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中古農機・トラクター国別輸出の動向|ベトナム首位の構造と新ビジネスモデル【2026年版】

日本の中古農機市場は、国内離農の進展に伴い活発化しています。特にトラクターの中古輸出は新たな成長領域で、ASEAN・東欧・中東・アフリカの発展途上国市場で日本製の信頼性・耐久性が評価され、新車の30-50%程度の価格帯で流通しています。2025年はベトナム17,260台で首位、ポーランド4,058台、ブルガリア3,305台、オランダ2,551台と続きます。本ページでは国別輸出推移、主要プレイヤー、買取・シェアリング等の新ビジネスモデルを整理します。

中古トラクター 国別輸出の推移(TOP 7国 + その他、台数)

単位:
ベトナムポーランドブルガリアリトアニアオランダフランスタイその他
020,00040,00060,00080,00051,6632054,7892162,9722256,2542358,3182453,92625
出典: 財務省 普通貿易統計 (中古トラクター輸出、仕向地別、年次)
年度202020212022202320242025
ベトナム16,41617,77425,00914,49820,11617,260
ポーランド3,5393,7484,1265,0764,1554,058
ブルガリア2,1412,6763,0013,7543,5673,305
リトアニア3,0113,3783,3273,2982,8912,270
オランダ2,3172,3112,2742,9892,9382,551
フランス1,5691,6141,7352,3042,0251,984
タイ1,0741,4762,8871,7601,5251,211
その他21,59621,81220,61322,57521,10121,287
合計(51,66354,78962,97256,25458,31853,926
前年比+6.1%+14.9%-10.7%+3.7%-7.5%
読み解き

ベトナムが連続首位で、年間14,000-25,000台の規模で推移しています。2022年に25,009台のピークを記録した後、2023年に14,498台まで縮小、2024年に20,116台で再び増加、2025年は17,260台でやや微減という変動パターンです。

東欧勢(ポーランド・ブルガリア・リトアニア)も常時2,000-5,000台規模で安定的な需要があります。オランダ・フランスも同水準で、欧州諸国全体としてまとまった需要があります。タイ等のASEAN諸国も継続的な需要があり、日本製の信頼性・耐久性が評価される市場として定着しています。

このグラフに関連するトピック

主要論点

離農増加は中古農機市場をどう変えているのか?

コンペティティブ

日本の農業経営体は減少傾向が続いており、離農時に発生する中古農機の流通量が拡大しています。クボタ・ヤンマー・井関の主要3社製は耐久性が高く、20-40年前のモデルも現役で取引される事例があります。

国内中古市場の正確な規模は公的統計に存在しませんが、買取業者・オークション市場・JA系流通を通じて活発な取引が行われています。中古農機は新車の30-50% 程度の価格帯で流通することが多く、中小規模農家・新規就農者にとって機械化投資の入り口となっています。新車市場の補完として中古市場が機能することで、業界全体の需要層が多層化し、新車・中古の両方を視野に入れたビジネスモデルが形成されています。

中古トラクターはどの国に流れているのか?

ポジティブ

日本製中古トラクターはASEAN(タイ・ベトナム・インドネシア)、中東(UAE・トルコ)、アフリカ(ケニア・タンザニア等)、欧州(東欧諸国)など多様な国・地域で需要があり、信頼性・耐久性・操作性の高さが評価されています。

2025年の輸出実績(台数)は、ベトナム17,260、ポーランド4,058、ブルガリア3,305、オランダ2,551、リトアニア2,270、フランス1,984、ウクライナ1,633、ポルトガル1,551、ルーマニア1,413、エジプト1,346と続いています。2024年のトラクター輸出は1,930億円で、うち中型機(75kW超130kW以下)は前年比 +10.8% と大型化傾向が見られます。

中古市場発の新ビジネスモデルは何が出てきているか?

中長期

中古農機流通の主要プレイヤーは、買取業者(リンク社「農機具王」)、農機販売店(メーカー系ディーラー)、JA系流通、専門商社、オークション運営会社などです。リンク社は数年前から海外輸出を本格化させ、M&Aで獲得したワールドブリッジ経由で30社と取引、年間売上3億円規模で成長中とされます(公開情報ベース)。

新車市場の縮小を補う成長領域として、各メーカーも中古市場への関与を強めており、認定中古プログラム(一定の整備基準を満たした中古機の保証販売)も普及しつつあります。中古農機シェアリング・レンタル、中古機向けスマート農業アップグレード(後付けGPS自動操舵キット)など、中古市場発の新しいビジネスモデルも登場しています。海外向けには、日本製のクオリティを担保しつつ価格競争力のある製品を供給できるルートとして、業界全体の輸出構造に組み込まれつつあります。

