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生産用機械・FA業界の市場規模・主要企業・動向

日本の工作機械業界は2025年の受注額1兆6,043億円・外需比率72.5%(過去最高)の輸出主導型で、設備投資循環と中国依存が主軸論点となっています

生産用機械・FA業界とは、金属を削る・成形する工作機械を中核に、産業用ロボットやFA(工場自動化)機器を含む、ものづくりを支える生産設備の産業です。2025年の工作機械受注総額は1兆6,043億円(前年比+8.0%)で、内需4,409億円に対し外需が1兆1,635億円と、外需比率は72.5%と過去最高に達しました。中国を中心とするアジア、北米、欧州が主な仕向地で、産業用ロボット受注1兆456億円とあわせ、設備投資の循環に業績が大きく左右されます。本ページでは、日本の生産用機械・FA業界を、市場規模、主要メーカー、業界構造、世界需要、産業用ロボット、需要産業の6軸で整理します。

最終更新

業界サマリ

業界概要

生産用機械・FA業界とは、金属を削る・成形する工作機械を中核に、産業用ロボットやFA(工場自動化)機器、それらを支える制御・駆動部品で構成される、ものづくりの生産設備を担う産業です。受注は設備投資の循環に左右されて変動し、外需(輸出)が需要の約7割を占めるのが大きな特徴です。

  • 工作機械を中核に、FA・産業用ロボットが第2の柱となっています。2025年の工作機械受注は1兆6,043億円、産業用ロボット受注は1兆456億円で、人手不足を背景に自動化への投資が広がっています。
  • 需要の約7割が海外向けで、輸出に支えられる構造です。2025年の外需比率は72.5%と過去最高に達し、中国を中心とするアジア、北米、欧州が主な仕向地となっています。
  • 設備投資の循環で業績が大きく振れる産業です。景気の波に連動して受注が増減し、リーマンショックやコロナ禍では大きく落ち込んだ一方、回復局面では急速に持ち直してきました。
基礎データ: JMTBA受注統計 (2007-2025) / JARAロボット統計 / 各社IR + 決算短信

市場動向

2025年の工作機械受注総額は1兆6,043億円(前年比+8.0%)で、歴代4位の水準まで回復しました。内需4,409億円に対し外需は1兆1,635億円と過去最高で、外需比率は72.5%に達します。産業用ロボット受注も1兆456億円(前年比+25.7%)と大きく伸びています。

  • 工作機械受注総額は2025年に1兆6,043億円(前年比+8.0%)です。リーマンショック後の4,118億円(2009年)やコロナ禍の9,018億円(2020年)を経て、循環的に回復してきました。
  • 外需が1兆1,635億円と過去最高、外需比率は72.5%に達しました。中国が3,901億円で最大、北米3,600億円(米国3,127億円)、欧州1,974億円が続き、海外需要が全体を牽引しています。
  • 内需は4,409億円とほぼ横ばいです。一般機械1,759億円・自動車871億円が二大需要で、自動車の電動化や省人化に向けた設備投資が内訳を左右しています。
基礎データ: JMTBA受注統計 (暦年確報、2025) / JARAロボット統計 (2025確報)

競争環境

日本の生産用機械・FA業界では、工作機械メーカー、FA・産業用ロボットメーカー、制御・周辺機器メーカーなど多様なプレイヤーが活動しています。工作機械ではDMG森精機・オークマ・ヤマザキマザック、FA・ロボットではファナック・安川電機などが世界規模で事業を展開しています。外需依存と世界シェア、中国市場の変動、設備投資循環への対応が共通の論点です。

  • 工作機械では複数の専業大手が競っています。DMG森精機・オークマ・ヤマザキマザック・牧野フライスなどが旋盤やマシニングセンタを手がけ、板金加工機ではアマダが国内首位級です。
  • FA・産業用ロボットでは世界規模のメーカーが並びます。CNC(数値制御装置)とロボットのファナック、サーボとロボットの安川電機、FAセンサーのキーエンスなどが、世界市場で高い存在感を持っています。
  • 世界市場ではドイツ勢・中国勢と競合しています。日本は高精度・複合加工を強みに生産で世界上位を保つ一方、中国は低価格帯で量を伸ばし、ドイツは高機能機で競い合う構図です。
基礎データ: 各社IR + 決算短信 / JMTBA統計要覧 / JARAロボット統計

