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保育業界の構造|認可・認可外の類型と運営主体の違い【2026年版】

保育の受け皿は、認可保育所・認定こども園・小規模保育などの地域型保育事業という認可の3種類と、認可の外側にある企業主導型保育事業・認可外保育施設に分かれます。保育所2万1,755か所の運営主体は社会福祉法人1万1,162・公営6,049・営利法人3,443(2024年10月1日)で、小規模保育などの地域型保育事業所7,448か所では営利法人が最も多く、認定こども園1万1,212園(2025年4月1日)では社会福祉法人と学校法人が多数を占めます。お金は、国と自治体が公定価格(国が定める施設への給付の単価)をもとに施設へ支払う委託費と給付が中心です。本ページでは、類型ごとの仕組みと施設数、運営主体の構成、お金の流れを整理します。

保育施設の類型と運営主体

類型ごとの対象・根拠法・お金の出どころ・最新の施設数・主な運営主体。施設数は統計ごとに基準日が違うため、各欄に時点を付している

保育の受け皿を制度の成り立ちで分けると、児童福祉法に基づく認可保育所、認定こども園法に基づく認定こども園、子ども・子育て支援法に基づく地域型保育事業という認可の3種類と、認可の外側にある企業主導型保育事業と認可外保育施設の2種類になります。認可の3種類はいずれも、国と自治体が公定価格をもとに支払う委託費や給付で運営され、市町村が利用の申込を受けて入所先を決める利用調整を行います。担い手は類型ごとに違い、保育所では社会福祉法人と公営が多数を占め、地域型保育事業では営利法人が最も多く、認定こども園では社会福祉法人と学校法人が多数を占めます。幼稚園8,225園(2025年5月1日)は学校教育法の学校で保育の受け皿には含まれませんが、認定こども園への移行元として関わります。

認可保育所
児童福祉法の児童福祉施設
対象と仕組み
0〜5歳。市町村が保育の実施義務を負い、申込の受付と入所の調整を行う
根拠とお金の出どころ
児童福祉法。私立には市町村が委託費を支払う。公立の運営費は2004年度から自治体の一般財源
施設数(最新)
2万1,755か所(2024年10月1日)
主な運営主体
社会福祉法人1万1,162・公営6,049・営利法人3,443・その他の法人955
認定こども園
教育と保育を一体で行う
対象と仕組み
0〜5歳(3〜5歳の教育のみの利用を含む)。幼保連携型・幼稚園型・保育所型・地方裁量型の4類型
根拠とお金の出どころ
認定こども園法。幼保連携型は学校と児童福祉施設の両方の位置づけ。市町村からの給付
施設数(最新)
1万1,212園(2025年4月1日): 幼保連携型7,470・幼稚園型1,637・保育所型2,017・地方裁量型88
主な運営主体
社会福祉法人5,668・学校法人3,545・公立1,652・営利法人182
地域型保育事業
0〜2歳向けの小規模な受け皿
対象と仕組み
原則0〜2歳。小規模保育(利用定員6〜19人、A・B・C型)、家庭的保育(5人以下)、事業所内保育、居宅訪問型保育
根拠とお金の出どころ
子ども・子育て支援法。市町村の認可と給付
施設数(最新)
7,448か所(2024年10月1日): 小規模保育A型5,281・B型657・C型81・家庭的保育735・事業所内保育670・居宅訪問型保育24
主な運営主体
営利法人3,508・その他の法人1,407・社会福祉法人1,293・個人など945
企業主導型保育事業
国の助成を受ける認可外の施設
対象と仕組み
企業などが従業員の子どもと地域の子どもを預かる。児童福祉法上は認可を受けない施設
根拠とお金の出どころ
児童育成協会が運営費・整備費を助成。財源は事業主拠出金(2026年度予算2,411億円)
施設数(最新)
助成決定4,290施設・定員10万2,312人(2026年3月31日、継続分を含む助成決定数で開所数ではない)
主な運営主体
設置した企業などの事業主
認可外保育施設
届出制の受け皿
対象と仕組み
児童福祉法の認可を受けていない保育施設。東京都の認証保育所など自治体が独自に支援する施設を含む
根拠とお金の出どころ
都道府県などへの届出。企業主導型の施設を含めるかは資料で扱いが違う
施設数(最新)
2万68か所(2025年3月31日): ベビーホテル940・事業所内8,078(うち院内2,673)・居宅訪問型7,462・その他3,588。入所児童20万8,811人
主な運営主体
企業・病院・個人など、区分によって異なる

