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GMS(総合スーパー)の市場規模|チェーン販売額の推移と横ばい【2026年版】

総合スーパー(GMS)の市場規模をとらえる代表的な数字が、日本チェーンストア協会の会員ベースの総販売額です。これは総合スーパーを中核とする大型チェーン(会員45社・9,531店)の総販売額で、2025年度に約12.85兆円(既存店前年比+2.1%)でした。この規模は10年以上ほぼ横ばいで、業態としては成長していません。総合スーパーには単一の市場統計がなく、集計範囲の異なる複数の統計を併せて見る必要があります。総販売額の推移、会員企業の異動の影響、統計ごとの規模の違いまで順に整理します。

総販売額(2025年度)
12.85兆円
日本チェーンストア協会(会員45社・9,531店)、128,528億円
出典: 日本チェーンストア協会「チェーンストア販売統計」
既存店前年比(2025年度)
+2.1%
店舗を調整した前年比。会員企業数の増減の影響を除いた業態の実勢
出典: 日本チェーンストア協会「チェーンストア販売統計」
会員企業数(2025年度)
45
店舗数9,531店。2016年度の56社から減少し、総販売額の絶対額に影響
出典: 日本チェーンストア協会「チェーンストア販売統計」
売場面積(2025年度)
2,250万㎡
会員企業の合計(会員の加入・脱退の影響を含む)。2016年度は約2,510万㎡
出典: 日本チェーンストア協会「チェーンストア販売統計」

チェーンストア総販売額の推移(2016-2025年度、兆円)

日本チェーンストア協会の会員ベース。約12兆円台でほぼ横ばい。絶対額は会員企業の加入・脱退の影響を含むため、業態の実勢は下表の既存店前年比で見る
読み解き

チェーンストア(総合スーパーを中核とする大型チェーン)の総販売額は、2016年度から2025年度まで約12〜13兆円台でほぼ横ばいに推移しています。2025年度は約12.85兆円でした。百貨店ほど縮小してはいないものの、成長業態ではありません。

グラフの絶対額には注意が必要です。協会の総販売額は会員企業の加入・脱退で大きく動くため、年ごとの増減がそのまま業態の好不調を表すわけではありません。たとえば2024年度は会員数が47社へ減ったことで前年から見かけ上減少しています。業態の実勢は、次の表の既存店前年比(店舗を調整した前年比)で確認します。

総販売額・既存店前年比・会員企業数の推移(年度)

総販売額の絶対額は会員企業の異動を含む。既存店前年比(店舗を調整した前年比)が会員異動の影響を除いた業態の実勢を示す
読み解き

総販売額の絶対額(左列)は会員企業の加入・脱退で動きますが、既存店前年比(中列)はおおむね±2%前後で推移し、業態の実勢は横ばい圏にあることがわかります。会員企業数(右列)は2016年度の56社から2025年度の45社へ減っています。たとえば2024年度は総販売額が前年から見かけ上減りましたが、既存店ベースでは前年を上回って(+1.4%)おり、絶対額の減少は会員企業の異動(47社へ減少)によるものです。一方で2025年度は会員がさらに45社へ減っても総販売額は微増しており、絶対額は会員の「数」だけでなく「どの規模の会員が動いたか」で変わります。年ごとの絶対額の増減を業態の好不調と読み替えないことが大切です。

市場規模の数字(集計範囲の違い)

総合スーパーには単一の市場統計がなく、集計範囲の異なる複数の統計がある。対象が異なるため単純に比較・合算できない
読み解き

総合スーパーの規模としてよく使われる数字には、日本チェーンストア協会の会員ベースの総販売額(2025年度12.85兆円)と、経済センサスの「百貨店,総合スーパー」の年間商品販売額(2021年7兆5,265億円、ただし百貨店を含む)があります。前者は会員チェーンの集計、後者は5年ごとの全数調査で百貨店を含むため、対象が異なり単純には比較・合算できません。各社の営業収益(個社実額)は集計範囲がさらに異なるため、主要企業の比較で別途整理します。

主要論点

なぜ総合スーパーの市場は横ばいなのか?

総合スーパーのチェーン販売額は、10年以上にわたって約12〜13兆円台でほぼ横ばいに推移しています。百貨店のように大きく縮小してはいませんが、コンビニのような成長もありません。背景には、業態としての成熟と、扱う商品の構造変化があります。

かつて総合スーパーは衣・食・住をワンストップで揃える成長業態でしたが、衣料品や住関品は専門店やECに顧客を奪われました。一方で食料品は実店舗での需要が残り、売上の柱として業態を下支えしています。つまり、衣料・住関の落ち込みを食料品が補う構図で、全体としては横ばいにとどまっているのです。売場面積も縮小しており、業態としては緩やかな縮小局面にあります。

成長が描きにくいなかで、各社は食品スーパーへの転換やショッピングセンター化、プライベートブランドの強化で収益力の維持を図っています。市場規模の横ばいは、業態の役割が「総合大型店」から「食品中心の生活拠点」へと変わりつつあることの表れです。

なぜ市場規模の数字が統計によって違うのか?

