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宝飾品の素材相場|金・プラチナ高騰が押し上げる単価と資産需要【2026年版】

金・プラチナの相場は2020年以降に大きく上昇し、金は2025年に小売で約17,302円/gと53年間で最高の水準となりました。素材価格の高騰は、宝飾品の製品単価の上昇と、資産としてのジュエリー需要を押し上げています。かつてプラチナは金より高価でブライダルの高級素材でしたが、2015年頃に金が逆転し、現在は金がプラチナの約2.6倍です。本ページでは、金・プラチナ相場の長期推移と、相場が宝飾品の単価・資産性に与える影響を整理します。

金(ゴールド)小売価格の推移(1973-2025年、円/g)

金の小売価格は2020年以降に急騰し、2025年は約17,302円/gと53年で最高水準
単位: 円/g
05,00010,00015,00020,000958731,616754,499802,490851,826901,209951,014001,619053,477104,564156,1222017,30225
出典: 田中貴金属工業 金 参考小売価格(税抜、年平均)
19731974197519761977197819791980198119821983198419851986198719881989199019911992199319941995199619971998199920002001200220032004200520062007200820092010201120122013201420152016201720182019202020212022202320242025
金小売価格円/g9581,5981,6161,2571,3411,3432,2184,4993,3113,0683,2962,8082,4902,0442,1331,8451,7251,8261,6091,4461,3281,3121,2091,4051,3371,2871,0691,0141,1051,2961,3991,4721,6192,2872,6592,9372,9513,4774,0604,3214,4534,3404,5644,3964,5764,5434,9186,1226,4027,6498,83411,71817,302
読み解き

金の小売価格は、1973年の約958円/gから、上下を経ながら推移してきました。1980年前後に一度上昇したのち2000年代前半は1,000円台に戻り、その後は再び上昇に転じています。とくに2020年以降の上昇が急で、2020年の約6,122円/gから2025年には約17,302円/gへと、5年で約2.8倍になりました。これは田中貴金属工業の参考小売価格(税抜)でみた、53年間で最高の水準です。

背景には、世界的なインフレや地政学的な不安のなかで、金が資産・退避先として買われていることがあります。金は宝飾品の主要な素材であるため、この相場の高騰がそのまま製品の原価を押し上げ、宝飾品の販売価格に反映されています。相場の動向は、宝飾品の単価と市場規模を左右する最も大きな外部要因の一つです。

このグラフに関連するトピック

なぜ金・プラチナ相場が宝飾品を動かすのか

素材コストが製品単価に直結する

宝飾品は、金やプラチナを主要な素材として使います。指輪・ネックレス・ブレスレットなどの多くは、金やプラチナの地金に宝石をあしらって作られます。このため、金・プラチナの相場が上がると製品の原価が上がり、各社は販売価格を引き上げます。相場の高騰がそのまま宝飾品の単価上昇につながる構造です。

相場高騰が市場の「価格主導の回復」を生む

宝飾品市場全体でみられる近年の回復は、販売数量の拡大ではなく、単価の上昇が中心です。その単価上昇の主な要因が、金・プラチナ相場の高騰です。素材価格の上昇を受けて各社が価格を改定し、金額ベースの市場規模が押し上げられています。市場規模が相場に強く連動するのは、宝飾品が素材価値を多く含む商品だからです。

ブライダルの単価上昇もプラチナ相場と連動する

婚約指輪・結婚指輪は、プラチナを主素材とすることが多い宝飾品です。近年、婚約指輪の平均が初めて30万円を超え、結婚指輪の単価も上昇していますが、その背景にもプラチナ相場の高騰があります。婚姻件数が減るなかでもブライダルジュエリーの金額需要が底堅いのは、素材相場の上昇による単価の押し上げが効いているためです。

プラチナと金の関係はどう変わったか

かつてはプラチナが金より高価だった

いまでは金のほうが高いという印象が強いかもしれませんが、かつてはプラチナが金より高価でした。2008年には、金が約2,937円/gだったのに対し、プラチナは約5,409円/gと、プラチナが金を大きく上回っていました。プラチナは希少で、ブライダルリングなどの高級宝飾の象徴的な素材として扱われてきました。