市場規模推移

2007-2025 · 受注総額

工作機械受注総額の推移 (2007-2025年、億円)

単位: 億円
05,00010,00015,00020,00015,9000713,0124,1189,7861013,26212,12511,17115,09414,8061512,50016,45618,15812,2909,0182015,41417,59614,86514,85116,04325
出典: 日本工作機械工業会 受注統計 (暦年確報、2007-2025)
2007200820092010201120122013201420152016201720182019202020212022202320242025
受注総額億円15,90013,0124,1189,78613,26212,12511,17115,09414,80612,50016,45618,15812,2909,01815,41417,59614,86514,85116,043
前年比-18.2%-68.4%+137.6%+35.5%-8.6%-7.9%+35.1%-1.9%-15.6%+31.6%+10.3%-32.3%-26.6%+70.9%+14.2%-15.5%-0.1%+8.0%
市場規模の読み解き
受注規模と設備投資循環

工作機械の受注総額は2025年に1兆6,043億円(前年比+8.0%)となり、歴代4位の高い水準まで回復しました。受注は景気や企業の設備投資の循環に連動して振幅が大きく、2007年の1兆5,900億円から2009年のリーマンショック後に4,118億円まで落ち込み、2018年には1兆8,158億円とこの期間の最高を記録しています。

2020年はコロナ禍で9,018億円まで縮小しましたが、その後は回復基調が続いています。設備投資の波に大きく振れる循環産業であり、半導体や自動車の電動化に関連した投資、人手不足を背景とした自動化投資が、足元の受注を支えています。

⇒市場規模・受注動向を詳しく見る

内需の動向

2025年の内需は4,409億円(前年比▲0.2%)とほぼ横ばいで、外需が伸びるなかで内需の弱さが目立ちます。業種別では、建設機械や金型を含む一般機械が1,759億円で最大の需要先となり、自動車が871億円(うち自動車部品569億円)で続きます。

電気・精密機械は525億円、金属製品は354億円で、自動車の電動化に伴う設備の入れ替えや、省人化に向けた投資が需要を左右しています。航空機・造船・輸送用機械は353億円と前年から大きく増え、航空機向けの回復が押し上げました。

⇒需要産業別の動向を詳しく見る

外需と中国依存

2025年の外需は1兆1,635億円(前年比+11.5%)と過去最高を更新し、外需比率は72.5%と暦年で最も高くなりました。地域別では中国が3,901億円で最大の仕向地となり、外需全体の約3割を占めています。北米が3,600億円(うち米国3,127億円)、欧州が1,974億円と続きます。

日本の工作機械は外需に支えられる構造が定着しており、中国の設備投資の動向や、米国の通商政策、為替の動きが受注を大きく左右します。世界の工作機械生産では中国が最大で、日本は高機能機を強みに上位の生産国の位置を保っています。

⇒世界需要・外需を詳しく見る

主要トピック

業界構造

主要プレイヤー / サプライヤー / 流通 / 需要
生産用機械・FA業界の構造
主要プレイヤー (2026年6月時点)
02
工作機械・FA・産業用ロボット メーカー
中核プレイヤー
03
需要産業 (生産設備の買い手)
需要側
主要な需要産業 (2025年 内需 業種別受注額)
一般機械
内需 1,759億円
建設機械・金型・産業機械など、最大の内需業種
自動車
内需 871億円
完成車・自動車部品 (うち部品 569億円)、電動化で投資内容が変化
電気・精密機械
内需 525億円
電機・電子・精密機器メーカー (電気機械 + 精密機械)
航空機・造船・輸送用機械
内需 353億円
航空機向けが2025年に大きく増加
金属製品
内需 354億円
金属加工・部品メーカー
半導体・電子部品 関連
半導体・電子部品の製造設備向け (※半導体製造装置は別業界)
海外の需要 (外需、受注ベース)
中国
外需 3,901億円
外需 最大の仕向地、現地メーカーの台頭も
北米 (米国中心)
外需 3,600億円
米国 3,127億円、設備投資・再工業化needs
欧州
外需 1,974億円
ドイツ・イタリアなど、高機能機の競合地でもある
その他アジア
インド・ベトナム・タイなど、生産拠点の拡大に伴う需要
業界構造の読み解き
業界の構造

