最終更新
STAT DETAIL · ACQUISITION COST

戸建住宅の取得費と価格帯|注文と建売の費用と建築費の上昇【2026年版】

戸建住宅の取得費は、注文住宅か建売か、土地を持っているか購入するかで大きく変わります。フラット35利用者調査では、土地を別に保有する注文住宅の建設費が3,932万円、土地付き注文住宅が5,007万円、建売住宅の物件価格が3,826万円です。調査によって何を含めて数えるかが異なり、住宅市場動向調査では土地を含む注文住宅が6,188万円となります。建築費そのものも上昇しており、首都圏の注文住宅の建築費は2015年度の2,964万円から2024年度に6,095万円へ上がりました。

注文住宅の建設費(2024年度)
3,932万円
フラット35利用者の平均、土地を別に保有する場合の建物の建設費
出典: 住宅金融支援機構 フラット35利用者調査
建売住宅の物件価格(2024年度)
3,826万円
土地と建物を合わせた物件価格の平均
出典: 住宅金融支援機構 フラット35利用者調査
注文住宅の延床面積(2024年度)
118.5
注文住宅は建売より広い傾向、建売は100.7㎡
出典: 住宅金融支援機構 フラット35利用者調査
注文住宅の世帯年収(2024年度)
652.5万円
フラット35利用者(注文住宅取得世帯)の世帯年収の平均
出典: 住宅金融支援機構 フラット35利用者調査

首都圏 注文住宅の建築費の推移 (2015-2024年度、万円)

2015年度の2,964万円から2024年度に6,095万円へ上昇
単位: 万円
02,0004,0006,0008,0002,964153,061162,958173,558183,301193,510204,077215,050225,466236,09524
出典: 国土交通省 住宅経済関連データ (住宅市場動向調査、首都圏 注文住宅)
年度2015201620172018201920202021202220232024
建築費万円2,9643,0612,9583,5583,3013,5104,0775,0505,4666,095
前年比+3.3%-3.4%+20.3%-7.2%+6.3%+16.2%+23.9%+8.2%+11.5%
読み解き

首都圏の注文住宅の建築費は、長期的に上昇しています。2015年度の2,964万円から2024年度には6,095万円へと上がり、この10年で大きく水準が切り上がりました。

上昇の背景には、資材費や人件費の上昇に加え、住宅の高性能化があります。省エネ基準への対応や断熱・設備の充実が建築費を押し上げており、住団連の大都市圏調査でも建築費の㎡単価は38.8万円、延床面積は122.5㎡となっています。建築費の上昇は取得環境を厳しくし、新築着工の減少の一因にもなっています。建築費は地域や住宅の仕様によって幅があり、ここで示すのは首都圏の注文住宅の平均的な水準です。

戸建の取得費(調査・区分別、平均)

フラット35・注文住宅
含める範囲
建設費のみ(土地は別に保有)
金額(平均)
3,932万円
フラット35・土地付き注文住宅
含める範囲
建設費+土地取得費
金額(平均)
5,007万円
フラット35・建売住宅
含める範囲
物件価格(土地・建物)
金額(平均)
3,826万円
住宅市場動向調査・注文住宅(土地購入)
含める範囲
土地を含む購入資金
金額(平均)
6,188万円
住宅市場動向調査・分譲戸建
含める範囲
物件の購入資金
金額(平均)
4,591万円
住団連調査・戸建注文(大都市圏)
含める範囲
建築費+土地等の取得費
金額(平均)
7,006万円
読み解き

戸建の取得費は、調査によって何を含めて数えるかが異なるため、数字を並べる際は前提を確認する必要があります。フラット35利用者調査は、土地を別に保有して建物だけを建てる注文住宅の建設費(3,932万円)、土地付き注文住宅(5,007万円)、建売住宅の物件価格(3,826万円)を分けて把握しています。土地取得の有無や、建物だけか土地込みかで水準が分かれます。