認可保育所 — 市町村が実施義務を負い、社会福祉法人・公営・営利法人が運営

認可保育所(保育所)は児童福祉法の児童福祉施設で、市町村が保育の実施義務を負います。保護者は市町村に申し込み、市町村が入所を調整し、私立保育所には市町村が保育の実施を委ねる費用として委託費を支払います。公立保育所の運営費は2004年度から国の負担金を離れ、自治体の一般財源で賄われています。厚生労働省の社会福祉施設等調査では、保育所は2024年10月1日に2万1,755か所で、運営主体は社会福祉法人1万1,162、公営(市町村など)6,049、営利法人(株式会社など)3,443、NPOや学校法人などその他の法人955、医療法人18、公益法人42、個人などその他86です。

主体別の数は3年で動いています。社会福祉法人は2022年の1万1,650から2024年の1万1,162へ、公営は6,481から6,049へ毎年減り、営利法人は3,278から3,443へ毎年増えました。社会福祉法人は社会福祉法に基づく非営利の法人で、保育所の運営主体として最も多く、公営が2番目、営利法人が3番目です。上場企業ではJPホールディングス(日本保育サービス)、グローバルキッズCOMPANY、さくらさくプラス、Smile Holdingsなどが認可保育所を運営しており、各社の施設数や業績は主要企業のページで扱います。

保育所が教育の機能を加えた保育所型認定こども園は、同じ調査で2024年10月1日に1,756か所あり、運営主体は社会福祉法人1,141、公営368、営利法人120、その他の法人100です(こども家庭庁が2025年4月1日に集計した保育所型2,017園とは調査と時点が違います)。保育所型認定こども園は2022年の1,353か所、2023年の1,537か所から毎年増えており、保育所から認定こども園へ移る動きは、保育所の数が減り保育所型認定こども園が増える形で、この調査の主体別の数にも表れています。

認定こども園 — 教育と保育を一体で行う4類型、設置者は社会福祉法人と学校法人が多い

認定こども園は、幼稚園の教育と保育所の保育を一体で行う施設で、認定こども園法に基づき、幼保連携型・幼稚園型・保育所型・地方裁量型の4類型があります。幼保連携型は学校と児童福祉施設の両方の法的な位置づけを持ち、認可と指導監督が一本化されています。幼稚園型は幼稚園が保育の機能を加えた型、保育所型は保育所が教育の機能を加えた型、地方裁量型は認可外の施設が認定を受けた型です。こども家庭庁の集計では2025年4月1日に1万1,212園(幼保連携型7,470・幼稚園型1,637・保育所型2,017・地方裁量型88)で、在籍する園児は121万5,916人です。利用の区分では、教育のみを受ける3〜5歳(1号認定)が28万3,510人、保育を必要とする3〜5歳(2号認定)が59万7,375人、保育を必要とする0〜2歳(3号認定)が33万5,031人です。

設置者は社会福祉法人5,668園と学校法人3,545園が多く、公立1,652園、宗教法人46園、営利法人182園、その他の法人94園、個人24園です。営利法人の園は保育所型139・地方裁量型43で、幼保連携型と幼稚園型には1園もありません。学校法人の園は幼稚園型1,443と幼保連携型2,066に多く、幼稚園を運営してきた学校法人が認定こども園へ移ってきたことを示しています。社会福祉法人の園は幼保連携型4,336と保育所型1,319に多く、保育所からの移行が中心です。

園数は2012年4月1日の909園から毎年増え、2025年は前年の1万483園から1万1,212園になりました(純増729園。認定を外れた園があるため、新規認定の数とは一致しません)。2025年に新たに認定された740園の移行前は、認可保育所からが438園と最も多く、幼稚園からが223園、幼稚園と認可保育所の両方からが47園、幼稚園と認可外保育施設等の両方からが1園、新規の開設が25園、その他が6園でした。幼稚園は文部科学省の学校基本調査で2015年5月1日の1万1,674園から2025年の8,225園へ減っており、認定こども園への移行がその一因です。

