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音楽の著作権管理とJASRAC|使用料の徴収と分配の仕組み【2026年版】

音楽の著作権使用料は、日本音楽著作権協会(JASRAC)が利用者から集めて作詞・作曲家などの権利者へ分配しています。2024年度の徴収は1,445.8億円と過去最高に達し、利用形態別ではストリーミングなどのインタラクティブ配信が563.8億円で最大の収入源になりました。著作権使用料の徴収と分配の仕組み、インタラクティブ配信への移り変わり、JASRACとNexToneによる管理事業の複数化を整理します。

使用料の徴収(2024年度)
1,445.8億円
JASRACが利用者から集めた使用料、過去最高
出典: JASRAC 2024年度 事業報告
権利者への分配(2024年度)
1,423.3億円
作詞・作曲家などの権利者へ分配した額、過去最高
出典: JASRAC 2024年度 事業報告
インタラクティブ配信(2024年度)
563.8億円
ストリーミング等、利用形態別で最大の徴収
出典: JASRAC 2024年度 事業報告
分配対象の楽曲(2024年度)
331万曲
使用料が分配された楽曲の数
出典: JASRAC 2024年度 事業報告

インタラクティブ配信の使用料徴収の推移 (2020-2024年度、億円)

ストリーミング等の配信の使用料。2020年度の322.9億円から2024年度の563.8億円へ伸び、最大の利用形態に
単位: 億円
01503004506003232037521447224872356424
出典: JASRAC 2024年度 事業報告(利用形態別 使用料徴収)
年度20202021202220232024
インタラクティブ配信億円322.90374.50446.60487.20563.80
前年比+16.0%+19.3%+9.1%+15.7%
読み解き

インタラクティブ配信とは、ストリーミングや動画サービスなど、利用者の操作で楽曲が配信される利用形態です。その使用料の徴収は、2020年度の322.9億円から2024年度の563.8億円へと、5年間で大きく伸びました。

この伸びの背景にあるのが、ストリーミングの普及です。月額で聴き放題のサブスクが広がり、楽曲が再生されるたびに使用料が生まれるため、配信の利用が増えるほど徴収も積み上がってきました。かつて著作権収益の中心だった放送や演奏を上回り、インタラクティブ配信は利用形態別で最大の収入源になっています。

ストリーミングの普及は、権利者への分配の中心を、放送や演奏から配信へと移しました。これにより、再生のデータに応じて使用料をどう正確に分配するかが、権利者の収入を左右する要素になっています。

このグラフに関連するトピック

主な利用形態別の使用料徴収 (2024年度、JASRAC)

徴収の大きい主な利用形態を抜粋。このほか録音(CDなど)・出版などがあり、合計とは一致しない
インタラクティブ配信
使用料の徴収
563.8億円
放送
使用料の徴収
279.7億円
演奏(コンサート・店舗など)
使用料の徴収
260.1億円
録音(映像ソフトなど)
使用料の徴収
80.3億円
通信カラオケ
使用料の徴収
59.9億円
有線放送
使用料の徴収
41.8億円
読み解き

2024年度のJASRACの使用料徴収を利用形態別に見ると、インタラクティブ配信が563.8億円(徴収全体1,445.8億円の約4割)で最も大きく、次いで放送が279.7億円、コンサートや店舗での演奏が260.1億円です。録音(映像ソフトなど)、通信カラオケ、有線放送がこれに続きます。

かつては放送や演奏が著作権収益の中心でしたが、インタラクティブ配信がこれらを上回りました。ストリーミングの普及が、著作権収益の構成を放送中心から配信中心へと変えたことが読み取れます。なお、この表は徴収の大きい主な利用形態を抜粋したもので、録音(CDなど)・出版・映画など他の形態もあり、合計とは一致しません。通信カラオケも、楽曲の利用形態の一つとして使用料を生んでいます。

主要論点

著作権収益がインタラクティブ配信中心になったことは、何を意味するのか?

JASRACの使用料徴収のうち、インタラクティブ配信は2024年度に563.8億円と、放送(279.7億円)や演奏(260.1億円)を上回って最大の利用形態になりました。2020年度の322.9億円からの伸びで、ストリーミングの普及が著作権収益の構造を変えています。

この変化は、権利者への収入の入り方を変えました。放送や演奏では、番組や公演という単位で使用料が生まれていましたが、配信では楽曲が再生されるたびに使用料が積み上がります。多くの再生を集める楽曲ほど、配信からの使用料が大きくなる仕組みです。

配信が著作権収益の中心になるほど、再生のデータをどう正確に把握し、権利者へ分配するかが重要になります。膨大な再生のデータを処理し、作詞・作曲家などへ細かく分配する仕組みの精度が、権利者の収入を左右する要素になっています。

JASRACとNexToneによる管理事業の複数化は、何を変えるのか?

