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総合デベロッパーの主要企業|上場大手7社の連結業績を比較【2026年版】

上場している総合デベロッパー大手7社の連結業績を比べると、三井不動産が売上高27,097億円・営業利益3,978億円で最大、ヒューリックがROE13.0%、住友不動産が自己資本比率34.4%と、規模・効率・財務の健全性で各社の強みが分かれます。いずれも連結全社ベースの数値です。

主要総合デベロッパー7社の連結業績比較

連結全社ベース (不動産以外=流通・管理・ウェルネス等も含む)。3月期5社は2026年3月期、ヒューリック・東京建物は12月期決算のため2025年12月期

連結売上高は三井不動産が27,097億円で最大、三菱地所17,461億円、東急不動産HD12,460億円、住友不動産10,578億円が続きます。営業利益では三井不動産3,978億円、三菱地所3,297億円、住友不動産2,992億円の順で、純利益も同様に三井不動産2,787億円が最大です。

一方、資本効率(ROE)ではヒューリック13.0%、東急不動産HD11.2%、野村不動産HD10.7%が上位で、規模上位の3社(三井不動産8.7%・三菱地所8.5%)を上回ります。財務の健全性を示す自己資本比率は住友不動産34.4%が最も高く、規模で攻める会社と効率・健全性で特徴を出す会社に分かれます。表の数値は連結全社ベースで、不動産以外の事業も含む点に注意が必要です。

三井不動産
連結売上高
27,097億円
営業利益
3,978億円
純利益
2,787億円
ROE
8.7%
自己資本比率
32.4%
三菱地所
連結売上高
17,461億円
営業利益
3,297億円
純利益
2,225億円
ROE
8.5%
自己資本比率
31.4%
東急不動産HD
連結売上高
12,460億円
営業利益
1,669億円
純利益
967億円
ROE
11.2%
自己資本比率
26.3%
住友不動産
連結売上高
10,578億円
営業利益
2,992億円
純利益
2,125億円
ROE
9.2%
自己資本比率
34.4%
野村不動産HD
連結売上高
9,425億円
営業利益
1,382億円
純利益
829億円
ROE
10.7%
自己資本比率
28.5%
ヒューリック(12月期)
連結売上高
7,274億円
営業利益
1,868億円
純利益
1,143億円
ROE
13.0%
自己資本比率
26.0%
東京建物(12月期)
連結売上高
4,746億円
営業利益
958億円
純利益
589億円
ROE
10.4%
自己資本比率
26.0%

三井不動産 — 業界最大の総合デベロッパー

賃貸・分譲・マネジメント・施設営業を一社で束ね、連結売上高27,097億円・営業利益3,978億円と7社で最大の規模を持ちます。オフィスビルの賃貸保有に加え、「ららぽーと」や「三井アウトレットパーク」などの商業施設、マンション分譲、物流施設(三井不動産ロジスティクスパーク)まで幅広く手がける総合性が特徴です。

近年は海外事業や物流施設、アセットマネジメントへの展開も進めています。規模は最大ですが、ROEは8.7%で、効率面ではヒューリックや東急不動産HDが上回ります。大きな資産規模を回しながら、賃貸の安定収益と分譲・開発の利益を組み合わせる構造で、業界の規模をリードしています。

三菱地所 — 丸の内の地権者

東京・丸の内に多数のオフィスビルを保有する「丸の内の地権者」として知られ、商業不動産・丸の内・住宅・海外・投資マネジメント・設計監理の各事業を展開します。連結営業利益3,297億円・純利益2,225億円で、丸の内の大規模なオフィス群からの賃料が安定した収益基盤です。

ROEは8.5%と規模上位ゆえ効率では他社が上回りますが、自己資本比率31.4%と財務は健全で、純利益は前期から大きく伸びました。海外事業にも積極的で、米国・英国・アジアでオフィスや住宅の開発を手がけています。丸の内という都心の一等地を長期保有する強みを軸に、賃貸の安定収益と多角化を両立する構造です。

住友不動産 — 効率重視の保有型

新宿などの都心に賃貸オフィスを厚く保有する保有型で、連結営業利益2,992億円のうち不動産賃貸が大半を占めます。自己資本比率は34.4%と7社で最も高く、財務の健全性を保ちながら効率的に賃貸収益を上げる経営が特徴です。

マンション分譲のほか、既存住宅を建て替える「新築そっくりさん」のリフォーム事業も手がけます。規模では三井不動産・三菱地所に次ぎますが、賃貸保有に集中することで高い収益性を実現しており、ROEは9.2%です。財閥系の一角として、効率重視の経営で安定した収益を上げています。