地域型保育事業 — 0〜2歳向けの小規模な受け皿、営利法人が最も多い

地域型保育事業は、子ども・子育て支援法に基づき市町村の認可を受ける小規模な保育で、原則として0〜2歳児を対象とします。小規模保育は利用定員6〜19人で、保育所の分園などに近いA型、家庭的保育(グループ型)に近いC型、その中間のB型(職員のうち保育士の資格を持つ人の割合が2分の1以上)の3類型に分かれます。家庭的保育は利用定員5人以下で保育者の居宅などで行う保育、事業所内保育は企業などが従業員の子どもと地域の子どもを預かる施設、居宅訪問型保育は子どもの居宅で行う保育です。

厚生労働省の調査では2024年10月1日に7,448か所(小規模保育A型5,281・B型657・C型81・家庭的保育735・事業所内保育670・居宅訪問型保育24)で、定員11万9,981人に対し在所する子どもは11万181人です。運営主体は営利法人3,508が最も多く、その他の法人1,407、社会福祉法人1,293、個人などその他945、医療法人168、公営107、公益法人20と続きます。小規模保育A型は営利法人2,852、家庭的保育は個人などの「その他」586、事業所内保育は営利法人253、社会福祉法人179、医療法人143が多く、同じ地域型でも類型ごとに担い手が違います。

株式会社などの営利法人が小規模保育で運営主体の中で最も多い背景には、利用定員が最大19人で保育所より小さな物件で開設でき、都市部の0〜2歳児の受け皿として自治体が整備を進めてきたことがあります。2026年度には、3〜5歳児のみを対象とする小規模保育事業(法令上の名称は満3歳以上限定小規模保育事業)が創設され、2026年4月1日に施行されました。0〜2歳向けに整備されてきた小規模な受け皿を、子どもの数が減る地域で3歳以上にも使えるようにする見直しです。

企業主導型保育事業 — 企業が設置し国が助成する認可外の施設

企業主導型保育事業は、企業などが従業員の子どもと地域の子どもを預かる保育施設を設け、公益財団法人児童育成協会が国の制度として運営費と整備費を助成する仕組みです。財源は企業が負担する事業主拠出金で、国の保育関係予算のうち企業主導型保育事業は2016年度の797億円から2026年度の2,411億円へ増えました。2025年度の助成決定は2026年3月31日時点で4,290施設・定員10万2,312人(継続分を含む)で、2024年度の4,361施設・10万3,763人から減りました。助成決定数は開所している施設の数ではありません。

施設は児童福祉法上は認可を受けない保育施設で、認可外保育施設として都道府県などに届け出ます。ただし統計での扱いは資料によって違います。こども家庭庁の認可外保育施設の集計では企業主導型の施設は「事業所内保育施設」に含まれ、同庁の子ども・子育て支援新制度の資料では認可外保育施設を「自治体独自の保育施設、ベビーホテル、事業所内保育施設(企業主導型除く)」と説明しています。このため、企業主導型の4,290施設と認可外の2万68か所は足して読めません。

都道府県別の助成決定は大阪府475施設が最も多く、東京都406、福岡県382、兵庫県261、神奈川県257と続きます。市町村の利用調整を通さず企業が設置を決める仕組みのため、従業員の勤務に合わせた保育や、認可保育所の整備が追いつかない地域の受け皿として広がりましたが、認可の受け皿が整い利用児童が減る局面では、助成決定数も減る方向にあります。

認可外保育施設 — 届出制の受け皿、事業所内保育施設が最も多い

認可外保育施設は児童福祉法の認可を受けていない保育施設で、都道府県などへの届出が必要です。東京都の認証保育所のように自治体が独自に支援する施設も含まれます。こども家庭庁の集計では2025年3月31日に届出対象の施設が2万68か所で、内訳はベビーホテル940、事業所内保育施設8,078(うち病院の院内保育施設2,673)、居宅訪問型(ベビーシッターなど)7,462、その他3,588です。入所する就学前の児童は20万8,811人で、0〜2歳児が12万4,664人、3歳以上が8万2,636人、年齢不明が1,511人です。

施設数は2018年度末の1万2,027か所から2019年度末に1万9,078か所へ増えましたが、これには2019年7月から自社の従業員の子どもだけを預かる事業所内保育施設も届出の対象になった制度の変更が含まれ、事業所内保育施設が3,402から8,210へ、居宅訪問型が3,250から5,454へ増えています。入所児童は2019年度末の24万3,882人から2024年度末の20万8,811人へ減っており、認可の受け皿が広がるなかで認可外の利用は減る方向にあります。

