最終更新
STAT DETAIL · MARKET SIZE

日本の広告費の推移と媒体構成|マスコミ4・インターネット・プロモメディアの3区分【2026年版】

日本の広告市場は2025年に8.06兆円となり、4年連続で過去最高を更新しました。媒体構成はマスコミ4媒体 — 新聞・雑誌・ラジオ・テレビメディア — が2.30兆円、インターネット広告が4.05兆円、プロモーションメディアが1.72兆円の3区分で構成され、インターネット広告が構成比50.2%で初めて半数を超えました。1947年の電通推定開始以来78年連続で公表される業界標準データです。

2025年 総広告費
8.06兆円
前年比+5.1%、4年連続成長で過去最高を更新 (電通推定)
出典: 電通「2025年 日本の広告費」(2026年2月公表)
2025年 インターネット広告費
4.05兆円
構成比50.2%、1996年推定開始以来 初の半数超え
出典: 電通「2025年 日本の広告費」(2026年2月公表)
2025年 マスコミ4媒体広告費
2.30兆円
前年比-1.6%、長期縮小トレンド継続 (新聞・雑誌・ラジオ・テレビメディア合算)
出典: 電通「2025年 日本の広告費」(2026年2月公表)
2025年 プロモメディア広告費
1.72兆円
前年比+2.0%、コロナ禍後の人流回復で3年連続プラス成長
出典: 電通「2025年 日本の広告費」(2026年2月公表)

日本の広告費3区分の構造と主要構成要素

マスコミ4・インターネット・プロモメディアの内訳・主要構成要素・2025年額
区分名称時期ステージ定義
マスコミ4媒体広告費 (新聞・雑誌・ラジオ・テレビメディア)長期縮小2.30兆円 (総広告費の28.5%)新聞・雑誌・ラジオ・テレビメディアの4媒体に投下された広告費。テレビメディアは地上波テレビと衛星メディア関連を含み、2014年より統合区分されています。新聞発行部数の長期減少 (1997年ピーク53.7百万部から2025年24.9百万部へ約54%減=ピーク時の46%水準まで縮小) とテレビ視聴時間の世代別シフトを背景に、2010年代まで概ね2.7兆円台を維持していた状況から、2025年に2兆2,980億円まで縮小しています。
インターネット広告費 (検索・ディスプレイ・動画・ソーシャル等)構造的拡大4.05兆円 (総広告費の50.2%)インターネット広告媒体費 (検索広告・ディスプレイ広告・動画広告・ソーシャル広告) と物販系ECプラットフォーム広告費、インターネット広告制作費の合計。Google・Meta・Amazon・TikTok等のグローバルプラットフォームが媒体側で大きな比重を占めます。2017年の1兆5,094億円から2025年に4兆459億円へ約2.7倍に拡大、構成比50.2%で初の半数超えとなりました。
プロモーションメディア広告費 (屋外・交通・折込・DM・POP・イベント等)人流回復で再成長1.72兆円 (総広告費の21.3%)屋外広告・交通広告・折込チラシ・ダイレクトメール (DM)・フリーペーパー・POP (店頭販促物)・イベント・展示・映像などの広告費。コロナ禍-25.1%の急減から3年連続プラス成長で回復、屋外・交通・イベント中心に2025年は前年比+2.0%。デジタルサイネージへのシフトも並行進展しています。
読み解き

日本の広告費は3区分のバランスで業界構造を読み解きます。マスコミ4媒体は長期縮小、インターネット広告は構造的拡大、プロモーションメディアは人流連動の3パターンで、それぞれ異なるドライバーで動きます。2025年の構成比はインターネット50.2%、マスコミ4 28.5%、プロモメディア21.3%で、インターネットへのシフトが業界の規模感の主役を変えつつあります。 3区分の年成長率を比較すると、インターネットは2017-2025年で年平均+13%、マスコミ4は同期間で年平均-2%、プロモメディアはコロナ-25%反動で2021-2025年に年平均+0.7%。インターネット広告の媒体側ではGoogle・Meta・Amazon・TikTokが大きな比重を占め、具体的取り分はWARC・eMarketer等のpress summaryで別途参照されます。

日本の総広告費 媒体別3区分の14年推移 (2012-2025、億円)

