世界上位 — 欧米勢
2024年の経済産業省推計では、パワー半導体はInfineon17.8%、Onsemi10.2%、STMicroelectronics7.5%と欧米勢が上位を占めます。電気自動車や産業機器向けの需要を取り込み、規模で先行しています。
上位3社で世界の相当部分を占める一方、一社が突出する集中構造ではなく、複数社が車載・産業の用途別に競う構図です。
パワー半導体は電力の変換・制御を担い、車載と再生可能エネルギーの需要で拡大しています。世界シェアはInfineonなど欧米勢が上位で、日本勢は富士電機・三菱電機・東芝が車載中心に存在感を持ちます。ロームは炭化ケイ素への投資で知られ、世界シェアと日本勢の位置、ロームの業績、アナログICの構図を順に整理します。
パワー半導体は一社が支配する構造ではなく、欧米の上位勢と、車載で強みを持つ日本勢が役割を分け合う構図です。ロームは経済産業省のパワー世界シェア推計には現れませんが、炭化ケイ素を軸にパワー・アナログを手がける主要企業として事業の文脈で位置づけられます。
2024年の経済産業省推計では、パワー半導体はInfineon17.8%、Onsemi10.2%、STMicroelectronics7.5%と欧米勢が上位を占めます。電気自動車や産業機器向けの需要を取り込み、規模で先行しています。
上位3社で世界の相当部分を占める一方、一社が突出する集中構造ではなく、複数社が車載・産業の用途別に競う構図です。
日本勢は富士電機3.4%、三菱電機2.8%、東芝2.7%と数%帯ですが、車載のインバーターや産業機器、鉄道などで存在感を持ちます。規模では欧米勢に劣るものの、特定用途での技術力が評価されています。
三菱電機・富士電機・東芝はいずれもパワー半導体を全社の一事業として手がけており、世界シェアはこのパワー領域での推計値です。各社の連結業績は国内メーカー比較のページで扱います。
ロームは炭化ケイ素を軸にパワー・アナログを手がける半導体企業です。経済産業省のパワー世界シェア推計にはロームは含まれていないため、本ページでは世界シェアの数値を当てず、財務と事業の文脈で扱います。
2026年3月期の連結売上は4,811億円で、本業の営業利益は108億円の黒字に転じた一方、炭化ケイ素事業の固定資産の減損を主因に最終損益は1,584億円の純損失となりました。減損による純損失と本業の営業損益は分けて捉える必要があります。
アナログICは、温度や音声などの連続した信号を扱う半導体で、演算を担うロジックとは別の領域です。2024年の経済産業省推計ではTexas Instruments26.4%、Analog Devices21.0%と米国勢が中心です。
日本勢ではルネサスが1.7%とわずかに名前が挙がる程度で、アナログICは日本の強みが及びにくい領域です。パワー半導体とは異なる構図である点に留意が必要です。
パワー半導体の世界シェアは2024年の経済産業省推計で、Infineon17.8%を筆頭に欧米勢が上位、日本勢は富士電機3.4%・三菱電機2.8%・東芝2.7%と数%帯です。表の6社の合計は44.4%で、残りは表に挙げていない他社にあたります。 ロームはこの経済産業省のパワー世界シェア推計には含まれていないため、本表には記載していません。ロームを世界シェアの序列に並べることはできず、ロームについては財務と炭化ケイ素事業の文脈で別に扱います。日本勢は規模では欧米勢に届きませんが、車載や再生可能エネルギーの用途で技術的な存在感を保っています。固定した序列ではなく、用途別に競う流動型の構造です。
日本勢のパワー半導体の世界シェアは富士電機3.4%・三菱電機2.8%・東芝2.7%と数%帯ですが、車載と再生可能エネルギーの用途で技術的な存在感を持ちます。規模だけで評価すると実態を見誤ります。
パワー半導体は電力を効率よく変換・制御する部品で、電気自動車のインバーターや太陽光発電の電力変換に不可欠です。日本勢は規模で欧米勢に劣るものの、車載や産業の特定用途で長く採用されてきた実績があります。シェアの数字は経済産業省の推計で、公的な会社別統計は存在しません。
電動化と再エネ拡大という構造的な需要が続くため、シェアが小さくても技術力を持つ日本勢の動向が注目されます。規模の序列ではなく、どの用途で強いかという観点で見る必要があります。
ロームは2026年3月期に本業の営業利益が108億円の黒字に転じた一方、炭化ケイ素事業の固定資産の減損を主因に最終損益は1,584億円の純損失となりました。これは特別損失による最終損益への影響で、本業の採算とは分けて捉える必要があります。
炭化ケイ素は電気自動車向けに高効率なパワー半導体を作れる材料として期待され、ロームは大規模な投資を進めてきました。減損は、その投資に対し将来の回収見通しが慎重に見直されたことを示します。連結売上は4,484億円から4,811億円へ伸び、2027年3月期は5,100億円の計画で、事業自体が縮小しているわけではありません。
経済産業省のパワー世界シェア推計にロームは含まれないため、ロームを世界シェアで評価することはできません。ロームの位置づけは財務と炭化ケイ素事業の進捗で見る必要があり、減損は投資局面の慎重化を示す指標です。
電気自動車の普及と再生可能エネルギーの拡大は、パワー半導体の構造的な需要ドライバです。電力を扱う場面が増えるほど、変換効率を高めるパワー半導体の重要性が増します。
電気自動車ではモーターを駆動するインバーターにパワー半導体が多く使われ、航続距離や充電効率に直結します。再生可能エネルギーでも、太陽光や風力で発電した電力を系統につなぐ変換装置に不可欠です。この需要は一過性ではなく、脱炭素の流れと連動した中長期のものです。
欧米勢が規模で先行する中、日本勢は車載・産業の用途で採用実績を積み、炭化ケイ素のような新材料で差別化を狙う構図です。需要は確実に伸びる一方、投資の回収には時間がかかり、ロームの減損のように慎重化の局面も生じます。用途別の競争が続く流動型の領域です。
2025-2026年は 電気自動車と再生可能エネルギーの需要がパワー半導体の拡大を牽引する局面 が続きます。欧米勢が規模で先行し、日本勢は車載・産業の用途で存在感を保ちます。ロームの炭化ケイ素は投資の回収局面で、減損後の事業見通しが論点となります。
炭化ケイ素など新材料のパワー半導体が車載で本格採用されるかが、各社の競争力を左右します。日本勢は規模では欧米勢に届かないものの、車載・産業の特定用途での技術力を軸に存在感を保つ見通しです。シェアの序列ではなく用途別の競争が続きます。
脱炭素が社会の前提となるなかで、電力を効率よく扱うパワー半導体の重要性は長期にわたって高まります。日本勢が新材料と用途特化で地位を保てるか、投資の回収を実現できるかが、長期の競争力を決める要因となります。