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戸建住宅の市場規模|着工戸数の推移と取得費・主要メーカーの規模【2026年版】

戸建住宅の新築着工は、2025年に持家20.1万戸・分譲一戸建11.6万戸の合計約31.7万戸まで減少しました。持家はその大半が一戸建で、注文住宅の主力をなしています。新設住宅着工全体も74.07万戸と3年連続で縮小しています。取得費は調査によって何を含めて数えるかが異なり、フラット35の建売物件価格3,826万円から住団連調査の大都市圏取得費7,006万円まで幅があります。供給側では大和ハウスの戸建住宅事業や飯田グループの戸建分譲事業が1兆円を超える規模です。

持家の新築着工(2025年)
20.1万戸
戸建の中核、大半が一戸建。前年比約-7.7%で4年連続の減少
出典: 国土交通省 建築着工統計調査
分譲一戸建の新築着工(2025年)
11.6万戸
パワービルダーが供給する建売が中心、前年比-4.3%
出典: 国土交通省 建築着工統計調査
注文住宅の建設費(2024年度)
3,932万円
フラット35利用者の平均、土地は別に保有する場合の建物の建設費
出典: 住宅金融支援機構 フラット35利用者調査
持家比率(2023年)
60.9%
住宅・土地統計調査、5年周期の最新値。持ち家志向は根強い
出典: 総務省 住宅・土地統計調査(住宅経済関連データ経由)

戸建新築着工戸数の推移 (2011-2025年、万戸)

持家と分譲一戸建の合計、2025年は約31.7万戸まで減少
単位: 万戸
持家分譲一戸建
012.52537.55042.31112131440.7151617181939.2202122232431.725
出典: 国土交通省 建築着工統計調査 (住宅着工統計、暦年)
年度201120122013201420152016201720182019202020212022202320242025
持家万戸30.6031.2035.5028.5028.3029.2028.4028.3028.9026.1028.6025.3022.4021.8020.10
分譲一戸建万戸11.7012.3013.5012.5012.4013.4013.8014.2014.8013.1014.1014.6013.7012.1011.60
合計(万戸42.3043.50494140.7042.6042.2042.5043.7039.2042.7039.9036.1033.9031.70
前年比+2.8%+12.6%-16.3%-0.7%+4.7%-0.9%+0.7%+2.8%-10.3%+8.9%-6.6%-9.5%-6.1%-6.5%
読み解き

戸建の新築着工は、持家と分譲一戸建のいずれも長期的な減少が続いています。2011年に合計約42.2万戸だった戸建新築は、2025年には持家20.1万戸・分譲一戸建11.6万戸の合計約31.7万戸まで縮小しました。新設住宅着工全体も2025年に74.07万戸と3年連続で減少し、62年ぶりの低い水準となっています。

持家は注文住宅の主力で、その大半が一戸建です。2025年の持家は前年から約7.7%減り、4年連続の減少となりました。分譲一戸建はパワービルダーが供給する建売が中心で、こちらも減少が続いています。

減少の背景には、世帯数が頭打ちとなるなかでの人口・世帯構造の変化と、建築費の上昇による取得環境の厳しさがあります。なお、このグラフは戸建の中核である持家と分譲一戸建の合計で、分譲住宅のうちマンション(2025年9万戸)は含みません。

戸建の取得費(調査・区分別、平均)

フラット35・注文住宅
含める範囲
建設費のみ(土地は別に保有)
金額(平均)
3,932万円
フラット35・土地付き注文住宅
含める範囲
建設費+土地取得費
金額(平均)
5,007万円
フラット35・建売住宅
含める範囲
物件価格(土地・建物)
金額(平均)
3,826万円
住宅市場動向調査・注文住宅(土地購入)
含める範囲
土地を含む購入資金
金額(平均)
6,188万円
住宅市場動向調査・分譲戸建
含める範囲
物件の購入資金
金額(平均)
4,591万円
住団連調査・戸建注文(大都市圏)
含める範囲
建築費+土地等の取得費
金額(平均)
7,006万円
読み解き

戸建の取得費は、調査によって何を含めて数えるかが異なるため、数字を並べる際は前提を確認する必要があります。フラット35利用者調査では、土地を別に保有して建物だけを建てる注文住宅の建設費が3,932万円、土地付き注文住宅が建設費と土地を合わせて5,007万円、建売住宅の物件価格が3,826万円です。土地取得の有無や、建物だけか土地込みかで水準が分かれます。

