既存火力の燃料転換 — 水素・アンモニア混焼
石炭・天然ガスの火力発電の燃料を、燃やしてもCO2を出さない水素やアンモニアに置き換える混焼・専焼は、既存の発電設備を活かしながらCO2を減らす技術として、重工系メーカーが開発を進めています。ただし、大規模火力(数十万kW級)での高い混焼率や専焼は、いずれもまだ実証や開発の段階にあり、確立した商用技術とはいえません。
IHIは、発電事業者のJERAの碧南火力発電所4号機(100万kW)で、アンモニアを熱量比20%混焼する実証を2024年に達成しました(実証試験は2024年6月に終了)。大型機でのアンモニア専焼は、GEベルノバと組んで2030年の実用化を目指す開発段階です。なお「2020年代後半の商用運用、その後の混焼率引き上げ」というロードマップは、設備メーカーではなく発電事業者のJERAが示している計画です。
三菱重工業は、高砂(兵庫県)の実証設備で大型ガスタービンの水素30%混焼を2023年に実証し、米国でも50%混焼の実証を進めています。中小型機の水素専焼は商用化を目標に掲げる段階です。川崎重工業は中小型の分散電源向けで先行し、1.8MW級の水素専焼コージェネレーション(2023年販売開始)や、8MW級で水素を30%混焼できるガスエンジン(2025年販売開始)を商用として販売しています。一方で、大型火力での高混焼・専焼の本格的な商用運用は、各社とも今後の課題です。