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不動産仲介の業界構造|宅建業者13万社と大手・地場・FC・ポータルの分散【2026年版】

不動産仲介業界は、宅地建物取引業者が全国に132,291業者(2024年度末)あり、その約98%にあたる129,133業者が一つの都道府県内で営業する知事免許の事業者という、地場の中小が極めて多い分散した構造です。プレイヤーは、総合不動産グループや信託・銀行系の大手直営、地域密着の地場専業、看板を共有するフランチャイズ、そして物件情報を集めるポータルに整理できます。本ページでは、この業態の枠組みと、なぜこれほど多くの事業者が併存するのかを整理します。

不動産仲介の業態(大手直営・地場専業・フランチャイズ・ポータル)

大手直営・地場専業・フランチャイズ・ポータルという業態の枠組みと、地場中小が多い分散した構造

不動産仲介業界の構造は、大手直営・地場専業・フランチャイズ・ポータルという業態の枠組みで捉えられます。総合不動産グループや信託・銀行系の大手は直営店舗で取扱高の上位を占めますが、業者数のうえではごく一部です。大多数は、一つの都道府県内で営業する知事免許の地場専業で、これに中小が看板を共有して加盟するフランチャイズが加わります。ポータルは仲介会社とは役割が異なり、物件情報と集客を担う基盤です。132,291業者という事業者数の多さが、この業界の分散した構造を支えています。

大手直営
特徴
総合不動産グループや信託・銀行系が直営の店舗網を展開。取扱高は上位だが、業者数のうえではごく一部
代表的なプレイヤー
三井のリハウス・東急リバブル・住友不動産販売・野村の仲介+・信託銀行系
地場専業
特徴
一つの都道府県内で営業する知事免許の中小が中心。業者数の大半を占め、地域の物件情報や顧客との関係に強み
代表的なプレイヤー
各地域の独立した中小事業者(知事免許が全体の約98%)
フランチャイズ(FC)
特徴
中小の事業者が共通の看板・システム・集客の仕組みを使って加盟する形態。本部がブランドと運営を支える
代表的なプレイヤー
センチュリー21・ピタットハウス・ハウスドゥ・アパマンショップ など
ポータル運営
特徴
仲介そのものではなく、物件情報を集めて掲載し、集客を担う基盤。仲介会社が物件を掲載し問い合わせを得る
代表的なプレイヤー
SUUMO(リクルート)・LIFULL HOME'S(LIFULL)・アットホーム

業態の枠組み — 大手直営・地場専業・FC・ポータル

不動産仲介のプレイヤーは、事業の成り立ちによって大きく4つに整理できます。大手直営は、三井のリハウスや東急リバブル、住友不動産販売、野村の仲介+といった総合不動産グループの仲介会社や、信託・銀行系の仲介会社で、直営の店舗網を持ち取扱高の上位を占めます。

地場専業は、特定の地域で営業する独立した中小事業者です。後述するとおり業者数の大多数を占め、地域の物件情報や売主・買主との関係に強みを持ちます。フランチャイズは、こうした中小が共通の看板やシステムを使って加盟する形態で、本部がブランド力や集客の仕組みを提供します。

ポータルは、SUUMOやLIFULL HOME'S、アットホームのように、物件情報を集めて掲載し集客を担う基盤で、仲介そのものを行うわけではありません。仲介会社が物件を掲載して問い合わせを得る場であり、仲介とは役割が異なります。ポータルの集客の仕組みは、集客・ポータルのページで詳しく扱います。

地場専業と超分散 — 13万社の大半は地域の中小

この業界の最大の特徴は、事業者数が多く分散していることです。宅地建物取引業者は2024年度末で132,291業者あり、このうち一つの都道府県内で営業する知事免許が129,133業者と、全体の約97.6%を占めます。複数都道府県に展開する大臣免許は3,158業者にとどまり、大手でも全国に占める割合は小さいのが実態です。

これほど多くの事業者が併存するのは、仲介業の特性によります。仲介は大きな設備投資がなくても少人数で開業でき、開業の障壁が比較的低いため、地域に根ざした中小事業者が数多く生まれます。また、物件選びや会社選びでは、地域の物件情報や評判、担当者との関係が重視され、全国規模だけでは差がつきにくいことも、地場専業が価値を保ちやすい背景です。

宅地建物取引士の登録者は全国で約121万人にのぼり、各事業者に取引士が配置されています。業者数は11年連続で増加しており、2024年度末は前年から1,708業者(1.3%)増えました。多数の事業者が競う構造のなかで、特定の企業が業界全体を占めるわけではありません。

フランチャイズ(FC) — 中小が看板と仕組みを共有

地場の中小事業者の選択肢の一つが、フランチャイズへの加盟です。センチュリー21、ピタットハウス、ハウスドゥ、アパマンショップ(賃貸中心)などの本部が、共通の看板・店舗運営の仕組み・集客の支援を提供し、加盟店はこれを使って営業します。