2015年頃に金がプラチナを逆転した

その関係は、2015年頃に逆転しました。2015年には金が約4,564円/g、プラチナが約4,205円/gと、金がプラチナを上回るようになります。背景には、資産・退避先としての金の需要の高まりと、プラチナが自動車の排ガス浄化など工業用途の影響を受けやすいことがあります。以降、金とプラチナの差は広がっていきました。

現在は金がプラチナの約2.6倍

2025年には、金が約17,302円/g、プラチナが約6,747円/gと、金がプラチナの約2.6倍になっています。ブライダルの主素材であるプラチナは、金に比べて割安な水準にあるともいえます。素材としての金とプラチナの位置づけの変化は、宝飾品の価格やデザインの選択にも影響します。

金とプラチナの相場の逆転(参考小売価格、円/g)

田中貴金属工業 参考小売価格(税抜、年平均)。2008年はプラチナが金より高く、2015年頃に逆転
金(ゴールド)
2008年
2,937円/g
2015年
4,564円/g
2025年
17,302円/g
宝飾での位置づけ
資産・退避先としての需要も大きい。装飾と資産の両面を持つ
プラチナ
2008年
5,409円/g
2015年
4,205円/g
2025年
6,747円/g
宝飾での位置づけ
婚約・結婚指輪の主素材。かつては金より高価な高級素材だった
読み解き

金とプラチナの相場は、2008年から2025年の間に立場が逆転しました。2008年はプラチナ(約5,409円/g)が金(約2,937円/g)を上回っていましたが、2015年頃に金がプラチナを上回り、2025年には金がプラチナの約2.6倍になっています。ブライダルの主素材であるプラチナが相対的に割安になる一方、金は資産としての性格を強めています。

資産としてのジュエリーをどうみるか

金は資産・退避先としての側面を持つ

金は、世界的に資産・退避先として扱われる素材です。インフレや経済の不安が高まると、価値が保たれやすい金に資金が向かい、相場が上がります。金を使った宝飾品は、装飾品であると同時に、こうした素材としての資産価値を併せ持ちます。相場の高騰は、宝飾品を「身につける資産」として捉える見方を後押ししています。

相場高騰で二次流通の買取価値が上がる

相場が上がると、手元の貴金属・宝飾品の買取価値も上がります。中古のブランド宝飾や貴金属を扱う二次流通(リユース)では、相場高騰を背景に売却の動きが活発になっています。ただし、二次流通各社はブランド品全般を扱い、宝飾だけの内訳は公表されないため、宝飾の二次流通規模を数値で正確に把握することは難しいのが実情です。

資産性と装飾性の二面性

ジュエリーは、資産性と装飾性の二つの面を持ちます。素材価値を重視して資産として保有・売却する見方と、デザインや記念としての価値を重視して身につける見方が併存します。相場の高騰は、高価格帯の資産性ジュエリーへの関心を高める一方、価格上昇で手が届きにくくなった層に向けた低価格帯との二極化も進めています。

主要論点

宝飾品の市場や単価が金・プラチナ相場に左右されるのはなぜか?

宝飾品は、金やプラチナといった素材価値の大きい商品だからです。指輪やネックレスの多くは金・プラチナの地金を使って作られ、製品価格に占める素材コストの割合が高くなります。このため、相場が上がると原価が上がり、各社が販売価格を引き上げます。

金の小売価格は2020年の約6,122円/gから2025年には約17,302円/gへと5年で約2.8倍になりました。この急騰が、宝飾品の単価を押し上げ、金額ベースの市場規模を底上げしています。宝飾品市場の近年の回復が「数量でなく単価主導」と言われるのは、この素材相場の上昇が主因です。

つまり、宝飾品の市場規模やブライダルリングの単価は、需要そのものの強さに加えて、素材相場という外部要因に大きく左右されます。相場が高止まりすれば単価は底堅く、相場が反落すれば単価の伸びは鈍るという、相場連動の構造を持っています。

ブライダルの主素材だったプラチナが金に逆転されたことは、何を意味するか?

