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国内企業のIT投資とSaaS採用動向|日本パブリッククラウド市場41,423億円(2024年、+26.1%)+DX銘柄ROE5%以上90割【2026年版】

日本のSaaS・業務ソフト業界の需要側を整理します。総務省 情報通信白書 令和7年版によると、日本のパブリッククラウドサービス市場は2024年に41,423億円(前年比+26.1%)、世界市場は7,733億ドル(+22.4%)と高成長が続いています。世界クラウドインフラサービス市場では2024年第2四半期時点でAmazon 32% / Microsoft 23% / Google 12%の大手3社が大きなシェアを占めます。経済産業省「デジタルトランスフォーメーション調査2025の分析」(2025年5月公表)では、DX銘柄企業のROE 5%以上比率が約90割、DX注目企業 約80割、その他企業70割以下と差が拡大しています。公正取引委員会のクラウド調査(令和4年6月公表)ではIaaS導入理由top = 柔軟性・構築の迅速性64.0%など、企業のIT投資理由が定量化されています。市場規模、シェア、DX銘柄、導入理由、政策補助金 (IT導入補助金 + ガバメントクラウド) の順に整理します。

日本パブリッククラウド市場2024
41,423億円
前年比+26.1%、IDC Japan「国内パブリッククラウド市場予測2025年〜2029年」(2025年2月公表)
出典: 総務省 情報通信白書 令和7年版 第2部第1章第8節
世界パブリッククラウド2024
7,733億ドル
前年比+22.4%、生成AIの基盤モデル作成・関連アプリ利用拡大が成長を後押し
出典: 総務省 情報通信白書 令和7年版 第2部第1章第8節 (Gartner等を引用)
DX銘柄企業ROE 5%以上比率
約90%
DX注目企業 約80% / その他企業70%以下、デジタルガバナンス・コード3.0が評価軸
出典: 経済産業省「デジタルトランスフォーメーション調査2025の分析」(2025-05-30公表)
IaaS導入理由top: 柔軟性・迅速性
64.0%
PaaS同理由55.1%、保守運用外部委託 + 可用性が続く (アンケート2021-07/08実施、複数回答可)
出典: 公正取引委員会 クラウドサービス分野の取引実態調査 (令和4年6月公表)

世界クラウドインフラサービス市場シェア (2024年第2四半期、%)

Amazon (AWS) 32% / Microsoft (Azure) 23% / Google (GCP) 12%の大手3社で約67%を占有
単位: %3 カテゴリ・合計 67.0
0.010.020.030.040.032.0Amazon (AWS)23.0Microsoft (Az…12.0Google (GCP)
出典: 総務省 情報通信白書 令和7年版 第2部第1章第8節 (Synergy「Cloud Market Growth Stays Strong in Q2」引用)
カテゴリAmazon (AWS)Microsoft (Azure)Google (GCP)
値(%322312
シェア47.8%34.3%17.9%
読み解き

世界クラウドインフラサービス市場では2024年第2四半期時点でAmazon 32% / Microsoft 23% / Google 12%の大手3社が市場の約67%を占有しています。近年はMicrosoftとGoogleのシェア拡大傾向が続き、市場は依然として大手3社のクラウドサービスが大きなシェアを有する構造です。 日本のガバメントクラウド (デジタル庁、2025年時点で採択5 CSP) でもAmazon Web Services (AWS) / Microsoft Azure / Google Cloud / Oracle Cloud Infrastructure / さくらインターネットの5者で構成され、世界シェア上位3社 + Oracle + 国産CSPが揃う体制となっています。政府機関 + 地方公共団体のSaaS基盤としてのマルチクラウド体制が中期的に標準化されつつあります。

IaaS / PaaS導入理由 上位3つの比較 (2021年7-8月アンケート、%)

公正取引委員会 クラウドサービス分野の取引実態調査 (令和4年6月公表)、複数回答可。両サービスとも上位3理由の順序が同一、IaaSの方が各理由とも高いスコア
柔軟性・構築の迅速性
IaaS
64.0%
PaaS
55.1%
保守・運用の外部委託による社内IT人材の有効活用
IaaS
57.1%
PaaS
52.0%
可用性・信頼性
IaaS
54.9%
PaaS
45.7%
読み解き

