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メガネの市場規模|小売市場の推移とコロナ後の回復【2026年版】

日本のメガネ小売市場は、2023年見込で約5,048億円(矢野経済研究所)です。フレーム・レンズ・サングラス・老眼鏡などの5品目を合算した小売金額で、コロナ前の2019年の約5,040億円から2020年に約4,475億円(2019年比約88.8%)へ落ち込んだ後、2023年見込でほぼコロナ前の水準まで回復しました。回復は外出需要の戻りや低価格化だけでなく、機能性レンズによる単価の上昇にも支えられています。市場規模の推移、回復の中身、世帯支出からみた長期の需要動向まで順に整理します。

メガネ小売市場(2023年見込)
5,048億円
フレーム・レンズ・サングラス等の5品目の小売金額、ほぼコロナ前の水準まで回復
出典: 矢野経済研究所 国内アイウエア小売市場調査
メガネ小売 コロナ前(2019年)
5,040億円
回復の基準となるコロナ前の水準、2023年見込はこのほぼ同水準まで戻った
出典: 矢野経済研究所 国内アイウエア小売市場調査
メガネ小売 コロナ底(2020年)
4,475億円
外出自粛で2019年比約88.8%まで落ち込んだ底
出典: 矢野経済研究所 国内アイウエア小売市場調査
メガネ小売 系列起点(2018年)
5,061億円
長期系列の起点、コロナ前の水準を示す参照点
出典: 矢野経済研究所 国内アイウエア小売市場調査

メガネ小売市場規模の推移 (2018-2023年、億円)

コロナ前の2019年約5,040億円から2020年約4,475億円へ落ち込み、2023年見込約5,048億円でほぼコロナ前水準に回復
単位: 億円
01,5003,0004,5006,0005,061185,040194,475204,768214,918225,04823
出典: 矢野経済研究所「国内アイウエア小売市場に関する調査 (2023年)」(5品目、小売金額)
201820192020202120222023
メガネ小売市場規模億円5,0615,0404,4754,7684,9185,048
前年比-0.4%-11.2%+6.5%+3.1%+2.6%
読み解き

メガネの小売市場は、フレーム・レンズ・サングラス・老眼鏡などの5品目を合算した小売金額です。2018年は約5,061億円でしたが、2020年に外出自粛の影響で約4,475億円(2019年比約88.8%)まで落ち込みました。その後は2021年・2022年と回復し、2023年見込(確定前の推計値)では約5,048億円(2019年比約100.2%)とほぼコロナ前の水準まで戻りました。

注目したいのは回復の「中身」です。長くメガネ市場は、低価格化と買い替えの長期化による単価の下落が金額を押し下げる構図でした。近年はこれが反転し、調光・偏光・紫外線対策や累進(遠近両用)などの機能性レンズの普及と、フレームの価格改定によって、1本あたりの単価が少しずつ上昇しています。一方で、外出需要の回復によるサングラスの伸長、老眼人口の増加を背景とした老眼鏡市場の拡大、アウトドアやスポーツ向けの新商品も販売を押し上げました。

つまり足元の回復は、低価格の製造小売(SPA)が数量を支え、機能性レンズや価格改定が単価を支えるという二つの方向が同時に働いた結果です。金額がコロナ前に戻った一方で、人口減少や買い替えサイクルの長期化という構造的な逆風は残っており、数量と単価のどちらで市場を伸ばすかが論点です。

このグラフに関連するトピック

1世帯あたり眼鏡年間支出の長期推移 (2000-2025年、円・参考)

家計調査の1世帯あたり年間支出(需要側の参考値、市場規模ではない)。2000年9,794円から2015年ごろ5,862円まで減少した後、2025年は7,404円へ持ち直し
単位:
02,5005,0007,50010,0009,794008,464056,648105,862156,339207,40425
出典: 総務省統計局「家計調査」(二人以上の世帯、品目分類、2000-2025年)
20002001200220032004200520062007200820092010201120122013201420152016201720182019202020212022202320242025
1世帯あたり眼鏡年間支出9,7948,3517,5238,2328,3128,4648,0727,6537,2836,9496,6486,6836,2876,4916,7855,8626,3616,2156,1906,9716,3396,3937,1496,1526,9277,404
読み解き

この折れ線は、総務省の家計調査による1世帯あたりの年間眼鏡支出です。市場規模そのものではなく、需要側の動向をみるための参考値で、世帯数や購入頻度を映す目安として読みます。集計範囲が矢野経済研究所の小売市場とは異なるため、金額を同じ軸で比べることはできません。

長期では、2000年の9,794円から2015年ごろの5,862円まで、おおむね減少が続きました。低価格の製造小売(SPA)の浸透による単価の低下と、メガネの買い替えサイクルの長期化が背景にあります。その後は持ち直しに転じ、2025年は7,404円となりました。機能性レンズの普及による単価の上昇や買い替え需要が、世帯支出の面でも下支えしているとみられます。

なお家計調査は調査世帯の入れ替わりや購入の有無で年ごとの振れが大きく、単年の増減よりも長期の方向感で読むのが適切です。世帯あたりの支出は構造的に減少した後に底打ちし、近年は緩やかに戻している、というのがここからの読み取りです。

主要論点

低価格SPAと機能性レンズの高単価化、どちらが主流となるか?