フランチャイズの利点は、独立した中小でも、本部のブランド力や全国的な知名度、物件情報のネットワーク、研修やシステムを活用できることです。看板の信頼や集客の仕組みを借りることで、単独の地場専業よりも顧客の獲得や運営の効率で有利になります。

一方、加盟店は本部に加盟金やロイヤルティを支払い、運営の方針に一定程度従います。地域密着の独立性を保ちながら大手に対抗する手段として、フランチャイズは地場の中小と大手直営の中間的な位置づけにあります。

ポータル運営 — 仲介でなく集客の基盤

ポータルは、SUUMO(リクルート)、LIFULL HOME'S(LIFULL)、アットホームに代表される、物件情報を集めて掲載するサイトです。これらは不動産の仲介そのものを行うのではなく、仲介会社が物件を掲載し、問い合わせ(反響)を得るための集客の基盤を提供しています。

仕組みとしては、仲介会社がポータルに物件を掲載し、掲載料や反響に応じた費用を支払います。利用者は複数社の物件をまとめて検索でき、気になる物件があれば掲載している仲介会社に問い合わせます。ポータルは、大手から地場の中小まで多くの仲介会社が利用する共通のインフラとなっています。

したがって、ポータルの運営会社は仲介業者ではなく、業者数の集計にも含まれません。仲介会社にとっては集客の重要な手段であり、その課金モデルや反響営業の仕組みは、集客・ポータルのページで詳しく扱います。

宅地建物取引業者数の推移(2005-2024年度、業者)

事業者の数の推移。2024年度末は132,291業者で、11年連続の増加。取引量や取扱高とは別の指標
単位: 業者
037,50075,000112,500150,000131,25105125,83210123,24915127,21520132,29124
出典: 国土交通省「宅地建物取引業法の施行状況調査結果」(各年度末現在の免許業者数)
年度20052006200720082009201020112012201320142015201620172018201920202021202220232024
宅地建物取引業者数業者131,251130,647129,991127,702126,582125,832123,922122,510122,127122,631123,249123,416123,782124,451125,638127,215128,597129,604130,583132,291
前年比
読み解き

宅地建物取引業者の数は、2005年度の約13万業者から2013年度の約12.2万業者まで緩やかに減少した後、再び増加に転じ、2024年度末には132,291業者となりました。リーマン・ショック後の落ち込みからの回復を経て、近年は中古流通の拡大や不動産業への参入を背景に、11年連続で増加しています。

この数字は事業者の数であり、取引の件数や金額(取扱高)とは別の指標です。事業者が増えていることは、新規参入のしやすさと市場の裾野の広さを示しますが、一社あたりの取引規模は事業者によって大きく異なります。市場の取引量は市場規模のページ、大手各社の取扱高は主要プレイヤーのページで扱います。

免許区分別の宅地建物取引業者数(2024年度末、業者)

一つの都道府県内で営業する知事免許と、複数都道府県に展開する大臣免許の内訳。知事免許が大半を占める
項目業者数(業者)構成比シェア
知事免許(地域密着の中小が中心)129,13397.6%
大臣免許(複数都道府県に展開)3,1582.4%
宅地建物取引業者 合計132,291100.0%
読み解き

宅地建物取引業者を免許区分で見ると、一つの都道府県内で営業する知事免許が129,133業者(約97.6%)を占め、複数の都道府県に事務所を置く大臣免許は3,158業者(約2.4%)にとどまります。知事免許の比率の高さが、地域に密着した中小事業者が大多数を占める分散した構造を端的に示しています。

近年は個人経営から法人化が進み、2024年度末では法人が119,902業者、個人が12,389業者です。法人の数が増え個人が減る傾向が続いていますが、その多くは依然として一つの地域で営業する中小事業者です。免許区分の内訳は、大手直営が業者数のうえではごく一部にすぎないことを裏づけています。

主要論点

なぜ不動産仲介業界はこれほど多くの事業者に分散しているのか?

宅地建物取引業者は全国に132,291業者あり、その約97.6%が一つの都道府県内で営業する知事免許の事業者です。大手でも全国に占める割合は小さく、特定の企業が業界全体を占める構造にはなっていません。

背景には、仲介業の特性があります。仲介は大きな設備投資を必要とせず、少人数で開業できるため、開業の障壁が比較的低いのが特徴です。物件と買主・売主を仲介する事業は在庫を抱える必要がなく、宅地建物取引士を配置すれば地域で営業を始められます。このため、地域に根ざした中小事業者が数多く生まれます。

また、会社選びでは地域の物件情報や評判、担当者との関係が重視され、全国規模の知名度だけでは差がつきにくいことも、地場専業が価値を保ちやすい理由です。こうした要因が重なり、大手直営から地場専業、フランチャイズまでが多層的に併存する分散した構造が続いています。

大手と地場・フランチャイズはどう役割を分担しているのか?

