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カフェ・喫茶市場の規模と推移【2026年版】

日本のカフェ・喫茶市場は、外食産業の市場規模推計の喫茶店区分で2023年に1兆1,892億円(前年比+19.9%)となり、新型コロナ前の2019年(1兆1,784億円)を上回りました。2020年には外出自粛で8,055億円まで落ち込んでおり、3年かけて回復しました。市場規模は集計の対象範囲によって数字が変わり、チェーンのコーヒーショップに絞った民間調査では2023年を5,015億円としています。市場規模の推移・集計範囲の違い・コーヒー消費との関係まで順に整理します。

喫茶店市場規模(2023年)
1兆1,892億円
喫茶店区分、前年比+19.9%でコロナ前を上回る
出典: 食の安全・安心財団/日本フードサービス協会「外食産業市場規模推計」
コロナ前2019年
1兆1,784億円
2023年はこの水準を上回り回復
出典: 食の安全・安心財団「外食産業市場規模推移」(1975-2023)
コーヒー国内消費量(2025年)
39.7万トン
国内全消費(家庭+業務+外食)、2016年のピークから緩やかに減少
出典: 全日本コーヒー協会「コーヒー需給表」
喫茶代(2024年・1世帯当たり)
9,837
二人以上世帯の年間支出、コロナ前2019年(7,832円)を上回る
出典: 総務省「家計調査」二人以上世帯

喫茶店市場規模の推移(2000-2023年、億円)

2000年代は1兆円台で推移し、2020年に8,055億円まで落ち込んだあと、2023年に1兆1,892億円まで回復(コロナ前2019年を上回る)
読み解き

喫茶店市場は2019年に1兆1,784億円の水準にありましたが、新型コロナの外出自粛で2020年に8,055億円(前年比-31.6%)まで落ち込みました。その後3年かけて回復し、2023年は1兆1,892億円(前年比+19.9%)と、コロナ前の2019年を上回りました。外食全体がまだコロナ前を下回るなかで、喫茶店区分はいち早く回復した形です。

さらに長期で見ると、喫茶店市場は1982年の1兆7,396億円をピークに、個人経営の喫茶店の減少を背景に長く縮小してきました。近年の回復はチェーンの拡大が主に支えており、市場規模の数字の裏では、店の担い手が個人店からチェーンへと入れ替わる二極化が進んでいます。

このグラフに関連するトピック

カフェ市場規模の集計範囲別(2023年)

「喫茶店市場」と「コーヒーショップ市場」は、対象とする店の範囲(母集団)が異なるため数字が変わる
読み解き

「カフェ市場の規模」として使われる数字には、対象範囲の異なる複数のものがあります。外食産業の推計の喫茶店区分(1兆1,892億円、2023年)は、フルサービス式(コメダなど)・セルフ式(スターバックスなど)のチェーンから個人経営の喫茶店までを含む、喫茶店業の全体を対象とする公的な推計です。

一方、富士経済のコーヒーショップ市場(5,015億円、2023年)は、セルフ式のチェーンを中心に対象を絞った民間調査で、母集団が小さいぶん金額も小さくなります。どちらも正しい数字ですが、引用するときは「喫茶店業の全体」か「セルフ式チェーン中心」かを確認する必要があります。なお、コーヒーの国内消費量(39.7万トン)や家計の喫茶代は、市場規模(売上)とは別の指標です。

主要論点

カフェ・喫茶市場はコロナ前を上回ったのか?

喫茶店区分の市場規模は、2023年に1兆1,892億円となり、新型コロナ前の2019年(1兆1,784億円)を上回りました。2020年に8,055億円まで落ち込んだ底から3年で回復し、外食全体がまだコロナ前の水準に届かないなかで、喫茶店はいち早く回復しています。

回復を支えているのは、主にチェーンの拡大値上げです。家計調査の喫茶代(1世帯当たりの年間支出)は、2024年に9,837円と、コロナ前の2019年(7,832円)を上回りました。値上げやフードメニューの拡充で、1世帯が1年間にカフェ・喫茶店で使う金額が増えています。

一方で、これは喫茶店という業態全体の数字です。個人経営の喫茶店は長期的に減り続けており、回復はチェーンが主導しています。市場規模の回復と、店の担い手の入れ替わり(二極化)は、分けて見る必要があります。

「1兆1,892億円」と「5,015億円」、どちらがカフェ市場の規模なのか?

カフェ市場の規模として使われる数字には、喫茶店区分の1兆1,892億円(2023年)と、コーヒーショップ市場の5,015億円(2023年)の2つがあり、対象とする店の範囲が異なります。前者は外食産業の推計の一区分で、フルサービス式(コメダなど)・セルフ式(スターバックスなど)のチェーンから個人経営の喫茶店までを含む、喫茶店業の全体です。

後者は富士経済の民間調査で、セルフ式のチェーンを中心に対象を絞ったものです。母集団が小さいぶん金額も小さくなりますが、チェーンのコーヒーショップ市場の動きを見るには適しています。

どちらかが正しくて他方が誤り、というわけではありません。市場規模を引用するときは、「喫茶店業の全体」を見たいのか、「セルフ式チェーンに絞った市場」を見たいのかによって、使う数字を選ぶ必要があります。「カフェ市場〇〇億円」という表現を見たら、対象範囲を確認することが大切です。

コーヒー消費量が減るなかで、喫茶店市場はなぜ伸びているのか?