マスコミ4・インターネット・プロモメディアの積み上げ推移
単位: 億円
マスコミ4インターネットプロモメディア
025,00050,00075,000100,00058,9131259,7621361,5221461,7101562,8801663,9071765,3001869,3811961,5942067,9982171,0212273,1672376,7302480,62325
出典: 電通「日本の広告費」歴年版 (2012-2025、媒体別3区分)
年度20122013201420152016201720182019202020212022202320242025
マスコミ4億円28,80928,93529,39328,69928,59627,93827,02626,09422,53624,53823,98523,16123,36322,980
インターネット億円8,6809,38110,51911,59413,10015,09417,58921,04822,29027,05230,91233,33036,51740,459
プロモメディア億円21,42421,44621,61021,41721,18420,87520,68522,23916,76816,40816,12416,67616,85017,184
合計(億円58,91359,76261,52261,71062,88063,90765,30069,38161,59467,99871,02173,16776,73080,623
前年比+1.4%+2.9%+0.3%+1.9%+1.6%+2.2%+6.2%-11.2%+10.4%+4.4%+3.0%+4.9%+5.1%
読み解き

2012年の58,913億円から2025年の80,623億円へ、14年間で約1.37倍に拡大、媒体構成は劇的に変化しました。マスコミ4媒体は2012年の28,809億円から2025年の22,980億円へ約-20%減と長期縮小、対するインターネット広告は同期間で8,680 → 40,459億円と約4.7倍に拡大しました。 注目点は2020年のコロナ禍局面で総広告費が69,381 → 61,594億円 (-11.2%) と急減した後、4年連続成長で2024年に過去最高を更新、2025年も4年連続成長を更新した点です。インターネット広告は2020年に+5.9%とプラスを維持、マスコミ4とプロモメディアの急減を相殺する形でデジタルシフトを加速させました。プロモメディアは2025年に17,184億円と3年連続プラスで、コロナ禍前の22,239億円 (2019年) に向けて回復過程にあります。

業種別広告費 上位8業種 (2024年、マスコミ4媒体ベース、千万円)

情報・通信、食品、化粧品・トイレタリー等の業種別構成
単位: 千万円8 カテゴリ・合計 145,313
06,25012,50018,75025,00024,285情報・通信21,598食品19,341化粧品・トイレ18,239飲料・嗜好品16,677外食・各種サー15,610交通・レジャー15,165流通・小売業14,398金融・保険
出典: 電通「日本の広告費」2024年版 業種別広告費 (マスコミ4媒体、衛星メディア関連を除く)
カテゴリ情報・通信食品化粧品・トイレ飲料・嗜好品外食・各種サー交通・レジャー流通・小売業金融・保険
値(千万円24,28521,59819,34118,23916,67715,61015,16514,398
シェア16.7%14.9%13.3%12.6%11.5%10.7%10.4%9.9%
読み解き

業種別広告費 (マスコミ4媒体ベース) は情報・通信が首位、食品・化粧品・トイレタリー・外食・各種サービス・交通・レジャーが上位を占めます。情報・通信が構成比11.0%でトップ、消費財カテゴリ (食品・化粧品・飲料) が後続する構図です。 重要な注記: 本グラフはマスコミ4媒体 (新聞・雑誌・ラジオ・テレビメディアの4媒体、衛星メディア関連を除く) ベースの業種別推定値であり、インターネット広告とプロモメディアは含まれません。インターネット広告の業種別 (検索広告 / 動画広告等の業種内訳) は電通推定の集計対象外で、個別のプラットフォーマー (Google・Meta等) やJIAA等から別途参照する必要があります。マスコミ4媒体での業種別の傾向として、情報・通信はBtoC通信キャリア各社のテレビCM中心、食品・化粧品はマスCM+デジタル両面で活発、外食・小売・流通は店頭・OOH・チラシ中心の傾向があります。

このグラフに関連するトピック

主要論点

インターネット広告50%超後の媒体構成はどう動くか?