IaaS / PaaSとも導入理由top 3の順序は同一 (柔軟性・迅速性 > 保守運用外部委託 > 可用性・信頼性)、IaaSの方が各理由とも高いスコアとなっています。柔軟性・構築の迅速性はIaaS 64.0% / PaaS 55.1%でtop、保守・運用の外部委託によるIT人材の有効活用も両サービスで2番目に挙げられ、IT人材不足を補完する手段としてのクラウド利用が定量的に示されています。 本アンケートは公正取引委員会が2021年7-8月に実施 (回答者数: IaaS 419社 / PaaS 129社 / SaaS 1,055社、サンプル設計 = 売上50億円以上 約3万社から1万社を無作為抽出)。SaaS利用者の導入理由は別途集計だが、IaaS / PaaS同様の柔軟性 + 外部委託 + 可用性が主要因と推定されます。

主要論点

日本パブリッククラウド市場41,423億円(+26.1%)の急成長は何で持続するか

日本のパブリッククラウドサービス市場は2024年に41,423億円、前年比+26.1%と高成長を継続しています。世界市場の7,733億ドル(+22.4%)成長と同じく、生成AIの基盤モデル作成と関連アプリケーションの利用拡大が成長要因として指摘されています。

成長を持続する要因は3つに整理できます。第1は 生成AI × クラウドの統合需要拡大 で、AIモデルの学習・推論には大規模GPU / TPUクラスタが必要なため、AWS / Azure / Google Cloud / Oracle CloudのAI専用インフラ投資が需要を牽引しています。第2は 企業の柔軟性と拡張性への志向の高まり で、クラウドが「ビジネス展開に不可欠なもの」として位置付けが定着、ハイブリッドワーク + マルチクラウド戦略が標準化しつつあります。第3は SaaS利用率の過半超え到達後のstack深化 で、企業1社あたりの利用SaaS数が増加 (会計 + HR + CRM + コラボ + データ基盤のstack化)、富士キメラの2029年度国内SaaS/PaaS市場予測3兆3,975億円 (+73.0%) の主因となっています。

DX銘柄企業ROE 5%以上 約90割 = SaaS / DX投資の収益効果は本物か

経済産業省「デジタルトランスフォーメーション調査2025の分析」(2025年5月公表)では、DX銘柄企業のROE 5%以上比率が約90割、DX注目企業 約80割、その他企業70割以下と差が拡大しています。昨年は全企業種別で8割以上だったため、DX銘柄企業の優位性が顕在化した形です。

DX投資の収益効果は3つの軸で議論されます。第1は デジタルガバナンス・コード3.0 (DX経営による企業価値向上) の評価軸定着 で、DX銘柄選定企業はガバナンス + データ連携 + 企業間連携で先行、ROE改善と相関しています。第2は DX銘柄企業とDX認定未取得企業の差の拡大 で、企業間連携 / DX推進 + 新たな挑戦を支援する仕組み / データ連携・データガバナンス で大きな差があると経産省は分析しています。第3は DX銘柄企業でも残る課題 で、「DX推進部署の責任者」「DX推進を支える人材」の整備で最も良い選択肢を回答した割合が小さく、DX推進体制の継続的強化が中期的な収益効果維持の鍵となります。経済産業省は「DX銘柄ROE 5%+ 比率9割」という定量指標を通じて、DX投資の収益効果が「先行企業群で本物」と示しています。

IT導入補助金 + ガバメントクラウドで中小企業SaaS導入は加速するか

中小企業向けには中小企業庁のIT導入補助金、自治体向けにはデジタル庁のガバメントクラウド (採択5 CSP) がSaaS普及加速の政策的後押しとなっています。デジタル社会重点計画 (令和7年6月13日閣議決定) でも自治体SaaS移行 + 標準化 + データ連携が優先施策に位置付けられました。

