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ブライダルジュエリーの需要|婚姻件数の減少と指輪の単価上昇【2026年版】

婚約指輪・結婚指輪の需要は、婚姻件数に連動します。婚姻件数は1970年の約1,029,405組から2024年の485,092組へ長期的に減少する一方、婚約指輪の平均は約31.8万円、結婚指輪は1人当たり約13.3万円へと単価は上昇しています。少子化という逆風のなかでも単価の上昇がブライダルジュエリーの需要額を底支えする構造を、婚姻動向と指輪相場の両面から整理します。

婚姻件数(2024年)
485,092
人口動態統計の確定数。1970年代の年100万組規模から半減
出典: 厚生労働省 人口動態統計
婚姻率(2024年)
4.0人口千対
人口1,000人あたりの婚姻件数。1970年の10.0から低下
出典: 厚生労働省 人口動態統計
婚約指輪の平均(2024年)
31.8万円
2024年速報値。初めて30万円を超えた
出典: 矢野経済研究所(ゼクシィ結婚トレンド調査)
結婚指輪の平均(2024年)
13.3万円
1人当たり・2024年速報値。カップル2本で約26.6万円
出典: 矢野経済研究所(ゼクシィ結婚トレンド調査)

ブライダル需要の土台となる婚姻件数の推移(1970-2024年、組)

婚約・結婚指輪の需要を左右する婚姻件数は長期的に減少、2024年は485,092組
単位:
0375,000750,0001,125,0001,500,0001,029,40570941,62875774,70280735,85085722,13890791,88895798,13800714,26505700,22210635,22515525,50720485,09224
出典: 厚生労働省 人口動態統計(婚姻件数)
197019751980198519901995200020052010201320142015201620172018201920202021202220232024
婚姻件数1,029,405941,628774,702735,850722,138791,888798,138714,265700,222660,622643,783635,225620,707606,952586,481599,007525,507501,138504,930474,741485,092
読み解き

ブライダルジュエリーの需要を最も大きく左右するのが、婚姻件数です。日本の婚姻件数は1970年の約1,029,405組をひとつの高い水準として、その後は長期的に減少してきました。1990年代以降も緩やかな減少が続き、2020年には新型コロナの影響で525,507組まで落ち込み、2023年には474,741組と系列で最も少なくなりました。

2024年は485,092組とやや持ち直しましたが、1970年代の年100万組規模からは半分以下の水準です。婚姻率(人口1,000人あたりの婚姻件数)も、1970年の10.0から2024年は4.0へ低下しています。少子化・晩婚化・未婚化を背景に、ブライダル需要の土台となる結婚の件数そのものが細っているのが、業界が向き合う構造的な前提です。

なぜ婚姻件数が減っても、ブライダルジュエリーは底堅いのか

婚姻件数の長期減少という逆風

ブライダルジュエリーにとって最大の逆風は、婚姻件数の長期的な減少です。1970年に約1,029,405組あった婚姻は、2024年には485,092組と半分以下になりました。婚約指輪・結婚指輪は結婚にともなって購入されるため、結婚するカップルの数が減れば、指輪が売れる機会そのものが減ります。少子化に加え、結婚しない・遅く結婚する人の増加が、需要の母数を構造的に小さくしています。

指輪単価の上昇という追い風

一方で、1組あたりの単価は上昇しています。婚約指輪の平均は2023年の30.4万円から2024年(速報)に31.8万円へ、結婚指輪は1人当たり7.6万円(2019年)から13.3万円(2024年速報)へと上がりました。背景にあるのが、金・プラチナ相場の高騰です。ブライダルリングはプラチナやダイヤモンドを使うため、素材価格の上昇がそのまま単価に反映されやすく、各社の値上げも進んでいます。

件数減 × 単価増の綱引きが需要額を底支え

この結果、ブライダルジュエリーの需要は、件数の減少と単価の上昇という二つの力の綱引きになっています。結婚するカップルの数は減っても、1組が支払う金額が上がることで、金額ベースの需要は底堅く保たれます。実際、矢野経済研究所も、ブライダルジュエリー市場の回復と価格上昇を、宝飾品市場全体の押し上げ要因に挙げています。ただし、単価の上昇には購入者の負担という上限があり、長期では婚姻件数の構造的な減少が重しとして残ります。