2025年にインターネット広告が構成比50.2%で初の半数超え、推定開始1996年以来30年で迎えた歴史的転換点です。2017年の23.6%からわずか8年で50.2%へ倍加した急速なシフトの背景は、Google・Meta・Amazon・TikTok等のグローバルプラットフォームが媒体経済圏を握り、運用型広告 (リアルタイムオークション形式の自動配信) が予約型広告 (媒体枠を事前購入する形式) を大きく上回ったことにあります。

中期では3つのドライバーが拡大を後押しします。①コネクテッドTV (インターネット接続テレビ) の動画広告需要、②生成AIによる広告クリエイティブの大量生成と運用最適化、③Retail Media (Amazon・楽天・Yahoo!ショッピング等の流通プラットフォーム広告) の立ち上がり、です。一方、構成比60%超への到達は、マスコミ4の下げ止まりと相殺で、2027-2030年に段階的に進む見通しです。

業界戦略への示唆: 国内代理店はグローバルプラットフォームと広告主の間で広告計画立案・媒体購入・効果測定・クリエイティブ統合を担うオーケストレータ役として位置付けが再定義されつつあります。マスコミ4媒体はデジタル化 (テレビメディアデジタル・新聞デジタル等) で生き残りを図り、プロモメディアはデジタルサイネージ・イベント・OOHとデジタルの統合で再成長を目指す構図です。

マスコミ4媒体の長期縮小は止まるか?

マスコミ4媒体広告費は2010年代まで概ね2兆7,000億円台を維持していた状況から、2025年に2.30兆円まで縮小しました。10年間で約-15%減と構造的な縮小トレンドが継続しています。

縮小の主因は3つあります。①新聞発行部数の長期減少 (1997年ピーク53.7百万部から2025年24.9百万部へ約54%減=ピーク時の46%水準まで縮小)、②若年層のテレビ離れとSNS中心化 (スマートフォン世帯保有率90.5%、総務省 情報通信白書 令和7年版)、③雑誌購読数減と紙媒体の構造的減少、です。テレビ広告は2010年代まで1.8-1.9兆円規模を維持してきましたが、2025年は地上波テレビと衛星メディア関連を合算したテレビメディア区分で約1.7兆円規模と微減傾向です。

業界戦略への示唆: 短期的にマスコミ4媒体の縮小トレンドが反転する可能性は低く、デジタル化への移行が生き残り戦略です。新聞・雑誌・テレビ各社が自社デジタルメディア・サブスクリプション・有料コンテンツ・データビジネスへ事業領域を広げる中で、紙テレビからデジタルへの収益移転が中期テーマです。ラジオは音声広告 (ポッドキャスト・デジタルオーディオ) との連携で構造再編が進む見通しです。

プロモーションメディア回復の持続性は?

プロモーションメディアは2020年の16,768億円 (前年比-25.1%) という急減から3年連続プラス成長で、2025年に17,184億円まで回復しました。コロナ禍前の2019年22,239億円との差は約5055億円で、ほぼコロナ前水準に到達しつつあります。

回復ドライバーは3つあります。①人流回復に伴う屋外広告・交通広告の需要復活、②大阪・関西万博 (2025年4-10月開催)・東京2025世界陸上競技選手権大会など大型イベントの開催で「イベント・展示・映像ほか」が2025年に4,748億円 (前年比+11.2%) と二桁成長、③インバウンド需要の高まりとデジタルサイネージへのシフトで、屋外広告のデジタル化が進展、です。

業界戦略への示唆: 中期2026-2028年は人流の継続的回復とインバウンド需要を背景にプロモメディアの拡大基調が続く見通しです。一方、紙のチラシ・DMはデジタル代替が進み、屋外・交通・イベントの「リアルな場面」がプロモメディアの主軸となります。デジタルサイネージとアドテクの連携 (位置情報・時間帯ターゲティング) で新しいOOH (Out-of-Home) 広告フォーマットが立ち上がる兆候もあります。

日本の広告市場の中期見通し

短期2026-2027年

本見通しは電通推定や政府統計の発表数値ではなく、業界動向を踏まえた CREX編集部の見立て です。インターネット広告の構成比50%超は今後も拡大基調で、2027年には55%前後に到達する見通しです。動画広告 (コネクテッドTV含む)・ソーシャル広告・Retail Mediaが主要ドライバー、生成AIによるクリエイティブ生成の本格化が並行進展します。マスコミ4媒体は緩やかな縮小継続で、2027年には2.1-2.2兆円水準と予想されます。プロモメディアはコロナ禍前水準の1.8兆円台に向けて回復を続ける見通しです。

