1. インターネットバンキング不正送金等 — 4,747件 (約66%)
インターネットバンキングでの不正送金等は令和7年に4,747件で、不正アクセス全体7,190件の約66%を占めます。BKオンラインサービスの普及と並行して、フィッシング・不正アクセスによる送金被害が継続的に発生しています。BK業界では多要素認証 (MFA) + 不正送金検知システムの強化が継続課題です。
警察庁の不正アクセス行為認知件数は令和3年(2021)1,516件から令和7年(2025)7,190件と5年で約4.7倍に増加しました。令和7年の内訳ではインターネットバンキングでの不正送金等が4,747件 (全体の約66%)、証券会社のインターネット取引サービスでの不正アクセスが1,484件、インターネットショッピングでの不正購入が228件です。個人情報保護委員会の漏えい等報告対象事案は令和7年度第3四半期に4,623件で、4四半期トレンドは継続的な高水準です。本ページは公的統計の詳細時系列+内訳を整理します。
| カテゴリ | 令和3年 | 令和4年 | 令和5年 | 令和6年 | 令和7年 |
|---|---|---|---|---|---|
| 値(件) | 1,516 | 2,200 | 5,358 | 6,312 | 7,190 |
| シェア | 6.7% | 9.7% | 23.7% | 28.0% | 31.8% |
警察庁の令和7年不正アクセス内訳では、インターネットバンキングでの不正送金等が4,747件と全体の約66%を占め、金融業界 (BK+証券) のオンラインサービスが攻撃の主要標的となっています。
インターネットバンキングでの不正送金等は令和7年に4,747件で、不正アクセス全体7,190件の約66%を占めます。BKオンラインサービスの普及と並行して、フィッシング・不正アクセスによる送金被害が継続的に発生しています。BK業界では多要素認証 (MFA) + 不正送金検知システムの強化が継続課題です。
証券会社のインターネット取引サービスでの不正アクセスは令和7年に1,484件で、令和6年から増加しています。オンライン証券口座の不正売買・送金被害が報告されており、証券業界では顧客口座保護の強化が論点となっています。
インターネットショッピングでの不正購入は令和7年に228件で、BK・証券に比べると件数は少ないものの継続的に報告されています。EC事業者は不正アクセス検知 + クレジットカード認証強化 (3-Dセキュア2.0等) の対策が継続課題です。
| カテゴリ | R6Q4 | R7Q1 | R7Q2 | R7Q3 |
|---|---|---|---|---|
| 値(件) | 5,232 | 5,654 | 4,528 | 4,623 |
| シェア | 26.1% | 28.2% | 22.6% | 23.1% |
警察庁不正アクセス認知件数の令和3年1,516件→令和7年7,190件 約4.7倍増加の構造的要因は、オンラインサービス普及+認証情報漏えい+攻撃手法高度化の3軸で整理できます。第1軸はオンラインサービスの普及で、BK・証券・ECのオンライン化が令和3年以降急速に進展し、攻撃対象の絶対数が増加しました。
第2軸は認証情報漏えいで、フィッシング攻撃 + パスワードリスト攻撃 + 大規模漏えい事件由来の認証情報売買が継続的に発生し、不正アクセスの素材が継続供給されています。第3軸は攻撃手法高度化で、AI活用フィッシング + 多段階フィッシング + 中間者攻撃 (MFA bypass) 等の手法が普及しています。
5年で約4.7倍の増加は構造的トレンドで、近未来1-2年も継続的増加見通しです。経産省産業政策のSCS評価制度 (2026年度開始予定) とNCO国家戦略の能動的サイバー防御 (令和7年法律第42号) が政策面の対応軸となります。
令和7年の不正アクセス内訳で金融業界 (BK4,747件+証券1,484件) が6231件と全体の約86%を占めており、金融業界のオンラインサービスが攻撃の主要標的になっています。攻撃者にとってのROI (投資対効果) が高い領域で、不正送金・不正売買が金銭的利益に直結するためです。
業界対策は3つの軸で進展しています。第1は 多要素認証 (MFA) の強化 で、スマホアプリ認証+生体認証+ハードウェアトークン等の組み合わせが普及。第2は 不正検知システムの高度化 で、AI活用の行動分析+デバイス指紋+取引パターン分析等が導入されています。第3は 顧客教育 で、フィッシング判別教育+定期的な不審メール訓練が継続課題です。
業界横断的にはJBA (全銀協)・JSDA (証券業協会) 等の業界団体が情報共有+ベストプラクティス策定を進めており、国家戦略レベルではNCO戦略 + 重要インフラ事業者保護 + 経産省産業政策が制度面で支えています。
個人情報保護委員会の漏えい等報告対象事案は4四半期で5,232→5,654→4,528→4,623件と継続的な高水準で推移しており、報告制度改正後の透明化と実態の両方を反映しています。令和4年4月の個人情報保護法改正以降、報告義務が拡大され報告件数が増加した側面と、実態としてのインシデント発生件数の高水準の両方が混在します。
特定個人情報 (マイナンバー) の漏えいは4四半期で89件→104件→102件→95件と毎四半期100件前後で推移しており、マイナンバー利用拡大と並行して漏えい事案が継続的に報告されています。要報告事案 (特定個人情報の漏えい件数100件超等) は16→27→12→19件で、大規模漏えい事案の発生頻度が指標となります。
業界対応は、個人情報保護委員会のガイドライン遵守+漏えい時の72時間以内速報+30日以内確報の運用整備が継続課題です。経済安全保障framingでは、マイナンバー漏えいの厳格管理が国家戦略レベルで重視されています。
2026-2027年は 警察庁不正アクセスの継続的増加トレンドと個情委漏えい統計の高水準推移が継続 する見通しです。NCO国家戦略の能動的サイバー防御 (令和7年法律第42号) の施行と経産省SCS評価制度 (2026年度開始予定) の中堅・中小企業対策が制度面の対応軸となります。
2028-2030年はAI活用フィッシング + 中間者攻撃 (MFA bypass) 等の攻撃手法高度化が継続し、業界対策も並行高度化する競争関係が継続見通しです。経産省産業政策 (9,000億→3兆円目標) の市場拡大とサイバー犯罪継続増加の両軸が並行進展します。
2030年以降はAI防御技術 + 量子暗号 (PQC) 移行 + IoT/OTセキュリティ等の新規領域対策が中心となり、サイバー犯罪統計も新規領域での発生が論点となる見通しです。公的統計の長期トレンド分析が引き続き重要です。