カフェ業界の市場規模・主要企業・動向
コーヒーや軽食を提供するカフェ・喫茶の市場は、2023年に1兆1,892億円へ回復し、個人経営の喫茶店が減る一方でチェーンが店舗を広げる二極化が進んでいます。
カフェ・喫茶業界とは、コーヒーや軽食を提供する喫茶店・コーヒー専門店と、セルフ式・フルサービス式のチェーンカフェからなる外食の一分野です。喫茶店市場は2023年に1兆1,892億円とコロナ前の2019年を上回り、スターバックス・ドトール・コメダなどのチェーンが店舗を広げる一方、個人経営の喫茶店は長く減少が続いています。2024年11月にはコーヒー生豆がニューヨーク市場で約47年ぶりの高値をつけ、円安と重なって各社が値上げを進めています。本ページでは、カフェ・喫茶業界を、市場規模、主要チェーン、業態構造、コーヒー豆相場とコスト、出店・フランチャイズの5軸で整理します。
業界サマリ
業界概要
カフェ・喫茶業界とは、コーヒーや軽食を提供する喫茶店・コーヒー専門店と、セルフ式・フルサービス式のチェーンカフェからなる外食の一分野です。コロナ禍で落ち込んだ市場は回復し、個人経営の喫茶店が減る一方でチェーンが店舗を広げる二極化が続いています。
- 喫茶店市場はコロナ前の水準まで回復しています。外食産業の推計では2023年の喫茶店市場が1兆1,892億円となり、2020年の落ち込みから3年で回復し、コロナ前の2019年を上回りました。
- チェーンの拡大と個人店の縮小が同時に進んでいます。スターバックスやドトール、コメダなどのチェーンが店舗を広げる一方、個人経営の喫茶店は後継者不足などを背景に長期的に減っています。
- コーヒー豆の高騰がコスト構造を圧迫しています。生豆が2024年に約47年ぶりの高値をつけ、円安も重なったため、各社が値上げで対応しています。
市場動向
喫茶店市場は2023年に1兆1,892億円へ回復し、コロナ前の2019年を上回りました。コーヒーの国内消費量は2025年に約39.7万トンで、2016年のピーク(約47万トン)から緩やかに減少しています。市場規模の数字は、集計の対象範囲によって異なります。
- 喫茶店市場は2023年に1兆1,892億円へ回復しています。2020年に8,055億円まで落ち込んだあと、前年比約2割増で3年かけて回復し、コロナ前の2019年(1兆1,784億円)を上回りました。
- コーヒーの国内消費量は2025年に約39.7万トンとなりました。2016年のピーク(約47万トン)から緩やかに減っていますが、家庭内の需要や訪日外国人の需要が下支えしています。
- 市場規模は集計の対象範囲によって数字が異なります。喫茶店を一区分とする外食産業の推計のほか、チェーンのコーヒーショップを対象とする民間調査では2023年を5,015億円としており、見る指標によって対象が変わります。
競争環境
日本のカフェ・喫茶業界では、セルフ式のカフェチェーン、フルサービス式の喫茶チェーン、個人経営の喫茶店、コンビニエンスストアのカウンターコーヒーなど、多様なプレイヤーが競い合っています。スターバックスやドトールがセルフ式で店舗数の上位を占め、コメダや星乃珈琲がフルサービス式で郊外を中心に広がる一方、個人経営の喫茶店も各地に根づいています。コーヒー豆コストへの対応、出店モデルの選択、サードプレイス需要の取り込みが、業態をまたいだ共通の論点となっています。
- セルフ式では店舗数で上位のチェーンが分かれています。スターバックスが国内首位を占め、ドトールやタリーズが続きます。スターバックスは米国本社が完全子会社化した非上場企業で、タリーズは伊藤園の子会社です。
- フルサービス式では事業モデルに違いがあります。コメダは店舗の多くをフランチャイズの加盟店が運営し、本部の出店投資が軽いモデルで高い利益率を保ち、星乃珈琲やルノアールが続きます。サンマルクはカフェに加えてベーカリーレストランなど複数の業態を持っています。
- コンビニコーヒーや個人店との競争も続いています。低価格のコンビニのカウンターコーヒーが広がる一方、地域に根づく個人経営の喫茶店や自家焙煎の専門店も独自の需要を持っています。
市場規模推移