「事業所内保育」という名称は、市町村の認可を受ける地域型保育事業の事業所内保育(670か所)、国の助成を受ける企業主導型保育事業(助成決定4,290施設)、認可外の届出区分としての事業所内保育施設(8,078)の3つで使われ、制度と数え方が違います。認可外保育施設は、事業所内保育施設なら企業や病院、居宅訪問型なら個人や法人のベビーシッター事業者、ベビーホテルなら夜間や宿泊を伴う保育を行う事業者というように、区分によって担い手が異なります。こども家庭庁の集計は区分別の施設数と入所児童数が中心で、保育所のような経営主体別の内訳は含みません。認可の施設と違い公定価格による給付は受けず、保育料は施設が定めるため、同じ「認可外」でも自治体の補助を受ける認証保育所と、企業の福利厚生として運営される事業所内保育施設では、お金の出どころが異なります。

お金の流れ — 公定価格と委託費・給付、保護者負担と公費

認可の保育施設の収入は、国と自治体が公定価格をもとに支払うお金が中心です。公定価格は、地域の区分、利用定員の区分、子どもの年齢の区分ごとに定められた基本の単価に、職員の配置や処遇改善などの加算と減算を加えて決まり、施設ごとの子どもの数に応じて支払われます。私立の認可保育所には、児童福祉法に基づき市町村が保育の実施義務を負うことから、市町村が委託費として支払います。認定こども園と地域型保育事業には、子ども・子育て支援法の給付(子どものための教育・保育給付)として市町村が支払います。

財源は、こども家庭庁の資料(2026年4月)でおおむね保護者が払う保育料と公費が2対8とされ、保育料は2019年10月から3〜5歳児と住民税非課税世帯の0〜2歳児が無償です。公立保育所の分は2004年度から国の負担金を離れ、自治体の一般財源で賄われています。国の保育関係予算は2026年度に2兆5,731億円(国費)で、うち市町村が施設に支給する給付の国負担分が1兆8,758億円(費用の一部に事業主拠出金4,038億円を充当)、企業主導型保育事業が2,411億円(全額が事業主拠出金)です。地方の負担と保護者の負担は含まないため、この額は業界の売上ではありません。

公定価格で収入の単価が決まる仕組みは、施設の種類や運営主体を問わず共通です。収入を増やす手段は預かる子どもの数と施設の数に限られ、利用児童が減ると収入が減る構造は、社会福祉法人の保育所でも株式会社の小規模保育でも同じです。公定価格の人件費の改定率や施設の収支については、定員割れと処遇改善のページで扱います。

経営主体別の施設数(2024年10月1日、保育所・保育所型認定こども園・地域型保育事業所)

厚生労働省 社会福祉施設等調査。幼保連携型認定こども園は2023年から本調査の対象外。計は公表の総数
公営
市町村など
保育所
6,049
保育所型認定こども園
368
地域型保育事業所(計)
107
うち小規模保育A型
46
うち家庭的保育
30
うち事業所内保育
15
社会福祉法人
保育所
11,162
保育所型認定こども園
1,141
地域型保育事業所(計)
1,293
うち小規模保育A型
985
うち家庭的保育
30
うち事業所内保育
179
医療法人
保育所
18
保育所型認定こども園
1
地域型保育事業所(計)
168
うち小規模保育A型
23
うち家庭的保育
0
うち事業所内保育
143
公益法人・日本赤十字社
保育所
42
保育所型認定こども園
20
地域型保育事業所(計)
20
うち小規模保育A型
7
うち家庭的保育
0
うち事業所内保育
12
営利法人
株式会社など
保育所
3,443
保育所型認定こども園
120
地域型保育事業所(計)
3,508
うち小規模保育A型
2,852
うち家庭的保育
51
うち事業所内保育
253
その他の法人
NPO・学校法人など
保育所
955
保育所型認定こども園
100
地域型保育事業所(計)
1,407
うち小規模保育A型
1,151
うち家庭的保育
38
うち事業所内保育
63
その他
個人など
保育所
86
保育所型認定こども園
6
地域型保育事業所(計)
945
うち小規模保育A型
217
うち家庭的保育
586
うち事業所内保育
5
計
公表の総数
保育所
21,755
保育所型認定こども園
1,756
地域型保育事業所(計)
7,448
うち小規模保育A型
5,281
うち家庭的保育
735
うち事業所内保育
670
読み解き

