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BPO市場規模の推移と内訳|IT系・非IT系の二大構造【2026年版】

日本のBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング=社内業務を外部の専門事業者に継続的に委託して代行させる仕組み)の市場規模は、2024年度に5兆786.5億円(前年度比+4%、事業者売上高ベース)でした。内訳は、システム運用管理を担うIT系BPOが3兆1,220億円、コールセンターや人事・経理などを担う非IT系BPOが1兆9,566.5億円で、IT系が市場の約6割を占めます。市場は2023年度の4兆8,849.2億円から拡大が続いており、矢野経済研究所の予測では2029年度に5兆8,703.5億円まで伸びる見通しです(2025年度以降は予測値)。市場規模の推移、IT系と非IT系の成長の違い、他調査との集計範囲の違いまで順に整理します。

BPO市場全体(2024年度)
5.08兆円
5兆786.5億円、前年度比+4%(事業者売上高ベース)
出典: 矢野経済研究所「BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)市場に関する調査(2025年)」(事業者売上高ベース、2023-2029年度、2025年度以降は予測)
IT系BPO(2024年度)
3.12兆円
システム運用管理の代行、3兆1,220億円、前年度比+5.9%
出典: 矢野経済研究所「BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)市場に関する調査(2025年)」(事業者売上高ベース、2023-2029年度、2025年度以降は予測)
非IT系BPO(2024年度)
1.96兆円
コールセンター・人事・経理などの代行、1兆9,566.5億円、前年度比+1%
出典: 矢野経済研究所「BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)市場に関する調査(2025年)」(事業者売上高ベース、2023-2029年度、2025年度以降は予測)
BPO市場全体(2029年度予測)
5.87兆円
矢野経済研究所の予測値、5兆8,703.5億円(2025年度以降は予測)
出典: 矢野経済研究所「BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)市場に関する調査(2025年)」(事業者売上高ベース、2023-2029年度、2025年度以降は予測)

国内BPO市場規模の推移・予測(2023-2029年度、IT系・非IT系、兆円)

2023年度4.88兆円から2024年度5.08兆円(実績)、2029年度5.87兆円(予測)へ。2025年度以降は予測値
単位: 兆円
IT系BPO非IT系BPO
0.001.503.004.506.004.89235.08245.27255.42265.57275.71285.8729
出典: 矢野経済研究所「BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)市場に関する調査(2025年)」(事業者売上高ベース、2023-2029年度、2025年度以降は予測)
読み解き

BPO市場は、2023年度の4.88兆円から2024年度の5.08兆円(実績)へ拡大し、矢野経済研究所の予測では2029年度に5.87兆円へ伸びる見通しです(2025年度以降は予測値)。各年とも下段のIT系BPOが上段の非IT系BPOを上回り、IT系が市場の約6割を占める構造が続きます。

成長の主役はIT系BPOです。企業のクラウド移行やシステム運用の見直しに紐づく周辺業務の需要が伸び、IT系は2024年度に前年度比+5.9%と、非IT系の+1%を上回りました。予測期間でもIT系が市場の伸びを牽引し、非IT系は緩やかな拡大が続く構図です。

BPO市場規模の年度別内訳(2023-2029年度、兆円)

IT系BPO+非IT系BPO=合計(各年)。2025年度(予測)以降は矢野経済研究所の予測値
2023年度
IT系BPO
2.95
非IT系BPO
1.94
合計
4.88
2024年度
IT系BPO
3.12
非IT系BPO
1.96
合計
5.08
2025年度(予測)
IT系BPO
3.29
非IT系BPO
1.98
合計
5.27
2026年度(予測)
IT系BPO
3.42
非IT系BPO
2.00
合計
5.42
2027年度(予測)
IT系BPO
3.55
非IT系BPO
2.02
合計
5.57
2028年度(予測)
IT系BPO
3.67
非IT系BPO
2.04
合計
5.72
2029年度(予測)
IT系BPO
3.80
非IT系BPO
2.07
合計
5.87
読み解き

