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住宅リフォームの市場規模|市場の推移と将来性【2026年版】

日本の住宅リフォーム市場の規模は、住宅リフォーム・紛争処理支援センターの推計で2024年に約7.0兆円、矢野経済研究所の推計で7兆3,470億円となっています。新築住宅が減るなかでも、既存住宅の改修需要に支えられて近年は横ばいで推移しています。市場規模の数字は調査機関によって含める範囲が異なり、約7〜8兆円の幅で示されます。本ページでは、市場規模の長期の推移・工事別の内訳・各推計の違い・今後の見通しを順に整理します。

市場規模・狭義(2024年)
7.0兆円
増築・改築工事費と設備等の修繕維持費の合計。6年ぶりに前年をわずかに下回る
出典: 住宅リフォーム・紛争処理支援センター「住宅リフォーム市場規模」(2024年版)
市場規模・矢野経済研究所(2024年)
7.3兆円
7兆3,470億円、前年比0.5%減。家具・インテリア等を含む
出典: 矢野経済研究所「住宅リフォーム市場に関する調査」(2025年)
市場規模・広義(2024年)
8.3兆円
8兆2,800億円。狭義に分譲マンションの大規模修繕等を加えた試算
出典: 住宅リフォーム・紛争処理支援センター「広義のリフォーム市場規模(試算)」(2024年版)

住宅リフォーム市場規模(狭義)の推移(1989-2024年、兆円)

増改築・改修工事費と設備等の修繕維持費の積み上げ。1989年3.4兆円から2000年代に7兆円前後へ拡大し、近年は横ばい
単位: 兆円
増改築・改修工事費設備等の修繕維持費
0.002.004.006.008.003.40893.5990919293945.2995969798995.3000010203045.2905060708095.0210111213145.9315161718196.05202122237.0024
出典: 住宅リフォーム・紛争処理支援センター「住宅リフォーム市場規模」(1989-2024年)
年度198919901991199219931994199519961997199819992000200120022003200420052006200720082009201020112012201320142015201620172018201920202021202220232024
増改築・改修工事費兆円1.221.261.301.351.201.221.181.211.020.950.850.760.750.710.670.690.690.700.540.560.420.420.430.420.540.560.480.510.450.440.430.390.420.410.480.47
設備等の修繕維持費兆円2.182.332.763.072.983.324.114.534.4244.284.544.484.904.774.364.604.114.164.203.984.604.825.015.565.505.455.115.305.285.605.666.086.456.536.53
合計(兆円3.403.594.064.424.184.545.295.745.444.955.135.305.235.615.445.055.294.814.704.764.405.025.255.436.106.065.935.625.755.726.036.056.506.867.017
前年比+5.6%+13.1%+8.9%-5.4%+8.6%+16.5%+8.5%-5.2%-9.0%+3.6%+3.3%-1.3%+7.3%-3.0%-7.2%+4.8%-9.1%-2.3%+1.3%-7.6%+14.1%+4.6%+3.4%+12.3%-0.7%-2.1%-5.2%+2.3%-0.5%+5.4%+0.3%+7.4%+5.5%+2.2%-0.1%
読み解き

住宅リフォーム市場(狭義)は、1989年の3.4兆円からバブル期以降に拡大し、2000年代に入って7兆円前後で推移するようになりました。積み上げの内訳は、内装・水回り・外装などの増改築・改修工事費と、設備や部材の保守・交換にあたる設備等の修繕維持費で、合計が狭義の市場規模にあたります。

内訳をみると、市場の大半を占めるのは設備等の修繕維持費です。2024年は増改築・改修工事費が0.5兆円、設備等の修繕維持費が6.5兆円で、住宅ストックの設備更新や保守の需要が市場を支えていることがわかります。新築の着工が減る局面でも、既存住宅の維持・更新の需要は底堅く推移しています。

住宅リフォーム市場規模(狭義)の内訳(2024年、兆円)

増改築・改修工事費と設備等の修繕維持費の2区分。合計が狭義の市場規模にあたる
項目市場規模(兆円)構成比シェア
増改築・改修工事費0.476.7%
設備等の修繕維持費6.5393.3%
狭義の市場規模7100.0%
読み解き

2024年の狭義の市場規模 約7.0兆円のうち、設備等の修繕維持費が6.5兆円と大半を占めます。給湯器・キッチン・浴室などの設備の交換や、屋根・外壁の保守といった、住宅を使い続けるための維持・更新の工事が中心です。増改築・改修工事費は0.5兆円で、間取り変更を伴う改装や増築などが含まれます。住宅ストックが積み上がるほど、設備の更新需要が市場を支える構図が強まっています。