2010-2023 · 喫茶店市場規模日本のカフェ・喫茶市場は、コロナ禍で大きく落ち込んだあと回復しています。外食産業の市場規模推計では、喫茶店の市場規模は2023年に1兆1,892億円となり、前年から約2割増えて、コロナ前の2019年(1兆1,784億円)を上回りました。2020年には外出自粛で8,055億円まで落ち込んでいたため、3年かけて回復した形です。
カフェ市場の規模は、集計の対象範囲によって数字が異なります。喫茶店を一区分とする外食産業の推計のほか、チェーンのコーヒーショップを対象とする民間調査では2023年のコーヒーショップ市場を5,015億円としています。前者は喫茶店業の全体を対象とする公的な推計、後者はセルフ式チェーンに対象を絞った民間調査で、数えている店の範囲が異なります。家計の喫茶代やコーヒーの消費量など、見る指標によっても対象が変わるため、複数の数字を併せて捉える必要があります。
カフェ・喫茶業界のコスト構造は、コーヒー生豆の相場と為替に大きく左右されます。生豆は2024年11月にニューヨーク市場で約47年ぶりの高値をつけ、円安と重なって仕入れコストが上昇しました。これを受けて、大手チェーンや個人店の多くが飲み物やフードの値上げを進めています。
需要の面では、国内のコーヒー消費量は2025年に約39.7万トンで、前年からは微減、2016年のピーク(約47万トン)からは緩やかに減少しています。猛暑によるホットコーヒー需要の減少や価格改定が影響した一方、家庭内の需要や訪日外国人の需要が下支えしました。原材料高に加えて人件費や最低賃金の上昇も続いており、上昇したコストをどう価格に転嫁するかが各社の課題となっています。
カフェの需要は、家庭内と訪日外国人の両面で下支えされています。在宅勤務の定着で家庭用のコーヒーが伸びる一方、訪日外国人の消費が2024年にコロナ前を上回り、観光地や都市部のカフェにとって追い風となっています。自宅や職場に次ぐ第3の居場所として使うサードプレイス需要も定着しつつあります。
一方で、競争の相手はカフェ業態の中だけではありません。コンビニエンスストアのカウンターコーヒーが低価格で広がり、ファストフードやファミリーレストランもコーヒー需要を取り込んでいます。各チェーンは、モバイル注文やキャッシュレス決済、新しい業態の開発などで差別化を進めています。
主要トピック
業界構造
主要プレイヤー / サプライヤー / 流通 / 需要日本のカフェ・喫茶業界には、注文と受け取りをセルフで行うセルフ式カフェ、着席してくつろぐフルサービス式の喫茶・カフェ、個人経営の喫茶店という業態があり、多くの事業者が競い合っています。セルフ式は低価格と回転の速さを、フルサービス式は居心地とフードメニューを強みとしています。
これらのチェーンに加えて、各地に根づく個人経営の喫茶店や、コンビニエンスストアのカウンターコーヒーも、コーヒーを飲む場や手段として競合します。チェーンが店舗を広げる一方で個人経営の喫茶店は長期的に減っており、業態ごとに異なる動きが見られます。
セルフ式では、スターバックスが店舗数で国内首位を占め、ドトールコーヒーやタリーズコーヒーが続きます。スターバックスは米国本社が完全子会社化した非上場企業で、タリーズは伊藤園の子会社です。フルサービス式では、コメダ珈琲店が郊外を中心に広がり、星乃珈琲店や喫茶室ルノアールが続きます。
各社の事業モデルは異なります。コメダは店舗の多くをフランチャイズの加盟店が運営し、本部の出店投資が軽い仕組みで高い利益率を保ち、収入は加盟店への食材の卸売が中心です。ドトールはセルフ式と星乃珈琲のフルサービス式を併せ持ち、サンマルクはカフェに加えてベーカリーレストランなど複数の業態を展開しています。
カフェ・喫茶業界の収益は、コーヒー生豆の相場と為替に左右されます。生豆は2024年11月にニューヨーク市場で約47年ぶりの高値をつけ、円安と重なって各社が値上げを進めました。上昇した原材料コストをどこまで価格に転嫁できるかが、各社の利益を分けています。
出店の面では、直営とフランチャイズで戦略が分かれます。直営は店舗運営を直接管理しやすく、フランチャイズは出店の速さと初期投資の軽さを強みとします。郊外のロードサイド、駅前、商業施設など、立地によって向いている業態も異なります。
業界の3大論点
なぜ個人経営の喫茶店が減る一方で、カフェ・喫茶市場はコロナ前を上回ったのか?