婚約指輪・結婚指輪の相場はどう動いているか

婚約指輪 — 初めて30万円を超える

婚約指輪(エンゲージリング)の平均購入価格は、2023年の30.4万円から2024年(速報)には31.8万円となり、初めて30万円を超えました。前年比は+4.6%です。婚約指輪は、結婚を申し込む側が用意する1個が基本で、プラチナの台にダイヤモンドをあしらったものが中心です。相場が上昇しても購入する層が一定数いることが、単価の上昇につながっています。

結婚指輪 — 1人当たりで上昇、カップルでは2本

結婚指輪(マリッジリング)の平均購入価格は、1人当たりで2019年の7.6万円から2023年に11.6万円、2024年(速報)には13.3万円へと上昇しました。前年比は+14.7%です。結婚指輪は2人がそろって着けるため、1組(カップル)では2本で約26.6万円になります。婚約指輪より1個あたりの金額が小さいのは、この1人当たりという集計のためで、ペアでの購入額は婚約指輪に近い水準です。上昇の主な背景は、結婚指輪に多く使われるプラチナの相場高騰です。

単価データの読み方

これらの指輪の単価は、結婚情報サービスの調査(リクルート「ゼクシィ結婚トレンド調査」)にもとづく値で、矢野経済研究所が宝飾品市場の動向として引用しているものです。2024年の値は速報値で、調査年ごとのスナップショットであり、毎年連続して同じ精度で追える系列ではありません。また、婚約指輪は1個あたり、結婚指輪は1人当たりと集計の対象が異なるため、両者の金額を単純に並べて比較することはできません。

婚約指輪と結婚指輪の相場と特徴

矢野経済研究所 宝飾品市場調査(元データ:ゼクシィ結婚トレンド調査)。2024年は速報値
婚約指輪(エンゲージリング)
平均購入価格
31.8万円
直近の動きと背景
2023年30.4万円から2024年(速報)31.8万円へ。初めて30万円を超え、前年比+4.6%
主な素材・購入の単位
プラチナ台にダイヤモンドが中心。贈る側が用意する1個が基本
結婚指輪(マリッジリング)
平均購入価格
13.3万円(1人当たり)
直近の動きと背景
2019年7.6万円から2024年(速報)13.3万円へ。前年比+14.7%、5年で大きく上昇
主な素材・購入の単位
プラチナが中心。2人で着けるため1組では2本(約26.6万円)
読み解き

婚約指輪と結婚指輪は、購入の仕方も金額の集計も異なります。婚約指輪は贈る側が用意する1個、結婚指輪は2人がそろって着けるため、上の表の結婚指輪の金額は1人当たりです。いずれもプラチナを使うため、相場の高騰が単価の上昇に直結しており、婚姻件数が減るなかでも金額ベースの需要を支えています。

主要論点

婚姻件数が減っても、ブライダルジュエリーの需要が底堅いのはなぜか?

日本の婚姻件数は、1970年の約1,029,405組から2024年の485,092組へと半分以下に減りました。結婚するカップルの数が減れば、婚約指輪・結婚指輪が売れる機会も減るため、件数の面ではブライダルジュエリーは構造的な逆風にあります。

それでも需要が底堅いのは、1組あたりの単価が上昇しているからです。婚約指輪は2024年(速報)に31.8万円と初めて30万円を超え、結婚指輪も1人当たり13.3万円へ上がりました。背景にあるのは金・プラチナ相場の高騰で、素材価格の上昇が単価に反映されています。件数が減っても、1組が支払う金額が増えることで、金額ベースの需要が保たれます。

つまりブライダルジュエリーは、件数の減少と単価の上昇という綱引きのなかにあります。当面は単価の上昇が件数の減少を補っていますが、単価の引き上げには購入者の負担という上限があり、長期では婚姻件数の構造的な減少が課題として残ります。

ブライダルリングの単価が上昇しているのは、何が理由か?

婚約指輪・結婚指輪の単価上昇の主な理由は、販売数量の増加ではなく、素材価格の上昇です。ブライダルリングには、台座にプラチナ、石にダイヤモンドが多く使われます。近年は金・プラチナの相場が世界的に高騰し、製品の原価が上がっているため、各社が販売価格を引き上げています。

結婚指輪の単価が1人当たり7.6万円(2019年)から13.3万円(2024年速報)へと、5年で大きく上昇したのも、プラチナ相場の高騰が大きく影響しています。婚約指輪が初めて30万円を超えたのも、同じ流れのなかにあります。

この単価上昇は、宝飾品市場全体で起きている「価格主導の回復」とも共通します。数量の拡大ではなく、相場高騰による単価の上昇が金額ベースを押し上げる構図で、ブライダルジュエリーはその縮図といえます。

少子化や結婚式の簡素化は、ブライダルジュエリー需要をどう変えるか?

