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コンタクトレンズの市場規模|出荷額の推移と使い捨て化【2026年版】

日本のコンタクトレンズ市場は、需要側の本体で、小売が2024年に約3,140億円(NielsenIQ)、メーカーや卸からの出荷額が2024年に約3,153億円(日本コンタクトレンズ協会)です。両者は近い水準ですが、店頭の販売でみるか出荷でみるかという捉え方が違う別の数字です。長期では本体の出荷額が2016年以降おおむね増加する一方、洗浄に使うケア用品は横ばいから微減で、洗浄の不要な使い捨て(1day)への移行が進んでいます。市場規模の推移、本体とケアの違い、定額制(サブスク)まで順に整理します。

コンタクト本体の小売(2024年)
3,140億円
店頭・通販の販売実績推計、前年比+0.2%。出荷額(日本コンタクトレンズ協会)とは別の捉え方
出典: NielsenIQコンタクトレンズ小売市場
本体小売の前年比(2024年)
+0.2%
本体の小売はほぼ横ばい。内訳では定額制が伸び、ケア用品が減少
出典: NielsenIQコンタクトレンズ小売市場
定額制サービスの前年比(2024年)
+13%
小売のなかで定額制(サブスク)が高い伸び、1day継続購入と相性がよい
出典: NielsenIQコンタクトレンズ小売市場
ケア用品の前年比(2024年)
-8%
洗浄の不要な1day普及でケア用品は減少、本体との方向感が分かれる
出典: NielsenIQコンタクトレンズ小売市場

コンタクトレンズ本体の出荷額の推移 (2016-2025年、億円)

日本コンタクトレンズ協会の出荷額ベース。コロナ前2019年の2,570億円から2020年に2,403億円へ落ち込んだ後、2024年は3,153億円へ回復・拡大
単位: 億円
01,0002,0003,0004,0002,147162,237172,347182,570192,403202,570212,824223,018233,153243,16025
出典: 日本コンタクトレンズ協会 (JCLA) マーケットサイズ (本体、出荷額ベース、2016-2025年)
2016201720182019202020212022202320242025
コンタクトレンズ本体 出荷額億円2,1472,2372,3472,5702,4032,5702,8243,0183,1533,160
前年比+4.2%+4.9%+9.5%-6.5%+6.9%+9.9%+6.9%+4.5%+0.2%
読み解き

コンタクトレンズ本体の出荷額は、メーカーや卸からの出荷段階でみた金額です。2016年の2,147億円からおおむね増加し、コロナ禍の2020年に2,403億円へ一時落ち込んだ後、2024年に3,153億円へ回復・拡大しました。コロナ底の2020年からは約1.3倍の水準です。毎日新しいレンズを使う使い捨て(1day)への移行で、本体の継続的な購入が広がっていることが背景にあります。

出荷額は小売金額とは別の捉え方です。本体は出荷額(約3,153億円)と小売金額(NielsenIQ、2024年約3,140億円)が近い値になりますが、メーカー出荷の段階でみるか店頭・通販の販売でみるかという段階が違う別の数字で、同じ軸で足し合わせることはできません。なお2025年は暫定値で、調査対象の会社数が前年から5社少ない35社のため、前年との単純な比較には注意が必要です。

このグラフに関連するトピック

本体とケア用品の出荷額の対比(億円)

日本コンタクトレンズ協会の出荷額ベース。本体は長期的に増加、ケア用品は横ばい〜微減で、使い捨て(1day)シフトを映す
コンタクトレンズ本体
2016年
2,147億円
2024年
3,153億円
長期の方向
長期的に増加
ケア用品(洗浄液など)
2016年
340億円
2024年
321億円
長期の方向
横ばい〜微減
読み解き

本体とケア用品は、同じコンタクトレンズの出荷額でも逆の動きをしています。本体は2016年の2,147億円から2024年の3,153億円へ増加した一方、洗浄に使うケア用品は2016年の340億円から2024年の321億円へ横ばいから微減です。

背景にあるのが使い捨て(1day)への移行です。1dayは毎日新しいレンズに替えるため本体の購入は増える一方、レンズを洗って繰り返し使わないので洗浄液などのケア用品は要らなくなります。小売の側でも同じ流れが見え、NielsenIQの2024年の調査では定額制サービスが前年比+13%と伸びるなか、ケア用品は-8%と減少しました。本体が伸びてケアが減るという2つの方向の違いが、使い捨て化の進行を示しています。

主要論点

使い捨て(1day)化は、コンタクトレンズ市場に何をもたらすか?

コンタクトレンズは単回使用(1day)への移行が長く続いています。本体の出荷額は2016年の2,147億円から2024年の3,153億円へ増加する一方、洗浄に使うケア用品は340億円から321億円へ横ばいから微減です。1dayは毎日新しいレンズを使うため、継続的な購入が前提となる消費構造で、本体の需要を底支えします。

小売の側でも同じ流れが確認できます。NielsenIQの2024年の調査では、本体の小売が前年比+0.2%とほぼ横ばいのなかで、定額制サービスが+13%と伸び、ケア用品は-8%と減少しました。1dayが普及するとケア用品が不要になるため、本体は伸びる一方でケア用品は減るという動きです。

使い捨て化は、使う人にとっては衛生面や手入れの手軽さという利点があり、事業者にとっては継続購入による安定した需要につながります。一方で、毎日使い捨てるためレンズ単価あたりの量が増え、価格や供給の安定が論点になります。

定額制(サブスク)は、流通と収益に何をもたらすか?