中古市場関連の技術・サービス

認定中古プログラム

部分実装

メーカー系ディーラーが一定の整備基準を満たした中古機を保証付きで販売。新車並みのアフターサービスを中古に拡張。

主要プレイヤー
クボタ
ヤンマー
井関農機

中古機向けGPS自動操舵キット

商用化

既存の中古トラクターに後付けでGPS自動操舵を追加するアップグレード製品。スマート農業を中古機にも拡張。

主要プレイヤー
トプコン
Trimble
クボタ(自社製品)

オンライン中古オークション

部分実装

中古農機の取引をオンラインで効率化するプラットフォーム。地域分散していた市場をデジタル化。

主要プレイヤー
農機具王
リンク社
専門オークション業者

中古機シェアリング

研究段階

中古機を共同利用する仕組み。小規模農家・新規就農者向けに機械化のハードルを下げる。

主要プレイヤー
JA
農業ベンチャー

主要プレイヤー(業界団体・流通・輸出先)

日本農業機械工業会

業界団体

業界団体

中古トラクター国別輸出実績を毎年公表。日本の中古農機輸出の継続的な記録を提供する一次情報源。

リンク社(農機具王)

中古流通

中古買取大手

中古農機の買取・販売・海外輸出を展開。M&Aで獲得したワールドブリッジ経由で複数社と取引、海外輸出部門も併設(リンク社公式 / 農機具王サイト参照)。

メーカー系ディーラー

流通

メーカー直系流通

クボタ・ヤンマー両社の地域販売会社経由の全国販売店網(各社販売店リストで千数百〜2千拠点規模)が新車販売と並行して下取り・中古販売を提供。認定中古プログラムを展開。

JA(農業協同組合)

流通

JA系流通

組合員農家への新車販売と並行して、下取り中古機の地域内流通を担当。井関農機との結びつきが特に強い。

海外バイヤー(ASEAN・東欧・中東)

需要側(海外)

輸出先

日本製中古トラクターを買い付ける海外バイヤー。ベトナム・ポーランド・ブルガリア・タイ・UAE等が主要市場。

中期見通し

近未来1-2年

国内離農の進展で中古発生量は引き続き拡大する見通し。海外向け輸出も日本製の信頼性を背景に堅調推移し、特にASEAN・東欧向けで需要が伸びる。買取業者の海外展開も加速し、業界全体としての中古輸出フレームワークが整備される段階。新車市場の縮小を補完する形で、中古市場が業界の成長エンジンの一つとなる。

中長期3-5年

2028-2030年は団塊世代の大量離農が想定され、中古発生量がピークを迎える可能性。これに対応するため、メーカー系ディーラーの認定中古プログラム拡大、オンライン中古オークションの普及、中古機向けスマート農業アップグレード市場の形成が進む見通し。海外向けには、新興国の機械化進展に伴い日本製中古機の需要が継続的に伸びる。

関連業界への波及

中古農機市場の拡大は、農機メーカーだけでなく、物流(海上コンテナ輸送)、商社(中東・アフリカ向け輸出取引)、保険(中古機保証)、ファイナンス(中古機向け融資)にも波及。M&Aや事業提携により、買取業者がメーカー系列に組み込まれる、または商社が中古買取業に参入するなど、業界横断的な再編も進む可能性があります。

よくある質問

日本の中古トラクターはどこに輸出されていますか?
2025年の輸出実績ではベトナム17,260台(首位)、ポーランド4,058台、ブルガリア3,305台、オランダ2,551台、リトアニア2,270台、フランス1,984台が上位です。ASEAN・東欧・中東・アフリカ等が主要仕向先です。
中古農機の流通価格はどれくらいですか?
中古農機は新車の30-50% 程度の価格帯で流通することが多く、中小規模農家・新規就農者にとって機械化投資の入り口となっています。クボタ・ヤンマー・井関の主要3社製は耐久性が高く、20-40年前のモデルも現役で取引される事例があります。
中古農機市場の規模はどれくらいですか?
国内中古市場の正確な規模は公的統計に存在しませんが、買取業者・オークション市場・JA系流通を通じて活発な取引が行われています。海外向け中古トラクター輸出は年間5-6万台規模(2020-2025年で5.2-6.3万台)で、日農工が国別実績を毎年公表しています。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    日本農業機械工業会 中古トラクター国別輸出実績
  2. 2.
    財務省貿易統計
  3. 3.
    各社IR・プレスリリース
  4. 4.
    業界紙報道
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