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寿司のネタ調達|水産物の輸入と調達単価の推移【2026年版】

回転寿司をはじめとする寿司のネタは、サーモン・まぐろ・えびなど水産物の輸入に大きく依存しています。財務省の貿易統計によると、水産物(魚介類)の輸入額は2024年に約18,660億円にのぼり、円安と国際市況が調達コストを押し上げています。なかでもさけ・ますの輸入単価は、2016年の1kgあたり約780円から2024年に約1,279円へと上昇しました。水産物輸入額の推移・調達単価の上昇・主要ネタの産地まで、寿司のネタ調達とコストを順に整理します。

さけ・ますの輸入単価(2024年)
1,279円/kg
2016年の約780円から約64%上昇
出典: 財務省「貿易統計」(概況品別、金額÷数量で算出)
水産物の輸入額(2025年)
19,626億円
魚介類全体。2016年は約14,800億円、円安で増加
出典: 財務省「貿易統計」(概況品別、国別合計)
さけ・ますの輸入額(2024年)
2,811億円
水産物のなかで輸入額が最大の品目
出典: 財務省「貿易統計」(概況品別、国別合計)
えびの輸入額(2024年)
2,086億円
主にインド・ベトナム・インドネシアから
出典: 財務省「貿易統計」(概況品別、国別合計)

水産物(魚介類)の輸入額の推移(2016-2025年、億円)

さけ・ますやまぐろ、えびなどを含む魚介類全体の輸入額。2016年の約14,800億円から、2020年に一時縮小、円安を背景に2025年は約19,626億円
単位: 億円
05,00010,00015,00020,00014,8001616,4941716,6291816,0771913,6712015,1582119,4532218,2942318,6602419,62625
出典: 財務省「貿易統計」(概況品別国別表、輸入、魚介類及び同調製品の国別合計)
2016201720182019202020212022202320242025
魚介類の輸入額億円14,80016,49416,62916,07713,67115,15819,45318,29418,66019,626
前年比
読み解き

水産物(魚介類)の輸入額は、2016年の約14,800億円から、新型コロナ禍の2020年に約13,671億円まで一時縮小しました。その後は外食需要の回復と円安を背景に増加に転じ、2022年に約19,453億円、2025年には約19,626億円となっています。円安が進むと、同じ量を輸入しても円建ての金額は膨らむため、輸入額の増加には為替の影響が大きく表れます。

この魚介類には、さけ・ますやまぐろ、えびといった主要な寿司ネタが含まれます。回転寿司は外食のなかでも原材料費の比率が高い業態とされ、水産物の輸入額の動きは、各社の原価や価格改定の背景を理解するうえで重要な指標です。

さけ・ますの輸入単価の推移(2016-2025年、円/kg)

1kgあたりの輸入単価(金額÷数量)。2016年の約780円から2024年に約1,279円へ上昇。輸入数量はほぼ横ばい
単位: 円/kg
03757501,1251,5007801698617960189211980020899211,215221,282231,279241,37025
出典: 財務省「貿易統計」(概況品別、さけ及びますの輸入金額÷輸入数量で算出)
2016201720182019202020212022202320242025
さけ・ますの輸入単価円/kg7809869609218008991,2151,2821,2791,370
読み解き

さけ・ます(サーモン)の輸入単価は、2016年の1kgあたり約780円から、2024年に約1,279円、2025年には約1,370円へと上昇しました。一方、輸入数量は約230千トンから約220千トン(2024年)とほぼ横ばいです。

つまり、さけ・ますの輸入額の増加は、輸入量が増えたためではなく、1kgあたりの単価の上昇によるものです。円安に加え、世界的なサーモン需要の高まりや養殖コストの上昇が、調達単価を押し上げています。長く一皿100円台を掲げてきた回転寿司にとって、主力ネタであるサーモンの単価上昇は、原価率と価格改定の綱引きに直結します。

このグラフに関連するトピック

主要なネタの輸入額・単価・主要産地(2024年)

寿司の主要ネタとなる水産物の輸入額(億円)・輸入単価(円/kg)・主要な輸入相手国
さけ・ます(サーモン)
輸入額
2,811
輸入単価
1,279
主要な産地
チリ・ノルウェー
えび
輸入額
2,086
輸入単価
1,347
主要な産地
インド・ベトナム
まぐろ
輸入額
1,833
輸入単価
1,047
主要な産地
台湾・中国
いか
輸入額
843
輸入単価
798
主要な産地
中国・ペルー
かに
輸入額
735
輸入単価
2,547
主要な産地
ロシア・カナダ
たこ
輸入額
468
輸入単価
1,508
主要な産地
モーリタニア・モロッコ
うに
輸入額
232
輸入単価
2,226
主要な産地
ロシア・チリ
読み解き

2024年の輸入額が最も大きいネタはさけ・ます(2,811億円)で、えび(2,086億円)、まぐろ(1,833億円)が続きます。産地は品目ごとに異なり、さけ・ますはチリ・ノルウェー、えびはインド・ベトナム、まぐろは台湾・中国などが中心です。

輸入単価は品目によって差が大きく、うにやかになどの高級ネタは1kgあたりの単価が高く、まぐろ・えびがそれに続きます。為替や産地国の漁獲・養殖の状況が品目ごとに異なるため、各社は複数の産地から調達してリスクを分散しています。特定の国や魚種への依存を避けることが、安定調達とコスト管理の両立につながります。

主要論点

なぜ寿司ネタの調達コストが上がっているのか?

