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重工業機械の主要メーカー|三菱重工・IHI・川崎重工の機械事業比較【2026年版】

重工業機械の主要メーカーには、三菱重工・IHI・川崎重工・住友重機械・三井E&S・神戸製鋼の総合重工系と、荏原・カナデビア・タクマ・栗田工業・ダイフクの機種別専業があります。連結売上収益は三菱重工が4兆9,742億円で最大ですが、連結には航空・防衛や鉄鋼、半導体など機械・プラント以外の事業も含まれます。各社の機械・プラント系セグメントの規模、領域ごとの分業、連結とセグメントの違いを整理します。

主要メーカーの事業規模と機械・プラント事業

連結売上収益と、機械・プラント系セグメントの売上規模(各社 最新通期、年度・億円)。連結はグループ全体、機械・プラント系はその一部

数値は各社の最新通期の決算短信〔連結〕の報告セグメント情報(外部顧客への売上収益/売上高)に基づきます。「連結売上収益」はグループ全体の売上で、「機械・プラント系の主な事業」は本ページが重工業機械に関連すると整理した報告セグメントの売上です。航空・防衛・宇宙、鉄道車両、二輪、鉄鋼アルミ、半導体製造装置(精密・電子)、建設機械などは、機械・プラント系から除いています。

各社で会計基準(IFRS/日本基準)・決算期(3月期/12月期)・セグメント区分が異なるため、機械・プラント系の売上規模は規模感の目安であって、市場シェアや厳密な順位ではありません。たとえば住友重機械は連結がほぼ機械事業ですが、神戸製鋼は連結2兆4,366億円の多くが鉄鋼で機械・プラント系は4,605億円、荏原は連結9,583億円の最大が半導体製造装置(精密・電子3,423億円)です。また、これらは売上収益(年度)で、市場規模で用いるJSIMの産業機械受注(暦年・受注額)とは集計の基準が異なります。

三菱重工業
2026年3月期・IFRS
連結売上収益
49,742
機械・プラント系の主な事業
エナジー/プラント・インフラ/物流・冷熱・ドライブ
同 売上規模
34,936
IHI
2026年3月期・IFRS
連結売上収益
16,434
機械・プラント系の主な事業
資源・エネルギー・環境/社会基盤/産業システム・汎用機械
同 売上規模
9,420
川崎重工業
2026年3月期・IFRS
連結売上収益
23,113
機械・プラント系の主な事業
エネルギーソリューション&マリン/精密機械・ロボット
同 売上規模
6,927
住友重機械工業
2025年12月期・日本基準
連結売上収益
10,669
機械・プラント系の主な事業
機械4セグメント(連結≒機械事業)
同 売上規模
10,603
三井E&S
2026年3月期・日本基準
連結売上収益
3,532
機械・プラント系の主な事業
舶用推進システム/物流システム(港湾クレーン)
同 売上規模
2,149
神戸製鋼所
2026年3月期・日本基準
連結売上収益
24,366
機械・プラント系の主な事業
機械/エンジニアリング(連結は鉄鋼が主体)
同 売上規模
4,605
荏原
2025年12月期・IFRS
連結売上収益
9,583
機械・プラント系の主な事業
風水力(建築・産業/エネルギー/インフラ)/環境
同 売上規模
6,148
カナデビア
2026年3月期・日本基準
連結売上収益
6,452
機械・プラント系の主な事業
環境/機械・インフラ/脱炭素化
同 売上規模
6,429
タクマ
2026年3月期・日本基準
連結売上収益
1,656
機械・プラント系の主な事業
環境装置・ボイラ(連結≒事業)
同 売上規模
1,656
栗田工業
2026年3月期・IFRS
連結売上収益
4,029
機械・プラント系の主な事業
水処理(連結≒事業)
同 売上規模
4,029
ダイフク
2025年12月期・日本基準
連結売上収益
6,607
機械・プラント系の主な事業
マテリアルハンドリング(連結≒事業)
同 売上規模
6,607

