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半導体業界のメモリ市況|DRAM・NAND・広帯域メモリの企業シェアとキオクシアの国内拠点【2026年版】

世界メモリ市場は生成AIとデータセンターの需要を背景に2025年に2,116億ドルへ拡大します。DRAMはSamsung・SK hynix・Micronの韓米3社、広帯域メモリはSK hynixが先行し、いずれも日本勢は不在です。日本のメモリはNAND世界3位のキオクシアが中核で、市場規模・DRAM・NANDの企業シェア・キオクシアの業績と国内拠点を順に整理します。

世界メモリ市場2025
2,116億ドル
2026年は2,948億ドル見込み、WSTS 2025年秋季予測
出典: WSTS日本協議会「WSTS半導体市場予測」(2025年秋季予測、世界メモリ市場)
NANDキオクシア
14.9%
2024年で世界3位、Samsung・SK hynixに次ぐ、経済産業省推計
出典: 経済産業省「半導体・デジタル産業戦略」各社ヒアリング推計 (2024年、公的な会社別シェア統計ではない)
広帯域メモリ 日本勢
不在
SK hynix57%が先行する積層DRAMで日本勢の量産はなく、AIメモリ受益の制約となる
出典: 経済産業省「半導体・デジタル産業戦略」各社ヒアリング推計 (2024年、公的な会社別シェア統計ではない)
キオクシア売上2026/3期
23,376億円
社内指標、IFRS非準拠・未監査、北上工場K2が稼働
出典: キオクシアホールディングスFY2026/3決算資料 (社内指標、IFRS非準拠・未監査)

世界メモリ市場の推移 (2023→2026、億ドル)

2023-2024年は実績、2025-2026年は予測。2025年は前年比+27.8%
単位: 億ドル
07501,5002,2503,000923231,655242,116252,94826
出典: WSTS日本協議会「WSTS半導体市場予測」(2025年秋季予測、世界メモリ市場)
年度2023202420252026
値(億ドル9231,6552,1162,948
前年比
読み解き

世界メモリ市場は2024年1,655億ドルから2025年2,116億ドルへ前年比+27.8%、2026年に2,948億ドルへ拡大する見通しです。2023年の923億ドルと2024年は実績、2025年以降はWSTSの2025年秋季予測で、実績と予測を区分して読む必要があります。 伸びの背景は生成AIとデータセンターです。AIサーバーは大容量のメモリを必要とし、データの記憶を担うメモリの需要が市場全体を押し上げています。メモリは半導体市場の二大区分の一つで、ロジックと並んで市場拡大を牽引しています。

DRAMの企業シェア (2024年、%)

Samsung・SK hynix・Micronの韓米3社で上位を占め、日本勢は不在 (上位3社で94.5%、経済産業省推計)
単位: %
SamsungSK hynixMicron
0.025.050.075.0100.094.524
出典: 経済産業省「半導体・デジタル産業戦略」各社ヒアリング推計 (2024年、公的な会社別シェア統計ではない)
年度2024
Samsung%39.30
SK hynix%33.60
Micron%21.60
合計(%94.50
前年比
読み解き

DRAMはSamsung39.3%、SK hynix33.6%、Micron21.6%と韓国・米国の3社で上位を占め、日本勢は不在です。上位3社の合計は94.5%で、残りは他社にあたります。日本はかつてDRAMを手がけましたが現在は量産から撤退しており、ここは日本のメモリの強みが及ばない領域です。 AIサーバー向けの広帯域メモリも積層DRAMで、SK hynix57%・Micron35%・Samsung8%と日本勢は不在です。DRAMと広帯域メモリの不在は、生成AIブームの恩恵が日本のメモリには直接及びにくいことを示します。日本のメモリ受益はNANDが中心となります。

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NANDの企業シェア (2024年、%)

Samsung・SK hynixに次いでキオクシアが14.9%で世界3位 (上位6社で98.4%、経済産業省推計)
単位: %
SamsungSK hynixキオクシアMicronSandiskYMTC
0.025.050.075.0100.098.424
出典: 経済産業省「半導体・デジタル産業戦略」各社ヒアリング推計 (2024年、公的な会社別シェア統計ではない)
年度2024
Samsung%32.90
SK hynix%19.70
キオクシア%14.90
Micron%11.90
Sandisk%10.10
YMTC%8.90
合計(%98.40
前年比
読み解き

NANDはSamsung32.9%、SK hynix19.7%に次いで、キオクシアが14.9%で世界3位につけています。Micron11.9%、Sandisk10.1%、YMTC8.9%が続き、上位6社の合計は98.4%で残り約1.6%はその他にあたります。NANDは日本のメモリが世界で存在感を持つ中核領域です。 キオクシアはNAND専業で、2026年3月期の連結売上は社内指標で23,376億円、ストレージ向けが13,626.4億円と中核です。北上工場K2が稼働を開始し、設備投資は補助金を除く実績で2,837億円でした。生成AIとデータセンターのストレージ需要がNANDの追い風となる一方、市況の変動が大きい点には留意が必要です。

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主要論点

生成AIとデータセンターはメモリ市場をどう押し上げているのか?