使い捨て化を象徴するのが、メニコンが運営する定額制のメルスプランです。会員数は約132.5万人で、そのうち1DAY会員の比率は28.0%へ上昇し、高単価レンズの構成比上昇や価格改定で平均月額費用も3,131円へ上がっています。会員数自体は横ばいから微減ですが、1dayなど高単価レンズへの移行で1人あたりの単価が上がり、定額制の売上は伸びています。

定額制は、利用者にとっては買い替えやレンズの交換・定期検査の手間が減り、事業者にとっては継続課金による収益の安定につながります。毎日新しいレンズを使う1dayは継続購入が前提のため、定額制と相性のよいモデルです。

コンタクトレンズは医療機器に分類され、販売には一定の管理が求められます。定額制や使い捨て化は、量販店や通販、眼科併設店といった流通チャネルの組み合わせを前提に進んでおり、継続購入を軸とした収益モデルへの移行が業界の論点となっています。

コンタクトの市場規模に、なぜ「小売」と「出荷額」の2つの数字があるのか?

コンタクトレンズ本体の市場規模には、店頭・通販の販売額でみる小売市場(NielsenIQ、2024年約3,140億円)と、メーカーや卸からの出荷額(日本コンタクトレンズ協会、2024年約3,153億円)という2つの捉え方があり、調査機関と集計の段階が異なります。

2024年は両者が近い水準ですが、これは偶然近いだけで、販売の段階でみるか出荷の段階でみるかという捉え方が違う別の数字です。同じ軸で足し合わせたり、片方を他方の代わりに使ったりはできません。長期の推移を追えるのは出荷額(2016-2025年)で、本ページの推移チャートはこの出荷額を使っています。

なお、店頭で売られる小売金額と、メーカーが出荷する金額は、本来は流通の段階(卸・小売のマージン)による差を含む別の段階の数字です。2024年はたまたま近い水準になっていますが、これは両者が同じものという意味ではなく、数字を読むときは出典(小売か出荷額か)を必ず確認する必要があります。

中期見通し

近未来1-2年

コンタクトレンズ本体の出荷は、使い捨て(1day)への移行と継続購入を背景に、底堅い推移が見込まれます。一方でケア用品は1day普及の裏側で縮小が続く見通しです。定額制サービスは会員数が横ばいでも、高単価レンズへの移行で1人あたり単価が上がり、売上面を下支えします。

中期3-5年

中期では、1dayへの移行が一段落するかが焦点です。本体の出荷は底堅い一方、移行が進むほどケア用品の縮小は続く見通しです。継続購入を前提とした定額制や、量販店・通販・眼科併設店を組み合わせた流通チャネルの最適化が、各社の収益を左右します。

長期

長期では、人口減少と高齢化が国内需要の基調を決めます。一方で、若年層の視力低下や近視人口は需要を下支えする要因です。コンタクトレンズは輸入が供給額の多くを占めるため、為替や海外メーカーの動向の影響も受けます。供給構造の詳細は製造・供給構造のページで扱います。

よくある質問

コンタクトレンズの市場規模はどのくらいですか?
需要側の本体でみると、店頭・通販の小売が2024年に約3,140億円(NielsenIQ)、メーカーや卸からの出荷額が2024年に約3,153億円(日本コンタクトレンズ協会)です。2つは近い水準ですが、販売の段階でみるか出荷の段階でみるかという捉え方が異なる別の数字で、同じ軸で足し合わせることはできません。
コンタクトの使い捨て(1day)はどのくらい普及していますか?
本体の出荷額が2016年以降おおむね増加する一方、洗浄に使うケア用品は横ばいから微減で、これは洗浄の不要な1dayが普及していることを示しています。メニコンの定額制メルスプランでも、1DAY会員の比率が28.0%へ上昇しています。NielsenIQの2024年の調査でも、定額制サービスが前年比+13%と伸び、ケア用品は-8%と減少しました。
メルスプランなどのコンタクトの定額制とは何ですか?
メルスプランは、メニコンが運営するコンタクトレンズの定額制(サブスク)サービスです。月額を支払うことでレンズの交換や定期的な検査を受けられる仕組みで、会員数は約132.5万人です。1DAY会員の比率は28.0%、平均月額費用は3,131円です。利用者は買い替えの手間が減り、事業者は継続課金で収益が安定するという特徴があり、使い捨て化と相性のよいモデルとして広がっています。
コンタクトの本体とケア用品で、市場の動きはどう違いますか?
本体の出荷額は2016年の2,147億円から2024年の3,153億円へ増加した一方、洗浄に使うケア用品は340億円から321億円へ横ばいから微減です。毎日新しいレンズに替える1dayは本体の購入が増える一方、レンズを洗って繰り返し使わないため洗浄液などのケア用品が要らなくなる、という逆の動きが背景にあります。
「小売」と「出荷額」の数字は何が違いますか?
小売(NielsenIQ、2024年約3,140億円)は店頭・通販で消費者に売られた販売額、出荷額(日本コンタクトレンズ協会、2024年約3,153億円)はメーカーや卸から出荷された金額です。2024年は近い水準ですが、捉える段階が違う別の数字で、同じ軸で足し合わせることはできません。長期の推移を追えるのは出荷額です。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    一般社団法人 日本コンタクトレンズ協会 (JCLA) マーケットサイズ
  2. 2.
    NielsenIQ Japan (旧GfK Japan)「コンタクトレンズ小売市場」(2024年)
  3. 3.
    メニコン2025年3月期 決算説明資料 (メルスプラン)
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