一見すると、コーヒーの国内消費量は2016年のピーク(47.3万トン)から2025年の39.7万トンへ緩やかに減っている一方、喫茶店市場は回復しており、逆の動きに見えます。ただし、この2つは別の範囲・別の指標を測っているため、単純な矛盾ではありません。

喫茶店市場(売上)は、外食の喫茶店・カフェで提供される飲食の売上です。これに対してコーヒーの国内消費量は、家庭・業務用・外食を合わせた国内全体の消費量で、その多くは家庭での消費です。家庭でのコーヒー消費が緩やかに減る一方、外食のカフェ・喫茶店の売上は、チェーンの出店拡大と値上げで伸びています。

つまり、「飲まれるコーヒーの量」は国全体で緩やかに減っていても、「カフェ・喫茶店という場所で使われるお金」は、店舗網の拡大と値上げで増えている、という多面的な構図です。コーヒー豆の相場や値上げの背景は、コーヒー豆とコストのページで詳しく扱います。

中期見通し

近未来1-2年

2026-2027年は、値上げによる単価の上昇が市場規模を支える構図が続くとみられます。喫茶代(家計調査)はコロナ前を上回る水準まで戻っており、訪日外国人の需要も追い風です。一方で、コーヒー豆の高騰や人件費の上昇が続くなか、値上げに対する客離れをどう抑えるかが各チェーンの課題となります。

中期3-5年

中期では、個人経営の喫茶店の減少とチェーンの出店という二極化が続く見通しです。市場規模(売上)はチェーン主導で底堅く推移するとみられますが、コーヒーの国内消費量自体は緩やかな減少が続く可能性があり、1店舗当たり・1人当たりの単価をどこまで高められるかが成長を左右します。

長期

長期では、在宅勤務の定着やサードプレイス(自宅・職場に次ぐ第3の居場所)としての需要が、カフェの位置づけを支えます。市場規模の数字を読む際は、喫茶店業の全体(公的推計)とセルフ式チェーン中心(民間調査)の区別、および金額推計の公表ラグを踏まえることが前提となります。

よくある質問

カフェ・喫茶市場の規模はどのくらいですか?
外食産業の市場規模推計の喫茶店区分で、2023年に1兆1,892億円(前年比+19.9%)です(食の安全・安心財団/日本フードサービス協会)。新型コロナ前の2019年(1兆1,784億円)を上回り、2020年の8,055億円という底から回復しました。チェーンのコーヒーショップに対象を絞った民間調査(富士経済)では2023年を5,015億円としており、対象範囲によって数字が変わります。
「喫茶店市場1兆1,892億円」と「コーヒーショップ市場5,015億円」は何が違いますか?
対象とする店の範囲が異なります。1兆1,892億円の喫茶店区分は、フルサービス式(コメダなど)・セルフ式(スターバックスなど)のチェーンから個人経営の喫茶店までを含む、喫茶店業の全体を対象とする公的な推計です。5,015億円のコーヒーショップ市場は、富士経済がセルフ式チェーンを中心に対象を絞った民間調査で、母集団が小さいぶん金額も小さくなります。
カフェ市場はコロナ前まで回復しましたか?
喫茶店区分の市場規模は2023年に1兆1,892億円となり、コロナ前の2019年(1兆1,784億円)を上回りました。2020年に8,055億円まで落ち込んだ底から3年で回復しています。外食全体はまだコロナ前の水準に届いていませんが、喫茶店区分はいち早く回復しました。回復は主にチェーンの拡大と値上げが支えています。
日本のコーヒー消費量は減っているのですか?
コーヒーの国内消費量(家庭+業務用+外食の合計)は、2016年のピーク(47.3万トン)から2025年に39.7万トンへ緩やかに減っています(全日本コーヒー協会)。ただし、これは国内全体の消費量で、その多くは家庭での消費です。外食のカフェ・喫茶店の市場(売上)は、チェーンの出店拡大と値上げで伸びており、消費量とは別の動きをしています。
喫茶店市場のピークはいつですか?
喫茶店区分の市場規模は、1982年の1兆7,396億円が長期のピークです。その後、個人経営の喫茶店の減少を背景に長く縮小し、近年はチェーンの拡大で回復してきました。2023年の1兆1,892億円は、回復したとはいえ1982年のピークには届いていません。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    食の安全・安心財団/日本フードサービス協会「外食産業市場規模推計」(喫茶店区分)
  2. 2.
    全日本コーヒー協会「コーヒー需給表」
  3. 3.
    総務省「家計調査」二人以上世帯
  4. 4.
    富士経済「外食産業マーケティング便覧」
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