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雑誌業界の市場規模|販売金額の縮小と主要誌の部数動向【2026年版】

紙の雑誌市場は2024年に4,119億円(前年比-6.8%)となり、長期的な縮小が続いています。2020年の5,576億円から5年で約34%縮小し、日本雑誌協会が公表する印刷証明付部数も最新の第72回で242誌が対象です。週刊文春は41.8万部で、月刊誌と週刊誌の内訳や主要誌の部数とともに整理します。

紙雑誌市場(2024年)
4,119億円
前年比-6.8%、長期的な縮小が継続
出典: 全国出版協会・出版科学研究所『出版指標』
前年比(2024年)
-6.8%
紙雑誌の販売金額の前年からの減少
出典: 全国出版協会・出版科学研究所『出版指標』
印刷証明付部数の対象(第72回)
242
日本雑誌協会が年4回公表、最新の対象誌数
出典: 日本雑誌協会 印刷証明付部数
日本雑誌協会の加盟
74社510誌
加盟社数と掲載誌数
出典: 日本雑誌協会

紙雑誌市場の販売金額の推移(2020-2025年、億円)

2020年の5,576億円から2025年の3,708億円へ、5年で約34%縮小
単位: 億円
01,5003,0004,5006,0005,576205,276214,795224,418234,119243,70825
出典: 全国出版協会・出版科学研究所『出版指標』(紙雑誌の推定販売金額、2020-2025年)
年度202020212022202320242025
紙雑誌市場億円5,5765,2764,7954,4184,1193,708
前年比-5.4%-9.1%-7.9%-6.8%-10.0%
読み解き

紙の雑誌市場は、2020年の5,576億円から2025年の3,708億円まで、毎年縮小が続いています。5年で約34%減り、紙の出版物のなかでも書籍より速いペースで落ち込んでいます。情報のデジタル化で雑誌が担ってきた速報・特集の役割がWebやSNSへ移り、定期購読や駅売りの需要が縮んだことが背景です。

より長い目で見ると、紙雑誌の販売金額は1990年代後半をピークに右肩下がりが続いており、2016年には7,339億円(紙雑誌のみ)でした。この2016年の数字は紙雑誌だけの推計で、電子を含む系列とは基準が異なるため、上の推移には含めていません。縮小のなかで各社は、紙の発行点数の絞り込みと、Webメディアや電子版への移行を進めています。

月刊誌と週刊誌の内訳(2025年、億円)

紙雑誌を月刊誌(ムック・コミックス含む)と週刊誌に分けた内訳。週刊誌の縮小がより速い
項目販売金額(億円)構成比前年比シェア
月刊誌(ムック・コミックス含む)3,19586.2%-8.6%
週刊誌51313.8%-17.9%
紙雑誌 計3,708100.0%
読み解き

2025年の紙雑誌3,708億円の内訳は、月刊誌が3,195億円(構成比86.2%)、週刊誌が513億円(同13.8%)です。前年比は月刊誌が-8.6%、週刊誌が-17.9%で、週刊誌の落ち込みが月刊誌より速いことがわかります。週刊誌は情報の速報性で強みを持っていましたが、ニュースのデジタル化の影響を強く受けています。

なお、出版科学研究所の区分では月刊誌にコミックスとムックが含まれます。そのため月刊誌の金額には紙のコミックスが入っており、マンガの電子化が進むなかでコミックスの紙売上も縮小しています。コミック市場全体(紙+電子)の構造は、電子書籍・コミックとIP戦略のページで詳しく扱います。

主要論点

雑誌の紙の縮小はどこまで続くのか?

紙の雑誌市場は2024年に4,119億円(前年比-6.8%)で、2020年の5,576億円から5年で約34%縮小しました。書籍より速いペースで落ち込んでおり、縮小は当面続く見通しです。

背景には、雑誌が担ってきた速報・特集・口コミといった情報がWebやSNSへ移ったことがあります。定期購読や駅売りの需要が縮み、広告収入も減って、休刊や発行点数の絞り込みが相次いでいます。特に週刊誌は2025年に-17.9%と月刊誌より速く落ちており、ニュースのデジタル化の影響を強く受けています。

中長期的には、紙の発行を主要誌に絞りながら、Webメディアや電子版、有料会員モデルへ収益の軸を移す動きが続きます。紙の雑誌は完全には消えないものの、市場規模としては縮小が続き、各社は紙以外の収益をどこまで育てられるかが問われます。

WebメディアやIPで収益を転換できるか?

