最終更新
PLAYER DETAIL · MAJOR PLAYERS

BPO・コールセンター主要企業の比較|売上・事業規模【2026年版】

BPO・コールセンター業界の主要企業は、事業の出自によって見方を変える必要があります。コンタクトセンターの運営を本業とするトランス・コスモス(連結売上3,758.5億円)、ベルシステム24(同1,436.1億円)、ビーウィズ(同364.2億円)は、連結売上がほぼBPO本業にあたるため、財務を横並びで比較できます。一方、パーソル(連結14,512.4億円)やパソナ(同3,092.4億円)は連結売上の中心が人材派遣で、BPOは事業の一部のため、連結額で同列に並べると実態を見誤ります。主要企業の財務比較、プレイヤーの類型、集計範囲の注意点まで順に整理します。

トランス・コスモス連結売上
3,758.5億円
FY2025連結。BPO・コンタクトセンター・デジタルマーケティング大手(連結≈BPO本業)
出典: 各社IR・EDINET (連結財務、決算期は各社による)
ベルシステム24連結売上
1,436.1億円
FY2025連結。コンタクトセンター事業を中心とするBPO大手
出典: 各社IR・EDINET (連結財務、決算期は各社による)
ビーウィズ連結売上
364.2億円
FY2025連結。コンタクトセンター/BPO + システム「Omnia LINK」外販
出典: 各社IR・EDINET (連結財務、決算期は各社による)

BPO・コンタクトセンター専業3社の財務比較(連結、最新期)

連結売上がほぼBPO本業にあたる3社。人材派遣や印刷が主体の企業は集計範囲が異なるため、この比較には含めない
トランス・コスモス(FY2025)
連結売上高
3,758.5
営業利益
144.8
純利益
113.3
ROE
10
ベルシステム24(FY2025)
連結売上高
1,436.1
営業利益
115.9
純利益
80
ROE
11.7
ビーウィズ(FY2025)
連結売上高
364.2
営業利益
10.7
純利益
4.5
ROE
5
読み解き

コンタクトセンターの運営を本業とする3社は、連結売上の大半がBPO・コンタクトセンター事業にあたるため、財務を横並びで比較できます。連結売上ではトランス・コスモス(3,758.5億円)が最大で、デジタルマーケティングなども含む幅広い事業を展開しています。ベルシステム24(1,436.1億円)はコンタクトセンター事業を中心とし、ビーウィズ(364.2億円)はコンタクトセンター/BPOに加えて自社開発のシステム「Omnia LINK」を外部にも提供しています。

ROE(自己資本利益率=株主資本に対する純利益の割合)など収益性の指標は、各社の事業構成や決算期によって差があります。これらの数値は連結ベースであり、トランス・コスモスはデジタルマーケティング等を含む点に留意が必要です。また、3社の決算期は異なる(トランス・コスモスは3月期、ベルシステム24は2月期、ビーウィズは5月期)ため、最新期どうしの比較には時点のずれがあります。

主要プレイヤーの類型と集計範囲

連結売上がBPO本業に近い企業と、別事業が主体でBPOがセグメントの企業を区別する

主要プレイヤーは、連結売上がBPO本業に近いかどうかで4つに整理できます。BPO・コンタクトセンター専業の上場3社(トランス・コスモス、ベルシステム24、ビーウィズ)は連結≈BPO本業で比較しやすい一方、人材サービス系(パーソル、パソナ)と印刷系(TOPPAN、大日本印刷)は、連結売上の中心が別事業でBPOはその一部にあたります。これらを連結額で専業3社と同列に並べると、実態を見誤ります。

BPO・コンタクトセンター専業(上場)
代表的なプレイヤー
トランス・コスモス、ベルシステム24、ビーウィズ
集計範囲の注意
連結売上の大半がBPO・コンタクトセンター事業。財務の横並び比較が可能
人材サービス系(上場、BPOはセグメント)
代表的なプレイヤー
パーソル、パソナ
集計範囲の注意
連結売上の中心は人材派遣。BPOは事業の一部で金額のセグメント開示は限定的。連結額で専業と比較しない
印刷系(上場、BPOはセグメント)
代表的なプレイヤー
TOPPAN、大日本印刷
集計範囲の注意
連結売上の中心は印刷・情報関連。帳票・データプリント等のBPOを手がけるが連結はBPO以外が主体
非上場の大手
代表的なプレイヤー
アルティウスリンク、TMJ、コンセントリクス・ジャパン
集計範囲の注意
非上場のため連結財務の横並びはできない。アルティウスリンクは国内最大級のBPO事業規模とされる(報道)