保育所2万1,755か所では社会福祉法人1万1,162が最も多く、公営6,049、営利法人3,443、その他の法人955と続きます。地域型保育事業所7,448か所では営利法人3,508が最も多く、社会福祉法人1,293を上回ります。営利法人の数は保育所3,443と地域型3,508で近い一方、社会福祉法人は保育所1万1,162に対し地域型1,293で、同じ主体でも類型によって活動の場が違います。家庭的保育735か所は個人などの「その他」が586で、保育者が自宅などで預かる形が中心です。事業所内保育670か所は営利法人253、社会福祉法人179に次いで医療法人が143あり、病院が職員向けに設ける保育所がここに入ります。

3年の変化をみると、保育所の営利法人は2022年3,278、2023年3,390、2024年3,443と毎年増え、社会福祉法人は1万1,650、1万1,414、1万1,162、公営は6,481、6,272、6,049と毎年減りました。地域型の営利法人も3,405、3,449、3,508と増えています。保育所の総数は2万2,526から2万1,755へ減っており、保育所型認定こども園への移行と、利用児童の減少に伴う閉園や統合が重なっています。

認定こども園の設置者別の園数(2025年4月1日)

こども家庭庁 認定こども園に関する状況。幼保連携型・幼稚園型・保育所型・地方裁量型の4類型。合計は公表の総数
国
幼保連携型
1
幼稚園型
0
保育所型
0
地方裁量型
0
合計
1
公立
都道府県・市町村
幼保連携型
1,061
幼稚園型
155
保育所型
434
地方裁量型
2
合計
1,652
社会福祉法人
幼保連携型
4,336
幼稚園型
11
保育所型
1,319
地方裁量型
2
合計
5,668
学校法人
幼保連携型
2,066
幼稚園型
1,443
保育所型
34
地方裁量型
2
合計
3,545
宗教法人
幼保連携型
2
幼稚園型
14
保育所型
27
地方裁量型
3
合計
46
営利法人
株式会社など
幼保連携型
0
幼稚園型
0
保育所型
139
地方裁量型
43
合計
182
その他の法人
幼保連携型
1
幼稚園型
0
保育所型
61
地方裁量型
32
合計
94
個人
幼保連携型
3
幼稚園型
14
保育所型
3
地方裁量型
4
合計
24
合計
公表の総数
幼保連携型
7,470
幼稚園型
1,637
保育所型
2,017
地方裁量型
88
合計
11,212
読み解き

認定こども園1万1,212園の設置者は社会福祉法人5,668園が最も多く、学校法人3,545園が2番目、公立1,652園が続きます。類型別では幼保連携型が7,470園と最も多く、社会福祉法人4,336・学校法人2,066・公立1,061が担います。幼稚園型1,637園は学校法人1,443が大半で、保育所型2,017園は社会福祉法人1,319と公立434が中心です。営利法人182園は保育所型139と地方裁量型43に限られ、幼保連携型と幼稚園型にはありません。認定こども園は、幼稚園を運営してきた学校法人と保育所を運営してきた社会福祉法人が、それぞれの施設に相手側の機能を加える形で広がってきたことが、設置者と類型の組み合わせに表れています。

主要論点

株式会社などの営利法人は、保育所の運営主体としてどこまで広がるのか?

保育所の運営主体のうち営利法人は2022年の3,278から2024年の3,443へ毎年増え、社会福祉法人と公営は毎年減っています。営利法人の数は保育所3,443と地域型保育事業所3,508でほぼ同じですが、地域型では運営主体の中で最も多く、企業主導型保育事業の助成決定4,290施設も企業が設置します。株式会社は、保育所に加えて小規模保育・企業主導型・認可外でも事業を広げてきました。

