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録音市場の推移|CD等パッケージと音楽配信の移り変わり【2026年版】

日本の録音市場は、CD等パッケージの生産が2000年の約5,398億円から2024年に約2,052億円へ縮む一方、音楽配信が2005年の約343億円から2024年に1,233億円へ伸びました。CDの縮小を配信の伸びが補い、生産と配信を合わせた録音市場は近年下げ止まっています。配信のうち91.8%がストリーミングで、定額制の聴き放題が録音市場を支えています。CDから配信への移り変わりを、内訳の推移で整理します。

生産+配信(2024年)
3,285億円
CD等パッケージの生産と配信売上の合計、近年は下げ止まり
出典: 日本レコード協会 日本のレコード産業2025年版
CD等パッケージ(2024年)
2,052億円
生産・出荷ベース、2000年の約5,398億円から縮小
出典: 日本レコード協会 日本のレコード産業2025年版
音楽配信(2024年)
1,233億円
売上ベース、2013年を底に11年連続で増加
出典: 日本レコード協会 日本のレコード産業2025年版
ストリーミング比率(2024年)
91.8%
配信に占めるストリーミングの割合、ダウンロードは7.7%
出典: 日本レコード協会 日本のレコード産業2025年版(公表構成比)

録音市場の内訳の推移 (2005-2024年、億円)

CD等パッケージと音楽配信の積み上げ。合計が録音市場(生産+配信)。CDの縮小を配信の伸びが補う
単位: 億円
CD等パッケージ音楽配信
01,2502,5003,7505,0004,56505060708093,69610111213143,01515161718192,727202122233,28524
出典: 日本レコード協会「日本のレコード産業2025年版」(音楽ソフト総生産金額 + 音楽配信売上)
年度20052006200720082009201020112012201320142015201620172018201920202021202220232024
CD等パッケージ億円4,2224,0843,9113,6183,1652,8362,8193,1082,7052,5422,5442,4572,3202,4032,2911,9441,9362,0232,2072,052
音楽配信億円3435357559059108607205434174374715295736457067838951,0501,1651,233
合計(億円4,5654,6194,6664,5234,0753,6963,5393,6513,1222,9793,0152,9862,8933,0482,9972,7272,8313,0733,3723,285
前年比+1.2%+1.0%-3.1%-9.9%-9.3%-4.2%+3.2%-14.5%-4.6%+1.2%-1.0%-3.1%+5.4%-1.7%-9.0%+3.8%+8.5%+9.7%-2.6%
読み解き

録音市場の内訳を積み上げで見ると、CD等パッケージの縮小と音楽配信の拡大が同時に進んできたことがわかります。CD等パッケージの生産金額は2000年の約5,398億円から2024年に約2,052億円へと、2000年の水準の4割弱まで縮みました。一方、音楽配信は2005年の約343億円から2024年に1,233億円へと伸びています。

配信の推移には山と谷があります。2000年代後半は着信音・着うたなどの携帯向け配信で一度伸びたあと、スマートフォンへの移行期にあたる2013年に約417億円まで落ち込みました。その後はストリーミングの普及で2013年を底に11年連続で増加し、CDの減少を補う規模に育ちました。

両者を合わせた録音市場(生産+配信)は、CDが縮んだぶんを配信が補うかたちで、2020年前後を底に近年は下げ止まりの水準で推移しています。CD単独では右肩下がりですが、配信を含めた録音市場全体では下げ止まっている、という点が読み取れます。

このグラフに関連するトピック

2024年の録音市場の内訳 (生産+配信、億円)

オーディオレコード・音楽ビデオ・音楽配信の3区分。合計が生産+配信
項目金額(億円)構成比シェア
オーディオレコード(CD・アナログ盤)1,49045.4%
音楽ビデオ(DVD・Blu-ray)56217.1%
音楽配信1,23337.5%
生産+配信3,285100.0%
読み解き

2024年の録音市場(生産+配信3,285億円)を区分で見ると、グラフで「CD等パッケージ」としていた生産分(2,052億円)は、内訳ではオーディオレコード音楽ビデオに分かれます。オーディオレコード(CD・アナログ盤)が1,490億円で最も大きく、その中心はCDアルバム980億円・CDシングル422億円で、ほかにアナログ盤などを含みます。音楽ビデオ(DVD・Blu-ray)は562億円(DVD163億円・Blu-ray399億円)で、ライブ映像やミュージックビデオが含まれます。

音楽配信は1,233億円で、その大半を占めるのがストリーミングです。配信のうちストリーミングが91.8%、ダウンロードが7.7%、残りがその他で(いずれも公表構成比)、定額制の聴き放題が配信の中心になっています。パッケージ(オーディオレコード+音楽ビデオ)と配信が、いまの録音市場をほぼ二分する構成です。

主要論点

CDが縮小しても、録音市場全体が下げ止まっているのはなぜか?