BPO・コンタクトセンター専業(上場3社)

トランス・コスモス(連結売上3,758.5億円)は、コンタクトセンター・BPOに加えてデジタルマーケティングなどを展開する大手です。連結売上には複数の事業が含まれますが、BPO・コンタクトセンターが主力にあたります。ベルシステム24(同1,436.1億円)は、コンタクトセンター事業を中心とするBPO専業に近い構成です。

ビーウィズ(同364.2億円)は、コンタクトセンター/BPOの受託に加え、自社開発のコンタクトセンターシステム「Omnia LINK」を外部のセンターにも提供しています。3社は連結売上の大半がBPO・コンタクトセンター事業にあたるため、財務を横並びで比較しやすいのが特徴です。

人材サービス系・印刷系(上場、BPOはセグメント)

パーソル(連結14,512.4億円)とパソナ(同3,092.4億円)は、人材派遣・紹介を本業とする人材サービス大手です。人事・経理・総務などの間接部門のBPOを手がけていますが、連結売上の中心は人材派遣で、BPOは事業領域の一つにあたります。連結額をそのまま専業3社と比較すると「人材サービス大手が最大のBPO企業」という誤った理解につながるため、注意が必要です。

TOPPAN大日本印刷も、帳票やデータプリントに紐づくBPOを手がけますが、連結売上の中心は印刷・情報関連事業です。これらの企業のBPO事業の規模は、セグメント開示が限定的なため、本ページでは連結額での比較対象とせず、類型として位置づけています。

非上場の大手 — アルティウスリンクなど

上場企業以外にも、大手のBPO・コンタクトセンター事業者が存在します。アルティウスリンクは、りらいあコミュニケーションズとKDDIエボルバが2023年に統合して発足した会社で、KDDIと三井物産が出資しています。統合時点で国内最大級のBPO事業規模とされますが、非上場のため連結財務を横並びにすることはできません。

このほか、TMJ(セコム系)や、外資系のコンセントリクス・ジャパンなどもコンタクトセンターを手がけています。非上場企業については、財務を比較するのではなく、業界の主要な担い手として名前を押さえておくのが実務的です。

主要論点

なぜ連結売上だけでBPO企業を順位づけできないのか?

BPO・コールセンター業界の企業を比較するとき、最も注意すべきなのが連結売上の集計範囲の違いです。連結売上は、グループ全体の売上であり、BPO事業だけの売上ではありません。

コンタクトセンターを本業とするトランス・コスモス(3,758.5億円)、ベルシステム24(1,436.1億円)、ビーウィズ(364.2億円)は、連結売上の大半がBPO・コンタクトセンター事業にあたるため、連結額での比較が実態に近くなります。一方、パーソル(14,512.4億円)やパソナ(3,092.4億円)は、連結売上の中心が人材派遣で、BPOは事業の一部です。連結額だけを見ると人材サービス大手が「最大のBPO企業」に見えてしまいますが、これは集計範囲を取り違えた誤読です。

各社のBPO事業単独の売上は、セグメント開示が限定的で正確に比べることが難しいのが実情です。企業を比較するときは、連結売上なのか、BPO事業の売上なのかを必ず確認し、連結≈BPO本業の企業どうしで比べることが基本となります。

BPO・コンタクトセンター専業3社はどう違うのか?

連結売上がBPO本業に近い上場3社は、それぞれ事業の重心が異なります。トランス・コスモス(連結売上3,758.5億円)は3社で最大で、コンタクトセンター・BPOに加えてデジタルマーケティングやEC支援など幅広い事業を展開しています。BPOを核としながら、デジタル領域へ事業を広げている点が特徴です。

ベルシステム24(同1,436.1億円)は、コンタクトセンター事業を中心とするBPO専業に近い構成で、長年のコンタクトセンター運営の実績を持ちます。ビーウィズ(同364.2億円)は、コンタクトセンター/BPOの受託に加えて、自社開発のコンタクトセンターシステム「Omnia LINK」を外部にも提供する点が独自で、運営受託とシステム外販の両輪を持ちます。

3社とも、人手による運営に加えて、AIや自動化を組み合わせるデジタルBPOへの投資を進めており、人材確保とシステム化の両立が共通の経営課題となっています。

非上場の大手をどう位置づけるか?