住宅リフォーム市場規模の主な推計・統計

同じ「住宅リフォーム市場」でも、調査機関や統計によって含める範囲が異なる。金額を比べるときは範囲の確認が必要
矢野経済研究所
住宅リフォーム市場
市場規模
7兆3,470億円
含める範囲
家具・インテリア等を含み、マンションの大規模修繕の一部を除く
性質
暦年・民間推計
紛争処理支援センター(狭義)
住宅リフォーム市場規模
市場規模
約7.0兆円
含める範囲
増築・改築工事費と設備等の修繕維持費の合計
性質
暦年・公的推計
紛争処理支援センター(広義)
広義のリフォーム市場規模(試算)
市場規模
8兆2,800億円
含める範囲
狭義に分譲マンションの大規模修繕などを加えた試算
性質
暦年・公的推計
国土交通省(受注高)
建築物リフォーム・リニューアル調査
市場規模
4兆503億円(四半期)
含める範囲
住宅と非住宅を合わせた受注額(住宅単独ではない)
性質
受注ベース・別の集計
住生活基本計画(政策目標)
既存住宅取引+リフォーム
市場規模
16.9兆円→20兆円
含める範囲
中古住宅の取引とリフォームを合わせた市場
性質
政策目標・別の範囲
読み解き

住宅リフォームの市場規模としてよく使われる数字には、複数の推計・統計があり、含める範囲が異なります。紛争処理支援センターの狭義(約7.0兆円)は増築・改築と設備の修繕維持に絞った範囲で、広義(8兆2,800億円)は分譲マンションの大規模修繕などを加えた試算です。矢野経済研究所の7兆3,470億円は家具・インテリアなどを含む独自の範囲です。

これらは範囲が違うため、単純に合算したり、優劣を比べたりはできません。さらに、国土交通省の建築物リフォーム・リニューアル調査の受注額(四半期で4兆503億円)は住宅と非住宅を合わせた受注ベースで、住宅単独の市場規模とは集計が異なります。住生活基本計画の16.9兆円は中古住宅の取引まで含めた政策目標で、これも範囲が異なります。市場規模を引用するときは、どの範囲の数字かを確認することが大切です。

主要論点

なぜ推計によって市場規模の金額が違うのか?

住宅リフォームの市場規模は、調査機関や統計によって約7兆円から8兆円超まで幅があります。これは推計が間違っているのではなく、何をリフォームに含めるかという範囲の取り方が異なるためです。

紛争処理支援センターは、増築・改築工事費と設備等の修繕維持費に絞った狭義(約7.0兆円)と、分譲マンションの大規模修繕などを加えた広義(8兆2,800億円)の2通りを示しています。矢野経済研究所は家具・インテリアなども含めて7兆3,470億円としています。同じ「リフォーム」でも、設備の交換だけを指すのか、家具の買い替えまで含めるのかで金額は変わります。

さらに、国土交通省の建築物リフォーム・リニューアル調査は住宅と非住宅を合わせた受注額を集計しており、住宅単独の市場規模とは性質が異なります。市場規模の数字を読むときは、どの範囲を集計した数字かを確認することが、誤解を避けるうえで欠かせません。

新築住宅が減るなかで、約7兆円の市場は今後どうなるのか?

住宅リフォーム市場は、約7兆円規模で横ばいに推移しています。新設住宅着工戸数は長期的に減少傾向にありますが、既存住宅のストックは積み上がっており、その維持・更新の需要が市場を底支えしています。市場規模(狭義)の大半を占めるのも、設備等の修繕維持費です。

今後の需要を左右する要素として、高経年の住宅やマンションの増加が挙げられます。築年数の経過した住宅では設備の更新や外装の改修が必要になり、マンションでは計画的な大規模修繕の需要が続きます。また、省エネ改修や耐震改修など、補助金や税制に後押しされた需要も市場を支えています。

一方で、リフォームの工事件数は物価上昇の影響などで減少する局面もあり、1件あたりの単価上昇が金額を支える側面もあります。新築の減少を改修需要がどこまで補えるかが、中期的な市場の方向を決めることになります。

中古住宅の流通とリフォームはどうつながるのか?