カフェ・喫茶市場は、個人経営の喫茶店の縮小とチェーンの拡大が同時に進む二極化が起きています。外食産業の推計では、喫茶店の市場規模は2023年に1兆1,892億円となり、コロナ前の2019年を上回りました。市場全体が回復する一方で、街の喫茶店の数は長期的に減り続けており、回復をけん引しているのは主にチェーンです。
背景には、いくつかの構造的な要因があります。個人経営の喫茶店は、店主の高齢化や後継者不足に加え、コーヒー豆や光熱費、人件費の上昇による経営の負担が重くなっています。一方でチェーンは、標準化された店舗運営や仕入れの規模を生かしてコストを抑え、郊外のロードサイドや商業施設へ出店を続けてきました。同じ「喫茶店」という区分の中で、担い手の入れ替わりが進んでいます。
この二極化は、業態ごとに異なる動きとして今後も続く見通しです。個人店は、自家焙煎や個性的な空間で専門店としての価値を高める店と、廃業による減少が並行します。チェーンは、フランチャイズや新しい業態で店舗網を広げます。市場規模の数字だけでは見えにくい、店の入れ替わりという視点が、業界を読むうえで重要になります。
コーヒー生豆の歴史的な高騰と円安に、各チェーンはどう価格転嫁しているのか?
カフェ・喫茶業界の利益は、コーヒー生豆の相場と為替に大きく左右されます。生豆は2024年11月にニューヨーク市場で約47年ぶりの高値をつけ、円安と重なって仕入れコストが大きく上昇しました。これを受けて、大手チェーンから個人店まで、飲み物やフードの値上げが相次いでいます。
価格転嫁の進め方は、業態や事業モデルによって分かれます。フルサービス式のチェーンは、フードメニューの拡充や高価格帯の商品の投入で客単価を引き上げる余地があります。一方、低価格を強みとするセルフ式のチェーンは、値上げが客足に響きやすいため、転嫁の幅を慎重に見極める必要があります。フランチャイズが中心のモデルでは、本部から加盟店への食材の卸売価格をいつ改定するかという、転嫁のタイミングも論点になります。
コスト上昇は豆だけにとどまりません。人件費や最低賃金の上昇、光熱費の高止まりも続いており、コスト全体をどこまで価格に反映できるかが各社の収益を分けます。価格を上げすぎれば客離れを招き、抑えれば利益が圧迫されるため、値上げと客数の両立が中長期の課題となる見通しです。
店舗数で首位のスターバックスに対し、コメダの郊外フランチャイズ型はなぜ伸びているのか?
カフェの店舗数ではスターバックスが国内首位を占め、都市部や商業施設を中心に直営で展開しています。これに対してコメダ珈琲店は、郊外のロードサイドを中心としたフルサービス式で店舗を広げ、異なる立地と業態でシェアを伸ばしてきました。同じカフェでも、両社は狙う立地も事業モデルも対照的です。
コメダの特徴は、店舗の多くを加盟店が運営するフランチャイズ中心の仕組みにあります。本部の収入は加盟店への食材の卸売が中心で、このモデルは本部の出店投資を抑えながら店舗網を広げやすく、2025年2月期の売上収益は470億円、営業利益率は18.7%と高い水準を保っています。長居しやすい空間とモーニングなどのフードが、郊外の幅広い世代の需要をつかんでいます。
もっとも、両社のモデルにはそれぞれ課題もあります。直営中心のスターバックスは出店の投資が重く、フランチャイズ中心のコメダは加盟店の確保や、コーヒー豆高騰の卸売価格への転嫁が論点になります。立地と業態がすみ分けられているため、両社は直接競合というより、それぞれの強みを生かして市場を広げている面が大きいと見られます。
よくある質問 (FAQ)
カフェ・喫茶市場の規模はどれくらいですか?
喫茶店とカフェに違いはありますか?
主要なカフェチェーンはどこですか?
コメダ珈琲はなぜフランチャイズが多いのですか?
スターバックスの日本での売上は公開されていますか?
コーヒー豆の値上がりはカフェにどう影響していますか?
日本の喫茶店の数は減っているのですか?
インバウンド需要はカフェの追い風になっていますか?
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