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主要ハウスメーカーの事業構造|注文住宅系大手の規模と特徴【2026年版】

注文住宅系のハウスメーカーは、鉄骨系と木造系で得意分野が分かれ、規模と収益性に差があります。大和ハウス工業は戸建住宅事業13,423億円・連結55,769億円、積水ハウスは戸建住宅事業4,788億円、住友林業は住宅事業5,846億円で、タマホームはローコスト注文を手がけます。連結全体には賃貸・分譲・海外なども含まれ、戸建関連セグメントは事業の一部です。建売系のパワービルダーは別ページで扱います。

注文住宅系ハウスメーカーの規模と特徴

鉄骨系・木造系・ローコストで得意分野が分かれ、連結 ≠ 戸建セグメント

注文住宅系のハウスメーカーは、得意とする工法(鉄骨・木造)と価格帯で位置づけが分かれます。下の表は各社が決算で開示する連結業績と戸建関連セグメントの売上です。ROEは各社が公表する自己資本利益率で、規模とは別に収益性を示します。なお連結売上には賃貸・分譲・海外住宅なども含まれ、戸建関連セグメントはその一部です。セグメントの定義は社によって異なるため、売上の単純な順位だけでなく、各社の事業の中身とあわせて見る必要があります。

大和ハウス工業
2026年3月期
連結売上
55,769億円
営業利益
6,149億円
ROE
12.7%
戸建関連セグメント売上
戸建住宅 13,423億円
積水ハウス
2026年1月期
連結売上
41,979億円
営業利益
3,414億円
ROE
11.3%
戸建関連セグメント売上
戸建住宅事業 4,788億円
住友林業
2025年12月期
連結売上
22,676億円
営業利益
1,687億円
ROE
11.1%
戸建関連セグメント売上
住宅事業 5,846億円
タマホーム
2025年5月期
連結売上
2,008億円
営業利益
41億円
ROE
4.1%
戸建関連セグメント売上
注文住宅 (住宅事業) 1,335億円

大和ハウス工業 — 鉄骨系の総合住宅・建設大手

大和ハウス工業は、鉄骨系の注文住宅を軸とする総合住宅・建設大手です。戸建住宅事業の売上は13,423億円(2026年3月期)で、注文系ハウスメーカーのなかで最大規模です。連結売上は55,769億円(2026年3月期)に達しますが、これは戸建だけでなく賃貸住宅・商業施設・事業施設・海外を含む全社ベースで、戸建住宅は事業ポートフォリオの一部です。

工業化住宅(プレハブ)の技術を背景に、鉄骨系の注文住宅を全国で展開しています。連結のROEは12.7%です。戸建単体よりも、賃貸や商業施設を含む総合的な開発力が会社の規模を支えており、戸建住宅の規模を連結値から読み取ることはできません。

積水ハウス — 鉄骨・木造の注文住宅、国内建築戸数で上位

積水ハウスは、鉄骨と木造の両方で注文住宅を手がける大手です。戸建住宅事業の売上は4,788億円(2026年1月期)で、国内の建築戸数では業界上位に位置します。連結売上は41,979億円(2026年1月期)で、戸建のほかに賃貸・分譲・マンション・国際事業を展開しています。

戸建住宅では鉄骨系と木造系の両方の商品を持ち、幅広い顧客層に対応しています。連結のROEは11.3%です。海外(米国・豪州)の住宅事業も育てており、国内の戸建に依存しない事業構造を志向しています。

住友林業 — 木造注文住宅の代表格、海外住宅が連結を牽引

住友林業は、木造注文住宅の代表格です。国内の住宅事業の売上は5,846億円(2025年12月期)で、木のぬくもりを生かした注文住宅に強みがあります。一方で連結売上22,676億円(2025年12月期)の過半は、米国を中心とする海外の住宅・不動産事業が占めています。

木材・建材の調達から住宅の設計・施工までを手がける垂直統合が特徴です。連結のROEは11.1%で、海外住宅の伸びが会社全体の成長を支えています。国内の木造注文住宅は事業の核ですが、連結規模では海外住宅の比重が大きい点に注意が必要です。

