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電子部品の品目別構成|受動・接続・変換部品の内訳と日本勢のポジション【2026年版】

電子部品は、電気を蓄える・流す・整える受動部品、機器をつなぐ接続部品、物理量を電気信号に変える変換部品などに分かれます。JEITA(電子情報技術産業協会)の統計では、日系メーカーの世界出荷(2025年度)の品目構成は受動部品が半分超(2兆4,376億円、構成比52.8%)を占め、最大品目はコンデンサ(1兆7,277億円)です。とりわけ積層セラミックコンデンサ(MLCC)やインダクタでは、村田製作所をはじめ日本勢が世界シェア上位に位置します。本ページでは、世界出荷の品目構成・受動部品の内訳・国内生産の品目別・日本勢の世界ポジションを順に整理します。

受動部品 世界出荷(2025年度)
2兆4,376億円
世界出荷の半分超(構成比52.8%)。コンデンサ・抵抗器・インダクタなど
出典: JEITA電子部品グローバル出荷統計
うちコンデンサ(最大品目)
1兆7,277億円
受動部品の中心。世界出荷全体の3分の1超を占める単一最大品目
出典: JEITA電子部品グローバル出荷統計
接続部品 世界出荷(2025年度)
9,989億円
コネクタ・スイッチなど。機器や基板をつなぐ部品
出典: JEITA電子部品グローバル出荷統計
変換部品 世界出荷(2025年度)
7,526億円
センサ・アクチュエータ・音響部品など。物理量と電気信号を変換
出典: JEITA電子部品グローバル出荷統計

電子部品 世界出荷の品目カテゴリ別構成(2025年度、億円)

受動部品が52.8%と半分超、接続・変換・その他が続く
単位: 億円4 カテゴリ・合計 46,196
06,25012,50018,75025,00024,376受動部品9,989接続部品7,526変換部品4,305その他
出典: JEITA電子部品グローバル出荷統計(2025年度)
カテゴリ受動部品接続部品変換部品その他
世界出荷額億円24,3769,9897,5264,305
シェア52.8%21.6%16.3%9.3%
読み解き

日系メーカーの電子部品 世界出荷(2025年度)を品目カテゴリ別に見ると、受動部品が2兆4,376億円(構成比52.8%)と半分超を占め、接続部品(9,989億円、21.6%)、変換部品(7,526億円、16.3%)、その他の電子部品(4,305億円、9.3%)が続きます。受動部品は電気を蓄える・流す・整える基礎的な部品で、電子機器の小型化・高機能化で搭載個数が増え、最大カテゴリとなっています。

なお、4カテゴリの合計は46,196億円で、世界計46,198億円とは約2億円の差があります。これはJEITAが品目を独立に四捨五入しているためで、当方は公表値をそのまま記載しています。

このグラフに関連するトピック

受動部品の品目内訳(2025年度、世界出荷、億円)

最大カテゴリ=受動部品の中身。コンデンサが大半を占め、インダクタ・抵抗器が続く
項目世界出荷額(億円)構成比シェア
コンデンサ17,27770.9%
インダクタ3,96216.3%
抵抗器2,0488.4%
その他6482.7%
トランス4391.8%
受動部品の品目計24,374100.0%
読み解き

受動部品(2兆4,376億円)の中身は、コンデンサが1兆7,277億円と大半を占め、次いで電流を安定させるインダクタ(3,962億円)、電流の流れを調整する抵抗器(2,048億円)、電圧を変換するトランス(439億円)と続きます。コンデンサは電気を一時的に蓄えて電圧を安定させる部品で、スマートフォン1台に数百個、自動車1台に数千個が搭載されます。なかでも積層セラミックコンデンサ(MLCC)が中心で、AIサーバーや車載向けに需要が伸びています。

接続部品(9,989億円)ではコネクタ(6,656億円)が中心、変換部品(7,526億円)ではアクチュエータ(4,914億円)やセンサ(2,309億円)が主な品目です。なお、受動部品の品目を合計すると24,374億円で、公表の受動部品計24,376億円とは四捨五入により約2億円の差があります。

