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学習塾・予備校業界の市場規模|統計ごとの違いと市場の推移【2026年版】

学習塾・予備校の市場規模は、矢野経済研究所の推計で約9,850億円とされ、1兆円前後の横ばいが続いています。ただし市場規模を表す数字は調査によって異なり、東京商工リサーチが主要396社を集計した売上高は2023年度に5,431億円で、これは市場全体ではなく主要事業者の合計です。少子化で通塾対象の子供が減るなか、市場の規模をどの統計でどう捉えればよいかを整理します。

主要学習塾396社の売上高の推移(2019-2023年度、億円)

これは主要事業者396社の売上合計で、市場全体(矢野経済の推計で約9,850億円)とは集計範囲が異なります
単位: 億円
01,5003,0004,5006,0005,149194,918205,215215,373225,43123
出典: 東京商工リサーチ 学習塾396社調査(2025年1月)
年度20192020202120222023
主要396社の売上高億円5,1494,9185,2155,3735,431
読み解き

このグラフが示すのは、東京商工リサーチが主な学習塾396社の決算を集計した売上高で、市場全体(矢野経済研究所の推計で約9,850億円)の一部にあたる主要事業者の売上合計です。

主要396社の売上高は、2019年度の5,149億円から2023年度の5,431億円へと緩やかに増えました。直近の2023年度は前年比+1.0%(東京商工リサーチ公表)で、市場全体が横ばいで推移するなかでも、主要な事業者の売上はわずかに伸びています。

ただし、売上が微増する一方で、赤字の企業は増えています。主要396社では赤字企業の割合が上昇し、2024年には学習塾の倒産や休廃業も増えました。売上を伸ばす塾と退出する塾の二極化が進んでおり、この詳しい中身は業界構造のページで扱います。

市場規模を測る4つの統計

学習塾・予備校の規模を示す数字は調査ごとに性格が異なり、用途に応じて使い分けます
学習塾・予備校市場
矢野経済研究所の推計
最新値
約9,850億円
集計範囲
市場全体の推計
読み方・性格
市場全体の規模に最も近い数字。1兆円前後で横ばいが続く
主要396社の売上高
東京商工リサーチ
最新値
5,431億円
集計範囲
主な学習塾396社の売上合計(2023年度)
読み方・性格
市場規模ではなく主要事業者の集計。売上の推移や二極化の把握に有用
法人学習塾の売上
令和3年経済センサス活動調査
最新値
8,446億円
集計範囲
個人経営を除く法人を対象とした全数調査
読み方・性格
供給側の公的統計。個人経営の塾を含まないため市場全体より小さい
教育産業市場
矢野経済研究所
最新値
2兆8,556億円
集計範囲
学習塾を含む主要15分野の合計(2024年度)
読み方・性格
学習塾・予備校を含むより広い枠組み。学習塾・予備校はこの最大分野
読み解き

市場規模を示す数字が複数あるのは、それぞれ何を数えているかが違うためです。市場全体のおおよその規模を知りたいときは矢野経済研究所の推計(約9,850億円)、主要な事業者の売上の動きをみたいときは東京商工リサーチの集計(5,431億円)、公的な供給側の数字としては経済センサスの法人売上(8,446億円)、というように用途で使い分けます。これらを単純に足したり、市場シェアを計算したりすることはできません。

主要論点

学習塾・予備校の市場規模を測る数字はなぜ複数あるのか?

学習塾・予備校の市場規模を調べると、約9,850億円、5,431億円、8,446億円といった異なる数字が出てきます。これは数字が間違っているのではなく、それぞれ集計の範囲と目的が違うためです。

市場全体に最も近いのは、矢野経済研究所が推計する約9,850億円です。個人経営の塾を含めた市場全体のおおよその規模を表します。一方、東京商工リサーチの5,431億円は、決算を確認できた主要396社の売上を合計したもので、市場全体ではなく主要事業者の集計です。経済センサスの8,446億円は、個人経営を除く法人の学習塾すべてを数えた公的な全数調査で、個人塾を含まないぶん市場全体より小さくなります。

さらに、学習塾を含む教育産業市場(主要15分野計)は2兆8,556億円で、これは学習塾・予備校より広い枠組みです。市場の話をするときは、どの数字がどの範囲を指しているかを確かめることが大切で、用途に応じて使い分ける必要があります。

なぜ市場規模は1兆円前後で横ばいが続くのか?