住宅リフォームの市場は、中古住宅の流通と深くつながっています。中古住宅を購入した人が入居前後に改修を行うケースは多く、中古流通が活発になれば、それに伴うリフォーム需要も増えます。

国は、住生活基本計画で既存住宅の取引とリフォームを合わせた市場規模を、2023年の16.9兆円から2042年に20兆円へ広げる目標を掲げています。これは中古住宅の取引額を含む範囲で、リフォーム単独の市場規模(約7兆円)とは対象が異なりますが、ストックを活かす方向を政策として後押しするものです。

中古住宅を買い取って改修し再販する買取再販の動きも広がっており、中古流通とリフォームを一体でとらえる見方が強まっています。新築中心から既存住宅の活用へという住宅市場全体の流れのなかで、リフォームの位置づけは大きくなっています。

中期見通し

近未来1-2年

2026-2027年も、住宅リフォーム市場は約7兆円規模で横ばいに推移するとみられます。新築住宅の着工が伸び悩むなかでも、住宅ストックの設備更新や保守の需要は底堅く、市場を支えます。省エネ改修を支援する補助金や、リフォーム促進税制などの政策による後押しが続くことも、需要を下支えする要因です。一方で、物価や人件費の上昇でリフォーム工事の原価が上がり、1件あたりの単価上昇が金額を支える局面が続きます。

中期3-5年

中期では、高経年の住宅とマンションの増加が需要を押し上げます。築年数が経過した住宅では設備の更新や外装の改修が必要になり、分譲マンションでは12〜15年周期の計画的な大規模修繕の需要が積み上がります。中古住宅の流通とリフォームを一体でとらえる動きも広がり、買取再販などを通じてストック活用型の需要が拡大する見通しです。市場規模が大きく増えるというより、新築減を改修需要が補う形で横ばいから緩やかな底堅さが続くと考えられます。

長期

長期では、人口減少と世帯数の頭打ちが住宅市場全体の基調を決めます。新築の縮小が続くなかで、住宅政策の重心は新築からストック活用へ移り、リフォームと中古流通を合わせた市場を広げる方向が続く見通しです。住生活基本計画が掲げる既存住宅取引とリフォームを合わせた20兆円への拡大目標も、この流れを示しています。省エネ・耐震・バリアフリーなど性能向上の改修が政策の重点であり続けるなか、住宅ストックの質を高める改修が、長期の市場を支える中心になっていきます。

よくある質問

住宅リフォームの市場規模はどのくらいですか?
2024年で約7兆円です。住宅リフォーム・紛争処理支援センターは、増築・改築と設備の修繕維持を合わせた狭義で約7.0兆円、分譲マンションの大規模修繕などまで広げた広義で8兆2,800億円としています。矢野経済研究所は家具などを含めて7兆3,470億円(前年比0.5%減)と推計しています。いずれも約7〜8兆円の規模で、近年は横ばいに推移しています。
推計によって市場規模の金額が違うのはなぜですか?
何をリフォームに含めるか、という範囲の取り方が調査機関によって異なるためです。設備の交換に絞るのか、分譲マンションの大規模修繕や家具の買い替えまで含めるのかで金額が変わります。さらに、国土交通省の受注額の統計は住宅と非住宅を合わせた集計で、住宅単独の市場規模とは性質が異なります。金額を比べるときは、どの範囲の数字かを確認することが大切です。
「狭義」と「広義」の住宅リフォーム市場は何が違いますか?
紛争処理支援センターの狭義は、増築・改築工事費と設備等の修繕維持費を合わせた範囲で、2024年に約7.0兆円です。広義は、これに分譲マンションの大規模修繕などを加えた試算で、8兆2,800億円になります。本ページの推移グラフは狭義の市場規模を示しています。
住宅リフォーム市場は長期でどう推移してきましたか?
市場規模(狭義)は、1989年の3.4兆円から2000年代にかけて7兆円前後まで拡大し、その後は大きく増えも減りもせず横ばいで推移しています。新築住宅の着工が長期的に減るなかでも、既存住宅の設備更新や保守の需要が市場を支えてきました。
新築が減ると、リフォーム市場は伸びますか?
新築の減少がそのままリフォームの増加につながるわけではありませんが、住宅ストックが積み上がることで、設備更新や大規模修繕の需要は底堅く推移します。国もストック活用を政策として後押ししており、中古住宅の取引とリフォームを合わせた市場を16.9兆円から20兆円へ広げる目標を掲げています。市場規模が急拡大するというより、新築減を改修需要が補う形で横ばいから底堅さが続くとみられます。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    住宅リフォーム・紛争処理支援センター「住宅リフォーム市場規模」(2024年版)
  2. 2.
    矢野経済研究所「住宅リフォーム市場に関する調査」(2025年)
  3. 3.
    国土交通省「建築物リフォーム・リニューアル調査」
  4. 4.
    国土交通省「住生活基本計画(全国計画)」(令和8-17年度)
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