三菱重工業 — 重工最大手、エナジーが中核

三菱重工は連結売上収益4兆9,742億円(2026年3月期)の重工最大手です。機械・プラント系(エナジー+プラント・インフラ+物流・冷熱・ドライブシステム)は約3兆4,936億円で、なかでもエナジー(発電プラント・ガスタービン・原動機など)が2兆540億円と最大です。

連結には航空・防衛・宇宙(1兆3,929億円)も含まれますが、これは別の分野として機械・プラント系から除いています。データセンター向けの電力設備や、水素・アンモニア、二酸化炭素回収などのGX関連を成長分野と位置づけています。

IHI — 原動機・社会基盤と航空エンジン

IHIは連結売上収益1兆6,434億円(2026年3月期)です。機械・プラント系(資源・エネルギー・環境+社会基盤+産業システム・汎用機械)は約9,420億円で、ボイラ・原動機、橋梁・水門・シールド、車両過給機・回転機械・運搬機械などを手がけます。

連結では航空・宇宙・防衛(航空エンジンなど)が最も大きい事業ですが、機械・プラント系からは除いています。アンモニア混焼など、脱炭素関連を成長領域としています。

川崎重工業 — エネルギー&マリンと精密機械

川崎重工は連結売上収益2兆3,113億円(2026年3月期)です。機械・プラント系(エネルギーソリューション&マリン+精密機械・ロボット)は約6,927億円で、発電・ガスタービン・水素・舶用機械、油圧機器・産業用ロボットなどを担います。

連結には航空宇宙、車両(鉄道)、パワースポーツ&エンジン(二輪)も含まれますが、これらは別の分野として機械・プラント系から除いています。水素のサプライチェーン構築を中長期の重点に置いています。

住友重機械工業 — 連結がほぼ機械事業

住友重機械は連結売上高1兆669億円(2025年12月期・日本基準)で、決算期は12月(3月期の他社と期ずれ)です。連結のほぼ全てが機械事業で、変減速機・射出成形機・極低温冷凍機(メカトロニクス、インダストリアルマシナリー)、建設機械・物流(ロジスティクス&コンストラクション)、ボイラ・発電・水処理(エネルギー&ライフライン)などを手がけます。

総合重工系のなかでも、連結と機械事業の規模がほぼ一致する点が特徴です。三菱重工や神戸製鋼のように連結と機械・プラント系が大きく乖離する企業とは対照的です。

三井E&S — 舶用機械と港湾クレーンに特化

三井E&Sは連結売上高3,532億円(2026年3月期)で、機械・プラント系(舶用推進システム+物流システム)は約2,149億円です。船舶用ディーゼル機関(舶用推進システム)と、港湾クレーン(物流システム)に特化しています。

海洋開発事業の整理を経て、総合重工系のなかでは規模が小さく、特定の機種に集中した事業構成です。港湾クレーンや舶用機関では世界的なシェアを持っています。

神戸製鋼所 — 連結は鉄鋼主体、機械は一部

神戸製鋼は連結売上高2兆4,366億円(2026年3月期)ですが、その多くは鉄鋼アルミ・素形材・溶接・電力で、機械・プラント系(機械+エンジニアリング)は約4,605億円にとどまります。圧縮機などの産業機械(機械)と、製鉄・環境・都市インフラのプラント(エンジニアリング)を手がけます。

建設機械(コベルコ建機)は別の分野として機械・プラント系から除いています。連結規模と機械事業の規模が大きく乖離する、典型的な例です。連結売上だけを見ると重工系で上位ですが、機械・プラント事業に絞ると規模感は変わります。

機種別専業メーカー — 荏原・カナデビア・タクマ・栗田・ダイフク

荏原は連結売上収益9,583億円(2025年12月期)ですが、最大のセグメントは精密・電子(半導体製造装置3,423億円)で、ポンプ・圧縮機などの風水力機械と環境(廃棄物発電など)は約6,148億円です。専業メーカーでも、連結と機械事業(風水力・環境)が一致しない例です。

