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学習塾の通塾需要と少子化|子供の数と学習塾費の動き【2026年版】

学習塾・予備校の需要を、通塾の対象となる子供の数と、家庭が支払う学習塾費の両面から整理します。少子化で小・中学生の数は過去最少を更新する一方、子供1人にかける学習塾費は学校の種類によって大きく異なり、中学受験を控えた私立小学校では特に高くなります。需要の母数と1人当たりの支出が、それぞれどう動いているかを見ていきます。

学校種別・公私別の年間学習塾費(令和5年度、円)

子供1人当たりの年間の学習塾費。中学受験を背景に私立小学校が高く、中学校では公立が私立を上回る
単位: 上位 6
075,000150,000225,000300,000259,492私立小230,000公立中168,000私立中167,000私立高147,000公立高75,194公立小
出典: 文部科学省 令和5年度子供の学習費調査
カテゴリ公立小私立小公立中私立中公立高私立高
年間の学習塾費75,194259,492230,000168,000147,000167,000
読み解き

このグラフは、子供1人当たりの年間の学習塾費を、学校の種類と公立・私立の別でみたものです。最も高いのは私立小学校(約25.9万円)で、公立小学校(約7.5万円)の3倍を超えます。中学受験に向けて、私立小学校に通う家庭が早くから学習塾を利用していることが背景にあります。

中学校では、公立(約23.0万円)が私立(約16.8万円)を上回ります。これは、公立中学校の生徒が高校受験に向けて学習塾に通う傾向が強いためで、小学校とは逆の関係になっています。学校の種類によって、いつ・どれだけ学習塾にお金をかけるかが大きく変わることがわかります。

このグラフに関連するトピック

通塾対象となる子供の数(現在と過去のピーク)

少子化で小・中学生はいずれも過去最少。過去に最も多かった時期と比べて大きく減っている
小学生
2025年の児童・生徒数
581.2万人
過去のピーク
1,349.2万人(昭和33年(1958))
状況
過去最少
中学生
2025年の児童・生徒数
310.5万人
過去のピーク
732.8万人(昭和37年(1962))
状況
過去最少
高校生
2025年の児童・生徒数
287.4万人
過去のピーク
564.4万人(平成元年(1989))
状況
前年より減少
読み解き

小学生の数は、最も多かった昭和33年(1958)の1,349.2万人に対し、2025年は581.2万人と、ピーク時のおよそ4割の水準まで減りました。中学生・高校生も同様に減少が続いています。通塾の対象となる子供の母数が構造的に縮小しているため、塾は限られた生徒をめぐって競い合う状況になっています。生徒募集をめぐる競争は、集客・生徒募集のページで扱います。

主要論点

子供の数が減っているのに、学習塾の需要が底堅いのはなぜか?

通塾の対象となる子供の数は、少子化で減り続けています。2025年の小学生は581.2万人、中学生は310.5万人でいずれも過去最少となり、需要の母数は構造的に縮んでいます。

それでも学習塾の需要が底堅いのは、子供1人にかける教育費の支出が高い水準を保っているためです。少子化で子供の数が減るぶん、1人の子供に手厚く教育費をかける家庭が増えています。中学受験の広がりや、より個別性の高い指導への需要が、1人当たりの学習塾費を押し上げています。

つまり、需要は「母数の減少」と「1人当たり支出の底堅さ」という二つの力の綱引きの状態にあります。母数が減っても1人当たりの支出が支えることで、学習塾への需要全体は大きくは落ち込まずに推移してきました。

なぜ中学受験を控えた私立小学校で学習塾費が高くなるのか?

