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コンビニのフランチャイズと加盟店|本部と加盟店の仕組みと24時間営業【2026年版】

コンビニはフランチャイズ(FC)を基本とし、本部が商品開発・物流・システムを担い、加盟店が店舗運営を担う仕組みで全国に店舗網を広げてきました。公正取引委員会が大手8社の全加盟店57,524店を対象に実施した実態調査では、ロイヤルティの負担や24時間営業のあり方、本部の加盟店支援が論点として浮かび上がりました。本部と加盟店の役割分担、加盟店をめぐる論点、制度の見直しの動きを順に整理します。

コンビニのフランチャイズはどう成り立っているのか

本部と加盟店の役割分担

コンビニのフランチャイズでは、本部が商品開発・物流・情報システム・ブランドといった事業の基盤を担い、加盟店のオーナーが店舗の運営・発注・従業員の雇用を担います。加盟店は本部のブランドと仕組みを使って店を開き、本部は多数の加盟店を束ねることで商品開発や物流の規模を確保します。

この分業によって、本部は自社で全店舗を保有する負担なく店舗網を広げられ、加盟店は個人では難しい商品力や物流網を活用して店を運営できます。直営店(本部が直接運営する店舗)も一部ありますが、店舗の大半は加盟店です。

ロイヤルティ(チャージ)の仕組み

加盟店は、本部のブランドや仕組みを利用する対価としてロイヤルティ(チャージ)を本部に支払います。これは多くのチェーンで、売上から売上原価を差し引いた売上総利益(粗利)に一定の率を掛けて算出される方式が中心です。

このため、加盟店の経営は売上だけでなく粗利の水準やロイヤルティの率に左右されます。仕入れや廃棄のコスト、人件費の負担をどう抑えるかが加盟店の収益を決め、本部と加盟店の利益配分のあり方が論点となってきました。

ドミナント出店と加盟店

コンビニ各社は、特定の地域に集中して出店するドミナント出店(特定エリアへの集中出店)を進めてきました。集中出店は物流・配送や店舗指導、広告の効率を高め、ブランドの認知度を上げる効果があります。

一方で、近接する店舗どうしの競合や、出店余地の減少といった課題も生みます。店舗数が約5万6千店で頭打ちとなるなか、新規出店による拡大から、既存の加盟店の収益力をどう高めるかへと各社の重点が移っています。

本部と加盟店の役割分担

フランチャイズにおける本部と加盟店の主な役割(一般的な区分)
商品・サービス
本部の役割
商品開発・プライベートブランド・サービスの企画
加盟店の役割
品揃えの選択・発注
物流・調達
本部の役割
物流網・共同配送・仕入れの集約
加盟店の役割
商品の受け入れ・在庫管理
システム・情報
本部の役割
POSや発注システム・情報基盤の提供
加盟店の役割
データを使った発注・売場づくり
出店・ブランド
本部の役割
立地開発・ブランド・広告
加盟店の役割
店舗の開設・地域での運営
店舗運営・人材
本部の役割
店舗指導・研修・経営支援
加盟店の役割
従業員の雇用・シフト・接客・店舗管理
読み解き

本部は商品開発・物流・システム・ブランドといった「規模が効く」機能を集約して担い、加盟店は地域に根ざした店舗運営と人材の確保を担います。本部は多数の加盟店を束ねることで商品力と効率を高め、加盟店は本部の仕組みを使って個人では難しい規模の店舗運営を実現します。この役割分担と、その対価であるロイヤルティの水準が、本部と加盟店の関係の基本にあります。

加盟店をめぐってどんな論点があるのか

公正取引委員会の実態調査が示した加盟店の実情
公正取引委員会の大規模調査

公正取引委員会は2020年、大手8社のコンビニチェーンに加盟する全加盟店57,524店(令和2年1月時点の大手8社の加盟店数で、直営店や現在の業界全体の店舗数 約5万6千店とは集計の対象が異なります)を対象とした初の大規模な実態調査を行い、12,013店(回答率20.9%)から回答を得ました。この調査は、本部と加盟店の取引の実態を網羅的に把握したもので、「フランチャイズ・システムに関する独占禁止法上の考え方」の改定(2021年4月)の根拠となりました。

調査では、24時間営業や商品の発注、見切り販売(賞味期限の近い商品の値引き)、本部による支援などをめぐる加盟店の実情が明らかにされ、本部に対して自主的な点検・改善が要請されました。

24時間営業と人手不足の負担

加盟店の大きな論点が24時間営業です。コンビニは長らく24時間営業を基本としてきましたが、人手不足の深刻化により、オーナーや家族が長時間の勤務を強いられるケースが課題となりました。深夜帯の人件費や採用難が、加盟店の負担として重くのしかかっています。

こうした実情を受けて、全店が一律に24時間営業を続けるのではなく、立地や人手の状況に応じて営業時間を選べるようにする動きが各社で進んでいます。営業時間は本部と加盟店の関係を象徴する論点となっています。

本部による加盟店支援

本部による加盟店支援のあり方も論点です。商品の発注支援や店舗運営の指導に加え、人手不足への対応として、本部による人材の融通や、省人化を進めるセルフレジ・無人決済などの仕組みの導入が進んでいます。

加盟店の収益力が本部の事業全体を支える構造であるため、加盟店の負担をどう軽減し、収益力をどう高めるかは、本部にとっても重要な経営課題です。加盟店との対話の強化が各社に求められています。

加盟店と契約の見直しはどう進んでいるのか

営業時間と契約の柔軟化

近年は、加盟店の実情に応じて営業時間や経営の柔軟性を認める方向に契約や運用が見直されています。24時間営業を続けるか、深夜帯を短縮するかを加盟店が選べる仕組みや、賞味期限の近い商品の値引き(見切り販売)の柔軟化などが進みました。

一律の運用から、加盟店ごとの事情に合わせた運用へと移ることで、人手不足の負担を和らげ、加盟店が続けやすい仕組みづくりが図られています。

社会インフラとしての加盟店の役割

コンビニは公共料金の収納や宅配便の受け取り、行政手続き、災害時の物資供給など、社会インフラとしての役割も担っています。これらの機能は地域にとって重要である一方、加盟店の現場での対応の負担にもつながります。

社会インフラとしての期待が高まるほど、その負担を本部・加盟店・社会全体でどう支えるかが、コンビニの持続性を左右します。制度や政策の面からの議論は、政策・社会インフラのページで扱います。

主要論点

なぜ24時間営業が大きな論点になったのか?

