リフォーム業界の市場規模・主要企業・動向
日本の住宅リフォーム市場は約7兆円規模で横ばいに推移し、多数の事業者が分散して担うストック活用型の成熟市場です。
住宅リフォーム・リノベーション業界とは、既存住宅の修繕・設備更新・性能向上の改修工事を、施工会社・住宅メーカー・設備建材メーカーなどが手がける産業です。市場規模は2024年に約7兆円で、新築住宅が減るなかでも近年は横ばいで推移しています。工事の中身は内装や水回りの改装・改修が中心で、省エネ・耐震・バリアフリーなど目的別の需要が補助金や減税に支えられています。事業者は住宅メーカー系・専業・設備建材・家電量販の4つの業態にまたがって分散し、有力な非上場企業も中核を担うため、集客と受注経路の確保が共通の論点です。本ページでは、日本の住宅リフォーム業界を、市場規模、工事種別、プレイヤー構造、集客・販路、政策・制度の5軸で整理します。
業界サマリ
業界概要
住宅リフォーム業界とは、既存住宅の修繕・設備更新・性能向上の改修工事を、施工会社・住宅メーカー・設備建材メーカーなどが手がける産業です。市場規模は2024年に約7兆円で、新築住宅が減るなかでも改修需要に支えられて横ばいで推移する成熟市場となっています。
- 市場規模は約7兆円で横ばいに推移しています。新築住宅が減るなかでも、既存住宅の改修需要が市場を底支えしており、安定したストック型の市場となっています。
- 事業者は4つの業態にまたがって大きく分散しています。住宅メーカー系・専業・設備建材・家電量販の事業者が市場を構成し、地域の工務店から全国展開の大手まで多様な規模が共存しています。
- 省エネ・耐震・介護など目的別の需要を補助金や減税が下支えしています。住宅省エネ2026キャンペーンやリフォーム促進税制が、断熱改修や水回り改修などの需要を後押ししています。
市場動向
住宅リフォーム市場は、約7兆円規模で横ばいに推移しています。新築住宅が減少するなかでも、既存住宅の改修需要に支えられて安定しています。市場規模は推計機関によって含める範囲が異なり、約7〜8兆円の幅で示されています。
- 市場規模は2024年に約7兆円で横ばいに推移しています。住宅リフォーム・紛争処理支援センターは増築・改築と設備の修繕維持の合計で約7兆円、矢野経済研究所は家具なども含めて7兆3,470億円と推計しています。
- 工事の中身では改装・改修が中心を占めています。令和6年度の住宅向け受注では改装・改修工事が3兆2,517億円と最も大きく、設備の保全・修繕、増築や一部改築がこれに続いています。
- 国は中古取引とリフォームを合わせた市場を広げる方針を示しています。住生活基本計画は、中古住宅の取引を含めた市場規模を2023年の16.9兆円から2042年に20兆円へ拡大する目標を掲げています。
競争環境
日本の住宅リフォーム業界では、住宅メーカー系・専業・設備建材・家電量販の4つの業態にまたがる多様な事業者が活動しています。リフォーム事業売上で上位の企業でも市場全体に占める割合は小さく、有力な非上場企業も中核を担う分散した構造で、集客と受注経路の確保、施工品質や消費者保護への対応が共通の論点となっています。
- 住宅メーカー系がリフォーム事業売上で上位に位置します。積水ハウスグループ(約1,838億円)・大和ハウスグループ(約1,786億円)・住友不動産ハウジング(約1,180億円)などが、グループのリフォーム事業として展開しています。
- 専業大手には有力な非上場企業が含まれます。全国110店舗のニッカホーム(約643億円)などが専業として存在し、各地域の工務店も多数活動するため、売上首位でも市場全体に占める割合は小さい分散構造です。
- 設備建材と家電量販も改修需要に関わっています。LIXIL・TOTO・日本ペイントなどが窓・水回り・塗料で供給側を支え、エディオン・ヤマダなどの家電量販系もリフォーム事業を広げています。
市場規模推移
1989-2024 · 住宅リフォーム市場規模(狭義) / リフォーム市場規模(広義)住宅リフォーム市場規模・狭義の推移 (1989-2024年、兆円)