国の住宅市場動向調査では、土地を含む注文住宅の購入資金が6,188万円、分譲戸建が4,591万円、住団連の大都市圏の調査では戸建注文住宅の取得費が7,006万円と、調査の対象地域や集計の範囲によっても金額が変わります。これらは別々の調査で対象も基準も異なるため、合算したり一つの数字に揃えたりはせず、それぞれの前提とともに読むことが大切です。詳しい区分別の取得費は関連ページで扱います。

主要ハウスメーカー・ビルダーの戸建関連セグメント規模

戸建関連セグメント(決算期)
戸建住宅(2026年3月期)
セグメント売上
13,423億円
引渡棟数
戸建関連セグメント(決算期)
戸建分譲事業(2026年3月期)
セグメント売上
12,186億円
引渡棟数
戸建関連セグメント(決算期)
戸建関連事業(2025年9月期)
セグメント売上
6,713億円
引渡棟数
戸建関連セグメント(決算期)
住宅事業(2025年12月期)
セグメント売上
5,846億円
引渡棟数
戸建関連セグメント(決算期)
戸建住宅事業(2026年1月期)
セグメント売上
4,788億円
引渡棟数
戸建関連セグメント(決算期)
注文住宅 (住宅事業)(2025年5月期)
セグメント売上
1,335億円
引渡棟数
5,598棟
読み解き

供給側の規模を見ると、注文住宅系と建売系で事業構造が分かれています。注文住宅系では大和ハウス工業の戸建住宅事業が13,423億円、積水ハウスの戸建住宅事業が4,788億円、住友林業の住宅事業が5,846億円の規模です。建売系では飯田グループホールディングスの戸建分譲事業が12,186億円で最大手、オープンハウスグループの戸建関連事業が6,713億円となっています。

この表は各社が決算で開示する戸建関連セグメントの売上で、セグメントの定義は社によって異なります(例えば大和ハウスは戸建住宅、住友林業は国内の住宅事業)。各社の連結全体の売上や利益、収益性の比較は関連ページで扱います。引渡棟数は決算短信で開示しているタマホームのみ記載しており、注文住宅で5,598棟です。なお、一条工務店や三井ホームなどの非上場メーカーも戸建市場で大きな存在感がありますが、財務は非開示です。

主要論点

戸建の新築着工はなぜ減り続けているのか?

戸建の新築着工は、持家と分譲一戸建のいずれも長期的に減少しています。2025年の新設住宅着工は74.07万戸で3年連続の減少、戸建の中核である持家は約20.1万戸で4年連続の減少となりました。

背景の一つは世帯数の頭打ちです。住宅ストックはすでに世帯数を上回り、空き家率も13.8%(2023年)まで上昇しています。新たに家を建てる必要のある世帯が減るなかで、新築の量的な拡大は見込みにくくなっています。

もう一つは取得環境の厳しさです。首都圏の注文住宅の建築費は2015年度の2,964万円から2024年度に6,095万円へと上昇し、資材費や人件費の上昇が取得のハードルを上げています。持ち家志向は持家比率60.9%と根強く残るものの、価格の上昇が着工の減少につながっています。

戸建の取得費はどう読めばよいのか?

戸建の取得費には複数の調査があり、何を含めて数えるかが異なるため、単純に比べることはできません。フラット35利用者調査では、建物だけの注文住宅の建設費が3,932万円、土地付き注文住宅が5,007万円、建売の物件価格が3,826万円です。

一方、国の住宅市場動向調査では土地を含む注文住宅が6,188万円、住団連の大都市圏の調査では戸建注文住宅の取得費が7,006万円と、より高い水準が示されます。これは調査の対象地域や、土地・建物のどこまでを含めるかが違うためです。

大切なのは、これらを一つの数字に揃えたり合算したりせず、それぞれの前提とともに読むことです。注文住宅か建売か、土地を持っているか購入するか、どの地域かによって、必要な資金は大きく変わります。検討の際は、自分の条件に近い調査の数字を参照するのが現実的です。

着工減少のなかで戸建市場はどう変化するか?