カナデビア(旧 日立造船)は連結売上高6,452億円(2026年3月期)で、廃棄物発電などの環境が主力です。タクマ(1,656億円)はごみ焼却・廃棄物発電・ボイラの専業、栗田工業(4,029億円、うち半導体向けの電子市場が1,718億円)は水処理の専業、ダイフク(6,607億円、12月期)は自動倉庫・搬送のマテリアルハンドリングの世界大手です。これらは連結が概ね機械・環境事業に対応します。

主要論点

連結売上と機械事業の規模は、なぜ違うのか?

重工各社の連結売上収益は、機械・プラント事業の規模とは一致しません。三菱重工は連結4兆9,742億円ですが、機械・プラント系(エナジー+プラント・インフラ+物流・冷熱・ドライブ)は約3兆4,936億円で、航空・防衛・宇宙(1兆3,929億円)などは別の分野です。

この乖離は会社によって大きく異なります。神戸製鋼は連結2兆4,366億円の多くが鉄鋼で、機械・プラント系は4,605億円にとどまります。荏原は連結9,583億円の最大が半導体製造装置(精密・電子3,423億円)で、風水力・環境は6,148億円です。一方で住友重機械は連結1兆669億円のほぼ全てが機械事業です。

さらに、各社で会計基準(IFRS/日本基準)や決算期(3月期/12月期)、セグメントの区分が異なります。これらの数字は売上収益(年度)で、市場規模に使うJSIMの産業機械受注(暦年・受注額)とも基準が異なります。連結・機械セグメント・JSIM受注の3つは別のものさしで、単純に比較したり足し合わせたりはできません。各社を比べるときは、機械・プラント事業のセグメント単位で、規模感の目安として見る必要があります。

主要メーカーは領域ごとにどう分業しているか?

重工業機械のメーカーは、領域ごとに強みを持つ企業がそろっています。発電プラント・原動機は三菱重工・IHI・川崎重工、廃棄物発電・環境装置はカナデビア・タクマ、ポンプ・圧縮機などの風水力機械は荏原、水処理は栗田工業、自動倉庫・搬送のマテリアルハンドリングはダイフク、舶用機械・港湾クレーンは三井E&S・川崎重工が担います。

総合重工系メーカー(三菱重工・IHI・川崎重工・住友重機械など)は、発電・化学・環境・運搬など複数の領域にまたがって事業を展開します。1社で多くの機種を手がけ、大型プラントから汎用機械まで幅広く供給するのが特徴です。

一方、機種別専業メーカーは特定の機種を深く手がけます。荏原は風水力機械、栗田工業は水処理、ダイフクはマテリアルハンドリングというように、得意分野で高い技術力とシェアを持ちます。総合重工系と専業が、それぞれの領域で供給を担う構造です。

脱炭素・成長分野への経営資源配分は各社でどう違うか?

脱炭素やGX(グリーントランスフォーメーション)、半導体などの成長分野へ、各社は異なる重心で経営資源を振り向けています。三菱重工はデータセンター向けの電力設備や二酸化炭素回収、IHIはアンモニア混焼、川崎重工は水素のサプライチェーンに力を入れています。

環境・脱炭素を中核に据える企業もあります。カナデビアは廃棄物発電に加えてメタネーションなどの脱炭素事業、タクマはごみ焼却・廃棄物発電を主力としています。これらの企業にとって、脱炭素は需要機会そのものです。

機械以外の成長分野に軸足を移す動きもあります。荏原は半導体製造装置(精密・電子)が連結で最大のセグメントとなり、栗田工業も半導体向けの水処理(電子市場)が事業の柱の一つです。各社が、従来の重工業機械に加えて、どの成長分野へ経営資源を配分するかが、中長期の事業構成を左右します。