学習塾・予備校市場は、矢野経済研究所の推計で約9,850億円と、長らく1兆円前後で横ばいが続いています。背景には、需要を押し下げる力と押し上げる力が綱引きになっていることがあります。

押し下げているのは少子化です。通塾対象となる2025年の小学生は581.2万人、中学生は310.5万人でいずれも過去最少となり、ピーク時の4〜5割まで減りました。通う子供の母数そのものが減るため、市場全体が大きく伸びにくくなっています。

一方で押し上げているのが、1人当たりの教育費支出の底堅さです。中学受験の広がりや、より手厚い指導への需要から、子供1人にかける学習塾費は高い水準を保っています。少子化で母数が減るなかでも、1人当たりの支出が支えることで、市場全体としては横ばいが続いてきました。需要の詳しい内訳は、需要と少子化のページで扱います。

市場が横ばいのなか、塾ごとの業績はどう分かれているのか?

市場全体が横ばいで推移していても、塾ごとの業績は一様ではありません。主要396社の売上高は2019年度の5,149億円から2023年度の5,431億円へ緩やかに増えましたが、その中身をみると生徒を集められる塾と集められない塾の差が広がっています。

主要396社では赤字企業の割合が上昇し、2024年には学習塾の倒産や休廃業も増えました。少子化で限られた生徒を奪い合うなか、立地や評判、集客力の差が業績の差となって表れています。

こうした二極化を背景に、M&Aや非公開化による業界再編も進んでいます。市場規模という一つの数字では見えにくい、事業者ごとの濃淡が広がっているのが現状で、その詳しい構造は業界構造や主要企業の比較のページで扱います。

中期見通し

近未来1-2年

市場規模は1兆円前後の横ばいが続くとみられます。少子化で通塾対象人口が減り続けるため、市場全体が大きく拡大する局面は見込みにくく、各社は季節講習や単価の見直しで売上を維持しようとしています。

中期3-5年

中学受験の広がりや、個別指導・映像授業への需要が、市場を下支えする方向です。通う子供の母数が減るなかで、1人当たりの単価や付加価値をどう高めるかが、市場規模を保てるかどうかの分かれ目となります。

長期

通塾対象人口の構造的な減少が続くなか、市場規模そのものの大幅な拡大は期待しにくい局面です。そのぶん、M&Aや多角化による再編、オンライン学習やEdTechの取り込みが進み、市場の規模だけでなく中身が変わっていくとみられます。

よくある質問

日本の学習塾・予備校の市場規模はどれくらいですか?
学習塾・予備校の市場規模は、矢野経済研究所の推計で約9,850億円とされ、長らく1兆円前後で横ばいが続いています。学習塾を含む教育産業市場(主要15分野計)は2024年度に2兆8,556億円で、学習塾・予備校はその最大分野です。これとは別に、東京商工リサーチが主要396社の売上を集計した調査では2023年度に5,431億円となっていますが、これは個人経営の塾などを除いた主要事業者の売上で、市場全体とは集計範囲が異なります。
なぜ調査によって市場規模の数字が違うのですか?
それぞれの調査が数えている範囲と目的が違うためです。矢野経済研究所の約9,850億円は個人塾も含めた市場全体の推計、東京商工リサーチの5,431億円は主要396社の売上合計、経済センサスの8,446億円は個人経営を除く法人の公的統計です。市場全体を知りたいなら矢野推計、事業者の動向は東京商工リサーチ、公的な供給側は経済センサス、というように用途で使い分けます。
主要396社の売上5,431億円は市場規模ですか?
いいえ、市場規模そのものではありません。これは東京商工リサーチが決算を確認できた主な学習塾396社の売上を合計した数字で、主要事業者の集計です。市場全体には、ここに含まれない個人経営の塾や中小の事業者が多数あり、市場全体の規模は矢野経済研究所の推計で約9,850億円とされています。
学習塾市場は成長していますか、それとも縮小していますか?
市場規模は1兆円前後で横ばいが続いており、大きく成長も縮小もしていません。少子化で通塾対象の子供が減る一方、中学受験の広がりや1人当たりの教育費支出の底堅さが市場を下支えしているためです。ただし市場全体が横ばいでも、生徒を集められる塾と退出する塾の二極化は進んでいます。
学習塾の市場規模データの出典は何ですか?
市場全体の推計は矢野経済研究所の教育産業白書、主要事業者の売上集計は東京商工リサーチの学習塾396社調査、供給側の公的統計は総務省・経済産業省の経済センサス活動調査が出典です。通塾対象人口は文部科学省の学校基本調査によります。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    矢野経済研究所「2025年版 教育産業白書」
  2. 2.
    東京商工リサーチ「学習塾396社の売上調査」(2025年1月)
  3. 3.
    総務省・経済産業省「令和3年経済センサス‐活動調査」(学習塾)
  4. 4.
    文部科学省「令和7年度学校基本調査」(確定値)
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