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メガネ・コンタクトレンズ業界の構造|業態別のプレイヤーと上場各社の業績【2026年版】

メガネ・コンタクトレンズ業界は、メガネの低価格SPA(製造から販売まで一貫する製造小売)、メガネの高級ブランド、メガネの小売チェーン、コンタクトレンズの専業メーカー、レンズのグローバル供給という、性格の異なる業態に分かれます。特定の数社が業界全体を占める構造ではなく、業態ごとに異なるプレイヤーが事業を展開しています。業態別の役割の違い、上場各社の事業規模、業態を越えた再編の動きを順に整理します。

メガネ・コンタクトレンズ業界の5つの業態

特定数社の寡占ではなく、性格の異なる業態のプレイヤーがそれぞれの領域で事業を展開する構造

5つの業態は上下関係のある序列ではなく、それぞれが異なる領域を担っています。メガネの低価格SPAは製造小売の一貫体制で数量を、高級製造小売はブランドと高単価を、小売チェーンは店舗網と接客を、コンタクト専業は開発から販売までの一体運営を、レンズのグローバル供給は世界規模のレンズ製造を強みとします。同じ「メガネ・コンタクト」でも、競合というより領域ごとの役割分担に近い関係です。

メガネ・低価格SPA
代表プレイヤー
JINS・Zoff
役割・特徴
製造から販売まで一貫、低価格と機能性レンズで複数保有を広げる
事業領域
メガネ小売(製造小売)
メガネ・高級製造小売
代表プレイヤー
Japan Eyewear Holdings(金子眼鏡・999.9)
役割・特徴
ブランドと高単価のフレームを製造小売
事業領域
メガネ小売(高価格帯)
メガネ・小売チェーン
代表プレイヤー
パリミキ・愛眼
役割・特徴
全国の店舗網と接客・調整で販売
事業領域
メガネ小売(チェーン)
コンタクトレンズ専業
代表プレイヤー
メニコン・シード
役割・特徴
開発から販売まで一体運営、定額制や国産生産に強み
事業領域
コンタクトレンズ
レンズ・グローバル供給
代表プレイヤー
HOYA
役割・特徴
眼鏡レンズを世界規模で製造し眼鏡店・小売へ供給
事業領域
レンズ供給(眼鏡店・小売向け)

メガネ・低価格SPA(JINS・Zoff)

ジンズホールディングス(JINS)とインターメスティック(Zoff)は、製造から販売までを一貫して手がける低価格の製造小売(SPA)です。企画・調達・店頭販売を自社で抱えることで低価格と短納期を実現し、ファッション用途や複数保有の需要を広げてきました。連結売上はJINSが約972億円、Zoffが約502億円です。

近年は低価格だけでなく、累進(遠近両用)・調光・ブルーライトカットなどの機能性レンズで単価を引き上げる動きも進めています。2025年にはZoffを運営するインターメスティックがメガネスーパーを子会社化し、SPAと小売チェーンを組み合わせる構えを見せています。メガネの低価格帯はこの2社の存在感が大きく、数量を支える中心的な業態です。

メガネ・高級製造小売(Japan Eyewear Holdings)

Japan Eyewear Holdingsは、金子眼鏡や999.9(フォーナインズ)といった高級ブランドを手がける製造小売です。鯖江産地の職人技を背景に、高単価のフレームをブランドとして展開しています。連結売上は約167億円で、低価格SPAとは異なり、単価とブランド価値で勝負する業態です。

低価格SPAが数量を、高級製造小売が単価を担うという形で、メガネ市場の価格の二極化を体現するプレイヤーです。国内の高価格帯に加え、海外やインバウンドの需要も取り込む立場にあります。

メガネ・小売チェーン(パリミキ・愛眼)

パリミキホールディングス(パリミキ・メガネの三城・金鳳堂)と愛眼は、全国に店舗網を持つメガネの小売チェーンです。自社で製造を抱えるSPAとは異なり、店舗での接客や視力測定・フィッティングといった対面のサービスを強みとします。パリミキの連結売上は約499億円(2024年3月期)で、国内に約630店を展開し、愛眼の連結売上は約149億円です。

低価格SPAの浸透で価格競争は厳しさを増していますが、対面の接客や累進レンズの調整など、店頭での付加価値で差別化を図っています。地域に根ざした店舗網が、これらのチェーンの基盤です。

コンタクトレンズ専業(メニコン・シード)

メニコンとシードは、コンタクトレンズの開発から製造・販売までを手がける国内の専業メーカーです。メニコンの連結売上は約1,215億円、シードは約332億円で、メニコンは業界上場各社のなかでも売上規模が大きいプレイヤーです。

