9822052,5652158,1952259,5342363,52424
出典: 電通グループ 統合レポート2025 (financial data、IFRS連結、8年時系列)
年度20172018201920202021202220232024
値(億円51,87353,57351,46844,98252,56558,19559,53463,524
前年比
読み解き

電通グループのFY2017-FY2024の8年で、売上高は51,873億円から63,524億円へ約22%拡大、売上総利益も8,776億円から12,016億円へ約37%拡大しました。一方、親会社株主帰属当期利益はFY2017の1,055億円から、コロナ局面のFY2019 (-809億円) ・FY2020 (-1,596億円) 、構造改革局面のFY2023 (-107億円) ・FY2024 (-1,921億円) と複数年でマイナスを記録しています。 FY2024の-1,921億円損失は海外事業ののれん減損を中心とする構造改革によるもので、グローバル代理店業の規模感を維持しつつ収益構造の改善を進める経営判断の結果です。CT&T (Customer Transformation & Technology) 領域の構成比拡大が中期戦略の柱となっています。

このグラフに関連するトピック

主要論点

電通グループの構造改革は何を意味するのか?

電通グループはFY2024で親会社株主帰属当期利益-1,921億円と一時的に大幅な損失を計上、海外事業ののれん減損を中心とする構造改革に踏み込みました。これは業界全体の事業モデル転換の象徴か、グローバル展開戦略の見直しか、その両方かが論点です。

8年時系列を見ると、IFRS適用後の収益認識はFY2017の9288億円からFY2024の14110億円へ拡大、売上総利益も8,776億円から12,016億円と成長を続けてきました。一方で、海外事業の構造改革で2024年に大幅損失を計上、CT&T構成比は28.3% (2024) と新領域シフトが進んでいます。

業界戦略への示唆: 海外事業の整理 (Americas/EMEA/APAC 3地域の効率化)、CT&T新領域への重点シフト (データ・テクノロジー・コマース統合)、業界1位の難しさのhonest開示の3点が業界全体へのメッセージです。

サイバーエージェントの5年で+31%成長は持続するのか?

サイバーエージェントはFY2021の66.61兆円からFY2025/9の87.40兆円へ5年で約31%拡大しました。インターネット広告・メディア (ABEMA)・ゲーム・投資育成の4セグメント全社売上で、デジタル代表として業界1-2位とは異なる成長軌道を歩んでいます。

持続性の論点は3つあります。第1に、メディア事業 (ABEMA) の収益化局面 — コンテンツ投資と広告収入のバランス、有料会員数の推移が課題。第2に、ゲーム事業の継続的ヒット創出力 — 単独タイトルへの依存度と新規IPの開発力。第3に、インターネット広告事業の運用型シフト — 生成AIクリエイティブとCookieレス対応で先行優位を維持できるか。

業界戦略への示唆: 4セグメントの相互補完が成長の核ですが、各セグメント単体の収益性と次の成長機会 (Retail Media・コネクテッドTV等の新領域) で投資判断の優劣が出る局面です。

電通連結6.35兆円vs日本広告費7.67兆円の見比べ方は?

電通グループFY2024連結売上高6.35兆円と、電通推定の日本の広告費7.67兆円 (2024年) は集計対象が異なるため、そのまま比較すると実態を見誤ります

2つの集計の違いは明確です。日本の広告費7.67兆円は業界全体の媒体料+制作費 (=広告主が広告活動に投じた総額) で、電通推定方式の業界標準データ。一方、電通グループ連結売上高6.35兆円は電通グループの取扱高に近い粗額認識で、海外事業 (Americas/EMEA/APAC) を含むglobal集計です。両者の比率を計算しても「日本市場での電通シェア」にはなりません。

業界戦略への示唆: 比較を意味あるものにするには、(a) 電通グループの日本事業セグメント売上を抽出 (= 国内主体の集計)、(b) 売上総利益で代理店業の付加価値ベース比較 (電通FY2024売上総利益1.20兆円)、(c) 同一決算期の同期比較 のいずれかの軸を選ぶ必要があります。提案資料引用時は集計対象差を明示するhonest hedgeを必ず添えてください。