営利法人の保育所が増える要因は、都市部で認可保育所の整備を急いだ自治体が株式会社の開設を受け入れてきたことと、複数の自治体で施設を運営する会社が買収や新設で数を積み上げてきたことです。上場企業による買収も続いており、各社の動きは主要企業のページで扱います。一方で、利用児童が減り定員割れが広がる局面では新設の余地が小さくなり、公定価格で収入の上限が決まる事業では、施設数を増やすことでしか成長できない構造が営利法人の拡大を制約します。

今後は、公営の保育所の減少が続く中で、新設よりも既存の施設の運営を営利法人が引き継ぐ形での広がりが続くとみられます。認定こども園の幼保連携型と幼稚園型に営利法人の園が1園もないように、制度上の参入の可否が類型ごとに異なるため、営利法人の活動の場は保育所・小規模保育・認可外の側に偏った構造が当面続く見通しです。

認定こども園への移行は続き、保育所と幼稚園の境界はなくなるのか?

認定こども園は2012年の909園から2025年の1万1,212園へ毎年増え、2025年に新たに認定された740園の移行前は認可保育所438園・幼稚園223園でした。幼稚園は2015年の1万1,674園から2025年の8,225園へ減り、保育所も2022年の2万2,526か所から2024年の2万1,755か所へ減っています。両方の減少の一部は認定こども園への移行です。

移行が続く要因は、共働き世帯の増加で3〜5歳児の教育のみの利用(1号認定)が減り、幼稚園が保育の機能を加えないと園児を確保しにくくなったことと、保育所の側でも子どもの数が減る地域で教育の機能を加えて3〜5歳児を集める動きがあることです。認定こども園の在籍園児121万5,916人のうち、保育を必要とする3〜5歳(2号認定)が59万7,375人、教育のみの3〜5歳(1号認定)が28万3,510人という構成は、保育の需要が教育のみの需要を上回っていることを示しています。

一方で、設置者は社会福祉法人5,668園と学校法人3,545園に分かれ、社会福祉法人は幼保連携型と保育所型、学校法人は幼稚園型と幼保連携型に集まっています。施設の機能は一体化しても、運営主体の法人格と会計、職員の資格(保育士と幼稚園教諭)の違いは残ります。保育所と幼稚園の境界は、施設の類型としては認定こども園に収れんしつつ、担い手の違いとして残り続けるとみられます。

企業主導型と認可外の受け皿は、認可の定員割れが広がる中でも必要とされるのか?

企業主導型保育事業の助成決定は2024年度の4,361施設から2025年度の4,290施設へ減り、認可外保育施設の入所児童は2019年度末の24万3,882人から2024年度末の20万8,811人へ減りました。認可の受け皿が広がり定員充足率が下がる局面では、認可外の施設は利用者を認可に奪われる側にあります。一方で、企業主導型保育事業の予算は2026年度に2,411億円と、2016年度の797億円から増えており、国の制度としての位置づけは続いています。

認可外の2万68か所のうち事業所内保育施設が8,078(うち院内2,673)と最も多いことは、認可外の受け皿が地域の子どもの預け先というより、企業や病院が従業員を確保するための福利厚生として設けられている面が大きいことを示しています。夜勤のある病院や、市町村の利用調整の枠に合わない勤務形態の従業員にとって、認可の施設では代わりになりにくい役割です。居宅訪問型7,462も、認可の施設では担えない個別の保育を補っています。

今後は、地域の受け皿としての認可外は認可への移行や閉鎖で減り、企業や病院の福利厚生としての事業所内保育施設と、個別の需要に応える居宅訪問型が残る形へ分かれるとみられます。企業主導型については、助成決定数が減る中で、定員割れした施設の整理と、認可の施設が少ない地域での維持をどう両立させるかが制度の論点です。

中期見通し

近未来1-2年

2026年4月1日に施行された満3歳以上限定小規模保育事業により、0〜2歳向けだった小規模保育の受け皿が3歳以上にも広がります。厚生労働省の2025年10月1日時点の調査が公表されれば、保育所の営利法人が3,443から増え、社会福祉法人と公営が減る流れが続いているかが分かります。企業主導型保育事業は2025年度の助成決定4,290施設から、次の年度も減るかが注目点です。

中期3-5年

認定こども園への移行は、幼稚園8,225園と保育所2万1,755か所の両方から続き、幼保連携型と保育所型が増えるとみられます。利用児童の減少で保育所の閉園と統合が進む地域では、公営の保育所の減少と、既存の施設の運営を営利法人が引き継ぐ動きが並行して起きる可能性があります。認可外保育施設は、地域の受け皿としての施設が減り、事業所内保育施設と居宅訪問型が中心になる方向です。