メニコンは定額制(サブスク)のメルスプランを運営し、継続購入を軸とした収益モデルを築いています。シードは国産生産に強みを持ちます。コンタクトレンズは輸入が供給額の多くを占めるなかで、両社は独自製品や定額制、国産比率の高い領域で差別化を進めています。コンタクト市場の詳しい動向はコンタクトレンズ市場のページで扱います。

レンズ・グローバル供給(HOYA)

HOYAは、眼鏡レンズで世界上位のシェアを持つグローバルなレンズメーカーで、眼鏡店や小売へレンズを供給する立場です。コンタクトレンズでも国内の専門店チャネルで上位とされています。店頭で消費者にメガネを販売する小売SPAやチェーンとは事業の性格が異なります。

HOYAの連結売上は約8,660億円ですが、これは医療機器や情報通信を含むグループ全体の数値で、眼鏡レンズやコンタクトを含むアイケア事業の単独の売上は公表されていません。このため連結売上を「メガネ業界の規模」として読むことはできず、本ページの上場各社の売上比較にも含めていません。HOYAは、国内のメガネ小売とは別の、レンズを供給する立場のプレイヤーとして位置づけられます。

メガネ・コンタクトレンズ業界の上場各社の連結売上(億円)

各社の直近通期の連結売上。事業領域(メガネ小売/コンタクト)が異なる点に留意。HOYAは連結が別事業を含むため非掲載
メニコン
コンタクト専業(FY2025)
連結売上(億円)
1,215
ジンズホールディングス(JINS)
メガネSPA(FY2025)
連結売上(億円)
972
インターメスティック(Zoff)
メガネSPA(FY2025)
連結売上(億円)
502
パリミキホールディングス
メガネ小売チェーン(FY2024)
連結売上(億円)
499
シード
コンタクト専業(FY2025)
連結売上(億円)
332
Japan Eyewear Holdings
メガネ高級製造小売(FY2025)
連結売上(億円)
167
愛眼
メガネ小売チェーン(FY2025)
連結売上(億円)
149
読み解き

上場各社の連結売上をみると、コンタクト専業のメニコンが約1,215億円で最も大きく、メガネSPAのJINSが約972億円Zoffが約502億円と続きます。小売チェーンのパリミキは約499億円(2024年3月期)、コンタクト専業のシードは約332億円、高級ブランドのJapan Eyewear Holdingsは約167億円、小売チェーンの愛眼は約149億円です。

この比較で注意したいのは、各社の事業領域が異なる点です。メニコンやシードはコンタクトレンズ、JINSやZoffはメガネと、扱う製品が違うため、売上の大小がそのままメガネ業界内の順位を表すわけではありません。また、各社とも純粋な単一事業ではなく表の数値は連結全体の売上で、決算の締め月も社により異なります。

なお、Zoffを運営するインターメスティックは2024年に上場したばかりで、上場前の年度は開示の基準が異なり連続して比較できないため、ここでは直近の2025年3月期の数値のみを示しています。眼鏡レンズで世界上位のHOYAは、連結売上が約8,660億円ですが医療機器など別事業を含む全社の数値で、アイケア事業単独の売上は公表されていないため、規模が大きく桁が異なり誤読を招くことから本表には含めていません。

主要論点

なぜメガネ・コンタクト業界は特定数社の寡占にならないのか?

メガネ・コンタクトレンズ業界は、特定の数社が業界全体を占める構造ではなく、性格の異なる業態のプレイヤーがそれぞれの領域で事業を展開する構造です。一部の大企業が上から順に市場を支配する構図を当てはめると、実態を見誤ります。

理由は、業態ごとに手がける範囲が異なることです。メガネの低価格SPA(JINS・Zoff)は製造小売で数量を、高級製造小売(Japan Eyewear Holdings)はブランドと単価を、小売チェーン(パリミキ・愛眼)は店舗網と接客を、コンタクト専業(メニコン・シード)は開発から販売までの一体運営を担い、競合というより役割分担に近い関係です。

もっとも、領域ごとにみれば集中はあります。メガネの低価格帯はJINSとZoffの存在感が大きく、コンタクトレンズは国内では専業メーカー数社が中心です。業界全体を一律に「寡占」と括るのではなく、業態ごとにどのプレイヤーがどの役割を担うかをみるほうが、構造の理解に適しています。

メガネとコンタクトで、企業の構造はどう違うのか?

メガネとコンタクトレンズでは、プレイヤーの顔ぶれも事業の構造も異なります。メガネ側は、製造小売のSPA、高級ブランド、小売チェーンと業態が多様で、JINS・Zoff・Japan Eyewear Holdings・パリミキ・愛眼など複数の上場企業が異なる価格帯・業態で併存しています。

コンタクト側は、開発・製造・販売を一体で手がける専業メーカーが中心で、メニコン(連結約1,215億円)とシード(同約332億円)が国内の代表的なプレイヤーです。コンタクトレンズは医療機器に分類され、輸入が供給額の多くを占めるなかで、国内メーカーは定額制や国産比率の高い領域で独自性を出しています。

メガネが業態の多様性と価格の二極化で特徴づけられるのに対し、コンタクトは専業メーカーによる継続購入モデル(定額制)と医療機器としての流通で特徴づけられます。同じ業界でも、メガネとコンタクトでは企業の競い方が異なります。

業態を越えた再編は、何を意味するのか?