かつてプラチナは金より高価で、婚約指輪・結婚指輪などの高級宝飾の象徴的な素材でした。2008年にはプラチナが約5,409円/gと、金の約2,937円/gを大きく上回っていました。

それが2015年頃に逆転し、2025年には金がプラチナの約2.6倍になっています。背景には、資産・退避先としての金の需要の高まりと、プラチナが自動車の排ガス浄化触媒など工業用途の影響を受けやすいことがあります。金が「資産」として買われる一方、プラチナは工業需要の動向に左右される面が強いのです。

この逆転は、ブライダルにとっては、主素材であるプラチナが金に比べて割安な水準にあることを意味します。一方で、金の資産性が注目されるなか、宝飾品全体では金を使った製品や、資産性を意識した高価格帯への関心が高まっています。素材相場の関係の変化は、宝飾品の価格帯やデザインの選択にも影響します。

ジュエリーは資産になるのか?

ジュエリーは、装飾性と資産性の二つの面を持ちます。とくに金やプラチナを使った宝飾品は、素材そのものに価値があり、相場が上がれば手元の品の価値も上がります。金が世界的に資産・退避先として買われるなか、ジュエリーを「身につける資産」として捉える見方が広がっています。

実際、相場の高騰を背景に、中古の貴金属・宝飾を扱う二次流通(リユース)では買取や売却の動きが活発になっています。相場が上がった局面で手元の宝飾を売る動きや、資産性を重視して購入する動きが見られます。

ただし、ジュエリーが純粋な投資商品と同じかというと、そうではありません。製品にはデザインや加工、ブランドの価値が上乗せされており、素材価値だけで売買されるわけではありません。また、宝飾の二次流通の規模は内訳が公表されず、正確な把握は難しいのが実情です。ジュエリーは、装飾・記念としての価値と、素材の資産価値の両面で捉えるのが実態に近いといえます。

中期見通し

近未来1-2年

宝飾品の単価と市場規模は、金・プラチナ相場の動向に左右される局面が続きます。相場高騰が続けば製品単価の上昇で金額ベースの市場は底堅く推移しますが、相場が反落すれば単価の伸びは鈍ります。資産・退避先としての金需要の強さが、当面の相場を左右します。

中期3-5年

素材相場の水準が高止まりするなか、価格上昇と需要の両立が課題となります。価格の上昇で手が届きにくくなった層に向けた低価格帯と、資産性を重視した高価格帯への二極化が進む見通しです。割安になったプラチナの活用や、素材の付加価値をどう打ち出すかが論点になります。

長期5-10年

金・プラチナ相場は、世界経済や資産需要、工業需要に左右され、長期の予測は難しい領域です。相場が高水準で推移すれば、宝飾品の資産性がさらに注目される一方、装飾品としての手頃さは損なわれます。素材価値と装飾・記念価値のバランスをどう取るかが、長期の需要を左右します。

よくある質問

金の価格は今いくらで、どう推移していますか?
田中貴金属工業の参考小売価格(税抜、年平均)によると、金は2025年に約17,302円/gと、53年間で最高の水準になりました。2020年の約6,122円/gから5年で約2.8倍に上昇しています。世界的なインフレや資産需要を背景に、2020年以降の上昇が急です。
なぜ金・プラチナ相場が宝飾品に影響するのですか?
宝飾品は金やプラチナを主要な素材として使うため、相場が上がると製品の原価が上がり、各社が販売価格を引き上げるからです。宝飾品市場の近年の回復が「数量でなく単価主導」と言われるのも、ブライダルリングの単価が上昇しているのも、素材相場の高騰が共通の要因です。
プラチナと金は、どちらが高いのですか?
2025年時点では、金(約17,302円/g)がプラチナ(約6,747円/g)の約2.6倍で、金のほうが高くなっています。ただし、かつてはプラチナのほうが高く、2008年にはプラチナが約5,409円/gと金(約2,937円/g)を上回っていました。2015年頃に金がプラチナを逆転しています。
ジュエリーは資産になりますか?
金やプラチナを使ったジュエリーは、素材そのものに価値があり、相場が上がれば手元の品の価値も上がるため、資産としての側面を持ちます。相場高騰を背景に二次流通(リユース)での売買も活発です。ただし、製品にはデザインや加工、ブランドの価値が上乗せされており、素材価値だけで売買されるわけではありません。装飾・記念の価値と素材の資産価値の両面で捉えるのが実態に近いといえます。
相場データの出典は何ですか?
金・プラチナの価格は、田中貴金属工業の参考小売価格(税抜、年平均、円/g)が出典で、1973年から2025年までの値を用いています。高値・安値・平均はいずれも田中貴金属工業が公表している値です。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    田中貴金属工業 金・プラチナ 参考小売価格
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