長期で見ると、少子化による婚姻件数の減少が、ブライダルジュエリー需要の最大の構造要因です。婚姻件数は2024年に485,092組まで減り、人口減少が続くなかで母数のさらなる縮小が見込まれます。結婚そのものが減れば、単価の上昇だけで需要を支えるのは難しくなります。

あわせて、結婚式を挙げない「ナシ婚」や挙式の簡素化といった、結婚にまつわる消費の変化も影響します。ただし、指輪は結婚式の有無にかかわらず購入されることが多く、挙式市場の縮小がそのまま指輪需要の縮小につながるわけではありません。記念の品としての指輪に費用をかける層と、簡素にすませる層への二極化が進むとみられます。

したがって、ブライダルジュエリーの先行きは、婚姻件数の減少をどこまで単価と付加価値で補えるかにかかっています。素材やデザインの付加価値、ブランドの世界観、記念消費としての位置づけをどう高めるかが、件数減のなかでの需要維持の鍵となります。

中期見通し

近未来1-2年

婚姻件数は2024年に485,092組とやや持ち直しており、当面はこの水準前後で推移するとみられます。単価は金・プラチナ相場の動向に左右されます。相場高騰が続けば婚約指輪・結婚指輪の単価は底堅く、ブライダルジュエリーの金額需要を支えますが、相場が反落すれば単価の伸びは鈍ります。

中期3-5年

婚姻件数の緩やかな減少が続くなか、単価と付加価値で需要を維持できるかが問われます。記念消費として指輪に費用をかける層と、簡素にすませる層への二極化が進む見通しです。ブランドやデザイン、素材の付加価値をどう高めるかが、1組あたりの単価を支える鍵となります。

長期5-10年

少子化による婚姻件数の構造的な減少が、ブライダルジュエリー需要の最大の重しとして残ります。母数の縮小を単価の上昇だけで補い続けるのは難しく、二次流通や資産性、結婚以外の記念需要(自分用の購入など)への広がりを含め、需要の裾野をどう広げるかが長期の論点になります。

よくある質問

婚約指輪・結婚指輪の平均価格はいくらですか?
矢野経済研究所の調査(元データはゼクシィ結婚トレンド調査)によると、2024年(速報)の婚約指輪の平均は31.8万円で、初めて30万円を超えました。結婚指輪は1人当たり13.3万円で、2人がそろって着けるため1組(カップル)では2本で約26.6万円になります。いずれも2024年は速報値です。
なぜブライダルリングの単価が上がっているのですか?
主な理由は、金・プラチナ相場の高騰です。婚約指輪・結婚指輪はプラチナやダイヤモンドを使うため、素材価格の上昇が製品の原価を押し上げ、各社が販売価格を引き上げています。結婚指輪は1人当たりで2019年の7.6万円から2024年(速報)13.3万円へと上昇しました。販売数量の増加ではなく、単価の上昇が需要額を支えています。
日本の婚姻件数は今どのくらいですか?
厚生労働省の人口動態統計によると、2024年の婚姻件数は485,092組(婚姻率4.0)でした。1970年の約1,029,405組から半分以下に減少しています。コロナ下の2020年に525,507組、2023年に474,741組と系列で最も少なくなったのち、2024年はやや持ち直しました。
少子化はブライダルジュエリーの需要にどう影響しますか?
婚約指輪・結婚指輪は結婚にともなって購入されるため、婚姻件数の減少は需要の母数を直接小さくします。少子化・未婚化・晩婚化により婚姻件数は長期的に減っており、構造的な逆風です。当面は単価の上昇が件数の減少を補っていますが、長期では母数の縮小をどこまで単価や付加価値で補えるかが課題になります。
ブライダルジュエリーのデータの出典は何ですか?
婚姻件数・婚姻率は厚生労働省の人口動態統計(2024年確定数)が出典です。婚約指輪・結婚指輪の平均価格は、矢野経済研究所の宝飾品市場調査が宝飾品市場の動向として引用した、リクルート「ゼクシィ結婚トレンド調査」にもとづく値です。2024年は速報値で、婚約指輪は1個あたり、結婚指輪は1人当たりで集計されています。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    厚生労働省 人口動態統計(婚姻)
  2. 2.
    矢野経済研究所「宝飾品(ジュエリー)市場に関する調査」掲載トピック
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