BPO・コールセンター業界では、上場企業以外にも大手が存在します。代表がアルティウスリンクで、りらいあコミュニケーションズとKDDIエボルバが2023年に統合して発足し、KDDIと三井物産が出資しています。統合時点で拠点数・従業員数の面で国内最大級のBPO事業規模とされ、業界の主要な担い手の一つです。

ただし、アルティウスリンクは非上場であり、連結財務を上場企業と同じ形で横並びにすることはできません。同様に、TMJ(セコム系)や外資系のコンセントリクス・ジャパンなども、非上場または海外本社の子会社で、財務の比較は困難です。

このため、業界の規模感を企業単位で見るときは、上場企業の財務(連結≈BPO本業の3社)を軸にしつつ、非上場の大手は名前と事業規模の位置づけで押さえる、という見方が現実的です。市場全体の規模は、企業の合算ではなく、市場規模の調査(矢野経済研究所のBPO市場など)で捉えるのが適切です。

中期見通し

近未来1-2年

当面は、デジタルBPOへの投資が各社の競争力を左右するとみられます。BPO・コンタクトセンター専業3社は、人手による運営に加え、AI・自動化への投資を強めています。ビーウィズのように自社システムを外販する動きや、トランス・コスモスのようにデジタルマーケティングへ広げる動きなど、各社の差別化が進みます。

中期3-5年

中期では、人材サービス系・印刷系のBPO参入とあわせて、業界の再編が続くとみられます。アルティウスリンクのような大型統合は、規模の経済を狙う動きの一例です。連結とBPO事業の集計範囲の違いを踏まえつつ、各社がどの領域(コールセンター/事務/IT系)に強みを持つかが、選別の軸になります。

長期

長期では、労働人口の減少を背景に、人手の確保と自動化の両立が企業の優劣を決めます。企業比較を行う際は、連結売上とBPO事業売上の区別、上場と非上場の違いを踏まえることが前提です。市場全体の規模は企業の合算ではなく、市場規模の調査で捉えるのが適切です。

よくある質問

BPO・コールセンターの主要企業はどこですか?
コンタクトセンターを本業とする上場企業として、トランス・コスモス(連結売上3,758.5億円)、ベルシステム24(同1,436.1億円)、ビーウィズ(同364.2億円)があります。人材サービス大手のパーソル・パソナや、印刷系のTOPPAN・大日本印刷もBPOを手がけますが、これらは連結売上の中心が別事業です。非上場では、りらいあコミュニケーションズとKDDIエボルバが統合したアルティウスリンクが国内最大級とされます。
BPO企業の売上ランキングはありますか?
連結売上だけで単純にランキングすることはできません。連結売上はグループ全体の売上で、BPO事業だけの売上ではないためです。トランス・コスモス・ベルシステム24・ビーウィズは連結売上の大半がBPO本業にあたるため比較できますが、パーソル(連結14,512.4億円)やパソナ(同3,092.4億円)は人材派遣が中心で、連結額で並べると実態を見誤ります。各社のBPO事業単独の売上はセグメント開示が限定的です。
トランス・コスモスの売上はどのくらいですか?
トランス・コスモスのFY2025の連結売上高は3,758.5億円、営業利益は144.8億円です。BPO・コンタクトセンターに加えてデジタルマーケティングなどを含む連結ベースの数字で、コンタクトセンターを本業とする上場企業では最大規模です。
アルティウスリンクとはどんな会社ですか?
アルティウスリンクは、りらいあコミュニケーションズとKDDIエボルバが2023年に統合して発足したBPO・コンタクトセンター大手で、KDDIと三井物産が出資しています。統合時点で拠点数・従業員数の面で国内最大級のBPO事業規模とされます。非上場のため、連結財務を上場企業と同じ形で横並びにすることはできません。
パーソルやパソナはBPO企業ですか?
パーソルとパソナは、人材派遣・紹介を本業とする人材サービス大手で、人事・経理・総務などの間接部門のBPO・アウトソーシングも手がけています。ただし連結売上(パーソル14,512.4億円、パソナ3,092.4億円)の中心は人材派遣であり、BPOは事業領域の一つです。連結額をコンタクトセンター専業の企業と単純に比較することはできません。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    各社IR・EDINET(連結財務)
  2. 2.
    アルティウスリンク 会社発表・報道
📄 資料DL💬 無料相談