電子部品の国内生産 品目別(2024年、億円)

国内に立地する工場の生産額(暦年)。コンデンサ・抵抗器・コイル・コネクタ・基板の大分類順に並べた全品目。世界出荷とは分類体系が異なる別系統
項目国内生産額(億円)構成比シェア
セラミックコンデンサ8,19428.5%
アルミ電解コンデンサ1,592.95.5%
その他の固定コンデンサ337.21.2%
金属化有機フィルムコンデンサ216.10.8%
タンタル電解コンデンサ1520.5%
チップ抵抗器543.91.9%
炭素系可変抵抗器(半固定を除く)276.71.0%
その他の固定抵抗器175.10.6%
その他の可変抵抗器64.80.2%
ネットワーク抵抗器55.80.2%
インダクタ(コイルを含む)981.33.4%
トランス77.20.3%
プリント基板用コネクタ1,869.66.5%
その他のコネクタ5231.8%
角形コネクタ233.90.8%
丸形コネクタ149.70.5%
同軸コネクタ145.30.5%
スイッチ(通信・電子装置用に限る)479.51.7%
リレー(有線通信機器用に限る)250.20.9%
リジッド系モジュール基板1,757.66.1%
プリント配線実装基板1,656.45.8%
モジュール実装基板1,296.34.5%
リジッドビルドアップ多層配線板1,095.73.8%
リジッド多層プリント配線板(6~8層)667.72.3%
リジッド両面プリント配線板6632.3%
リジッド多層プリント配線板(4層)565.92.0%
リジッド多層プリント配線板(10層以上)276.91.0%
両面・多層フレキシブル配線板221.10.8%
リジッド片面プリント配線板840.3%
片面フレキシブル配線板62.90.2%
その他のモジュール基板570.2%
フィルタ910.33.2%
水晶振動子572.92.0%
音響部品(スピーカ・マイクロホン)196.30.7%
スイッチング電源955.73.3%
複合部品1,419.24.9%
国内生産計28,777.1100.0%
読み解き

国内生産(経済産業省、2024年・暦年)の品目別では、セラミックコンデンサが8,194億円と最大で、アルミ電解コンデンサなどを含めたコンデンサ類が国内生産の中心です。次いで、プリント基板用コネクタやリジッド系モジュール基板などの基板・配線板・コネクタ類が大きな比重を占めます。プリント配線板は層数や両面・片面、リジッド(硬い基板)・フレキシブル(曲げられる基板)で細かく分類され、品目数が多いのが特徴です。細かい品目まで網羅した参考データですが、要点は最大品目がセラミックコンデンサであることです。

この国内生産の品目は、JEITAの世界出荷の品目(受動・接続・変換・その他)とは分類体系が異なる別系統の統計です。世界出荷は日系メーカーが世界で出荷した額、国内生産は日本国内の工場が生産した額で、そもそも数えている対象が異なります。たとえば国内生産には「複合部品」(複数の部品を1つにまとめた部品)や「モジュール基板」といったJEITA区分にない品目があり、対象範囲(国内立地の生産か、日系メーカーの世界向け出荷か)も集計時期(暦年か年度か)も異なります。そのため、両者の品目を1対1で対応させたり合算したりはできません。

主な品目での日本勢の世界ポジション

受動部品を中心に日本勢が世界シェア上位。各品目の主要な日系メーカーと海外競合(定性整理)
積層セラミックコンデンサ(MLCC)
日本勢のポジション
世界シェア上位、村田製作所が首位
主要な日系メーカー
村田製作所・太陽誘電・TDK
主な海外競合
Samsung電機(韓)・YAGEO(台)・中国勢
インダクタ
日本勢のポジション
世界シェア上位
主要な日系メーカー
村田製作所・TDK・太陽誘電
主な海外競合
YAGEO(台)・Vishay(米)等
コネクタ
日本勢のポジション
一部領域で世界上位
主要な日系メーカー
ヒロセ電機・日本航空電子
主な海外競合
TE Connectivity(米)・Amphenol(米)
水晶デバイス
日本勢のポジション
世界シェア上位
主要な日系メーカー
日本電波工業・京セラ・セイコーエプソン
主な海外競合
TXC(台)等
読み解き