東急不動産HD — 都市開発と流通・ウェルネス

都市開発・戦略投資・管理運営・不動産流通・ウェルネスの各事業を持つ持株会社で、連結売上高12,460億円と業界4位の規模です。子会社に不動産流通の東急リバブル、ビル・マンション管理の東急コミュニティーを抱え、開発から流通・管理まで一貫したサービスを展開します。

渋谷の再開発をはじめとする都市開発に加え、リゾートやシニア向け住宅などのウェルネス事業も特徴です。ROEは11.2%と規模上位の財閥系3社を上回り、東急グループの一員として鉄道沿線の開発でも強みを持ちます。開発・流通・管理を組み合わせた事業構成が、安定した収益を支えています。

野村不動産HD — 住宅分譲が主力

「プラウド」ブランドのマンション分譲を主力とする住宅事業が看板で、都市開発・賃貸・投資運用・仲介(CRE)・管理も手がけます。連結営業利益1,382億円・純利益829億円で、住宅分譲の高い採算が収益を支えています。

野村グループの一員で、ROEは10.7%と効率面で上位です。住宅分譲は物件の引き渡し時期によって利益が変動しやすい一方、都市開発の収益不動産売却なども収益源としています。分譲を主力としながら、賃貸保有や投資運用で収益基盤を広げる構造です。

ヒューリック — 駅近賃貸に特化 (12月期)

東京23区の駅に近い物件を中心に賃貸保有を厚くする保有型で、ROE13.0%と7社で最も高い資本効率が特徴です。12月期決算で、2025年12月期の連結売上高は7,274億円、営業利益1,868億円でした。

旧富士銀行系の不動産会社をルーツに持ち、立地を厳選した賃貸保有と物件の入れ替えで効率的に収益を上げています。高齢者向け施設や観光事業にも展開しており、賃貸の安定収益を軸に、物件売却益も組み合わせる経営です。規模は財閥系より小さいものの、高い収益性で存在感を持つ会社です。

東京建物 — 日本初の不動産会社 (12月期)

1896年創業の日本で最も歴史ある不動産会社の一つで、ビル(賃貸)・住宅(「Brillia」ブランドの分譲)・アセットサービス・海外の各事業を持つ準大手です。12月期決算で、2025年12月期の連結売上高は4,746億円、営業利益958億円でした。

オフィスビルの賃貸保有とマンション分譲を組み合わせる事業構成で、ROEは10.4%、自己資本比率は26.0%です。大手町・八重洲などの再開発にも参画しており、長い歴史で培った都心の保有資産を軸に、賃貸と分譲を展開しています。財閥系大手に次ぐ準大手として、安定した事業基盤を持つ会社です。

主要論点

規模で攻めるか、効率で攻めるか — 各社の戦略の違いをどう見るか?

総合デベロッパーは、規模で攻める会社と効率で攻める会社に分かれます。三井不動産は連結売上高27,097億円・営業利益3,978億円と最大の規模を持ち、賃貸・分譲・商業・物流・海外を幅広く手がける総合性で業界をリードします。三菱地所も丸の内の大規模な保有資産を背景に大きな規模を持ちます。

一方、ヒューリックはROE13.0%、東急不動産HDは11.2%と、規模上位の財閥系を上回る資本効率を示します。ヒューリックは東京23区の駅近物件に絞った賃貸保有、東急不動産HDは開発・流通・管理の組み合わせで、それぞれ効率的に収益を上げています。

規模の大きさは安定性と総合力の強みを、効率の高さは資本を有効に使う経営の強みを示します。どちらが優れているという単純な比較はできず、各社が保有資産の規模や事業の組み合わせに応じて、規模と効率のどちらに軸足を置くかを選んでいると理解できます。

財閥系と非財閥系で、財務体質はどう違うのか?

三井不動産・三菱地所・住友不動産の財閥系3社は、長期にわたる保有資産の蓄積を背景に大きな規模を持ちます。とくに住友不動産は自己資本比率34.4%、三菱地所は31.4%と財務の健全性が高く、都心の賃貸オフィスを厚く保有することで安定した収益を上げています。長期保有による大きな資産規模が、財閥系の特徴です。

非財閥系では、東急不動産HD・野村不動産HDが鉄道系・証券系のグループを背景に、開発・流通・分譲を組み合わせた事業を展開します。自己資本比率は東急不動産HD26.3%、野村不動産HD28.5%で、財閥系よりやや低い水準ですが、高いROEで資本効率を確保しています。

ヒューリックや東京建物は、立地を厳選した賃貸保有や歴史ある保有資産を強みとします。財閥系が規模と財務の健全性、非財閥系が効率や事業の組み合わせ、という形で、それぞれの成り立ちに応じた財務体質の違いが表れています。

ROE・自己資本比率の差は、何を示すのか?

