メガネ・コンタクトレンズ業界の市場規模・主要企業・動向
日本のメガネ・コンタクトレンズ業界は、メガネ小売約5千億円とコンタクト小売約3千億円を二本柱とし、使い捨て化と低価格SPAが市場構造を変えています
メガネ・コンタクトレンズ業界とは、視力の補正や矯正に使うアイウエアを製造・販売する産業で、フレームとレンズからなるメガネと、コンタクトレンズの2分野で構成されます。需要側の小売市場は、メガネが2023年に約5,048億円(矢野経済研究所)、コンタクトレンズ本体が2024年に約3,140億円(NielsenIQ)で、調査機関や対象範囲が異なるため単一の合計ではなく二本柱として捉えます。コンタクトの使い捨て化、メガネの低価格SPAと機能性レンズ、コンタクトの輸入依存とメガネ枠の福井産地への集中という供給の二極が共通の論点です。本ページでは、メガネ・コンタクトレンズ業界の需要側市場を二本柱として概観したうえで、業界構造、メガネ市場、コンタクトレンズ市場、製造・供給構造の4つの切り口で整理します。
業界サマリ
業界概要
メガネ・コンタクトレンズ業界とは、視力の補正や矯正に使うアイウエアを製造・販売する産業で、フレームとレンズからなるメガネと、コンタクトレンズの2分野で構成されます。需要側の小売と、供給側の製造・医療機器生産という2つの層を持ち、使い捨て化や低価格SPA、供給の二極化といった構造変化が同時に進んでいます。
- 需要側はメガネ小売とコンタクト小売の二本柱で捉えます。メガネは2023年に約5,048億円(矢野経済研究所)、コンタクトレンズ本体は2024年に約3,140億円(NielsenIQ)で、調査機関や対象範囲が異なるため単一の合計にはまとめません。
- 業態は大きく4つに分かれています。メガネの低価格SPA、コンタクトの専業メーカー、レンズの製造、メガネの小売チェーンがそれぞれの領域で事業を展開しており、特定の数社が市場全体を占める構造ではありません。
- 供給構造は二極化しています。コンタクトレンズは輸入が供給額の約8割を占める一方、メガネ枠は出荷額の9割超を福井県(鯖江)産が占めており、コンタクトの輸入依存とメガネの国内産地集中という対照があります。
市場動向
需要側の小売市場は、メガネが2023年に約5,048億円(矢野経済研究所)、コンタクトレンズ本体が2024年に約3,140億円(NielsenIQ)で、二本柱として推移しています。コンタクトは単回使用(1day)への移行が続き、世帯支出ではメガネとコンタクトの方向感が分かれています。
- メガネ小売市場はコロナ前の2019年に約5,040億円だったものが2020年に約4,475億円へ落ち込み、2023年見込で約5,048億円とほぼコロナ前の水準まで回復しています(矢野経済研究所)。フレーム・レンズ・サングラス等の5品目を合算した小売金額で、外出需要の回復やサングラス・老眼鏡の伸長、低価格SPAの浸透と機能性レンズの単価上昇が動きに影響しています。
- コンタクトレンズ本体の出荷額は2016年以降おおむね増加しています(日本コンタクトレンズ協会、出荷額ベース)。コロナ禍の一時的な落ち込みを経て2024年に約3,153億円へ回復した一方、ケア用品は横ばいから微減で、洗浄の不要な1dayの普及が背景にあります。
- 1世帯当たりの年間支出では2分野の向きが分かれています(総務省 家計調査、市場規模ではなく世帯支出の目安です)。眼鏡は2000年の9,794円から長期的に減少した後、近年は持ち直して2025年は7,404円、コンタクトは1,882円から4,737円へ増加しています。
競争環境
メガネ・コンタクトレンズ業界では、メガネの低価格SPA、コンタクトの専業メーカー、レンズの製造、メガネの小売チェーンなど多様なプレイヤーが活動しています。コンタクトの使い捨て化とサブスク化、メガネの価格二極化、コンタクトの輸入依存とメガネ枠の国内産地集中という供給の二極が、業界共通の論点となっています。
- メガネ側では低価格SPAと小売チェーン、高級ブランドが併存しています。JINS・Zoffが製造から販売までを一貫して手がける低価格SPAとして店舗網を広げ、パリミキが全国の小売チェーンを、Japan Eyewear Holdings(金子眼鏡・999.9)が高単価の製造小売を担っています。
- コンタクト側は専業メーカーとレンズ供給企業が中心です。メニコン・シードが国内のコンタクト専業として開発から販売までを手がけ、メニコンは定額制のメルスプランを運営しています。HOYAは眼鏡レンズとコンタクトをグローバルに供給する立場で、眼鏡レンズで世界上位のシェアを持つとされています。