| 年度 | 1989 | 1990 | 1991 | 1992 | 1993 | 1994 | 1995 | 1996 | 1997 | 1998 | 1999 | 2000 | 2001 | 2002 | 2003 | 2004 | 2005 | 2006 | 2007 | 2008 | 2009 | 2010 | 2011 | 2012 | 2013 | 2014 | 2015 | 2016 | 2017 | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 | 2024 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 増改築・改修工事費(兆円) | 1.22 | 1.26 | 1.30 | 1.35 | 1.20 | 1.22 | 1.18 | 1.21 | 1.02 | 0.95 | 0.85 | 0.76 | 0.75 | 0.71 | 0.67 | 0.69 | 0.69 | 0.70 | 0.54 | 0.56 | 0.42 | 0.42 | 0.43 | 0.42 | 0.54 | 0.56 | 0.48 | 0.51 | 0.45 | 0.44 | 0.43 | 0.39 | 0.42 | 0.41 | 0.48 | 0.47 |
| 設備等の修繕維持費(兆円) | 2.18 | 2.33 | 2.76 | 3.07 | 2.98 | 3.32 | 4.11 | 4.53 | 4.42 | 4 | 4.28 | 4.54 | 4.48 | 4.90 | 4.77 | 4.36 | 4.60 | 4.11 | 4.16 | 4.20 | 3.98 | 4.60 | 4.82 | 5.01 | 5.56 | 5.50 | 5.45 | 5.11 | 5.30 | 5.28 | 5.60 | 5.66 | 6.08 | 6.45 | 6.53 | 6.53 |
| 合計(兆円) | 3.40 | 3.59 | 4.06 | 4.42 | 4.18 | 4.54 | 5.29 | 5.74 | 5.44 | 4.95 | 5.13 | 5.30 | 5.23 | 5.61 | 5.44 | 5.05 | 5.29 | 4.81 | 4.70 | 4.76 | 4.40 | 5.02 | 5.25 | 5.43 | 6.10 | 6.06 | 5.93 | 5.62 | 5.75 | 5.72 | 6.03 | 6.05 | 6.50 | 6.86 | 7.01 | 7 |
| 前年比 | — | +5.6% | +13.1% | +8.9% | -5.4% | +8.6% | +16.5% | +8.5% | -5.2% | -9.0% | +3.6% | +3.3% | -1.3% | +7.3% | -3.0% | -7.2% | +4.8% | -9.1% | -2.3% | +1.3% | -7.6% | +14.1% | +4.6% | +3.4% | +12.3% | -0.7% | -2.1% | -5.2% | +2.3% | -0.5% | +5.4% | +0.3% | +7.4% | +5.5% | +2.2% | -0.1% |
リフォーム市場規模・広義の推移 (1989-2024年、兆円)
| 年度 | 1989 | 1990 | 1991 | 1992 | 1993 | 1994 | 1995 | 1996 | 1997 | 1998 | 1999 | 2000 | 2001 | 2002 | 2003 | 2004 | 2005 | 2006 | 2007 | 2008 | 2009 | 2010 | 2011 | 2012 | 2013 | 2014 | 2015 | 2016 | 2017 | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 | 2024 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| リフォーム市場規模(広義)(兆円) | 5.78 | 6.13 | 6.75 | 7.06 | 6.93 | 7.52 | 8.12 | 9.06 | 8.06 | 7.27 | 7.49 | 7.45 | 7.19 | 7.31 | 7.01 | 6.56 | 6.79 | 6.22 | 5.97 | 6.06 | 5.61 | 6.37 | 6.50 | 6.74 | 7.49 | 7.37 | 7.10 | 6.82 | 6.87 | 6.90 | 7.28 | 7.31 | 7.64 | 8.08 | 8.25 | 8.28 |