品目別に見ると、受動部品(特にMLCC・インダクタ)で日本勢が世界シェア上位を占めます。とりわけ積層セラミックコンデンサ(MLCC)では村田製作所が世界首位とされ、同社のMLCC世界シェアは金額ベースで約4割と推計されています(TrendForceなどの市場調査、2024年、全体ベースの推計値)。太陽誘電・TDKがこれに続き、日本の主要3社で世界の大きな比率を占めます。

一方で、韓国のSamsung電機、台湾のYAGEOが有力な競合で、近年は汎用品を中心に中国メーカーも台頭し、MLCCでは世界の約1割を占めるとされます(市場調査による推計)。なお、車載向けやAIサーバー向けといった用途別では数字が変わり(たとえば車載グレードのMLCCでは村田の比率がさらに高いとされる)、用途ごとに集計範囲が異なるため、世界全体のシェアと用途別の数字は分けて見る必要があります。日本勢は、材料技術と微細積層の蓄積、車載・産業向けの高信頼要求への対応を強みに、価格競争に陥りにくい高付加価値領域で優位を保っています。

主要論点

なぜ受動部品が世界出荷の半分超を占めるのか?

日系メーカーの電子部品 世界出荷で、受動部品は2兆4,376億円(構成比52.8%)と半分超を占めます。受動部品は、電気を蓄えるコンデンサ、電流を安定させるインダクタ、電流を調整する抵抗器など、あらゆる電子機器の回路に欠かせない基礎部品です。

これらの部品は、電子機器が1台あたりに搭載する個数が多いのが特徴です。スマートフォン1台にはMLCCが数百〜千個、電気自動車1台には数千個が搭載されるとされ、機器の小型化・高機能化が進むほど搭載個数が増えます。特に生成AI向けの高性能サーバーでは、安定した電力供給のためにMLCCの使用個数が従来サーバーの数倍に増えるとされ、受動部品の需要を押し上げています。

最大品目のコンデンサは単独で1兆7,277億円と世界出荷全体の3分の1超を占めます。電子機器が増え、1台あたりの部品点数が増える構造が続く限り、受動部品が最大カテゴリであり続ける見通しです。

日本勢はどの品目で世界に強く、どこで競争が激しいのか?

日本勢が世界シェア上位を占めるのは、主に受動部品です。なかでも積層セラミックコンデンサ(MLCC)では村田製作所が世界首位とされ、同社のMLCC世界シェアは金額ベースで約4割と推計されています(市場調査各社、2024年、全体ベース)。太陽誘電・TDKがこれに続き、インダクタでも日本勢が上位に位置します。コネクタではヒロセ電機・日本航空電子、水晶デバイスでも日本勢が世界で強い品目です。

競争が激しいのは、こうした受動部品の汎用品領域です。韓国のSamsung電機、台湾のYAGEOが有力な競合で、近年は中国メーカーが汎用MLCCで台頭し、世界の約1割を占めるとされます。価格競争が起きやすい汎用品では、海外勢の追い上げが続いています。

これに対し日本勢は、車載・産業向けの高信頼品や、AIサーバー向けの高性能品といった高付加価値領域で差別化を進めています。これらの用途は高温・長寿命・大容量といった要求が厳しく、材料技術と量産技術の蓄積で実績のある日本勢が選ばれやすい構図です。

世界出荷と国内生産で品目構成が違って見えるのはなぜか?