中小企業SaaS導入加速の効果は3つの経路で進展しています。第1は IT導入補助金 (中小企業庁) の直接補助 で、SaaS / 業務ソフトの導入費用を補助、freee / マネーフォワード / サイボウズkintone / kubell Chatwork等のSaaSベンダーが中小企業導入支援を強化しています。第2は ガバメントクラウド経由の自治体SaaS移行 で、AWS / Microsoft Azure / Google Cloud / Oracle Cloud Infrastructure / さくらインターネットの5 CSP体制で、自治体システムの標準化が中期的に進展、関連SaaSベンダーの自治体市場が拡大します。第3は 業種別 / 業界別vertical SaaSの中小企業普及 で、建設ANDPAD・医療 カケハシ・法務LegalOn・経理Sansan Bill Oneといった業界特化SaaSが中堅・中小企業の業務DXを直接支える局面です。経済産業省DX分析2025のDX銘柄ROE 5%+ 9割が継続する中、DX投資の収益効果と政策的後押しの両面で中小企業SaaS導入が加速する見通しです。

中期見通し

近未来1-2年 (2026-2027年)

日本パブリッククラウド市場41,423億円 (2024) からの継続成長が見込まれます。生成AIの基盤モデル作成と関連アプリ利用拡大、企業の柔軟性志向の高まりが需要を支え、IDC / Gartner系の予測でも2桁成長の継続局面です。経済産業省DX分析2025のDX銘柄ROE 5%+ 9割の優位性は継続、DX投資 + SaaS導入の収益効果が定量的に示されつつあります。ガバメントクラウド5 CSP採択後の自治体SaaS移行が実装フェーズへ進展、IT導入補助金 (中小企業庁) が中小企業SaaS普及を継続後押しします。

中期3-5年 (2028-2030年)

富士キメラ2029年度SaaS/PaaS市場予測3兆3,975億円 (2024年度比 +73.0%) の着地局面に向け、企業IT投資のSaaSシフトが本格化します。IaaS / PaaS / SaaSの三層構造でstack深化、企業1社あたりの利用SaaS数が増加し、AI × SaaS統合 (Salesforce Einstein / Microsoft Copilot / freee AI等) が標準化します。経産省DX分析の継続調査でDX銘柄ROE 5%+ 比率の動向が業界動向として注視されます。ガバメントクラウド経由の自治体 + 重要インフラ事業者のSaaS基盤定着、バーティカルSaaS (建設 / 医療 / 法務 / 経理) の中堅 / 中小企業普及が並行進展します。

長期 (2030年以降)

AIエージェント × SaaSの関係再定義が業界共通課題となります (富士キメラ2026年版LP「SaaSの死」概念)。SaaSの価値再定義 (「データ + 業務プロセスの記録基盤 + UI」としての位置付け) が進み、AIファーストSaaSと従来型SaaSの事業モデル分岐が顕在化します。企業IT投資の主軸は「SaaSのサブスクリプション + AIエージェント運用 + データ統合」の三層構造に再編される見通しで、DX銘柄企業の優位性もAI統合実装力で測られる時代になります。市場規模数値を読む際は調査ごとの集計定義差 (IDC / Gartner / 富士キメラ / MM総研 / 総務省 は別系列) を踏まえる前提が中長期で引き続き重要です。