ROE(自己資本利益率)は、株主の資本に対してどれだけ利益を上げたかを示す資本効率の指標です。ヒューリック13.0%、東急不動産HD11.2%、野村不動産HD10.7%が上位で、規模上位の財閥系3社を上回ります。立地を絞った賃貸保有や、開発・分譲の回転で、資本を効率的に使っていることを示します。

自己資本比率は、総資産に対する自己資本の割合で、財務の健全性を示します。住友不動産34.4%が最も高く、借入に頼りすぎない健全な財務を保っています。一般に、資産を多く保有して借入で資金を調達する不動産業では、自己資本比率は他業種より低めになりますが、その中での各社の差が財務の堅さを表します。

ROEが高い会社は資本効率に優れ、自己資本比率が高い会社は財務が堅い、という違いがあります。これらの指標に表れない含み益や有利子負債を含めた各社の財務体質は、財務構造のページで詳しく扱います。

中期見通し

近未来1-2年

オフィス賃料の上昇が続く局面では、賃貸保有を厚くする会社の収益が下支えされます。各社とも2026年3月期(12月期は2025年12月期)に最高益を更新しており、賃料上昇・海外・大型再開発の追い風が当面の業績を支える見通しです。規模上位の財閥系と、効率で特徴を出す各社の競争が続きます。

中期3-5年

大型再開発の竣工が進むと、賃貸保有資産が積み上がり、各社の収益基盤が厚くなります。同時に、開発物件を不動産投資市場へ売却して資金を回収する動きも活発になります。資本効率(ROE)を高める経営が各社で重視され、規模だけでなく効率や財務体質の改善が問われる局面です。

長期5-10年

国内市場が成熟する中で、海外事業やアセットマネジメントの比重を高める動きが各社で続きます。保有による安定収益を土台に、開発・分譲の回転と運用受託の手数料を組み合わせる構造が、長期の競争力を左右します。財閥系の規模と財務の健全性、非財閥系の効率と事業の組み合わせ、という各社の強みの違いが、長期の成長を分けます。

よくある質問

総合デベロッパー大手にはどんな会社がありますか?
上場している大手は、三井不動産・三菱地所・住友不動産・野村不動産ホールディングス・東急不動産ホールディングス・ヒューリック・東京建物の7社が中心です。これに、虎ノ門・麻布台などの大型開発を手がける森ビルや森トラスト、NTTグループのNTT都市開発などの非上場大手が加わります。
売上規模が最大の総合デベロッパーはどこですか?
連結売上高では三井不動産が27,097億円(2026年3月期)で最大です。営業利益3,978億円・純利益2,787億円もいずれも7社で最大で、賃貸・分譲・商業・物流・海外を幅広く手がける総合性が規模を支えています。次いで三菱地所17,461億円、東急不動産HD12,460億円、住友不動産10,578億円が続きます。
ROE(資本効率)が高いのはどの会社ですか?
ROEではヒューリック13.0%、東急不動産HD11.2%、野村不動産HD10.7%が上位で、規模上位の三井不動産8.7%・三菱地所8.5%を上回ります。立地を絞った賃貸保有や、開発・分譲の回転で資本を効率的に使っていることを示します。一方、財務の健全性を示す自己資本比率は住友不動産34.4%が最も高い水準です。
財閥系の総合デベロッパーとは何ですか?
三井不動産・三菱地所・住友不動産の3社は、それぞれ三井・三菱・住友の財閥を起源に持つ財閥系の大手です。長期にわたる保有資産の蓄積を背景に大きな規模を持ち、都心の賃貸オフィスを厚く保有することが特徴です。東急不動産HD(東急グループ)・野村不動産HD(野村グループ)などは非財閥系で、開発・流通・分譲を組み合わせた事業で特徴を出しています。
連結業績の比較データの出典は何ですか?
各社の2026年3月期(3月期5社)および2025年12月期(ヒューリック・東京建物)の決算短信が出典です。連結売上高・営業利益・純利益(親会社株主に帰属する当期純利益)・ROE(自己資本当期純利益率)・自己資本比率は、各社の公表値です。数値は連結全社ベースで、不動産以外の事業も含みます。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    各社2026年3月期 決算短信 (三井不動産・三菱地所・住友不動産・野村不動産HD・東急不動産HD)
  2. 2.
    各社2025年12月期 決算 (ヒューリック・東京建物)
  3. 3.
    EDINET (金融庁) 上場総合デベ7社 連結財務
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