業態の境界は固定したものではなく、再編で動いています。象徴的なのが、2025年にZoffを運営するインターメスティックがメガネスーパー(旧ビジョナリーホールディングス)を子会社化した動きです。低価格SPAが、既存の小売チェーンを取り込む形になります。

この再編は、SPAの製造小売モデルと、小売チェーンの店舗網・接客という、異なる業態の強みを組み合わせる狙いとみられます。低価格SPAが店舗網を拡大し、小売チェーンの対面サービスを取り込むことで、価格と接客の両面で顧客層を広げることが期待されます。

人口減少で国内のメガネ需要が伸びにくいなか、業態を越えた再編は、店舗網の効率化や顧客層の補完を通じて成長を確保する動きとして続く可能性があります。業態の境界がどう動くかが、今後の業界構造の論点です。

中期見通し

近未来1-2年

2026-2027年は、業態を越えた再編と価格の二極化が同時に進む局面とみられます。低価格SPAは機能性レンズで単価を、高級製造小売はブランドで単価を高め、小売チェーンは接客で差別化を図ります。コンタクト専業は定額制と国産領域で独自性を保ちます。特定数社による固定した序列は生まれにくい構造が続きます。

中期3-5年

中期では、人口減少で国内のメガネ需要が伸びにくいなか、業態の補完を狙う再編や、海外・インバウンド需要の取り込みが各社の成長戦略の軸になる見通しです。コンタクトは使い捨て化と定額制を背景に底堅く推移し、専業メーカーの位置づけは安定するとみられます。

長期

長期では、人口減少と高齢化が国内需要の基調を決めます。メガネは業態の多様性を保ちながら、機能性レンズや高付加価値化で単価を確保する方向、コンタクトは継続購入モデルを軸にした安定が続くとみられます。業態の境界は再編で動き続け、固定した寡占ではなく業態別の多様な競争が長期にわたって続く見通しです。

よくある質問

メガネ業界の主要な企業はどこですか?
メガネ業界には業態の異なる企業が併存しています。製造から販売までを一貫して手がける低価格SPAのJINS・Zoff、金子眼鏡や999.9などの高級ブランドを扱うJapan Eyewear Holdings、全国の小売チェーンのパリミキ・愛眼などが代表例です。連結売上はJINSが約972億円、Zoffが約502億円、パリミキが約499億円(2024年3月期)などです。
コンタクトレンズの主要なメーカーはどこですか?
国内のコンタクトレンズは、開発から販売までを手がける専業メーカーが中心です。代表的なのがメニコン(連結約1,215億円)とシード(同約332億円)で、メニコンは定額制のメルスプランを運営しています。また、眼鏡レンズで世界上位のHOYAは、コンタクトでも国内の専門店チャネルで上位とされています。
メガネ・コンタクト業界は特定の数社が独占していますか?
特定の数社が業界全体を独占する構造ではありません。メガネの低価格SPA、高級製造小売、小売チェーン、コンタクトの専業メーカー、レンズのグローバル供給という、性格の異なる業態のプレイヤーがそれぞれの領域で事業を展開しています。ただし領域ごとにみると、メガネの低価格帯ではJINSとZoffの存在感が大きいなど、一定の集中はあります。
HOYAはメガネ業界でどんな位置づけですか?
HOYAは眼鏡レンズで世界上位のシェアを持つグローバルなレンズメーカーで、眼鏡店や小売へレンズを供給する立場です。店頭で消費者にメガネを販売するJINSやZoffなどの小売SPAとは事業の性格が異なります。連結売上は約8,660億円ですが、医療機器など別事業を含むグループ全体の数値で、眼鏡レンズやコンタクトのアイケア事業単独の売上は公表されていません。
Zoffがメガネスーパーを子会社化したのはなぜですか?
2025年に、Zoffを運営するインターメスティックがメガネスーパー(旧ビジョナリーホールディングス)を子会社化しました。製造小売(SPA)のモデルと、小売チェーンの店舗網・対面サービスという異なる業態の強みを組み合わせる狙いとみられます。人口減少でメガネ需要が伸びにくいなか、業態を越えた再編で顧客層の補完や店舗網の効率化を図る動きの一例です。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    EDINET(金融庁)有価証券報告書
  2. 2.
    パリミキホールディングス 決算短信(2024年3月期)
  3. 3.
    HOYA統合報告書(アイケア事業の位置づけ)
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