新築の戸数が減るなかで、市場の軸足は量から質へと移りつつあります。住宅の高性能化が進み、戸建注文住宅では長期優良住宅の認定率が高く、ZEH(ゼッチ)の採用率も43.8%に達しています。2025年4月の省エネ基準の適合義務化もあり、性能の向上が新築戸建の標準になりつつあります。

供給側では、注文住宅系の大手と建売系のパワービルダーがそれぞれの強みで競っています。大和ハウスの戸建住宅事業や飯田グループの戸建分譲事業は1兆円を超える規模で、規格化や量産、性能の差別化で価格と品質のバランスを探っています。

中長期的には、新築の戸数縮小を、1棟あたりの単価上昇や、リフォーム・中古住宅市場との連携でどこまで補えるかが論点です。人口減少が続くなかで、新築・既存を合わせて住まいの質をどう高めるかが、戸建市場全体の課題となります。

中期見通し

近未来1-2年

新築着工は減少傾向が続く見通しです。建築費の高止まりと金利の動向が取得環境を左右し、注文住宅・建売とも戸数の回復は見込みにくい局面です。省エネ基準の適合義務化への対応で、住宅の性能と価格の両面の調整が各社の課題となります。

中期3-5年

世帯数の頭打ちが続くなかで、市場は量から質への転換が進みます。ZEHや長期優良住宅といった高性能化が標準となり、1棟あたりの単価上昇が戸数減少を一部補う方向です。注文住宅系大手と建売系パワービルダーの間で、性能・価格・立地の組み合わせによる差別化が一段と進みます。

長期5-10年

人口・世帯の減少が本格化するなかで、新築戸建の市場規模は緩やかに縮小する見通しです。空き家の増加を背景に、新築だけでなくリフォームや中古住宅の活用との連携が重要になります。戸建メーカーにとっては、新築の供給に加えて、ストックの維持・再生をどう事業に取り込むかが長期の論点となります。

よくある質問

戸建住宅の新築着工はどれくらいですか?
国土交通省の建築着工統計によると、2025年の新設住宅着工は74.07万戸で、3年連続の減少となりました。このうち戸建の中核である持家は20.1万戸、分譲一戸建は11.6万戸で、合計すると約31.7万戸です。持家はその大半が一戸建で注文住宅の主力、分譲一戸建はパワービルダーが供給する建売が中心です。
戸建住宅の取得費はどれくらいですか?
取得費は調査によって何を含めて数えるかが異なります。フラット35利用者調査(2024年度)では、建売住宅の物件価格が3,826万円、土地付き注文住宅が5,007万円(建設費3,512万円+土地1,495万円)、土地を別に保有する注文住宅の建設費が3,932万円です。住宅市場動向調査や住団連の調査では別の基準による取得費も示されており、前提を確認して読む必要があります。
戸建の建築費は上がっていますか?
上昇が続いています。国土交通省の住宅経済関連データによると、首都圏の注文住宅の建築費は2015年度の2,964万円から2024年度に6,095万円へと上がりました。資材費や人件費の上昇が背景にあり、住宅の高性能化と相まって取得環境は厳しさを増しています。建築費の上昇は、新築着工の減少の一因にもなっています。
主要なハウスメーカーの戸建事業の規模は?
各社の決算で開示される戸建関連セグメントの売上を見ると、注文住宅系では大和ハウス工業の戸建住宅事業が13,423億円、積水ハウスの戸建住宅事業が4,788億円、住友林業の住宅事業が5,846億円です。建売系では飯田グループホールディングスの戸建分譲事業が12,186億円で最大手、オープンハウスグループの戸建関連事業が6,713億円です。セグメントの定義は社によって異なります。
戸建住宅市場は今後どうなりますか?
新築着工は世帯数の頭打ちや建築費の上昇を背景に、減少傾向が続く見通しです。空き家率が13.8%まで上昇する一方で持家比率は60.9%と根強く、市場の軸足は量から質へと移りつつあります。住宅の高性能化、1棟あたりの単価上昇、リフォームや中古住宅市場との連携で、新築の戸数縮小をどこまで補えるかが中長期の論点となります。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    国土交通省 建築着工統計調査 (住宅着工統計)
  2. 2.
    住宅金融支援機構 フラット35利用者調査 (2024年度)
  3. 3.
    国土交通省 住宅市場動向調査 (令和6年度) / 住宅経済関連データ
  4. 4.
    住宅生産団体連合会 戸建注文住宅の顧客実態調査 (第25回)
  5. 5.
    上場6社 決算短信 戸建セグメント
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