国の住宅市場動向調査は土地を含む購入資金で集計しており、注文住宅が6,188万円(中央値5,030万円)、分譲戸建が4,591万円(中央値4,100万円)です。住団連の調査は大都市圏の戸建注文住宅に対象を絞り、取得費が7,006万円とより高い水準になります。これらは別々の調査で対象も基準も異なるため、合算せず、それぞれの前提とともに読むことが大切です。

区分別の取得世帯の属性(フラット35利用者、2024年度)

注文住宅(土地は別保有)
件数
3,272件
取得世帯の年齢
48.9歳
世帯年収
652.5万円
延床面積
118.5㎡
敷地面積
329.7㎡
土地付き注文住宅
件数
6,330件
取得世帯の年齢
41.6歳
世帯年収
729.4万円
延床面積
111.1㎡
敷地面積
251.2㎡
建売住宅
件数
6,364件
取得世帯の年齢
42.1歳
世帯年収
626.3万円
延床面積
100.7㎡
敷地面積
145.5㎡
読み解き

フラット35利用者の属性を区分別に見ると、注文住宅と建売で取得世帯の姿が異なります。注文住宅(土地を別保有)は延床面積118.5㎡・敷地329.7㎡と広く、取得世帯の年齢は48.9歳、世帯年収は652.5万円です。土地をすでに持っている世帯が建て替えなどで建てるケースが多く、年齢層がやや高めです。

建売住宅は延床100.7㎡・敷地145.5㎡と相対的にコンパクトで、取得世帯の年齢は42.1歳、世帯年収は626.3万円です。土地付き注文住宅は両者の中間で、年齢41.6歳・世帯年収729.4万円と、土地を購入して家を建てる比較的若い世帯が中心です。住宅の広さや敷地、取得世帯の年齢・年収は、注文か建売かで傾向が分かれます。

主要論点

戸建の取得費はどう読めばよいのか?

戸建の取得費には複数の調査があり、何を含めて数えるかが異なるため、単純に比べることはできません。フラット35利用者調査は、建物だけの注文住宅の建設費(3,932万円)、土地付き注文住宅(5,007万円)、建売の物件価格(3,826万円)を区別して把握しています。

国の住宅市場動向調査は土地を含む購入資金で集計し、注文住宅が6,188万円、住団連の大都市圏調査では7,006万円と、対象地域や集計範囲によって金額が変わります。これは調査の対象が違うためで、どちらが正しいというものではありません。

大切なのは、これらを一つの数字に揃えたり合算したりせず、それぞれの前提とともに読むことです。自分の条件(注文か建売か、土地を持っているか、どの地域か)に近い調査の数字を参照するのが現実的です。平均だけでなく中央値も見ると、価格の分布の偏りを掴みやすくなります。

注文住宅と建売の価格差は何で決まるのか?

注文住宅と建売の価格差は、土地・建物・規格化のかけ合わせで決まります。注文住宅は間取りや仕様を自由に設計でき、延床面積も建売より広い傾向(フラット35で118.5㎡対100.7㎡)があります。設計の自由度や仕様の充実が建設費を高める方向に働きます。

建売(分譲戸建)は、パワービルダーが用地をまとめて仕入れ、規格化した住宅を量産することで、価格を抑えています。土地と建物がセットの物件価格として分かりやすく、相対的に手頃です。敷地面積も注文住宅より小さい傾向(329.7㎡対145.5㎡)で、都市部の狭小地に対応しています。

どちらを選ぶかは、予算だけでなく、設計の自由度をどこまで求めるか、土地をすでに持っているか、立地をどう優先するかで変わります。注文住宅と建売の違いは関連ページで詳しく扱います。

建築費の上昇は取得にどう影響しているか?

