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世界の音楽市場|規模と成長、その中の日本【2026年版】

世界の録音音楽市場は2025年に約317億ドルとなり、ストリーミングの普及で11年連続の成長を続けています(IFPI)。月額で聴き放題の有料サブスクが世界の録音収益の過半を占め、市場の拡大をけん引しています。最大の市場はアメリカで、日本はこれに次ぐ世界2位、中国が4位へ浮上するなど上位の顔ぶれにも動きがあります。そのなかで日本は、世界最大のフィジカル市場としてストリーミングへの移行が世界よりゆるやかなのが特徴です。世界の音楽市場の規模と成長、そのなかでの日本の位置を整理します。

世界の録音音楽市場(2025年)
317億ドル
11年連続の成長、有料サブスクが録音収益の過半
出典: IFPI Global Music Report 2026
サブスクの世界シェア(2025年)
50%超
世界の録音収益に占める有料サブスクの割合
出典: IFPI Global Music Report 2026
日本の世界順位(2025年)
2
アメリカに次ぐ世界2位、前年比プラス8.9%
出典: IFPI Global Music Report 2026
日本の音楽の海外売上(2024年)
1239.5億円
配信とライブが柱、経済産業省の調べ
出典: 経済産業省 音楽産業 海外展開

世界の録音音楽市場の推移 (2014-2025年、億ドル)

2014年の約131億ドルから、ストリーミングの普及で11年連続成長し2025年は約317億ドル
単位: 億ドル
010020030040013114135151481591741872002023725828429731725
出典: IFPI Global Music Report 2026 (世界の録音音楽市場、US$ billion)
年度201420152016201720182019202020212022202320242025
世界の録音音楽市場億ドル131135148159174187200237258284297317
読み解き

世界の録音音楽市場は、2014年の約131億ドルを底に、その後は11年連続で成長し、2025年に約317億ドルへ拡大しました。CDからの移行が一巡したあと、ストリーミングの普及が市場の成長をけん引してきました。

この成長の中心が、月額で聴き放題の有料サブスクです。IFPIによると、2025年には有料サブスクが世界の録音収益の過半(5割超)を占めるまでに育ちました。利用者が増えるほど収益が積み上がるサブスクが、世界の録音音楽市場を押し上げています。

この数値は、IFPIが集計する世界の録音音楽の収益を米ドルで示したものです。2025年の約317億ドルは、1ドル150円とすると日本円で約4.8兆円規模にあたります。日本国内の市場(日本レコード協会の録音やぴあ総研のライブ)は円で集計され、対象範囲や通貨が異なるため、世界市場と国内市場を直接比較することはできません。

このグラフに関連するトピック

日本の音楽の海外売上の内訳 (2024年、億円)

海外での売上の構成。配信とライブが柱(経済産業省の調べ)
項目海外売上(億円)構成比シェア
配信(ストリーミング等)530.642.8%
ライブ515.141.6%
その他157.612.7%
音楽ソフト(CD等)36.22.9%
海外売上1,239.5100.0%
読み解き

日本の音楽産業の海外売上(2024年1239.5億円)の内訳を見ると、配信(ストリーミング等)が530.6億円ライブが515.1億円の2つが柱で、合わせて大半を占めます。配信を通じて日本の楽曲が海外で再生され、アーティストの海外公演も収益を生んでいます。

この海外売上は、現地での売上を示すもので、そのうち著作権使用料などで日本側が受け取る海外収入は448.6億円(現地売上の約36.2%)です。現地で生まれた売上のすべてが日本に還流するわけではない点に注意が必要です。政府はコンテンツ全体の海外市場を2033年に20兆円へ広げる目標を掲げ、音楽の海外展開もその一翼を担います。

主要論点

世界の音楽市場はなぜ成長を続けているのか?

世界の録音音楽市場は、2025年に約317億ドルと11年連続で成長しています。かつてはCDの縮小で市場が落ち込みましたが、2010年代半ばを底に、ストリーミングの普及が市場を拡大に転じさせました。

成長の中心は、月額で聴き放題の有料サブスクです。IFPIによると、2025年には有料サブスクが世界の録音収益の過半(5割超)を占めるまでになりました。利用者が増えるほど収益が積み上がるサブスクが、世界の市場を押し上げています。さらに、スマートフォンの普及を背景に、新興国を含めて聴き放題の利用が広がっていることも成長を支えています。

市場の規模では、アメリカが最大で、日本がこれに次ぐ2位、ヨーロッパではイギリス・ドイツ・フランスが主要な市場です。2025年は中国がドイツを抜いて4位へ浮上するなど、上位の顔ぶれにも変化があります。ストリーミングを軸に、世界の音楽市場は当面成長が続くと見られています。

世界の中で日本はどんな位置にあるのか?