紙の雑誌が縮むなかで、出版各社は雑誌ブランドをWebメディアや電子版へ広げています。代表例の週刊文春は印刷証明付部数41.8万部を保ちつつ、文春オンラインや電子版でデジタル読者を取り込んでいます。月刊誌や専門誌も、Webメディア化や有料会員モデルへの移行を進めています。

もう一つの軸が、雑誌で育てた作家・キャラクター・特集企画といったコンテンツ資産の活用です。マンガ誌は単行本や電子コミック、アニメ・映像へのIP展開につながり、雑誌そのものは赤字でも作品を生み出す場として機能しています。ファッション誌や情報誌も、イベントや物販、ECとの連携で収益源を多様化しています。

中長期的には、紙の販売収入の減少を、デジタル広告・有料購読・IP・イベントなどでどこまで補えるかが各社の分かれ目です。雑誌は「紙を売る事業」から「コンテンツとbrandを多面的に収益化する事業」へと位置づけが変わりつつあります。

雑誌が軽減税率の対象外であることはどう影響するか?

2019年10月に導入された消費税の軽減税率は、定期購読契約で週2回以上発行される新聞のみを8%の対象とし、雑誌と書籍は対象外で標準税率10%が適用されています。出版業界では、活字文化の維持という観点から雑誌・書籍も対象に含めるべきだという主張があり、適用範囲をめぐる論争が続いています。

税率2%分の差は、価格が据え置かれれば出版社・取次・書店の負担となり、価格に転嫁すれば読者の購入を抑える要因になります。紙の雑誌市場が縮小するなかで、税制が需要にあたえる影響は小さくありません。電子の雑誌・書籍も同じく対象外で、紙と電子のどちらも標準税率です。

中長期的には、再販制度や著作権法とあわせて、活字文化をめぐる制度のあり方が論点になります。軽減税率の対象拡大は財政負担との兼ね合いで実現のハードルが高い一方、出版団体は要望を続けており、制度の動向は雑誌・書籍の需要を左右する要素として残ります。

中期見通し

近未来1-2年

紙の雑誌市場は縮小が続くとみられます。各社は発行点数を絞り、価格改定で1冊あたりの単価を上げる一方、Webメディアや電子版への移行を加速します。週刊誌の落ち込みが月刊誌より速い傾向が続き、休刊や統合の動きも見込まれます。

中期3-5年

中期では、雑誌ブランドを軸にしたデジタル広告・有料購読・IP活用への転換が進みます。紙は主要誌に集約され、専門誌やマンガ誌は電子版や単行本・映像展開とあわせて収益を組み立てます。紙の販売収入の減少をデジタルと版権でどこまで補えるかが、各社の収益を左右します。

長期

長期では、紙の雑誌は規模を縮小しつつ、特定の読者層やコレクション需要に支えられた形で残ると見込まれます。出版社の収益構造は「雑誌という紙の商品」から「コンテンツとブランドの多面的な収益化」へ移り、軽減税率や再販制度など活字文化をめぐる制度の動向も、需要を左右する要素として続きます。

よくある質問

雑誌業界の市場規模はどれくらいですか?
紙の雑誌市場は2024年に4,119億円(前年比-6.8%)で、長期的な縮小が続いています。2020年の5,576億円から5年で約34%縮小しました。出版科学研究所の「雑誌」は月刊誌(コミックス・ムック含む)と週刊誌を合わせた区分です。
月刊誌と週刊誌ではどちらの縮小が速いですか?
2025年は月刊誌が3,195億円(前年比-8.6%)、週刊誌が513億円(同-17.9%)で、週刊誌の縮小の方が速くなっています。ニュースのデジタル化の影響を、速報性で勝負してきた週刊誌が強く受けているためです。
印刷証明付部数とは何ですか?
印刷証明付部数は、日本雑誌協会が印刷工業会の協力を得て実測し、3か月単位で年4回公表する雑誌の印刷部数です。最新の第72回は242誌が対象で、加盟は74社510誌です。販売部数ではなく印刷部数で、雑誌ごとの規模を比べる指標として使われます。
週刊文春の部数はどれくらいですか?
週刊文春の印刷証明付部数は41.8万部(2024年10〜12月)です。一般週刊誌のなかでは大きい部類で、文春オンラインや電子版とあわせてデジタル読者も取り込んでいます。紙の雑誌全体が縮小するなかで、各誌はWebメディアへの移行を進めています。
雑誌は軽減税率の対象ですか?
雑誌は軽減税率の対象外で、標準税率10%が適用されます。2019年10月の導入時に対象となったのは定期購読契約で週2回以上発行される新聞のみで、雑誌・書籍は含まれませんでした。出版業界では適用範囲をめぐる論争が続いています。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    全国出版協会・出版科学研究所『出版指標』(紙雑誌の推定販売金額)
  2. 2.
    日本雑誌協会 印刷証明付部数
  3. 3.
    国税庁 消費税の軽減税率制度
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