生産用機械・FA業界は、金属を削る・成形する工作機械を中核に、産業用ロボットやFA(工場自動化)機器、それらを支える制御装置・駆動部品で構成されます。各分野に専業メーカーがあり、1社が複数の分野を手がけることも多いのが特徴です。

例えばファナックは、CNC(数値制御装置)で世界首位級の供給者であると同時に、産業用ロボットや小型加工機も手がけています。工作機械ではDMG森精機・オークマ・ヤマザキマザックなどが旋盤やマシニングセンタを製造し、川下の自動車・一般機械・電機メーカーに生産設備として供給しています。

⇒業界構造を詳しく見る

主要プレイヤーと競争環境

工作機械メーカーは、旋盤・マシニングセンタ・複合加工機などを手がけるDMG森精機・オークマ・ヤマザキマザック・牧野フライスなどが中心で、板金加工機ではアマダが国内首位級です。FA・産業用ロボットではファナック・安川電機・川崎重工業などが世界規模で事業を展開しています。

これらを支える制御・駆動・センサーの分野では、FAセンサーのキーエンス、空圧機器のSMC、直動部品のTHK、精密減速機のナブテスコ・ハーモニック・ドライブなどが要素技術を担います。完成機メーカーと部品メーカーが分業し、世界市場ではドイツ勢・中国勢と競っています。

⇒主要メーカーの業績比較を詳しく見る

世界競争と設備投資循環

生産用機械・FA業界は、設備投資の循環に業績が大きく左右される産業です。受注は景気や設備投資のサイクルに連動して振幅が大きく、2009年のリーマンショック後や2020年のコロナ禍では大きく落ち込みました。

もう一つの特徴が外需依存です。工作機械受注の約7割が海外向けで、なかでも中国が最大の仕向地となっています。日本は工作機械の生産で世界上位に位置し、高精度・複合加工を強みに、低価格帯で量を伸ばす中国勢、高機能機のドイツ勢と競っています。

⇒世界需要・外需を詳しく見る

⇒産業用ロボットを詳しく見る

業界の3大論点

01

外需が7割を超える構造のなか、中国市場の変動にどう向き合うか?

2025年の工作機械外需は1兆1,635億円で、外需比率は72.5%と暦年で過去最高に達しました。なかでも中国向けが3,901億円と最大で、外需全体の約3割を占めます。一方、内需は4,409億円とほぼ横ばいで、日本の工作機械は海外需要、とりわけ中国の設備投資に業績を左右される構造が定着しています。

この構造には2つのリスクがあります。第1は中国市場そのものの変動で、現地の設備投資が減速すれば受注が大きく振れます。加えて、中国メーカーが中位機種で力をつけており、価格競争が激しくなっています。第2は通商・為替の影響で、米国の関税政策や円相場の動きが採算と仕向地の構成を変えます。中国一本足の状態は、これらの変動をそのまま受けやすいといえます。

対応の方向は、需要先の分散と高付加価値化の2つです。北米(3,600億円)やインド・ベトナムなど成長するアジアへの展開を広げ、特定地域への偏りを和らげる動きが進んでいます。同時に、価格で競うのではなく、高精度・複合加工や自動化提案で中国勢と差別化する戦略が、中期の生き残りを左右します。

02

ドイツ勢・中国勢との世界競争で、日本の工作機械はどう優位を保つか?

世界の工作機械生産は中国が最大で、日本とドイツが上位を分け合う構図です。中国は自国の旺盛な需要を背景に、中位機種を中心に生産量を伸ばしています。ドイツはDMGなどの大手が高機能機で強く、日本は高精度・複合加工・NC(数値制御)技術を強みに、世界上位の生産国の位置を保っています。

日本の強みは、機械単体の性能だけではありません。CNCで世界首位級のファナック、サーボとロボットの安川電機、FAセンサーのキーエンスといった制御・要素技術の層が厚く、完成機メーカーと部品メーカーの分業が機能しています。複数の加工を1台でこなす複合加工機や、長時間の無人運転に対応した自動化など、現場の生産性を高める提案力が差別化の源泉です。

課題は、中国勢の高度化と価格競争です。中位機種では性能差が縮まりつつあり、低価格を武器にした攻勢が続いています。日本勢は、高機能機での性能リードを保ちながら、保守・遠隔監視・稼働データの活用といった販売後のサービスで付加価値を積み増す方向に向かっています。単体の機械から、生産システム全体を支える提案への転換が問われています。

03

設備投資循環の振幅が大きいなか、自動化・省人化の需要をどう取り込むか?

