なぜ世界出荷は2014年度以降で最高となったのか?
日系電子部品メーカーの世界出荷額は2025年度に4兆6,198億円となり、集計を開始した2014年度以降で最高を更新しました。2014-2020年度は約3兆7,000億〜4兆円のレンジで横ばい・低下が続いており、最高水準への到達は2021年度以降の回復局面によるものです。
最大の押し上げ要因はAIサーバー・データセンター向けの需要です。生成AI向けの高性能サーバーは、GPUへ安定的に電力を供給するために積層セラミックコンデンサ(MLCC)の使用個数が従来サーバーの数倍に増えるとされ、電気をためるコンデンサや電流を安定させるインダクタといった受動部品(電気を蓄える・流す・整える部品)の出荷を押し上げています。2025年度の世界出荷では、受動部品が半分超を占めました。
加えて、自動車の電動化やソフトウェア定義車(SDV)化で1台あたりの電子部品搭載額が増えていることも、中長期の需要を支えています。一方、円安局面では海外向け出荷の円換算額が膨らむ面もあり、最高水準の背景には実需の拡大と為替の両方が含まれます。「2014年度以降で最高」という表現は、JEITAがこの統計を2014年度から公表している範囲での最高という意味で、それ以前との比較ではない点に留意が必要です。