上場主要3社の中期見通し

短期2026-2027年

本見通しは各社IRや公表数値ではなく、業界動向を踏まえた CREX編集部の見立て です。電通グループは構造改革の効果が利益面に表れ始め、CT&T構成比拡大で収益構造の改善が進む見通しです。博報堂DY HDは緩やかな増益基調を維持、サイバーエージェントは1兆円超に到達する可能性があり、5年成長率は鈍化しつつもデジタル特化の優位性は継続見込みです。

中期2028-2030年

業界1-2位の総合代理店2社は、Cookieレス・個情法強化・生成AIクリエイティブ・Retail Mediaの4軸対応で再編が進む局面です。電通グループはCT&T主軸でグローバル展開を再加速、博報堂DY HDは博報堂・大広・読売広告社の連結深化と海外子会社の収益化を進めるシナリオが想定されます。サイバーエージェントは4セグメント間の収益配分が中期収益の安定性を左右します。

長期テーマ

「広告代理店」の定義が再定義されつつあります。広告計画立案・媒体購入・効果測定・クリエイティブ統合の従来機能から、ファーストパーティデータ統合・生成AI活用・Retail Mediaオーケストレーション・第三者検証の新機能へ役割が広がっています。3社それぞれが異なる事業モデルで対応する中で、業界1-2位の規模感が必ずしも勝者を意味しない構造になりつつあります。

よくある質問

広告業界の上場主要3社の規模感はどれくらい違いますか?
業界1位の電通グループ (4324) はFY2024連結売上高6.35兆円 (グローバル代理店業、海外含むglobal集計)、業界2位の博報堂DY HD (2433) はFY2025/3売上高1.58兆円 (国内主軸+海外子会社)、デジタル代表のサイバーエージェント (4751) はFY2025/9売上高87.40兆円 (4セグメント全社売上) と、規模の桁・決算期・集計対象が全て異なります。
電通グループの2024年純損失-1,921億円の中身は何ですか?
海外事業ののれん減損 (買収先企業の評価減) を中心とする構造改革によるものです。事業モデルの転換期にあり、Americas・EMEA・APACの3地域のオーガニック成長率がマイナス局面に入る中で、構造改革コストを前倒し計上しました。CT&T (Customer Transformation & Technology) 領域の構成比は28.3% (2024) と新領域シフトが進んでいます。
サイバーエージェントの売上8,740億円は全部広告事業ですか?
いいえ、サイバーエージェントの売上はインターネット広告・メディア (ABEMA)・ゲーム・投資育成の4セグメント全社売上です。広告事業単体の規模はセグメント別開示を参照する必要があります。同社はデジタル広告とコンテンツ・ゲーム事業を融合した独自のビジネスモデルで、業界1-2位の総合代理店とは異なる成長軌道を歩んでいます。
広告業界の代理店規模を比較するベストな指標は何ですか?
代理店業の実質規模を測るには、売上高 (取扱高に近い粗額認識) より売上総利益 (代理店業の付加価値) の方が適しています。電通グループFY2024売上総利益1.20兆円、博報堂DY HD FY2025/3売上総利益40.60兆円が比較材料です。サイバーエージェントは売上総利益開示が異なる集計で、4セグメント別の営業利益比較がより実態を映します。
上場5社のうちセプテーニとフリークアウトはなぜ深掘りされていませんか?
セプテーニ・ホールディングス (4293) とフリークアウト・ホールディングス (6094) は、本ページの集中対象である業界1-2位と デジタル代表3社の規模感比較から外し、言及のみとしました。各社の最新業績はEDINETの有価証券報告書または各社IRページをご参照ください。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    8年時系列財務データ (FY2017-2024)、CT&T構成比、海外事業オーガニック成長率
  2. 2.
    FY2025/3単年の連結P/L、営業利益+18.9% YoY
  3. 3.
    FY2021-2025の連結売上・営業利益、4セグメント別開示
  4. 4.
    上場主要5社 (4324・2433・4751・4293・6094) の連結P/L・B/S・CF
データ出典
電通グループ 統合レポート2025・非財務データブック2025博報堂DY HD 2026年3月期 通期 連結決算概要 (2026/5/12)サイバーエージェント5年間業績ハイライトEDINET (金融庁) 連結財務・有価証券報告書
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