- 業態を越えた再編も進んでいます。2025年にはZoffを運営するインターメスティックがメガネスーパー(旧ビジョナリーホールディングス)を子会社化し、SPAと既存の小売チェーンを組み合わせる動きがみられます。
市場規模推移
2018-2023 · メガネ小売市場 / コンタクトレンズ本体出荷額メガネ小売市場規模の推移 (2018-2023年、億円)
| 年度 | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| メガネ小売市場(億円) | 5,061 | 5,040 | 4,475 | 4,768 | 4,918 | 5,048 |
| 前年比 | — | -0.4% | -11.2% | +6.5% | +3.1% | +2.6% |
コンタクトレンズ本体の出荷額推移 (2016-2025年、億円)
| 年度 | 2016 | 2017 | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 | 2024 | 2025 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| コンタクトレンズ本体出荷額(億円) | 2,147 | 2,237 | 2,347 | 2,570 | 2,403 | 2,570 | 2,824 | 3,018 | 3,153 | 3,160 |
| 前年比 | — | +4.2% | +4.9% | +9.5% | -6.5% | +6.9% | +9.9% | +6.9% | +4.5% | +0.2% |
需要側の小売市場は、メガネとコンタクトレンズの二本柱で捉えます。メガネ小売市場は2023年見込で約5,048億円(矢野経済研究所)で、フレーム・レンズ・サングラス・老眼鏡などの5品目を合算した小売金額です。コンタクトレンズ本体の小売市場は2024年に約3,140億円(NielsenIQ)となっています。
この2つは、調査している機関も推計の方法も、対象とする範囲や対象年も異なります。そのため、足し合わせた「アイウエア市場の合計」という単一の数字は作らず、2つの小売市場として並べて捉えるのが実態に合います。小売金額の大小ではメガネがコンタクトレンズ本体を上回りますが、推計の前提が異なるため大小は目安です。メガネは低価格SPAの浸透で客単価の動きが分かれ、コンタクトは単回使用(1day)の継続購入が中心になるなど、2分野は異なる成長要因で動いており、それぞれの市場の動きはメガネ市場・コンタクトレンズ市場のページで詳しく扱います。
コンタクトレンズは使い捨て(1day)への移行が長く続いています。コンタクトには、店頭の販売額でみる小売市場(NielsenIQ、約3,140億円)と、メーカーや卸からの出荷額(日本コンタクトレンズ協会)という2つの捉え方があり、調査機関が異なります。長期の推移を追えるのは出荷額で、本体は2016年以降おおむね増加し、コロナ禍の落ち込みを経て2024年に約3,153億円へ回復しました。一方でケア用品は横ばいから微減で、洗浄の不要な1dayの普及が背景にあります。
世帯の支出からも2分野の方向感の違いが読み取れます。1世帯当たりの年間支出は、眼鏡が2000年の9,794円から長期的に減少した後、2015年ごろを底に近年は持ち直して2025年は7,404円となりました。コンタクトは1,882円から4,737円へ増加しています。これは市場規模そのものではなく世帯支出の目安ですが、メガネとコンタクトの需要の向きの違いを示しています。
主要トピック
業界構造
主要プレイヤー / サプライヤー / 流通 / 需要メガネ・コンタクトレンズ業界は、メガネとコンタクトレンズの2分野で構成されます。メガネはフレーム(眼鏡枠)とレンズからなり、コンタクトレンズは医療機器に分類されます。それぞれに、店頭で消費者へ販売する需要側(小売)と、製品を作る供給側(製造・医療機器生産)の2つの層があります。
需要側の小売市場は、メガネが2023年に約5,048億円(矢野経済研究所)、コンタクトレンズ本体が2024年に約3,140億円(NielsenIQ)で、調査機関や対象範囲が異なるため二本柱として捉えます。供給側は、メガネ枠が福井(鯖江)の国内産地に集中し、コンタクトは輸入が中心という対照を持っています。
メガネ側では、製造から販売までを一貫して手がける低価格SPAのJINS・Zoff、全国の小売チェーンのパリミキ、金子眼鏡や999.9などの高級ブランドを手がけるJapan Eyewear Holdingsなど、業態の異なる企業が併存しています。コンタクト側では、メニコン・シードが国内のコンタクト専業として開発から販売までを手がけ、HOYAが眼鏡レンズとコンタクトをグローバルに供給しています。