よくある質問

日本のパブリッククラウド市場の規模はどれくらいですか
総務省 情報通信白書 令和7年版 (第2部第1章第8節) で公表されたIDC Japan予測によると、日本のパブリッククラウドサービス市場は2024年に41,423億円、前年比+26.1%と高成長を継続しています。世界市場は2024年に7,733億ドル(+22.4%)で、生成AIの基盤モデル作成と関連アプリケーションの利用拡大が成長要因として指摘されています。IDC Japanの本予測は2025年〜2029年が対象期間です。
世界クラウドインフラの大手3社シェアは
総務省 情報通信白書 令和7年版 (Synergy系調査引用) によると、2024年第2四半期時点でAmazon (AWS) 32% / Microsoft (Azure) 23% / Google (GCP) 12%の大手3社が世界クラウドインフラサービス市場の約67%を占有しています。近年はMicrosoftとGoogleのシェア拡大傾向が続き、市場は依然として大手3社のクラウドサービスが大きなシェアを有する構造です。日本のガバメントクラウドでもAWS / Azure / Google Cloud + Oracle Cloud Infrastructure + さくらインターネットの5者が採択されています。
DX銘柄ROE 5%以上比率9割の意味は
経済産業省「デジタルトランスフォーメーション調査2025の分析」(2025年5月公表) では、DX銘柄企業のROE 5%以上比率が約90割、DX注目企業 約80割、その他企業70割以下と差が拡大しています。昨年は全企業種別で8割以上だったため、DX銘柄企業の優位性が顕在化した形で、DX投資の収益効果が定量的に示された局面です。デジタルガバナンス・コード3.0 (DX経営による企業価値向上) が評価軸となっています。一方、DX銘柄企業でも「DX推進部署の責任者」「DX推進を支える人材」の整備に課題が残るとされます。
IaaS / PaaSの導入理由は何ですか
公正取引委員会のクラウドサービス分野の取引実態調査 (令和4年6月公表) では、IaaS / PaaSとも導入理由top 3が同じ順序で確認されています: (1) 柔軟性・構築の迅速性 (IaaS 64.0% / PaaS 55.1%)、(2) 保守・運用の外部委託による社内IT人材の有効活用 (IaaS 57.1% / PaaS 52.0%)、(3) 可用性・信頼性 (IaaS 54.9% / PaaS 45.7%)。アンケートは2021年7-8月実施 (回答者数: IaaS 419社 / PaaS 129社 / SaaS 1,055社)、IT人材不足を補完する手段としてのクラウド利用が定量的に示されています。
中小企業のSaaS導入を後押しする政策には何がありますか
中小企業庁のIT導入補助金がSaaS / 業務ソフト導入費用を直接補助しています。デジタル庁のガバメントクラウド (採択5 CSP: AWS / Microsoft Azure / Google Cloud / Oracle Cloud / さくらインターネット) は自治体SaaS移行を後押し、デジタル社会重点計画 (令和7年6月13日閣議決定) で自治体SaaS移行 + 標準化 + データ連携が優先施策に位置付けられています。経済産業省「DX分析2025」のDX銘柄ROE 5%+ 9割の優位性継続と政策的後押しの両面で、中堅・中小企業のSaaS導入加速が見込まれます。業界SaaS標準調査としてはJUAS「企業IT動向調査」(引用のみ) も参考データになります。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    日本パブリッククラウド市場2024 = 41,423億円 (+26.1%、IDC Japan引用)、世界7,733億ドル (+22.4%)、世界クラウドインフラ シェア2024Q2 AWS 32% / MS 23% / Google 12% (Synergy引用)
  2. 2.
    DX銘柄企業ROE 5%以上比率 約90割 / DX注目 約80割 / その他70割以下、デジタルガバナンス・コード3.0が評価軸、IPAとの共同調査 (全43ページ)
  3. 3.
    IaaS / PaaS導入理由top 3 (柔軟性 + 保守運用外部委託 + 可用性)、アンケート2021年7-8月実施 (IaaS 419社 / PaaS 129社 / SaaS 1,055社)、令和3年通信利用動向調査ベース クラウド利用率70.4%引用
  4. 4.
    クラウドサービス利用率80.6% (2024年、全社的に利用53.1% + 一部27.6%) = r07白書 図表I-1-1-12と整合
  5. 5.
    採択5 CSP (AWS / Azure / Google Cloud / Oracle Cloud / さくらインターネット)、自治体SaaS移行 + 標準化 + データ連携が優先施策
  6. 6.
    中小企業庁IT導入補助金 + JUAS企業IT動向調査IT導入補助金は中小企業のSaaS / 業務ソフト導入費用を直接補助、JUAS企業IT動向調査は業界SaaS標準調査として引用のみ (本worktree raw未取得)
データ出典
総務省 情報通信白書 令和7年版 第2部第1章第8節 (データセンター市場及びクラウドサービス市場の動向)経済産業省「デジタルトランスフォーメーション調査2025の分析」(2025-05-30公表)公正取引委員会 クラウドサービス分野の取引実態に関する報告書 (令和4年6月28日)総務省 通信利用動向調査 令和6年実施分 (企業編、報告書66ページ)デジタル庁 ガバメントクラウド + デジタル社会重点計画 (令和7年6月13日閣議決定)
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