電子部品の品目構成には、JEITAの世界出荷(受動・接続・変換・その他の4区分)と、経済産業省の国内生産(セラミックコンデンサやプリント配線板など細かい品目)の2つの見方があり、品目の分類体系が異なります。

JEITAの世界出荷は、日系メーカーが世界に出荷した額を機能別の4カテゴリで集計したものです。一方、経済産業省の国内生産は、国内に立地する工場の生産額を、より細かい品目(36品目)で集計したもので、「複合部品」や層数別のプリント配線板など、JEITAの4区分にはない品目を含みます。

このため、両者の品目を1対1で対応させたり、数字を合算したりはできません。さらに、対象範囲(日系メーカーの世界向け出荷か、国内立地の生産か)も集計時期(年度か暦年か)も異なります。品目構成を語るときは、どちらの統計のどの分類で見ているかを区別する必要があります。

中期見通し

近未来1-2年

品目別では、受動部品(コンデンサ・インダクタ)がAIサーバー・車載向けに牽引する構図が続くとみられます。生成AI向けデータセンターの拡張と自動車の電動化が、高性能・高容量の受動部品の需要を支えます。汎用品では中国勢の台頭が続き、日本勢は高付加価値品へのシフトを進めます。

中期3-5年

中期では、電子機器の高機能化で1台あたりの部品点数が増える基調が続き、受動部品が最大カテゴリであり続ける見通しです。コンデンサの小型・高容量化、インダクタの高効率化など、品目ごとの技術開発が競争の軸となります。海外勢との競争のなか、日本勢が車載・産業・AIサーバー向けでどこまで優位を保てるかが焦点です。

長期

長期では、最終製品の電子化が進むほど電子部品の搭載量が増える構造が続く見通しです。品目構成は受動部品中心の構図が変わりにくい一方、センサやアクチュエータといった変換部品も、車載の高度化やロボット需要で存在感が高まる可能性があります。

よくある質問

電子部品の品目別構成はどうなっていますか?
JEITAの統計では、日系メーカーの世界出荷(2025年度)の品目構成は、受動部品が2兆4,376億円(構成比52.8%)と半分超、接続部品が9,989億円、変換部品が7,526億円、その他が4,305億円です。最大品目はコンデンサ(1兆7,277億円)で、世界出荷全体の3分の1超を占めます。
受動部品・接続部品・変換部品とは何ですか?
受動部品は、電気を蓄える・流す・整える部品で、コンデンサ・抵抗器・インダクタ・トランスが該当します。接続部品は、機器や基板をつなぐ部品で、コネクタ・スイッチが含まれます。変換部品は、物理量を電気信号に変える部品で、センサ・アクチュエータ・音響部品・水晶デバイスが該当します。このほか、回路基板や電源部品などのその他の電子部品があります。
日本勢はどの品目で世界シェアが高いですか?
日本勢が世界シェア上位を占めるのは主に受動部品です。積層セラミックコンデンサ(MLCC)では村田製作所が世界首位とされ、太陽誘電・TDKが続きます。インダクタやコネクタ、水晶デバイスでも日本勢が世界で強い品目です。村田製作所のMLCC世界シェアは金額ベースで約4割と推計されています(市場調査各社、2024年、全体ベース)。
電子部品の国内生産で最大の品目は何ですか?
経済産業省の生産動態統計によると、2024年の国内生産(暦年)で最大の品目はセラミックコンデンサ(8,194億円)です。アルミ電解コンデンサなどを含めたコンデンサ類が中心で、次いでプリント基板用コネクタやモジュール基板などの基板・配線板・コネクタ類が続きます。これはJEITAの世界出荷とは分類体系が異なる、国内立地の生産を集計した別系統の統計です。
世界出荷と国内生産の品目はなぜ合算できないのですか?
JEITAの世界出荷(受動・接続・変換・その他の4区分)と、経済産業省の国内生産(セラミックコンデンサやプリント配線板など細かい品目)は、品目の分類体系が異なる別系統の統計だからです。対象範囲(日系メーカーの世界向け出荷か、国内立地の生産か)も集計時期(年度か暦年か)も異なるため、品目を1対1で対応させたり数字を合算したりはできません。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    JEITA電子部品グローバル出荷統計
  2. 2.
    経済産業省 生産動態統計 機械統計(電子部品)
  3. 3.
    村田製作所IR・各種市場調査(MLCC世界シェア)
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