CD等パッケージの生産金額は2000年の約5,398億円から2024年に約2,052億円へと大きく縮みました。それでも生産と配信を合わせた録音市場が3,285億円で下げ止まっているのは、CDの減少を音楽配信の伸びが補っているためです。

音楽配信は2005年の約343億円から2024年に1,233億円へ伸び、2013年を底に11年連続で増加しています。その原動力が、定額制の聴き放題(サブスクリプション)です。1曲ずつ購入するダウンロードと違い、月額で聴き放題のストリーミングは利用者が増えるほど売上が積み上がるため、配信全体を押し上げてきました。

結果として、録音市場の中身は「縮むパッケージ」と「伸びる配信」が入れ替わる形で推移しています。CD単独では右肩下がりが続きますが、配信を含めた録音市場全体では、配信がパッケージの減少を補い、規模を保っている状況です。

配信の9割がストリーミングなのに、日本でCDが根強く残るのはなぜか?

2024年の音楽配信のうち、ストリーミングは91.8%を占めます。それでも日本では、CDやアナログ盤などのパッケージが世界の中でも根強く残っています。録音市場のうちパッケージ(オーディオレコード+音楽ビデオ)が約半分を占める構成です。

背景には、CDの売り方や需要の特性があります。アイドルやアニメなどのファン向けに、特典(握手券・イベント参加券など)やコレクション性を付けたCDが売られ、配信とは別の価値で購入されています。形のあるものを手元に持ちたいという需要や、アナログ盤の再評価も、パッケージを支えています。

そのため日本では、ストリーミングが配信の中心になりながらも、パッケージが一定の比率で残る緩やかな移行が続いています。配信が録音市場の成長をけん引する一方、特典付き商品やコレクションとしてのCDが当面は併存すると見られます。世界との比較は世界比較のページで扱います。

録音市場の「2つの数字」(生産+配信と売上推計)はどう違うのか?

録音市場には、基準の異なる2つの数字があります。1つは本ページで扱う生産+配信(2024年3,285億円)で、日本レコード協会の会員社による生産・出荷ベースの金額に、配信売上を加えたものです。CD等パッケージや配信の内訳がわかるのが特徴です。

もう1つは、日本レコード協会が公表する売上推計(2025年3,988億円)です。これは会員社に加えて非会員も含めた市場全体を、売上ベースで推計した新しい指標です。対象(会員のみ/非会員も含む)も、測り方(生産・出荷ベース/売上ベース)も、対象年も異なるため、2つの数字を直接比較したり、差を取ったりはしません。

どちらも録音市場を示しますが、目的が異なります。内訳や長期の推移を見るときは生産+配信、市場全体の規模感を最新の年で見るときは売上推計、というように使い分けます。本ページの推移と内訳は、内訳がわかる生産+配信を基準にしています。

中期見通し

近未来1-2年

録音市場は、配信の伸びがパッケージの減少を補う構図が続きます。ストリーミングの利用者がさらに広がるか、CDが特典付き商品やコレクションとしてどこまで残るかが、録音市場全体の水準を左右します。

中期3-5年

配信の中心がストリーミングに定着し、ダウンロードの比率はさらに小さくなる見通しです。パッケージは、ファン向けの特典商品やアナログ盤など、配信では代えられない価値を持つ領域に絞られていくとみられます。

長期5-10年

録音市場は配信を中心としつつ、日本ではパッケージが一定の比率で残る緩やかな移行が続くと見られます。配信を通じた海外への展開も、録音市場の新たな成長の余地として位置づけられます。

よくある質問

日本の録音市場の規模はどれくらいですか?
生産と配信を合わせた録音市場は、2024年に3,285億円(日本レコード協会、生産+配信)です。内訳はCD等パッケージ2,052億円と音楽配信1,233億円です。このほかに、非会員も含めた市場全体を売上ベースで推計した数字として、2025年の売上推計3,988億円があり、こちらは基準と対象が異なる別の指標です。
CDの売上は減っているのですか?
CD等パッケージの生産金額は、2000年の約5,398億円から2024年に約2,052億円へと大きく縮んでいます。一方で音楽配信が伸びており、CDの減少を配信が補うことで、生産と配信を合わせた録音市場全体は近年下げ止まっています。
音楽配信のうちストリーミングはどれくらいの割合ですか?
2024年の音楽配信のうち、ストリーミングが91.8%、ダウンロードが7.7%です(日本レコード協会の公表構成比)。月額で聴き放題のサブスクが配信の中心で、音楽配信は2013年を底に11年連続で増加しています。
録音市場の「生産+配信」と「売上推計」は何が違うのですか?
生産+配信(2024年3,285億円)は、日本レコード協会の会員社による生産・出荷ベースの金額に配信売上を加えたもので、CDや配信の内訳がわかります。売上推計(2025年3,988億円)は、非会員も含めた市場全体を売上ベースで推計した新しい指標です。基準も対象も対象年も異なるため、直接は比較しません。
日本でCDが根強く残っているのはなぜですか?
アイドルやアニメなどのファン向けに、特典やコレクション性を付けたCDが売られていることや、形のあるものを求める需要、アナログ盤の再評価などが背景にあります。配信のストリーミング化が進む一方で、日本ではパッケージが一定の比率で残る緩やかな移行が続いています。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    日本レコード協会「日本のレコード産業2025年版」
  2. 2.
    日本レコード協会「2025年 音楽ソフト・音楽配信売上推計」
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