中期2028-2030年

インターネット広告が構成比60%を視野に入れる局面で、グローバルプラットフォーム (Google・Meta・Amazon・TikTok) の媒体側シェアは継続的に拡大する見通しです。Cookieレス転換とサードパーティCookie廃止延期動向の収束、個情法3年ごと見直しによるトラッキングID規制、AI推進法案の運用開始など規制環境が業界の競争軸を再定義します。電通グループは構造改革を経た事業モデルでCT&T (Customer Transformation & Technology) 領域を主軸に、博報堂DY HDは博報堂・大広・読売広告社の連結深化で対応するシナリオです。

長期テーマ

「広告」と「マーケティング・コミュニケーション」の境界が消えつつあります。ファーストパーティデータを起点とした統合マーケティング、生成AIによる広告クリエイティブの大量生成、Retail Mediaのリテール広告化など、従来の「マス広告 → 運用型広告 → CRM」の3層構造が再編される構図です。国内代理店の役割は「広告購入の代行」から「広告主のデータと外部プラットフォームの統合運用」へ位置付けが移行し、競争軸は規模・データ・テクノロジー・クリエイティブの4軸統合になります。

よくある質問

日本の広告費はどれくらいの規模ですか?
2025年の日本の総広告費は8.06兆円で、前年比+5.1%、4年連続成長で過去最高を更新しました (電通推定)。媒体構成はマスコミ4媒体2.30兆円、インターネット広告4.05兆円 (構成比50.2%、初の半数超え)、プロモーションメディア1.72兆円の3区分です。コロナ禍直前の2019年6.94兆円から、コロナ-11.2%局面を経て約1.16倍に回復しています。
マスコミ4媒体とプロモーションメディアの違いは何ですか?
マスコミ4媒体は新聞・雑誌・ラジオ・テレビメディアの4媒体に投下された広告費 (2025年合算2.30兆円)、テレビメディアは地上波テレビと衛星メディア関連を統合した区分です。プロモーションメディアは屋外広告・交通広告・折込チラシ・ダイレクトメール (DM)・フリーペーパー・POP (店頭販促物)・イベント・展示・映像などの広告費 (2025年1.72兆円) を指します。「マスコミ4=マスメディア広告」「プロモメディア=その他販促」と整理すると理解しやすい区分です。
インターネット広告が初めて半数を超えたのはいつですか?
2025年に構成比50.2%で初めて半数を超えました。電通「日本の広告費」推定開始の1996年以来30年で迎えた歴史的な転換点です。2017年の構成比23.6%から、2024年に47.6%、2025年に50.2%と段階的に拡大、グローバルプラットフォーム (Google・Meta・Amazon・TikTok等) の媒体経済圏拡大とコネクテッドTV・SNS縦型動画・Retail Mediaの伸長が背景にあります。
広告費上位の業種は何ですか?
業種別広告費 (マスコミ4媒体ベース、衛星メディア関連を除く) では情報・通信が首位 (構成比約11%)、食品・化粧品・トイレタリー・外食・各種サービス・交通・レジャー・流通・小売業・金融・保険などが上位を占めます。なお業種別広告費はインターネット広告とプロモメディアを含まないため、業種全体の広告投資規模はこれより大きい点に注意が必要です (2024年データ、電通推定)。
広告市場の中長期見通しは?
インターネット広告の構成比50%超は今後も拡大基調で、2027年に55%前後、2028-2030年に60%視野の見通しです。マスコミ4媒体は緩やかな縮小継続、プロモメディアは人流回復を背景に2026-2028年に1.8兆円台への回復を見込みます。生成AI・Cookieレス転換・Retail Media・コネクテッドTV動画広告の4軸が中期成長ドライバー、規制 (景表法ステマ・個情法Cookie・AI推進法案) とプラットフォーマー対応が競争軸を再定義しつつあります。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    1947年推定開始、78年連続。媒体別広告費・業種別広告費・媒体細分の業界標準データ
  2. 2.
  3. 3.
  4. 4.
  5. 5.
    WARC / eMarketer / IAB世界広告市場press summary世界広告費規模と日本市場の位置付け、グローバルプラットフォーマー シェア (citationのみ、自前推計せず)
データ出典
電通「日本の広告費」(2025年版・歴年版2010-2024)JIAA (日本インタラクティブ広告協会) 2025-26インターネット広告市場動向レポート総務省「情報通信白書 令和7年版」第11章 デジタル活用の動向・第3章 放送・コンテンツ産業の動向日本新聞協会 調査データ (発行部数・新聞広告・財務・用紙・雇用・デジタル)WARC / eMarketer / IAB世界広告市場press summary
📄 資料DL💬 無料相談