| 前年比 | — | +6.1% | +10.1% | +4.6% | -1.8% | +8.5% | +8.0% | +11.6% | -11.0% | -9.8% | +3.0% | -0.5% | -3.5% | +1.7% | -4.1% | -6.4% | +3.5% | -8.4% | -4.0% | +1.5% | -7.4% | +13.5% | +2.0% | +3.7% | +11.1% | -1.6% | -3.7% | -3.9% | +0.7% | +0.4% | +5.5% | +0.4% | +4.5% | +5.8% | +2.1% | +0.4% |
日本の住宅リフォーム市場は、住宅リフォーム・紛争処理支援センターの推計で2024年に約7兆円となっています。バブル期以降、新築住宅が減るなかでも改修需要に支えられて長期的に拡大し、近年は横ばいで推移しています。2024年は増築・改築と設備の修繕維持を合わせた狭義で前年をわずかに下回りました。
市場規模は、何を含めて数えるかによって金額が変わります。矢野経済研究所は家具なども含めて7兆3,470億円、住宅リフォーム・紛争処理支援センターは分譲マンションの大規模修繕などまで広げた広義で8兆2,800億円と推計しています。いずれの推計でも、約7〜8兆円の規模で安定して推移しています。
工事の中身では、内装や水回りなどの改装・改修が中心です。国土交通省の調査では、令和6年度の住宅向け受注のうち改装・改修工事が3兆2,517億円と最も大きく、設備の保全・修繕、増築や一部改築がこれに続いています。
需要の担い手をみると、持ち家の約3割(28.8%)が直近で改修を行い、省エネ・介護・耐震など目的別の改修も広がっています。一度リフォームした世帯が再び実施する傾向もあり、初めてリフォームする世帯の割合は45.4%まで下がっています。築年数の経過した住宅やマンションの修繕需要が、市場を底支えしています。
住宅リフォームの需要は、補助金と税制に後押しされています。省エネ改修では住宅省エネ2026キャンペーンの4事業が、窓や給湯器の断熱・省エネ化を支援し、リフォーム促進税制は耐震・バリアフリー・省エネなどの工事に所得税で最大60〜80万円の控除を用意しています。
国は、中古住宅の取引とリフォームを合わせた市場を広げる方針を示しています。住生活基本計画は、両者を合わせた市場規模を2023年の16.9兆円から2042年に20兆円へ拡大する目標を掲げています。これは中古住宅の取引を含む範囲の目標で、リフォーム単独の市場規模とは対象が異なります。
主要トピック
業界構造
主要プレイヤー / サプライヤー / 流通 / 需要住宅リフォーム業界は、内装・水回り・外装・設備の更新から、間取り変更や性能向上の大規模改修まで、幅広い工事を扱う産業です。工事の中身は、内装や水回りなどの改装・改修が中心で、設備の保全・修繕、増築や一部改築がこれに続いています。
担い手は、住宅メーカー系・専業・設備建材・家電量販の4つの業態にまたがって広がっています。地域の工務店から全国展開の大手まで、規模も得意分野もさまざまな事業者が市場を構成しており、特定の数社が市場の大半を占める構造にはなっていません。
リフォーム事業の売上では、積水ハウスグループ(約1,838億円)・大和ハウスグループ(約1,786億円)などの住宅メーカー系が上位に位置します。一方で、売上首位の企業でも市場全体(約7兆円)に占める割合は小さく、専業大手のニッカホーム(約643億円)など有力な非上場企業も中核を担う、分散した構造となっています。
設備建材ではLIXIL・TOTO・日本ペイントなどが改修需要の供給側を支え、家電量販系ではエディオン・ヤマダがリフォーム事業を広げています。多数の事業者が分散するなかで、集客と受注経路の確保が各社共通の競争軸となっています。
住宅リフォームには、需要を後押しする制度と、利用者を守る仕組みが整えられています。省エネ改修の補助金(住宅省エネ2026キャンペーン)やリフォーム促進税制が需要を下支えし、中古住宅の取引とリフォームを合わせて広げるストック活用政策が方向性を示しています。
参入のしやすい分散した業界であるため、消費者保護の役割も重要です。住宅リフォーム・紛争処理支援センターの相談窓口「住まいるダイヤル」には累計52万件を超える相談が寄せられ、登録事業者団体制度などが施工品質やトラブル対応の目安となっています。