学校の種類別にみると、子供1人当たりの年間の学習塾費は、私立小学校で約25.9万円と、公立小学校(約7.5万円)の3倍を超えます。さらに私立小学校6年生では年間約44.3万円と、公立・私立を通じて最も高くなります。

背景にあるのは中学受験です。私立小学校に通う家庭は、難関の私立・国公立中学校への進学を目指して、低学年から進学塾に通わせる傾向があります。受験が近づく高学年ほど通塾の日数や講座が増え、学習塾費も高くなります。都市部を中心とした中学受験の広がりが、私立小学校の高い学習塾費につながっています。

このため、中学受験に強い進学塾にとっては、私立小学校に通う層や受験を考える家庭が重要な対象となります。学習塾費の高さは、この層をめぐる競争の激しさの裏返しでもあります。

中学校で公立が私立より学習塾費が高いのはなぜか?

小学校では私立が公立を大きく上回る一方、中学校では逆に公立(約23.0万円)が私立(約16.8万円)を上回ります。これは、進学のルートの違いによるものです。

公立中学校の生徒の多くは、高校受験を控えています。志望する高校に合格するために学習塾に通う生徒が多く、受験対策の費用がかかります。一方、私立中学校の多くは中高一貫校で、そのまま系列の高校へ進学できるため、高校受験のための通塾の必要性が相対的に低くなります。

このように、学習塾費は「いつ受験があるか」という進学のルートに左右されます。私立小学校は中学受験、公立中学校は高校受験という受験のタイミングが、それぞれの学習塾費の高さに表れています。

中期見通し

近未来1-2年

通塾対象となる子供の数は、少子化で減少が続く見通しです。母数が細るなか、塾は限られた生徒の獲得競争に直面します。一方で、中学受験の広がりや手厚い指導への需要から、1人当たりの学習塾費は当面底堅く推移するとみられます。

中期3-5年

子供の数の減少が続くなかで、1人当たりにどれだけ手厚く・付加価値の高い指導を提供できるかが、需要を取り込めるかどうかの分かれ目となります。中学受験対策や個別性の高い指導など、単価の高い領域への需要が相対的に強まると考えられます。

長期

通塾対象人口の構造的な減少は、長期にわたって続きます。母数の縮小を、1人当たり支出の底堅さがどこまで補えるかが、学習塾全体の需要を左右します。都市部と地方、受験の有無による地域差・層別の差も、今後さらに広がる可能性があります。

よくある質問

子供1人にかかる学習塾費は年間どれくらいですか?
文部科学省の子供の学習費調査によると、子供1人当たりの年間の学習塾費は、公立小学校で約7.5万円、私立小学校で約25.9万円です。中学受験を控えた私立小学校6年生では最も高く、年間約44.3万円に達します。中学校では、高校受験に向けて通塾する生徒が多い公立(約23.0万円)が私立(約16.8万円)を上回ります。
少子化で学習塾に通う子供はどれくらい減っていますか?
2025年の小学生は581.2万人、中学生は310.5万人で、いずれも過去最少を更新しました。小学生は最も多かった昭和33年(1958)の1,349.2万人に対し、およそ4割の水準まで減っています。通塾の対象となる子供の母数は構造的に縮小しています。
なぜ私立小学校の学習塾費が一番高いのですか?
中学受験のためです。私立小学校に通う家庭は、難関の私立・国公立中学校への進学を目指して、低学年から進学塾に通わせる傾向があります。受験が近づく高学年ほど通塾日数や講座が増え、私立小学校6年生では年間約44.3万円と最も高くなります。
中学校で公立のほうが私立より学習塾費が高いのはなぜですか?
公立中学校の生徒の多くは高校受験を控えており、志望校合格のために学習塾に通うためです。一方、私立中学校の多くは中高一貫校で、系列の高校へそのまま進学できるため高校受験のための通塾の必要性が低く、結果として公立(約23.0万円)が私立(約16.8万円)を上回ります。
少子化が進むと学習塾の需要はなくなりますか?
子供の数は減り続けますが、1人当たりの学習塾費が底堅いため、需要が急になくなるわけではありません。少子化で1人の子供に手厚く教育費をかける家庭が増えており、中学受験や個別性の高い指導への需要が需要を下支えしています。ただし母数の減少は続くため、限られた生徒をめぐる塾どうしの競争は強まっています。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    文部科学省「令和7年度学校基本調査」(確定値)
  2. 2.
    文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」
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