タマホーム — ローコスト注文住宅の代表格

タマホームは、ローコスト注文住宅の代表格です。注文住宅の売上は1,335億円(2025年5月期)、引渡棟数は5,598棟で、規格化や資材の標準化で価格を抑えた注文住宅を全国で供給しています。連結売上は2,008億円で、上記3社より規模は小さいものの、ローコスト帯という独自の市場を押さえています。

坪単価を抑えた商品で、若い世代や予算を重視する世帯を取り込んでいます。連結のROEは4.1%です。大手の鉄骨系・木造系とは異なる価格帯で、注文住宅の選択肢の幅を広げる役割を担っています。

非上場の有力メーカー — 一条工務店・三井ホーム・プライム ライフ テクノロジーズ

上場各社のほかに、非上場の有力メーカーも戸建市場で大きな存在感があります。一条工務店は高断熱・高気密の注文住宅で知られ、棟数で業界上位とされますが、非上場のため財務は公開されていません。三井ホームは三井不動産系のツーバイフォー(木造枠組壁工法)注文住宅を高価格帯で手がけています。

プライム ライフ テクノロジーズは、トヨタホーム・ミサワホーム・パナソニック ホームズを傘下に持つ統合持株会社で、2020年にトヨタとパナソニックが設立しました。これらの非上場メーカーは財務を開示していないため、上の表には含めていませんが、注文住宅市場では上場大手と並ぶ重要なプレイヤーです。

主要論点

注文住宅系ハウスメーカーは何で競っているのか?

注文住宅系のハウスメーカーは、工法・価格帯・住宅性能で競っています。大和ハウス工業と積水ハウスは鉄骨系を軸に、住友林業は木造注文住宅で、それぞれ得意とする構造が分かれます。鉄骨系は耐久性や大空間、木造系は木のぬくもりや設計の自由度といった強みがあります。

価格帯でも違いがあり、大手の鉄骨系・木造系が中高価格帯を担う一方、タマホームはローコスト帯で独自の市場を押さえています。住宅性能(断熱・省エネ)への対応も競争軸で、ZEHや長期優良住宅への対応が各社で進んでいます。

さらに、各社とも戸建以外の事業(賃貸・分譲・海外住宅)を育てており、戸建着工が減るなかで事業の多角化でも競っています。戸建単体の規模だけでなく、会社全体の事業構造の違いが各社の戦略を分けています。

規模の大きい会社が収益性も高いのか?

規模と収益性は必ずしも一致しません。連結売上では大和ハウス工業が55,769億円と最も大きいものの、ROEは各社で異なります。大和ハウス工業12.7%、積水ハウス11.3%、住友林業11.1%、タマホーム4.1%です。

ROEは自己資本に対する利益率で、規模とは別に資本の使い方の効率を示します。大手3社は10%超の水準を保つ一方、タマホームはローコスト帯で利益率の確保に課題がある局面もあります。営業利益率は各社の開示状況によるため、ここでは規模(売上)とROEを併せて見ています。

戸建セグメント単体の収益性は、各社が必ずしも分けて開示していないため、連結のROEから戸建だけの収益性を読み取ることはできません。会社全体の事業構成(賃貸・海外住宅などの比重)が収益性に影響しており、規模の順位と収益性の順位は別に見る必要があります。

着工減少のなかで各社はどう戦略を変えているか?