長期5-10年

出生数の減少が続けば、保育所・認定こども園・地域型保育事業という類型の枠組みは変わらないまま、施設の数と定員が需要に合わせて縮む局面に入ります。公定価格で収入が決まる仕組みのもとで、社会福祉法人・公営・営利法人・学校法人のどの主体が施設を維持できるかは、地域の子どもの数と自治体の方針に左右されます。認可の受け皿が余る地域では認可外の役割が福利厚生と個別需要に限られ、認可の施設が足りない地域では企業主導型と認可外が補完として残る、地域ごとに異なる構造になる見通しです。

よくある質問

認可保育所と認可外保育施設は何が違いますか?
認可保育所は児童福祉法に基づき都道府県などの認可を受けた施設で、市町村が保育の実施義務を負い、私立には市町村が公定価格をもとに委託費を支払います(公立の運営費は自治体の一般財源)。保護者は市町村に申し込み、保育料は2019年10月から3〜5歳児が無償です。認可外保育施設は認可を受けていない施設で、都道府県などへの届出が必要です。保育料は施設が定め、保護者が施設に直接申し込みます。2025年3月31日に届出対象の認可外保育施設は2万68か所で、ベビーホテル940、事業所内保育施設8,078、居宅訪問型7,462、その他3,588です。
認定こども園の4つの類型は何が違いますか?
幼保連携型は学校と児童福祉施設の両方の法的な位置づけを持つ施設、幼稚園型は幼稚園が保育の機能を加えた施設、保育所型は保育所が教育の機能を加えた施設、地方裁量型は認可外の施設が認定を受けた施設です。2025年4月1日の園数は幼保連携型7,470・幼稚園型1,637・保育所型2,017・地方裁量型88の合計1万1,212園です。設置者は社会福祉法人5,668園と学校法人3,545園が多く、営利法人は182園(保育所型と地方裁量型のみ)です。
小規模保育とは何ですか?
小規模保育は、子ども・子育て支援法に基づく地域型保育事業の一つで、利用定員6〜19人、原則0〜2歳児を対象とする保育です。保育所の分園などに近いA型、家庭的保育に近いC型、その中間のB型(保育士の割合が2分の1以上)に分かれ、2024年10月1日にA型5,281・B型657・C型81か所あります。地域型保育事業所7,448か所の運営主体は営利法人3,508が最も多く、保育所では3番目の営利法人が最も多い主体になる領域です。2026年度には3〜5歳児のみを対象とする小規模保育事業(満3歳以上限定小規模保育事業)が創設されました。
企業主導型保育事業は認可外保育施設に含まれますか?
企業主導型保育事業の施設は、児童福祉法上は認可を受けない施設で、認可外保育施設として届け出ます。ただし統計での扱いは資料によって違い、こども家庭庁の認可外保育施設の集計では「事業所内保育施設」に含まれる一方、同庁の子ども・子育て支援新制度の資料では認可外保育施設を「事業所内保育施設(企業主導型除く)」と説明しています。このため、企業主導型の助成決定4,290施設(2026年3月31日、継続分を含む助成決定数で開所数ではない)と認可外の2万68か所(2025年3月31日)は足して読めません。企業主導型は企業が設置し、児童育成協会が事業主拠出金を財源に運営費と整備費を助成する点が、他の認可外保育施設と異なります。
保育所は誰が運営していますか? 株式会社は多いですか?
厚生労働省の調査では、保育所2万1,755か所(2024年10月1日)の運営主体は社会福祉法人1万1,162が最も多く、公営(市町村など)6,049、営利法人(株式会社など)3,443、NPOや学校法人などその他の法人955と続きます。営利法人は2022年の3,278から毎年増えていますが、保育所では社会福祉法人と公営が多数です。株式会社が多いのは小規模保育などの地域型保育事業で、7,448か所のうち営利法人が3,508と最も多くなっています。上場企業ではJPホールディングス、グローバルキッズCOMPANY、さくらさくプラス、Smile Holdings、ポピンズ、ライク、テノ.ホールディングス、AIAIグループが保育施設を運営しています。

参考資料 / 一次ソース

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