首都圏の注文住宅の建築費は2015年度の2,964万円から2024年度に6,095万円へと上昇しました。この上昇は、資材費や人件費の上昇に加え、住宅の高性能化によるものです。

省エネ基準への対応や断熱・設備の充実が建築費を押し上げています。2025年4月の省エネ基準の適合義務化もあり、一定の性能を満たす住宅が標準となるなかで、建築費の下押しは見込みにくい状況です。建築費の㎡単価は住団連の大都市圏調査で38.8万円となっています。

建築費の上昇は、取得環境を厳しくし、新築着工の減少の一因にもなっています。取得する側にとっては、性能の向上による光熱費の削減や住宅ローン減税の省エネ要件と、建築費の上昇を見比べて判断する必要があります。性能と価格のバランスをどう取るかが、これからの戸建取得の論点です。

中期見通し

近未来1-2年

建築費は高止まりが続く見通しです。資材費や人件費の上昇に加え、省エネ基準の適合義務化への対応が建築費を支えます。取得費の水準は注文・建売とも下がりにくく、取得する側は性能と価格のバランスを一段と重視します。

中期3-5年

住宅の高性能化が標準となるなかで、建築費に占める性能関連のコストの比重が高まります。ZEHや長期優良住宅への対応が前提となり、初期の建築費は上がる一方、光熱費の削減やローン減税の優遇とのトレードオフが取得判断の軸になります。注文と建売で価格と性能の組み合わせの幅が広がります。

長期5-10年

人口・世帯の減少が進むなかで、新築の取得費は地域差が一段と大きくなる見通しです。都市部では土地の制約から建売や狭小地の戸建が中心となり、地方では既存住宅の活用との比較が進みます。新築の取得費と、リフォーム・中古取得の費用を見比べる視点が重要になります。

よくある質問

戸建住宅の取得費はいくらですか?
取得費は調査によって何を含めて数えるかが異なります。フラット35利用者調査(2024年度)では、土地を別に保有する注文住宅の建設費が3,932万円、土地付き注文住宅が5,007万円(建設費3,512万円+土地1,495万円)、建売住宅の物件価格が3,826万円です。住宅市場動向調査では土地を含む注文住宅が6,188万円、住団連の大都市圏調査では7,006万円と、対象や基準によって変わります。
注文住宅と建売はどちらが高いですか?
一般に注文住宅の方が高い傾向です。フラット35利用者調査では、土地付き注文住宅が5,007万円に対し、建売住宅の物件価格は3,826万円です。注文住宅は延床面積(118.5㎡)や敷地(329.7㎡)が建売(100.7㎡・145.5㎡)より広い傾向があり、設計の自由度や仕様の充実が価格差につながっています。
戸建住宅の延床面積はどれくらいですか?
フラット35利用者調査(2024年度)では、注文住宅の延床面積が118.5㎡、土地付き注文住宅が111.1㎡、建売住宅が100.7㎡です。注文住宅は建売より広い傾向があります。住団連の大都市圏の戸建注文住宅調査では122.5㎡となっています。
戸建を取得する世帯の年収はどれくらいですか?
フラット35利用者調査(2024年度)では、注文住宅取得世帯の年収が652.5万円、土地付き注文住宅が729.4万円、建売住宅が626.3万円です。住団連の大都市圏の戸建注文住宅調査では世帯年収が1,128万円となっています。これらはフラット35や調査の利用者の平均で、取得形態や地域によって幅があります。
戸建の建築費は上がっていますか?
上昇が続いています。首都圏の注文住宅の建築費は2015年度の2,964万円から2024年度に6,095万円へと上がりました。資材費や人件費の上昇に加え、省エネ基準への対応など住宅の高性能化が建築費を押し上げています。建築費の㎡単価は住団連の大都市圏調査で38.8万円です。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    住宅金融支援機構 フラット35利用者調査 (2024年度)
  2. 2.
    国土交通省 住宅市場動向調査 (令和6年度)
  3. 3.
    国土交通省 住宅経済関連データ
  4. 4.
    住宅生産団体連合会 戸建注文住宅の顧客実態調査 (第25回)
📄 資料DL💬 無料相談