音楽の著作権使用料の徴収と分配は、長くJASRACが中心的に担ってきました。JASRACは最大手で、2024年度の徴収は1,445.8億円に達します。近年は、NexToneが著作権等管理事業者として参入し、作家や音楽出版社が楽曲ごとに管理を委ねる先を選べるようになりました。

複数の管理事業者が並ぶことで、いくつかの論点が生まれています。一つは、分配の透明性や手数料です。管理事業者によって手数料や分配の仕組みが異なり、権利者にとっての選択肢が広がっています。もう一つは、配信サービスとの条件交渉で、複数の事業者がそれぞれ配信サービスと使用料の条件を結びます。

管理事業の複数化は、権利者にとっての選択肢を広げる一方、利用者から見ると複数の事業者と手続きが必要になる面もあります。それぞれの管理事業者が、分配の正確さや透明性、使い勝手で差を出していくことが、今後の論点になります。

ストリーミング時代に、分配の精度と公平性をどう高めるか?

配信が著作権収益の中心になるなかで、課題となっているのが、再生のデータに基づく分配の精度と公平性です。ストリーミングでは、膨大な数の楽曲が日々再生され、その一つひとつについて、誰の楽曲がどれだけ再生されたかを把握して使用料を分配する必要があります。

分配を正確に行うには、再生のデータを管理事業者と配信サービスの間で正しくやり取りすることが欠かせません。楽曲の情報や権利者の情報が正しく登録されていないと、使用料が正しい権利者に届かないことも起こりえます。権利の所在を明確にし、データを整えることが、分配の前提になります。

今後は、再生のデータに応じた分配をどこまで細かく正確に行えるか、そして作詞・作曲家や原盤(録音に関わる権利)を持つ側への配分をどう設計するかが焦点です。配信が収益の中心になるほど、データに基づく分配の精度と公平性が、権利者の収入を左右します。

中期見通し

近未来1-2年

インタラクティブ配信の使用料が、さらに著作権収益の柱になる見通しです。ストリーミングの利用が広がるほど、配信からの使用料が増えます。再生のデータに応じた分配をどう正確に行うかが、引き続き論点になります。

中期3-5年

JASRACとNexToneによる管理事業の競争が、分配の透明性や手数料、使い勝手を左右します。権利者が管理を委ねる先を選ぶなかで、それぞれの事業者が分配の正確さやデータの整備で差を出していきます。

長期5-10年

配信やSNSでの楽曲利用がさらに広がるなかで、権利の所在の明確化とデータの整備が、分配の精度を左右します。再生データに基づく分配の仕組みと、作家や原盤を持つ側への公平な配分の設計が、長期の課題として続きます。

よくある質問

JASRACの著作権使用料はどれくらいの規模ですか?
日本音楽著作権協会(JASRAC)の2024年度の使用料徴収は1,445.8億円、権利者への分配は1,423.3億円で、いずれも過去最高です。分配の対象となった楽曲は約331万曲にのぼります。利用者から使用料を集めて、作詞・作曲家などの権利者へ分配しています。
著作権使用料で最も大きい利用形態は何ですか?
2024年度の利用形態別では、ストリーミングなどのインタラクティブ配信が563.8億円で最大です。次いで放送が279.7億円、コンサートや店舗での演奏が260.1億円です。かつて中心だった放送や演奏を、配信が上回りました。
JASRACとNexToneの違いは何ですか?
どちらも音楽の著作権を管理し、利用者から使用料を集めて作詞・作曲家などへ分配する事業者です。JASRACは最大手で、2024年度の徴収は1,445.8億円に達しました。NexToneは後発の著作権等管理事業者で、作家や音楽出版社が楽曲ごとに管理を委ねる先を選べるようになり、両者が管理事業で競っています。
インタラクティブ配信とは何ですか?
インタラクティブ配信とは、ストリーミングや動画サービスなど、利用者の操作で楽曲が配信される利用形態です。月額で聴き放題のサブスクの普及で使用料が伸び、2024年度はJASRACの利用形態別で最大の563.8億円となりました。楽曲が再生されるたびに使用料が生まれます。
カラオケから著作権使用料は生まれますか?
生まれます。通信カラオケも楽曲の利用形態の一つで、2024年度のJASRACの徴収では59.9億円でした。放送・演奏・配信・カラオケなど、さまざまな利用形態から使用料が生まれ、作詞・作曲家などの権利者へ分配されています。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    日本音楽著作権協会 (JASRAC) 2024年度 事業報告 + 使用料分配の公表資料
  2. 2.
    NexTone決算 + 有価証券報告書
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