大手直営は、総合不動産グループや信託・銀行系の仲介会社で、直営の店舗網と知名度、グループの開発・分譲や金融の顧客基盤を背景に、とくに都市部や高額物件で存在感を持ちます。取扱高や手数料収入の上位は、これらの大手が占めます。

一方、地場専業は、地域の物件情報や顧客との長年の関係に強みを持ち、その地域ならではの取引を担います。フランチャイズは、こうした中小が共通の看板や集客の仕組みを使うことで、独立性を保ちながら大手に対抗する手段です。地域密着の強みを生かしつつ、本部のブランド力や物件ネットワークを活用できます。

このように、大手は規模と信用力で、地場は地域密着で、フランチャイズはその中間で、それぞれの強みを生かして併存しています。ただし、ここでいう分散は事業者の数についての話で、取引額(取扱高)でみたシェアとは別の見方になります。大手の取扱高が大きいことは事実で、都市部や高額物件では大手への集中もみられますが、事業者の数のうえでは多数の中小が競う構造です。取引額でみた各社の規模やシェアは、主要プレイヤーのページで扱います。

業界構造はこれからどう変わっていくのか?

分散した構造のなかでも、いくつかの変化が進んでいます。第一に、個人経営から法人化への移行です。2024年度末では法人119,902業者・個人12,389業者で、法人の数が増え個人が減る傾向が続いています。事業の継続性や信用力を高める動きといえます。

第二に、事業の多角化です。仲介に加えて、物件を買い取って再販する買取再販や、フランチャイズ展開、賃貸管理など、収益源を広げる事業者が増えています。中古流通の拡大を背景に、仲介を軸にしながら関連事業へ広げる動きがみられます。

第三に、不動産テックの参入です。オンラインでの物件提案やAIによる価格査定、電子契約など、技術を生かした新しいプレイヤーや仕組みが加わっています。ただし、これらが進んでも、地域密着の地場専業が大多数を占める分散した基本構造は当面続くとみられます。

中期見通し

近未来1-2年

宅地建物取引業者数は、中古流通の拡大や不動産業への参入を背景に、当面は増加基調が続くとみられます。個人経営から法人化への移行も続き、大手直営・地場専業・フランチャイズ・ポータルが役割を分けながら併存する基本構造は維持される見通しです。

中期3-5年

不動産テックの参入や事業の多角化(買取再販・賃貸管理など)が、業態の境界を少しずつ変えていくと見られます。フランチャイズによる中小の組織化や、技術を生かした集客・取引の効率化が進む一方、地域密着の強みを持つ地場専業の比重は大きく残ると考えられます。

長期

人口減少と中古流通の拡大が、業界構造の長期の方向を決めます。事業者の新陳代謝が進むなかで、地域での信頼や専門性を持つ事業者と、規模や技術で効率を高める事業者が、それぞれの強みで残っていくとみられます。分散した構造のなかで、法人化やテック化がどこまで進むかが焦点です。

よくある質問

不動産仲介業界はどんな構造になっていますか?
大手直営・地場専業・フランチャイズ・ポータルという業態に整理できます。総合不動産グループや信託・銀行系の大手は直営店舗で取扱高の上位を占め、地域密着の地場専業が業者数の大多数を占めます。中小が看板を共有するフランチャイズが加わり、ポータルは仲介でなく集客の基盤を担います。宅地建物取引業者は全国に132,291業者あり、分散した構造が特徴です。
宅地建物取引業者は全国に何社ありますか?
2024年度末で132,291業者です(11年連続で増加)。このうち一つの都道府県内で営業する知事免許が129,133業者(約97.6%)、複数都道府県に展開する大臣免許が3,158業者です。宅地建物取引士の登録者は全国で約121万人にのぼります。
なぜ不動産仲介会社はこんなに多いのですか?
仲介は大きな設備投資がなくても少人数で開業でき、在庫を抱える必要もないため、開業の障壁が比較的低いことが理由です。会社選びでは地域の物件情報や評判、担当者との関係が重視され、全国規模の知名度だけでは差がつきにくいため、地域に根ざした中小事業者が数多く併存しています。
大手の仲介会社と地場の仲介会社は何が違いますか?
大手直営は総合不動産グループや信託・銀行系で、直営店舗網と知名度、グループの開発・分譲や金融の顧客基盤を背景に都市部や高額物件で強みを持ちます。地場専業は地域の物件情報や顧客との関係に強く、その地域ならではの取引を担います。中小が大手に対抗する手段として、共通の看板を使うフランチャイズへの加盟もあります。
SUUMOやHOME'Sは不動産仲介会社ですか?
いいえ。SUUMO(リクルート)やLIFULL HOME'S(LIFULL)、アットホームは、物件情報を集めて掲載するポータルで、仲介そのものは行いません。仲介会社が物件を掲載して問い合わせを得るための集客の基盤です。業者数の集計にも含まれません。集客の仕組みや課金モデルは、集客・ポータルのページで扱います。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    国土交通省「宅地建物取引業法の施行状況調査結果」(令和6年度)
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