24時間営業は長らくコンビニの基本でしたが、人手不足の深刻化によって、オーナーや家族が深夜帯を含めて長時間勤務せざるを得ないケースが増え、加盟店の負担として表面化しました。深夜帯の人件費や採用難が、加盟店の収益と働き方を圧迫したためです。

公正取引委員会の実態調査(大手8社の全加盟店57,524店対象、回答12,013店)でも、営業時間をめぐる本部と加盟店の関係が論点の一つとして取り上げられました。24時間営業は、来店客の利便性や物流の効率という本部・社会の側のメリットと、加盟店の人手・コストの負担とが、最も鋭く対立する論点です。

これを受けて、全店一律ではなく立地や人手に応じて営業時間を選べるようにする動きが各社で進みました。営業時間のあり方は、本部と加盟店がメリットと負担をどう分かち合うかを映す象徴的なテーマとなっています。

フランチャイズは本部と加盟店のどちらに有利な仕組みなのか?

フランチャイズは、本部と加盟店の双方に役割と利益がある仕組みです。本部は商品開発・物流・システムを集約して担い、多数の加盟店を束ねることで規模の効率を得ます。加盟店は本部のブランドと仕組みを使い、個人では難しい商品力や物流網を活用して店を運営できます。

一方で、加盟店が本部に支払うロイヤルティが売上総利益(粗利)に対して課される方式が中心であるため、仕入れや廃棄、人件費の負担が加盟店の収益を圧迫しやすい構造があります。公正取引委員会の調査は、こうした取引の実態を把握し、本部に自主的な改善を求める契機となりました。

「どちらに有利か」を一概には言えませんが、加盟店の収益力が本部の事業全体を支える構造であるため、加盟店の負担軽減と収益力の向上が、結果として本部の持続的な成長にもつながります。両者の利益配分と支援のあり方が、関係の安定を左右します。

コンビニの社会インフラ化は加盟店に何をもたらすのか?

コンビニは、公共料金の収納や宅配便、行政手続き、災害時の物資供給など、社会インフラとしての機能を年々増やしてきました。これらは来店動機を広げ、地域での存在感を高める一方、店舗の現場では取り扱う業務が増え、加盟店の対応の負担にもつながります。

サービスの多様化は客単価やサービス売上の押し上げに寄与しますが、その多くは加盟店の現場のオペレーションに支えられています。人手不足のなかで業務が増えれば、加盟店の負担は一層重くなります。

そのため、社会インフラとしての役割を持続させるには、省人化の仕組みや本部の支援、業務の効率化が欠かせません。社会からの期待と加盟店の現場の負担のバランスをどう取るかが、コンビニが社会インフラであり続けるための条件となります。

よくある質問

コンビニのフランチャイズ(FC)とはどんな仕組みですか?
本部が商品開発・物流・情報システム・ブランドを提供し、加盟店のオーナーが店舗の運営・発注・従業員の雇用を担う仕組みです。加盟店は本部のブランドと仕組みを使って店を開き、その対価としてロイヤルティ(チャージ)を本部に支払います。店舗の大半は加盟店で、一部に本部が直接運営する直営店があります。
ロイヤルティ(チャージ)はどのように決まりますか?
多くのコンビニチェーンでは、加盟店の売上から売上原価を差し引いた売上総利益(粗利)に一定の率を掛けて算出される方式が中心です。このため加盟店の経営は、売上だけでなく粗利の水準やロイヤルティの率、仕入れ・廃棄・人件費の負担に左右されます。利益配分のあり方が本部と加盟店の論点となってきました。
公正取引委員会のコンビニ調査とは何ですか?
公正取引委員会が2020年に、大手8社のコンビニチェーンに加盟する全加盟店57,524店(令和2年1月時点)を対象に実施した初の大規模な実態調査です。12,013店(回答率20.9%)から回答を得て、24時間営業やロイヤルティ、本部の支援などをめぐる加盟店の実情を把握しました。この調査は「フランチャイズ・システムに関する独占禁止法上の考え方」の改定の根拠となりました。
24時間営業は今も続いているのですか?
24時間営業は長らく基本でしたが、人手不足によるオーナーの負担が課題となり、立地や人手の状況に応じて営業時間を選べるようにする動きが各社で進みました。全店一律の運用から、加盟店ごとの事情に合わせた運用へと移っています。営業時間のあり方は本部と加盟店の関係を象徴する論点です。
コンビニはなぜ社会インフラと呼ばれるのですか?
コンビニは公共料金の収納や宅配便の受け取り、行政手続き、災害時の物資供給など、地域の生活を支える機能を年々増やしてきたためです。こうした機能は来店動機を広げる一方、加盟店の現場の業務負担にもつながります。社会インフラとしての役割を持続させるには、省人化や本部の支援、業務の効率化が課題となります。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    公正取引委員会「コンビニエンスストア本部と加盟店との取引等に関する実態調査報告書」(2020年9月)
  2. 2.
    経済産業省「新たなコンビニのあり方検討会」報告書(2020年2月)+ フォローアップ
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