メガネ市場では、低価格の製造小売(SPA)と高付加価値の機能性レンズという2つの方向が併存しています。製造から販売までを一貫して手がけるSPAは、低価格と短納期で買い替えやファッション用途での複数保有を広げ、市場の数量を支えてきました。

一方で、累進(遠近両用)・調光・ブルーライトカットなどの機能性レンズは、1本あたりの単価を引き上げます。長く市場縮小の要因とされてきた単価の下落が、機能性レンズの普及とフレームの価格改定によって反転し、近年は単価の上昇が金額面の回復を下支えしています。SPAが数量を、機能性レンズが単価を支えるという価格の二極化が進み、同じ事業者がエントリー価格帯と機能性レンズの両方を品ぞろえする動きもみられます。

中期的には、どちらか一方が市場を覆うのではなく、低価格による数量の確保と、機能性レンズ・高価格帯フレームによる単価の確保を組み合わせる戦略が現実的とみられます。

世帯の眼鏡支出はなぜ長期的に減り、近年は持ち直したのか?

家計調査の1世帯あたり眼鏡支出は、2000年の9,794円から2015年ごろの5,862円まで長期的に減少しました。低価格SPAの浸透による単価の低下と、メガネの買い替えサイクルの長期化が主な背景です。フレームやレンズの品質向上で1本を長く使えるようになったことも、世帯あたりの年間支出を押し下げました。

2015年ごろを底に、近年は緩やかに持ち直しています。2025年は7,404円で、機能性レンズによる単価の上昇や、コロナ後の外出需要の回復に伴う買い替え・サングラス需要が、世帯支出の面でも下支えしているとみられます。ただし家計調査は年ごとの振れが大きく、長期の方向感で読む必要があります。

この世帯支出はあくまで需要側の参考値で、市場規模(矢野経済研究所の小売市場)とは集計範囲が異なります。両者を合わせて読むと、メガネ需要は構造的に縮小したあとに底打ちし、単価の上昇を伴いながら緩やかに戻している、という姿が浮かびます。

メガネ小売市場はコロナ前の水準まで回復したのか?

メガネ小売市場は、コロナ前の2019年の約5,040億円から2020年に約4,475億円(2019年比約88.8%)まで落ち込みました。その後は回復し、2023年見込で2019年比約100.2%と、金額のうえではほぼコロナ前の水準まで戻りました。

回復を支えたのは複数の要因です。外出需要の回復によるサングラスの伸長、老眼鏡市場の拡大、アウトドア向けなどの新商品が販売を押し上げ、加えて機能性レンズの普及と価格改定による単価の上昇が金額を下支えしました。市場縮小の要因とされてきた単価の下落が反転した点が、近年の回復の特徴です。

ただし、人口の減少やメガネの買い替えの長期化といった構造的な逆風は残ります。金額がコロナ前に戻った一方で、それを押し上げているのは単価の上昇でもあり、数量と単価のどちらで市場を伸ばすかが今後の論点です。

中期見通し

近未来1-2年

メガネ小売は、コロナ前の水準まで戻したあとの伸びしろが論点になります。機能性レンズや価格改定による単価の上昇が金額を下支えする一方、人口減少のなかで数量を増やすのは容易ではありません。低価格SPAによる数量確保と、機能性レンズによる単価確保の両立が、当面の各社の課題となります。

中期3-5年

中期では、低価格商品による数量と、機能性レンズ・高価格帯フレームによる単価という価格の二極化が一段と進むとみられます。サングラスや老眼鏡など用途別の需要、複数保有の広がりが数量を支え、機能性レンズの構成比上昇が単価を支える構図が続く見通しです。

長期

長期では、人口減少と高齢化が国内のメガネ需要の基調を決めます。一方で、若年層の視力低下や老眼人口の増加は需要を下支えする要因です。世帯あたりの支出が底打ちして緩やかに戻していることもあわせて読むと、数量の大幅な拡大は見込みにくく、単価と用途の多様化で市場を保つ展開が想定されます。

よくある質問

メガネ市場の規模はどのくらいですか?
メガネの小売市場は、2023年見込で約5,048億円です(矢野経済研究所)。フレーム・レンズ・サングラス・老眼鏡などの5品目を合算した小売金額で、コロナ前の2019年(約5,040億円)とほぼ同じ水準まで回復しています。
メガネ市場はコロナ前から回復しましたか?
メガネ小売市場は、コロナ前の2019年の約5,040億円から2020年に約4,475億円(2019年比約88.8%)まで落ち込みましたが、2023年見込では2019年比約100.2%とほぼコロナ前の水準まで回復しました。外出需要の回復やサングラス・老眼鏡の伸長、機能性レンズによる単価上昇が回復を支えています。
メガネ市場で進む「価格の二極化」とは何ですか?
低価格の製造小売(SPA)が数量を支える一方、累進・調光・ブルーライトカットなどの機能性レンズが1本あたりの単価を引き上げる、という2つの方向が同時に進んでいることを指します。長く市場縮小の要因だった単価の下落が、機能性レンズの普及と価格改定で反転し、近年は単価の上昇が金額の回復を下支えしています。
世帯あたりの眼鏡支出はどう推移していますか?
家計調査の1世帯あたり年間眼鏡支出は、2000年の9,794円から2015年ごろの5,862円まで長期的に減少した後、2025年は7,404円へ持ち直しました。これは市場規模ではなく需要側の参考値で、年ごとの振れが大きいため長期の方向感で読みます。低価格化や買い替えの長期化で減少した後、機能性レンズの単価上昇などで底打ちした姿がうかがえます。
メガネはどこで作られているのですか?
メガネのフレーム(眼鏡枠)は、福井県の鯖江市を中心とする産地に生産が集中しています。製造・供給の構造(国内産地への集中やコンタクトの輸入依存)は、製造・供給構造のページで詳しく扱っています。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    矢野経済研究所「国内アイウエア小売市場に関する調査 (2023年)」(press 003293)
  2. 2.
    総務省統計局「家計調査」(二人以上の世帯、品目分類)
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