戸建の新築着工が減少するなかで、注文住宅系ハウスメーカーは事業の多角化と高付加価値化で対応しています。大和ハウス工業は賃貸住宅・商業施設・事業施設を、積水ハウスは賃貸・分譲・国際事業を、住友林業は米国を中心とする海外住宅を育て、戸建着工の減少を他事業で補おうとしています。

戸建そのものでも、1棟あたりの単価の向上が進んでいます。ZEHや長期優良住宅といった高性能化、設備の充実で付加価値を高め、戸数の減少を単価の上昇で補う方向です。住友林業の海外住宅のように、国内の戸建に依存しない収益源を持つ会社も増えています。

非上場メーカーも含め、各社は戸建の量的な縮小を前提に、性能・価格・立地の組み合わせや、リフォーム・ストック事業との連携で差別化を進めています。注文住宅の市場が成熟するなかで、各社の事業構造の違いが今後の競争力を分ける見通しです。

中期見通し

近未来1-2年

戸建着工の減少を背景に、各社は戸建以外の事業の比重を高めます。賃貸・分譲・海外住宅といった事業が、戸建の縮小を補う役割を担います。戸建では高性能化による単価の向上が進み、規模より収益性を重視する動きが続きます。

中期3-5年

注文住宅の市場が成熟するなかで、工法・価格帯による棲み分けが一段と進みます。鉄骨系・木造系の大手は中高価格帯と高性能で、ローコスト勢は価格で、それぞれの市場を深掘りします。海外住宅を持つ会社は、国内の戸建に依存しない収益構造を強めます。

長期5-10年

人口・世帯の減少が本格化するなかで、注文住宅系ハウスメーカーは新築依存からの転換を迫られます。リフォーム・ストックの維持再生、海外事業、賃貸・開発といった非戸建の事業をどう育てるかが、各社の長期の競争力を分けます。戸建の新築は高付加価値の領域に絞られていく見通しです。

よくある質問

主要なハウスメーカーにはどんな会社がありますか?
注文住宅系では、大和ハウス工業(戸建住宅事業13,423億円)、積水ハウス(戸建住宅事業4,788億円)、住友林業(住宅事業5,846億円)、タマホーム(注文住宅1,335億円)などの上場大手があります。このほか、非上場の一条工務店、三井ホーム、プライム ライフ テクノロジーズ(トヨタホーム・ミサワホーム・パナソニック ホームズの持株会社)も有力です。建売系のパワービルダーは別ページで扱います。
鉄骨系と木造系のハウスメーカーの違いは何ですか?
鉄骨系は、鉄骨を構造に使い、耐久性や大空間、地震への強さに強みがあります。大和ハウス工業や積水ハウスが代表格です。木造系は、木を構造に使い、木のぬくもりや設計の自由度、断熱性に強みがあります。住友林業が木造注文住宅の代表格です。積水ハウスのように両方の商品を持つ会社もあります。どちらが優れているということはなく、求める性能やデザインによって選択が分かれます。
ハウスメーカーの売上規模はどれくらいですか?
戸建関連セグメントの売上で見ると、大和ハウス工業の戸建住宅事業が13,423億円(2026年3月期)と最大で、住友林業の住宅事業5,846億円、積水ハウスの戸建住宅事業4,788億円、タマホームの注文住宅1,335億円が続きます。連結売上は大和ハウスが55,769億円と大きいですが、賃貸・分譲・海外住宅などを含む全社ベースで、戸建はその一部です。
規模が大きいハウスメーカーほど収益性も高いのですか?
必ずしも一致しません。ROE(自己資本利益率)は大和ハウス工業12.7%、積水ハウス11.3%、住友林業11.1%、タマホーム4.1%で、規模の順位とは別です。連結全体の事業構成(賃貸・海外住宅などの比重)が収益性に影響しており、戸建セグメント単体の収益性は各社が分けて開示していないため、連結のROEから戸建だけを読み取ることはできません。
上場していないハウスメーカーにはどんな会社がありますか?
高断熱・高気密の注文住宅で知られる一条工務店、三井不動産系のツーバイフォー注文住宅を手がける三井ホーム、トヨタホーム・ミサワホーム・パナソニック ホームズを傘下に持つプライム ライフ テクノロジーズなどが、非上場の有力メーカーです。これらは財務を公開していませんが、注文住宅市場では上場大手と並ぶ重要なプレイヤーです。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    上場6社 連結財務 (EDINET / 各社決算短信)
  2. 2.
    上場6社 決算短信 戸建セグメント
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