寿司ネタの調達コスト上昇の最大の要因は、輸入単価の上昇です。さけ・ます(サーモン)の輸入単価は、2016年の1kgあたり約780円から2024年に約1,279円へと約64%上がりました。注目すべきは、輸入数量が約230千トンから約220千トンとほぼ横ばいである点です。

つまり、輸入額の増加は「たくさん買うようになったから」ではなく、「同じ量でも単価が上がったから」です。背景には、円安によって円建ての調達価格が膨らんだことと、世界的なサーモン需要の高まりや養殖コストの上昇があります。水産物(魚介類)全体の輸入額も、2016年の約14,800億円から2025年に約19,626億円へと増えています。

回転寿司は外食のなかでも原材料費の比率が高い業態です。長く一皿100円台を掲げてきたなかで、主力ネタの単価上昇をどこまで価格に転嫁できるかが、各社の収益力を左右します。

寿司のネタはどこから来るのか?

寿司の主要なネタは、品目ごとに産地が異なります。輸入額が最大のさけ・ます(サーモン)は、チリとノルウェーが中心で、特にチリからの輸入が大きな比重を占めます。えびは、インド・ベトナム・インドネシアといった東南アジア・南アジアからの輸入が中心です。

まぐろは、台湾・中国・韓国など、より多くの国に分散しています。いか・たこ・かに・うになども、それぞれ主要な産地が異なります。寿司ネタは輸入依存が高いため、産地国の漁獲規制や養殖の状況、為替の動きが、調達の安定性と価格に直接影響します。

各社は、特定の国や魚種への依存を避けるため、産地の分散を進めています。さらに、国産魚の見直しや、養殖サーモンの調達先の多様化など、輸入に頼りきらない調達体制づくりも課題となっています。

価格転嫁と国産・養殖はどこまで進むのか?

調達コストの上昇に対し、各社は価格への転嫁を進めています。長く100円均一を掲げてきた回転寿司も、一皿の価格帯を引き上げたり、高価格帯の商品を増やしたりする動きが広がっています。ただし、値ごろ感が強みの業態だけに、値上げによる客離れとの綱引きが続きます。

調達面では、産地の分散と養殖の活用が進んでいます。さけ・ますはチリ・ノルウェーが中心ですが、調達先を広げる動きや、国産養殖サーモンを見直す動きも見られます。日本の食用魚介類の自給率は5割程度にとどまるため、輸入に頼る構造は当面続くとみられますが、国産・養殖の比重を高める取り組みが、調達リスクの軽減につながります。

為替や国際的な水産市況の変動が当面続くと見込まれるなか、ネタの質を保ちながら値ごろ感をどこまで維持できるかが、寿司業界に共通する課題です。安定調達とコスト管理の両立が、各社の競争力を左右します。

中期見通し

近未来1-2年

2026-2027年は、為替と国際市況に左右される調達コストの高止まりが続く見通しです。さけ・ますの輸入単価は2025年も上昇しており、円安が続くかぎり、円建ての調達価格は高水準で推移します。各社は、価格改定と産地分散の両面で原価上昇に対応することになります。

中期3-5年

中期では、国産・養殖の活用と産地分散が調達戦略の軸となります。輸入依存と為替リスクを抑えるため、国産養殖サーモンの調達や、特定産地への集中を避ける動きが進む見通しです。一方で、世界的な水産需要の高まりは続くとみられ、調達単価が大きく下がる展開は見込みにくい状況です。

長期

長期では、世界的な水産資源の制約と需要拡大が、寿司ネタの調達環境を規定します。養殖技術の進歩や代替食材、国内生産の見直しが、輸入依存と価格変動への備えとなります。自給率5割程度という構造のなかで、安定調達とコスト管理を両立できる体制づくりが、各社の長期の競争力を左右します。

よくある質問

回転寿司のネタはどこから来るのですか?
主要なネタは品目ごとに産地が異なります。輸入額が最大のさけ・ます(サーモン)はチリ・ノルウェー、えびはインド・ベトナム・インドネシアなどの東南アジア、まぐろは台湾・中国・地中海などが中心です(2024年、財務省貿易統計)。寿司ネタは輸入依存が高く、為替や産地国の事情が調達に影響します。
なぜ寿司の値段が上がっているのですか?
主な要因は、水産物の調達単価の上昇と人件費の上昇です。さけ・ますの輸入単価は2016年の1kgあたり約780円から2024年に約1,279円へ約64%上がりました。輸入数量はほぼ横ばいで、円安によって円建ての調達価格が膨らんだことが大きく影響しています。これに人件費上昇が加わり、回転寿司でも一皿の価格帯を引き上げる動きが広がっています。
水産物の輸入額はどのくらいですか?
財務省の貿易統計によると、水産物(魚介類)の輸入額は2024年に約18,660億円、2025年に約19,626億円です。2016年の約14,800億円から、2020年のコロナ禍で一時縮小したのち、円安を背景に増加しています。このうちさけ・ますが約2,811億円、えびが約2,086億円(いずれも2024年)と大きな比重を占めます。
日本の魚は国産でまかなえないのですか?
日本の食用魚介類の自給率は5割程度にとどまり(農林水産省)、寿司ネタとなる水産物の多くを輸入に頼っています。特にサーモン(さけ・ます)は、チリやノルウェーからの養殖物の輸入が中心です。各社は国産魚の見直しや養殖の活用も進めていますが、輸入に依存する構造は当面続くとみられます。
ネタ調達のデータの出典は何ですか?
輸入額・輸入数量は財務省「貿易統計」(概況品別国別表、輸入)に基づきます。本ページの輸入単価(円/kg)は輸入金額を輸入数量で割って算出し、世界計(全体の輸入額)は国別の輸入額を合計して求めています。自給率は農林水産省の公表値を参考にしています。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    財務省「貿易統計」(概況品別国別表、輸入、2016-2025年)
  2. 2.
    農林水産省(食用魚介類の自給率)
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