工作機械の受注は、景気や設備投資の循環に連動して大きく振れます。2009年のリーマンショック後に4,118億円まで落ち込み、2018年に1兆8,158億円まで回復し、2020年のコロナ禍で9,018億円へ再び縮小するなど、数年単位で山と谷を繰り返してきました。この振幅の大きさが、各社の業績や設備投資の判断を難しくしています。

この循環の谷を下支えすると期待されるのが、自動化・省人化の構造的な需要です。国内では人手不足が深刻で、製造現場の自動化は景気にかかわらず進める必要があります。産業用ロボットの受注は2025年に1兆456億円(前年比+25.7%)と大きく伸び、工場の自動化(FA)への投資が広がっています。

各社は、工作機械とロボット・搬送装置・制御を組み合わせた生産システム全体の提案に力を入れています。工作機械にロボットを組み合わせて無人運転を実現したり、稼働データを使って保守を効率化したりする動きです。循環で振れる工作機械の受注に、より安定した自動化・サービスの需要を重ねられるかが、業績の振幅を和らげる鍵となります。

よくある質問 (FAQ)

日本の工作機械業界の市場規模はどれくらいですか?
日本工作機械工業会(JMTBA)の確報によると、2025年(暦年)の工作機械受注総額は1兆6,043億円で、前年比+8.0%と歴代4位の高い水準でした。受注は内需4,409億円と外需1兆1,635億円で構成され、外需(輸出)が約7割を占めます。受注は景気や設備投資の循環に連動して大きく変動するのが特徴です。
工作機械の内需と外需の比率は?
2025年の工作機械受注のうち、内需は4,409億円、外需は1兆1,635億円で、外需比率は72.5%と暦年で過去最高になりました。日本の工作機械は輸出に支えられる構造が定着しており、内需はほぼ横ばいの一方、外需が全体を牽引しています。
工作機械の輸出先(外需)はどこが多いですか?
2025年の外需1兆1,635億円のうち、中国向けが3,901億円で最大の仕向地で、外需全体の約3割を占めます。次いで北米が3,600億円(うち米国3,127億円)、欧州が1,974億円と続きます。中国を中心とするアジアが大きな比重を占めるため、中国の設備投資の動向が日本の工作機械受注を大きく左右します。
産業用ロボットの市場規模はどれくらいですか?
日本ロボット工業会(JARA)の確報(会員+非会員)によると、2025年(暦年)の産業用ロボット受注額は1兆456億円で、前年比+25.7%と大きく伸びました。総出荷額は9,938億円で、このうち国内出荷が2,041億円、輸出が7,897億円と、約8割を輸出が占めます。産業用ロボットはFA(工場自動化)の中核を担う第2の柱です。
工作機械の主要メーカーはどこですか?
工作機械ではDMG森精機・オークマ・ヤマザキマザック・牧野フライスなどが旋盤やマシニングセンタを手がけ、板金加工機ではアマダが国内首位級です。FA・産業用ロボットではファナック(CNCとロボット)・安川電機(サーボとロボット)・川崎重工業などが世界規模で事業を展開し、FAセンサーのキーエンスや空圧機器のSMCなどが要素技術を担っています。
工作機械は何に使われますか?
工作機械は、金属を削る・成形して部品をつくる「マザーマシン(母なる機械)」で、あらゆる製造業の基盤となる生産設備です。2025年の内需では一般機械(1,759億円)が最大の需要先で、自動車(871億円、うち部品569億円)、電気・精密機械(525億円)、航空機・造船・輸送用機械(353億円)が続きます。自動車の電動化や半導体関連、航空機向けなどの投資が需要を左右します。
工作機械業界の景気循環(設備投資サイクル)とは何ですか?
工作機械の受注は、企業の設備投資の増減に連動して数年単位で山と谷を繰り返します。2007年の1兆5,900億円から2009年のリーマンショック後に4,118億円まで落ち込み、2018年に1兆8,158億円まで回復した後、2020年のコロナ禍で9,018億円へ再び縮小しました。この振幅の大きさから、工作機械の受注は景気の先行指標としても注目されます。

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参考資料 / 一次ソース

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