中期見通し

近未来1-2年

各社は、発電・脱炭素・半導体などの成長分野への投資を続けます。三菱重工のエナジーやデータセンター向け電力、荏原の半導体製造装置など、機械・プラント以外も含めた事業構成の組み替えが進みます。連結売上の伸びと、機械・プラント事業の伸びは必ずしも一致しないため、セグメント単位で各社を見る必要が高まります。

中期3-5年

中期では、脱炭素・GX関連のプラント需要が各社の機械・プラント事業を左右します。水素・アンモニアの混焼設備、二酸化炭素の回収・貯留、廃棄物発電などで、総合重工系と環境系専業がそれぞれの強みを活かします。一方で、半導体や防衛などの非機械分野の比重が高まる企業もあり、各社の事業構成の差が広がる可能性があります。

長期

長期では、世界のエネルギー転換と、国内設備の更新が機械・プラント事業の方向を決めます。総合重工系は複数領域の組み合わせで、専業メーカーは得意分野の深掘りで対応します。重工各社を評価するときは、連結売上の規模だけでなく、機械・プラント事業のセグメントと、成長分野への経営資源の配分を合わせて見ることが重要です。

よくある質問

重工業機械の主要メーカーはどこですか?
幅広い機械・プラントを手がける総合重工系として、三菱重工業・IHI・川崎重工業・住友重機械工業・三井E&S・神戸製鋼所があります。機種別の専業メーカーとして、ポンプ・風水力機械の荏原、環境・廃棄物発電のカナデビア(旧 日立造船)やタクマ、水処理の栗田工業、自動倉庫・搬送のダイフクなどが活動しています。連結売上収益では三菱重工が4兆9,742億円で最大です。
連結売上と機械事業の規模は、なぜ違うのですか?
重工各社の連結売上には、機械・プラント以外の事業(航空・防衛、鉄鋼、半導体など)も含まれるためです。三菱重工は連結4兆9,742億円ですが、機械・プラント系(エナジー+プラント・インフラ+物流・冷熱・ドライブ)は約3兆4,936億円です。神戸製鋼は連結2兆4,366億円でも鉄鋼が主体で、機械・プラント系は4,605億円にとどまります。連結売上をそのまま機械市場の規模とは見なせません。
機械・プラント事業の規模が大きいメーカーはどこですか?
機械・プラント系のセグメントで見ると、三菱重工が3兆4,936億円と規模が大きく、住友重機械(連結1兆669億円、ほぼ機械事業)、IHI(9,420億円)などが続きます。ただし各社で会計基準・決算期・セグメント区分が異なるため、これらは規模感の目安であって、市場シェアや厳密な順位ではありません。機械・プラント事業のセグメント単位で見ることが必要です。
各社の業績データはいつ時点のものですか?
各社の最新通期の決算短信〔連結〕に基づきます。三菱重工・IHI・川崎重工・三井E&S・神戸製鋼・カナデビア・タクマ・栗田工業は2026年3月期、住友重機械・荏原・ダイフクは2025年12月期です。会計基準はIFRSと日本基準が混在します。決算期と会計基準が各社で異なるため、横並びの比較は規模感の把握にとどめる必要があります。
なぜ連結売上をそのまま比較しないのですか?
連結売上には機械・プラント以外の事業が含まれ、その比率が会社ごとに大きく異なるためです。たとえば荏原は連結の最大が半導体製造装置(精密・電子3,423億円)です。また、各社の売上収益(年度)は、市場規模に用いるJSIMの産業機械受注(暦年・受注額)とも集計の基準が異なります。連結・機械セグメント・JSIM受注は別のものさしで、単純な比較や合算はできません。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    各社 最新通期 決算短信〔連結〕(三菱重工・IHI・川崎重工・住友重機械・三井E&S・神戸製鋼・荏原・カナデビア・タクマ・栗田工業・ダイフク)
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