日本は、アメリカに次ぐ世界2位の録音音楽市場で、2025年は前年比プラス8.9%と成長に回帰しています。世界的な成長の局面に、日本も乗っているといえます。一方で日本には、世界の他の市場と異なる特徴があります。

それが、世界最大のフィジカル市場であることです。世界全体ではストリーミングが録音収益の中心になるなか、日本ではCDやアナログ盤などのパッケージが根強く残ります。特典付きのCDやコレクションとしての需要、アイドルやアニメなどファンが形のあるものを求める需要があり、ストリーミングへの移行は世界に比べてゆるやかです。

このため、世界の成長がストリーミング主導であるのに対し、日本は配信の伸びとフィジカルの根強さが併存する形で推移しています。加えて、日本ではライブ・エンタメ市場が過去最高を更新するなど、録音以外の領域の大きさも特徴です。世界比較は録音市場が中心ですが、日本の実像はライブや権利収益も含めて捉える必要があります。

日本の音楽の海外展開は、どこまで広がるのか?

日本の音楽産業の海外売上は、2024年に1239.5億円へ広がっています。柱となるのは、配信(ストリーミング等)の530.6億円と、ライブの515.1億円です。配信を通じて日本の楽曲が世界で聴かれ、アーティストの海外公演も増えています。

海外展開の追い風になっているのが、アニメや日本のポップカルチャーへの世界的な関心です。アニメ主題歌やゲーム音楽を入り口に、日本の楽曲やアーティストが海外のファンを獲得する動きが広がっています。政府も、コンテンツ全体の海外市場を2033年に20兆円へ広げる目標を掲げ、音楽をその一翼と位置づけています。

ただし、海外で生まれた売上のすべてが日本に還流するわけではなく、日本側が受け取る海外収入は448.6億円にとどまります。現地での売上をどこまで日本の収益につなげるか、配信やライブの海外展開をどう広げるかが、今後の焦点です。

中期見通し

近未来1-2年

世界の録音音楽市場は、有料サブスクの普及を背景に成長が続く見通しです。日本も世界2位の市場として成長に乗りつつ、フィジカルの根強さと配信の伸びが併存します。配信を通じた日本の楽曲の海外展開も、徐々に広がります。

中期3-5年

日本でもストリーミングの比率が高まる方向で、世界との差は縮まりつつも、フィジカルが一定の比率で残る緩やかな移行が続く見通しです。アニメやポップカルチャーを入り口とした海外展開が、日本の音楽産業の成長の軸になります。

長期5-10年

配信を通じた海外市場の取り込みと、ライブ・権利収益を含めた多面的な成長が、世界の中での日本の位置を左右します。政府のコンテンツ海外市場の目標も背景に、日本の音楽をどう世界へ届けるかが長期の課題として続きます。

よくある質問

世界の音楽市場の規模はどれくらいですか?
IFPI(国際レコード産業連盟)によると、2025年の世界の録音音楽市場は約317億ドルで、11年連続の成長です。月額で聴き放題の有料サブスクが、世界の録音収益の過半を占めるまでに育ち、市場の成長をけん引しています。
世界の中で日本の音楽市場は何位ですか?
日本はアメリカに次ぐ世界2位の録音音楽市場です(IFPI、2025年)。2025年は前年比プラス8.9%と成長に回帰しました。日本はCDなどのパッケージが根強く残る、世界最大のフィジカル市場でもあります。
なぜ日本はCDが世界で一番売れているのですか?
特典付きのCDやコレクションとしての価値、アイドルやアニメなどファンが形のあるものを求める需要が背景にあります。世界全体ではストリーミングが録音収益の中心になるなか、日本ではフィジカルの比率が高く、ストリーミングへの移行が世界に比べてゆるやかに進んでいます。
日本の音楽の海外売上はどれくらいですか?
経済産業省の調べでは、日本の音楽産業の海外売上は2024年に1239.5億円です。配信(530.6億円)とライブ(515.1億円)が柱です。このうち、著作権使用料などで日本側が受け取る海外収入は448.6億円です。
世界市場と日本市場の数字を比べられますか?
直接の比較はできません。IFPIの世界市場は録音音楽を米ドルで集計するのに対し、日本国内の録音(日本レコード協会)やライブ(ぴあ総研)は円で集計され、対象範囲も通貨も異なります。世界の中での日本の位置は、順位や成長率、フィジカル比率の特徴で捉えるのが実態に近いといえます。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    IFPI Global Music Report 2026 (State of the Industry)
  2. 2.
    経済産業省「音楽産業の海外展開データに関する報告書」(2026/4)
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