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TOPIC DETAIL · URBAN REDEVELOPMENT

総合デベロッパーの大型再開発・都市再生|麻布台ヒルズ・TOKYO TORCHなど容積率緩和を活用した街づくり【2026年版】

総合デベロッパーは、都心で大型の再開発を手がけ、街区全体を再生する事業を担っています。国の都市再生の制度による容積率の緩和を受けて、超高層の複合ビルを建て、完成後はオフィス・商業・住宅として長期にわたって運営します。麻布台ヒルズや東京駅前のTOKYO TORCHなど、各社の大型再開発が都心の姿を変えています。

都市再生特別地区とは、どんな制度なのか

民間の再開発を促す制度

都市再生特別地区は、国の都市再生特別措置法にもとづいて、民間による都市の再開発を促すために定められる都市計画の制度です。都市の国際競争力を高め、老朽化した市街地を更新することを目的に、特に再生が必要とされる地区で活用されています。

容積率の緩和と引き換えの公共貢献

この制度の中心は、容積率の緩和です。通常の規制を超えて延べ床面積を大きくできるため、超高層の複合ビルを建てることが可能になります。その代わりに、事業者は広場や歩行者の通路、防災機能、緑地などの公共貢献を整備します。容積率の緩和という事業者の利益と、街への貢献を引き換えにする仕組みです。

国際競争力のある都市づくり

制度の狙いは、東京などの都心を、世界の都市と競争できる魅力的な街にすることにあります。オフィス・商業・住宅・ホテルを組み合わせた複合的な街区をつくり、働く・住む・訪れるが一体となった環境を整えます。総合デベロッパーは、この制度を活用して、街区全体の価値を高める大型再開発を進めています。

総合デベロッパーは大型再開発でどんな役割を担うのか

地権者の調整と合意形成

大型再開発の出発点は、街区に土地や建物を持つ多くの地権者の合意形成です。総合デベロッパーは、地権者の権利を新しいビルの床に置き換える権利変換などの仕組みを使って、複数の地権者をまとめ、一体の再開発として進めます。地権者は立ち退くのではなく、新しいビルの床を持ち主として受け取れるため、合意が得られやすくなります。長年その街区にかかわってきた事業者ほど、地権者との調整を進めやすい立場にあります。

数年から十数年の長期事業

再開発は、構想から用地の取得、地権者の合意、設計、建設を経て完成するまで、数年から十数年かかります。途中で経済環境や建築費が変動するリスクもあり、長期にわたって資金を投じ続ける体力が必要です。大規模な資本と開発のノウハウを持つ総合デベロッパーだからこそ担える事業です。

完成後の保有・運営まで一貫

総合デベロッパーは、ビルを建てて終わりではなく、完成後の保有・運営まで一貫して手がけることが多くあります。オフィスのテナント誘致、商業施設の運営、街区全体のにぎわいづくりまでを担い、長期にわたって賃料収入を得ます。つくって売る分譲とは異なり、再開発でつくった賃貸床を長く保有して育てるのが、街づくりの基本です。

主要な大型再開発プロジェクト

各社のIR・プレスリリースにもとづく主な再開発の例。事業者は共同で手がける場合が多く、ここでは中心的な事業者を示す
麻布台ヒルズ
主な事業者
森ビルなど
エリア
東京・港区
特徴
高さ約330mの超高層ビルを含む、緑と一体の大規模な街区
虎ノ門ヒルズ
主な事業者
森ビルなど
エリア
東京・港区
特徴
複数の超高層ビルからなる、交通結節点と一体の街区
TOKYO TORCH(常盤橋)
主な事業者
三菱地所
エリア
東京・千代田区(常盤橋・東京駅前)
特徴
日本一の高さを目指すTorch Towerを含む大規模再開発
東京ミッドタウン八重洲
主な事業者
三井不動産など
エリア
東京・中央区(東京駅前)
特徴
オフィス・商業・バスターミナルを組み合わせた複合施設
日本橋の再開発
主な事業者
三井不動産
エリア
東京・中央区
特徴
室町などの街区を一体で再生する長期の再開発
渋谷の再開発
主な事業者
東急・東急不動産など
エリア
東京・渋谷
特徴
駅周辺の複数の街区を再開発する大規模な街づくり
読み解き

主要な大型再開発を、中心的な事業者とエリアでみると、各社が得意とする街区での街づくりが見えてきます。森ビルは港区の麻布台ヒルズや虎ノ門ヒルズで「ヒルズ」と呼ばれる複合的な街区を、三菱地所は東京駅前の常盤橋でTOKYO TORCHを手がけています。三井不動産は東京ミッドタウン八重洲や日本橋、東急・東急不動産は渋谷で再開発を進めています。森ビルは上場していませんが、大規模な都市再生を専門とする中核的な事業者です。

これらの再開発は、いずれも複数の事業者が共同で手がけることが多く、地権者や行政との調整を重ねながら長期にわたって進められます。一つのプロジェクトが完成すると、新たなオフィスや商業の床が生まれ、街の機能とともに各社の収益基盤も厚くなります。

大型再開発は各社の収益にどう効くのか

完成後の賃貸床が収益基盤になる

大型再開発が完成すると、新たなオフィスや商業の賃貸床が生まれ、各社の賃貸事業の規模が広がります。都心の一等地の超高層ビルは、高い賃料が見込めるうえ、長期にわたって安定した収入を生むため、各社の収益基盤を厚くします。再開発でつくった賃貸床を長く保有することが、安定収益の土台になります。

長期の開発パイプライン

各社は、進行中の再開発に加えて、数年先に着工・完成する開発のパイプライン(着工や完成を控えた再開発の計画)を抱えています。次々と再開発を完成させることで、賃貸床が段階的に積み上がり、中長期にわたって収益が伸びる見通しを持てます。用地の仕込みからパイプラインをどれだけ厚く持てるかが、各社の将来の成長を左右します。

保有資産の価値と含み益

都心の一等地に大型のビルを保有することは、各社の保有資産の価値を高めます。長期保有によって取得時から地価が上昇すると、保有不動産の含み益(時価が帳簿上の価格を上回る差額)も大きくなります。再開発は、賃料収入と資産価値の両面で各社の財務を支える事業です。

主要論点

なぜ容積率の緩和が、大型再開発を後押しするのか?