業態を越えた再編も進んでおり、2025年にはZoffを運営するインターメスティックがメガネスーパーを子会社化しました。特定の数社が市場全体を占める構造ではなく、業態ごとに異なるプレイヤーが競う多様な競争環境となっています。
メガネ・コンタクトレンズ業界の供給構造は、2分野で対照的です。コンタクトレンズは医療機器として扱われ、視力補正用の供給額のうち輸入が約8割を占めています(厚生労働省 薬事工業生産動態統計)。国内のメニコン・シードは、角膜矯正用レンズなど一部の領域で国産比率が高くなっています。
メガネ枠は、全国出荷額の93.5%を福井県(鯖江)産が占める国内産地集中型です(福井財務局、2022年)。分業による高い加工技術が強みである一方、眼鏡枠を産出する事業所の数は2003年の387から2021年に195へ減少しており、担い手の確保や生産能力の維持が課題となっています。
業界の3大論点
メガネ小売市場は2023年に約5,048億円(矢野経済研究所)で、低価格SPAと高付加価値の機能性レンズという2つの方向が併存しています。JINSやZoffは製造から販売までを一貫して手がけることで低価格を実現し、買い替えやファッション用途での複数保有を広げてきました。
一方で、累進レンズやブルーライトカットなどの機能性レンズは、1本あたりの単価を引き上げる方向に働きます。低価格SPAが数量を支え、機能性レンズが単価を支えるという価格の二極化が進んでおり、同じ事業者がエントリー価格帯と機能性レンズの両方を品ぞろえする動きもみられます。需要側の世帯支出をみると、1世帯当たりの眼鏡支出は長期的に減少した後に近年は持ち直しており、買い替え需要や機能性レンズの単価上昇が下支えしていると考えられます。
中期的には、低価格SPAによる数量の確保と、機能性レンズや高級ブランドによる単価の確保を組み合わせる戦略が現実的で、どちらか一方が市場を覆う展開にはなりにくいとみられます。
コンタクトレンズは単回使用(1day)への移行が長く続いており、本体の出荷額は2016年以降おおむね増加する一方、洗浄の不要な1dayの普及でケア用品は微減となっています。1dayは毎日新しいレンズを使うため、継続的な購入が前提となる消費構造です。
この流れを象徴するのが、メニコンが運営する定額制のメルスプランです。会員数は約132.5万人で、そのうち1DAY会員の比率は28.0%へ上昇し、高単価レンズの構成比上昇や価格改定で平均月額費用も上がっています。定額制は、利用者にとっては買い替えの手間が減り、事業者にとっては継続課金による収益の安定につながります。
コンタクトレンズは医療機器に分類され、販売には一定の管理が求められます。使い捨て化とサブスク化は、量販店やEC、眼科併設店といった流通チャネルの組み合わせを前提に進んでおり、継続購入を軸とした収益モデルへの移行が業界の論点となっています。
メガネ・コンタクトレンズ業界の供給構造は、2分野で対照的です。コンタクトレンズは、視力補正用の供給額のうち輸入が約8割を占めており(厚生労働省 薬事工業生産動態統計)、国内メーカーは角膜矯正用など一部の領域で国産比率が高くなっています。一方、メガネ枠は全国出荷額の93.5%を福井県(鯖江)産が占める国内産地集中型です(福井財務局、2022年)。
それぞれに持続上の課題があります。コンタクトは輸入依存が高いため、為替や海外メーカーの動向の影響を受けやすく、国内メーカーは独自製品や定額制で差別化を進めています。鯖江の産地は、分業による高い品質を強みとする一方、眼鏡枠の産出事業所数が2003年の387から2021年に195へ減少するなど、担い手の確保や生産能力の維持が課題となっています。
供給の二極は、コンタクトでは国産メーカーの独自領域の確保、メガネでは産地の事業承継と高付加価値化という、異なる持続戦略を必要としています。
よくある質問 (FAQ)
メガネ・コンタクトレンズの市場規模はどれくらいですか?
メガネとコンタクトはどちらが大きい市場ですか?
メガネ業界の主要な企業はどこですか?
コンタクトの使い捨て(1day)はどのくらい普及していますか?
メルスプランなどのコンタクトの定額制とは何ですか?
メガネはどこで作られているのですか?
コンタクトレンズは国産ですか、輸入ですか?
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