総合スーパーには、コンビニの販売額のような単一の代表的な統計がありません。よく使われるのは、日本チェーンストア協会の会員ベースの総販売額(2025年度12.85兆円)と、経済センサスの「百貨店,総合スーパー」の年間商品販売額(2021年7兆5,265億円)です。両者の水準が違うのは、集計範囲が異なるためです。

協会の数値は会員企業(総合スーパーを中核とする大型チェーン)の総販売額を集計したもので、会員の加入・脱退で絶対額が動きます。経済センサスは5年ごとの全数調査ですが、「百貨店,総合スーパー」という分類のため百貨店を含み、総合スーパー単独の数字ではありません。なお全数調査の経済センサス(7兆5,265億円)が協会の数字(12.85兆円)より小さいのは、経済センサスが事業所を業態で分類した数字であるのに対し、協会は会員チェーン企業の総販売額(食品スーパーなど他業態の店舗も含む企業単位の合計)を集計しており、対象の取り方が広いためです。各社の決算(個社の営業収益)はさらに集計範囲が異なります。

このため、市場規模を引用するときはどの統計の数字かを確認し、対象が異なる数字を単純に足し合わせないことが大切です。業態の規模感は協会の会員ベース、構造の把握は経済センサス、個社の規模は各社の決算、と使い分けるのが実務的です。

中期見通し

近未来1-2年

チェーン販売額は約12兆円台でほぼ横ばいが続く見通しです。物価上昇を背景に食料品の販売額は伸びる一方、衣料品・住関品の縮小が続き、業態としての成長は描きにくい状況です。各社は不採算店の閉鎖や食品スーパーへの業態転換を進めます。

中期3-5年

中期では、食品スーパー・フード&ドラッグへの転換とショッピングセンター化が進む見通しです。自社売場を食品中心に絞り込み、衣料・住関は専門店をテナントとして誘致して賃料収入を得るモデルへの移行が、収益力を左右します。

長期

長期では、人口減少と高齢化、ECの拡大が需要の基調を決めます。総合スーパーという業態は縮小が続く見通しですが、食品とショッピングセンター、プライベートブランドを軸に再定義する動きが続きます。市場規模を読む際は、統計ごとの集計範囲の違いを踏まえることが前提となります。

よくある質問

総合スーパー(GMS)の市場規模はどのくらいですか?
日本チェーンストア協会の会員ベースの総販売額は、2025年度に約12.85兆円(128,528億円、会員45社・9,531店、既存店前年比+2.1%)です。総合スーパーには単一の市場統計がなく、経済センサスの「百貨店,総合スーパー」(2021年7兆5,265億円、百貨店を含む)など、集計範囲の異なる統計を併せて見る必要があります。
総合スーパーの市場は成長していますか?
チェーンストアの総販売額は10年以上にわたって約12〜13兆円台でほぼ横ばいで、成長業態ではありません。会員企業の売場面積も2016年度の約2,510万平方メートルから2025年度の約2,250万平方メートルへ縮小しており、業態としては緩やかな縮小局面にあります。衣料品・住関品の落ち込みを食料品が補う構図です。
総販売額が年によって大きく増減するのはなぜですか?
日本チェーンストア協会の総販売額は会員企業の集計のため、会員の加入・脱退で絶対額が動きます。会員企業数は2016年度の56社から2025年度の45社へ減っており、規模の大きい会員が抜けると絶対額は大きく下がります。2024年度の前年からの見かけ上の減少も、既存店ベースでは前年を上回るなか、会員企業の異動によって生じたものです。業態の実勢は、会員の異動の影響を除いた既存店前年比(前年も今年も営業している同じ店で比べた前年比)で見るのが適切です。
総合スーパーと食品スーパーの市場規模は分けて見るべきですか?
分けて見るのが適切です。総合スーパー(GMS)は衣・食・住を扱う大型店、食品スーパーは食料品を中心とする小売店で、統計上も別の業態として区分されます。経済産業省の商業動態統計が示す「スーパー」は両方を含むため、総合スーパー単独より広い範囲を指します。対象が異なる数字を足し合わせないことが大切です。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    日本チェーンストア協会「チェーンストア販売統計」(チェーンストア販売概況)
  2. 2.
    総務省・経済産業省「経済センサス‐活動調査」(令和3年=2021)
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