容積率の緩和は、大型再開発の採算を成り立たせる重要な要素です。通常の規制では建てられる延べ床面積に上限がありますが、都市再生の制度で容積率が緩和されると、より大きなビルを建てられます。延べ床面積が増えれば、賃貸や分譲できる面積が増え、事業として得られる収益も大きくなります。

大型再開発は、用地の取得や地権者の調整、長い工期などに多額の費用がかかります。容積率の緩和によって建てられる床が増えることで、これらの費用を回収し、事業の採算を確保できるようになります。緩和がなければ採算が合わず、再開発が進まないケースも少なくありません。

その代わりに、事業者は広場や歩行者の通路、防災機能などの公共貢献を整備します。容積率の緩和という事業者の利益と、街への貢献を引き換えにすることで、民間の力を使った都市の再生が進む仕組みです。制度と事業の採算がかみ合うことで、大型再開発が後押しされています。

大型再開発は、なぜ長期の事業になるのか?

大型再開発が長期の事業になるのは、多くの段階を踏む必要があるためです。まず、街区に土地や建物を持つ多くの地権者の合意を得ることから始まります。それぞれの権利を新しいビルの床に置き換える調整には、時間と粘り強い交渉が必要で、ここだけで何年もかかることがあります。

合意が整っても、都市計画の手続き、設計、既存の建物の解体、超高層ビルの建設と、工程が長く続きます。とくに大規模なビルの建設には数年を要し、構想から完成まで十数年に及ぶ再開発も珍しくありません。その間、経済環境や建築費が変動するリスクを負いながら、資金を投じ続けることになります。

この長さが、総合デベロッパーの強みが生きる理由でもあります。長期にわたって資金を投じ続ける体力と、地権者や行政との調整を進めるノウハウ、完成後に運営する力を併せ持つ事業者でなければ、大型再開発は担えません。長期の事業を完遂できることが、各社の競争力の一つです。

再開発は、各社の競争力にどう関わるのか?

大型再開発は、総合デベロッパーの将来の収益を左右する重要な事業です。再開発で生まれた賃貸床は、完成後に長期の賃料収入を生み、各社の収益基盤を厚くします。どれだけ多くの再開発を、どれだけ良い立地で進められるかが、各社の成長を支えます。

再開発を進めるには、用地を仕込む力、地権者をまとめる力、長期の事業を支える資金力、そして完成後に街を運営する力が必要です。これらを併せ持つ総合デベロッパーは限られ、大型再開発は大手が強みを発揮する領域です。長年にわたって特定の街区にかかわってきた事業者ほど、その街の再開発で優位に立ちます。

各社は、進行中の再開発に加えて、次の開発のパイプラインを厚く持つことで、中長期の成長の見通しを描いています。都心の好立地の用地は限られ、その仕込みをめぐる競争も続いています。街づくりの力とパイプラインの厚みが、各社の長期の競争力を形づくっています。

よくある質問

都市再生特別地区とは何ですか?
国の都市再生特別措置法にもとづいて、民間による都市の再開発を促すために定められる都市計画の制度です。都市の国際競争力を高め、老朽化した市街地を更新することを目的に、再生が必要とされる地区で活用されます。中心となるのは容積率の緩和で、その代わりに事業者が広場や防災機能などの公共貢献を整備します。
麻布台ヒルズやTOKYO TORCHは、どの会社の再開発ですか?
麻布台ヒルズや虎ノ門ヒルズは、港区で大規模な都市再生を手がける森ビルなどが中心の再開発です。森ビルは上場していませんが、「ヒルズ」と呼ばれる複合的な街区を専門とする中核的な事業者です。TOKYO TORCH(常盤橋の再開発)は三菱地所が東京駅前で進める再開発で、日本一の高さを目指すTorch Towerを含みます。
容積率の緩和とは何ですか?
容積率は、敷地に対して建てられる延べ床面積の割合のことです。都市再生の制度で容積率が緩和されると、通常の規制を超えて大きなビルを建てられるようになり、超高層の複合ビルが可能になります。延べ床面積が増えることで再開発の採算が成り立ちやすくなり、その代わりに事業者は広場や歩行者の通路などの公共貢献を整備します。
大型再開発はなぜ完成まで長くかかるのですか?
街区に土地や建物を持つ多くの地権者の合意形成から始まり、都市計画の手続き、設計、既存建物の解体、超高層ビルの建設と、多くの段階を踏むためです。地権者の権利を新しいビルの床に置き換える調整に時間がかかるうえ、大規模なビルの建設にも数年を要し、構想から完成まで十数年に及ぶこともあります。
大型再開発の情報の出典は何ですか?
都市再生特別地区や容積率の緩和などの制度は国土交通省の情報、主要な再開発プロジェクトの事業者やエリア・特徴は各社のIR・プレスリリース・コーポレートサイトが出典です。再開発は複数の事業者が共同で手がける場合が多く、本ページでは中心的な事業者を示しています。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    国土交通省 (都市再生特別措置法・都市再生特別地区)
  2. 2.
    各社IR・プレスリリース・コーポレートサイト
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