業界の3大論点
住宅リフォーム業界は、住宅メーカー系・専業・設備建材・家電量販の4業態にまたがり、地域の工務店から全国展開の大手まで多数の事業者が分散しています。リフォーム事業売上で首位の積水ハウスグループでも約1,838億円で、市場全体の約7兆円に占める割合は小さく、特定の数社が市場の大半を占める構造にはなっていません。こうした分散した業界では、いかに利用者と出会い、受注につなげるかが事業の要となります。
集客の手段は多様化しています。一括見積もりサイトでは、ホームプロが110万人以上の利用者を集め、リショップナビが約4,000社、ハピすむが約1,000社の施工会社を加盟させて、利用者と地域の会社をつないでいます。これらの会員数や成約件数は各社が公表する数値で、市場全体の集客規模を示すものではありませんが、分散した業界での新たな受注経路として広がっています。地域に密着したチラシや紹介、リフォーム専門店の店舗網も、引き続き重要な経路です。
今後は、ポータルサイト経由・地域密着・異業種からの参入など、複数の集客手段を組み合わせる動きが続く見通しです。家電量販店がリフォーム事業を広げているように、既存の顧客基盤を持つ事業者が改修需要を取り込む動きもあります。集客力の差が、分散した業界での成長の分かれ目となりそうです。
住宅リフォーム市場は、約7兆円規模で横ばいに推移しています。新築住宅の着工が長期的に減少するなかでも、既存住宅の改修需要に支えられて市場は安定しており、ストック型の市場としての性格を強めています。住宅リフォーム・紛争処理支援センターの推計では、増築・改築と設備の修繕維持を合わせた狭義で約7兆円、分譲マンションの大規模修繕などまで広げた広義で8兆2,800億円と、いずれも安定して推移しています。
今後の需要を左右する要素はいくつかあります。第1は高経年住宅・マンションの増加で、築年数の経過した住宅の設備更新や、マンションの大規模修繕の需要が市場を底支えします。第2は中古住宅の流通との連動で、中古を購入してリフォームする動きが広がれば、改修需要も押し上げられます。第3は空き家対策で、増え続ける空き家の活用が新たな改修需要を生む可能性があります。
国は、中古住宅の取引とリフォームを合わせた市場を、2023年の16.9兆円から2042年に20兆円へ広げる目標を掲げています。これは中古取引を含む範囲の目標で、リフォーム単独の市場とは対象が異なりますが、ストック活用を後押しする政策の方向性を示しています。新築の減少を改修需要がどこまで補えるかが、中期的な市場推移の鍵となる見通しです。
リフォームの需要は、補助金と税制に強く後押しされています。省エネ改修では、住宅省エネ2026キャンペーンの4事業が窓や給湯器の断熱・省エネ化を支援し、リフォーム促進税制は耐震・バリアフリー・省エネなどの工事に所得税で最大60〜80万円の控除を用意しています。耐震改修や長期優良住宅化リフォームにも個別の補助制度があり、政策が需要を生み出す構造が定着しています。
こうした政策誘導型の需要には、事業者にとっての利点と難しさの両面があります。利点は、補助金が利用者の負担を下げ、改修のきっかけを作ることです。一方で、補助制度は年度ごとに内容や予算が変わり、人気の事業は予算上限に早く達することもあるため、制度の最新情報を把握し、申請の実務を支える対応力が求められます。利用者にとって制度は分かりにくいことも多く、事業者が適切に案内できるかが受注に影響します。
今後も、住宅ストックの省エネ化や耐震化、高齢化に対応したバリアフリー化は、政策の重点であり続ける見通しです。事業者にとっては、補助金や減税を利用者に分かりやすく示し、申請を含めて伴走できる体制が、政策誘導型の需要を取り込むうえで重要になりそうです。
よくある質問 (FAQ)
住宅リフォームの市場規模はどれくらいですか?
リフォームとリノベーションはどう違いますか?
リフォーム会社の売上ランキング上位はどこですか?
リフォームで使える補助金や減税にはどんなものがありますか?
マンションの大規模修繕は周期や費用はどれくらいですか?
介護・バリアフリーのリフォームに介護保険は使えますか?
リフォームの一括見積もりサイトはどんな仕組みですか?
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