世界メモリ市場は2024年1,655億ドルから2025年2,116億ドルへ前年比+27.8%で拡大し、生成AIとデータセンターが需要の中心です。AIサーバーは学習と推論に大容量のメモリを使い、DRAMとNANDの双方で需要が伸びています。

ただし日本の受益は素子別に偏ります。AI計算で重要となる広帯域メモリは積層DRAMで、SK hynix57%・Micron35%・Samsung8%と日本勢は不在です。広帯域メモリは日本のメモリ受益の根拠にはならず、メモリ市場の拡大が日本に直接及ぶのはNANDが中心となります。

メモリ市況は変動が大きく、需要拡大局面でも価格の上下で業績が振れます。市場規模の伸びと個社業績は必ずしも一致せず、市況のサイクルを踏まえて見る必要があります。

キオクシアはNANDで世界のどの位置にいるのか?

キオクシアはNANDでSamsung32.9%・SK hynix19.7%に次ぐ世界14.9%の3位で、日本のメモリの中核です。数値は2024年の経済産業省の各社ヒアリング推計で、公的な会社別シェア統計は存在しません。

キオクシアはNAND専業で、2026年3月期の連結売上は社内指標で23,376億円、うちストレージ向けが13,626.4億円を占めます。北上工場K2の稼働で国内の生産基盤を増強し、生成AIとデータセンターのストレージ需要を取り込む構えです。

一方、DRAMと広帯域メモリでは日本勢が不在で、キオクシアの強みはNANDに集中しています。メモリ全体での日本の位置は、NANDで世界3位という個別ポジションであり、メモリ市場全体を代表するものではありません。

DRAMから撤退した日本はメモリでどこまで戦えるのか?

日本はDRAMの量産から撤退しており、メモリでの存在感はNANDのキオクシアに集中しています。DRAMはSamsung・SK hynix・Micronの韓米3社、広帯域メモリはSK hynixが先行し、いずれも日本勢は不在です。

このため、生成AIのメモリ需要のうち広帯域メモリやDRAMの拡大は日本に直接は及びません。日本のメモリ受益はNANDとそのストレージ用途、および後工程や装置・材料を経由した間接的なものが中心となります。装置・材料での日本の強みは別のページで扱います。

日本がメモリで戦える領域はNANDに限られる一方、その領域ではキオクシアが世界3位の地位を保ち、北上工場K2の稼働で生産基盤を厚くしています。メモリ全体での復権ではなく、NANDでの地位維持と拡大が現実的な論点です。

中期見通し

近未来1-2年

2025-2026年は 生成AIとデータセンターのメモリ需要が世界メモリ市場の拡大を牽引する局面 が続きます。世界メモリ市場は2025年2,116億ドル、2026年2,948億ドルへ伸び、DRAMと広帯域メモリは韓米勢、NANDはキオクシアを含む構図が続きます。市況の変動が業績の振れ要因となります。

中期3-5年

AIサーバーの大容量化が続けば、ストレージ向けのNAND需要が拡大し、キオクシアの北上工場K2の稼働が生産能力の論点となります。広帯域メモリとDRAMの日本不在は中期でも変わらず、日本のメモリ受益はNAND中心という構図が継続する見通しです。

長期

メモリが社会のデータ基盤として定着するなかで、日本のメモリ戦略はNANDでの地位維持と、後工程・装置材料を含めた周辺での受益が中心となります。メモリ市場全体の規模拡大と、日本が受益できる範囲は分けて捉える必要があります。

よくある質問

メモリ市場の規模はどれくらいですか?
WSTSの2025年秋季予測では、世界メモリ市場は2024年の1,655億ドルから2025年に2,116億ドル、2026年に2,948億ドルへ拡大する見通しです。メモリは半導体市場の二大区分の一つで、生成AIとデータセンターの需要が伸びを牽引しています。
DRAM・NAND・広帯域メモリの違いは何ですか?
DRAMは高速な作業用メモリ、NANDはデータを保存するストレージ用メモリ、広帯域メモリはDRAMを積層しAIサーバー向けに高速化したメモリです。DRAMと広帯域メモリは韓国・米国勢が中心で日本勢は不在、NANDはキオクシアが世界3位につけています。
キオクシアのNANDシェアはどれくらいですか?
2024年の経済産業省の各社ヒアリング推計で、キオクシアのNANDシェアは世界14.9%の3位です。Samsung32.9%・SK hynix19.7%に次ぐ位置で、NANDは日本のメモリが世界で存在感を持つ中核領域です。
キオクシアの北上工場とは何ですか?
キオクシアのNANDメモリの国内生産拠点で、北上工場K2が稼働を開始しています。2026年3月期の設備投資は補助金を除く実績で2,837億円でした。生成AIとデータセンターのストレージ需要に対応する生産基盤の増強にあたります。
日本勢は広帯域メモリで戦えますか?
広帯域メモリは積層DRAMで、2024年の経済産業省推計でSK hynix57%・Micron35%・Samsung8%と日本勢は不在です。日本はDRAMの量産から撤退しており、広帯域メモリは日本のメモリ受益の根拠にはなりません。日本のメモリ受益はNANDが中心です。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    WSTS日本協議会「WSTS半導体市場予測」2025年秋季予測、世界メモリ市場 (ic Memory)。メーカー販売額の暦年予測で経済産業省シェア推計とは別系列
  2. 2.
    経済産業省「半導体・デジタル産業戦略」令和7年12月、DRAM/NAND/広帯域メモリの企業シェアは各社ヒアリング推計 (公的な会社別シェア統計ではない)
  3. 3.
    キオクシアホールディングスFY2026/3決算資料社内指標 (IFRS非準拠・未監査)。連結売上・セグメント・設備投資・北上工場K2
データ出典
WSTS日本協議会「WSTS半導体市場予測」経済産業省「半導体・デジタル産業戦略」キオクシアホールディングスFY2026/3決算資料
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