3層のバリューチェーン — 要素部品・制御/完成機/需要産業
生産用機械・FA業界は、おおきく3つの層で捉えられます。上流にあたるのが、機械を精密に動かすための要素部品・制御です。工作機械やロボットの頭脳となるCNC(数値制御装置)、関節や送り軸を動かすサーボモータ、ロボットの関節に使われる精密減速機、位置や形状を測るセンサーなどがここに含まれます。
中核は、これらを組み込んで完成した生産設備をつくる完成機メーカーです。金属を削る・成形する工作機械は、材料を回して削る旋盤、刃物を回して削るマシニングセンタ、複数の加工を1台でこなす複合加工機などの総称で、他の機械や部品を生み出すことから「マザーマシン(母なる機械)」と呼ばれます。FA(工場自動化)を担う産業用ロボットとともに、ものづくりの基盤となる設備です。完成機は顧客の仕様に合わせた受注生産が中心であるのに対し、上流の要素部品・制御は多くの機械に共通して使われる標準品の量産が中心という、性格の違いがあります。
川下にあたるのが、これらの生産設備を購入して使う需要産業です。自動車・一般機械・電機・航空機などのメーカーが、自社の工場に工作機械やロボットを導入して部品や製品をつくります。需要産業の設備投資の動きがそのまま受注に表れるため、生産用機械・FAは景気や設備投資のサイクルに連動して受注が増減する、典型的な設備投資型の産業です。