各年とも、システム運用管理を担うIT系BPOと、コールセンター・人事・経理などを担う非IT系BPOを合計したものがBPO市場全体です。2024年度(実績)はIT系3.12兆円+非IT系1.96兆円=合計5.08兆円で、IT系が約6割を占めます。

2025年度以降は予測値です。矢野経済研究所の予測では、IT系が伸びを牽引して合計は2029年度に5.87兆円へ拡大する見通しです。なお、この系列は同社の同一調査(2025年)が示す推移・予測であり、各年の数値は調査の版によって改定されることがあります。

主要論点

IT系BPOと非IT系BPO、成長の構造はどう違うのか?

BPO市場はシステム運用管理を担うIT系BPO(2024年度3兆1,220億円)と、コールセンターや人事・経理などを担う非IT系BPO(同1兆9,566.5億円)の二つに大きく分かれ、IT系が市場の約6割を占めます。成長率では、IT系が前年度比+5.9%と、非IT系の+1%を上回っています。

IT系が伸びている背景には、企業のクラウド移行やシステム運用の見直しに紐づく周辺業務の需要があります。リモートワークの普及でネットワーク環境の整備が進み、システム運用を外部に委託する動きが続いています。一方、非IT系の中核であるコールセンターは、コロナ禍の大型案件が一巡して伸びが鈍化したものの、人事・経理・総務などの間接部門の業務代行は底堅く推移しています。

両者の境界は、デジタルBPOの広がりによって溶けつつあります。人手による業務とAI・自動化を組み合わせるサービスが一般化し、コールセンターのような非IT系業務にもシステム投資が深く入り込んでいます。予測期間でもIT系主導の成長が続く一方で、デジタル化は市場全体を貫く流れとなっています。

BPO市場はなぜ拡大が続くのか?

BPO市場は2023年度の4兆8,849.2億円から2024年度に5兆786.5億円(前年度比+4%)へ拡大し、矢野経済研究所の予測では2029年度に5兆8,703.5億円まで伸びる見通しです。拡大の背景には、企業がコア業務に経営資源を集中し、ノンコア業務を外部に委託する動きの定着があります。

第一に、デジタルBPOの広がりです。人手による業務とデジタル技術を組み合わせることで、業務の効率化・省力化が進み、BPO事業者が請け負う業務領域が広がっています。第二に、利用企業の裾野拡大です。安価なクラウド基盤の普及で、これまで大手企業が中心だったBPOの利用が中堅・中小企業へ広がっています。

第三に、官公庁・自治体の外部委託です。コロナ禍の業務受託を契機に、行政分野でもアウトソーシングの機運が高まりました。近年は単発の業務委託にとどまらず、戦略立案やコンサルティングまで一気通貫で委託する動きも広がっており、これらが市場の継続的な拡大を支えています。

「BPO市場」には何が含まれ、他の市場とどう違うのか?

本ページのBPO市場(2024年度5兆786.5億円)は、矢野経済研究所がIT系・印刷系・コールセンター系・事務系のBPO事業者を対象に、事業者の売上高ベースで集計したものです。BPOとは、通常は企業内部で行うシステム運用管理・コールセンター・人事・経理・購買・営業などの業務を、発注企業から委託を受けて代行するサービスを指します。税務・物流・情報システム開発・ビルメンテナンスなど、従来から外部委託が一般的な専門サービスは含みません。

注意が必要なのは、近い名前の別調査との違いです。複数の調査の数字を二重に数えて市場規模を過大に捉えないために、この区別が重要になります。コールセンター/コンタクトセンターの業務は非IT系BPOの中核業態としてBPO市場に含まれますが、別途「コールセンター市場」という調査もあり、こちらはBPO市場とは集計範囲が異なります。同様に、人事・総務関連業務アウトソーシング市場という別の調査もありますが、こちらは人材派遣・紹介などの人材関連業務を含む広い範囲を対象としており、BPO市場とは対象が異なります。

これらは集計の範囲も主体も異なる別々の数字であり、単純に足し合わせたり比較したりするものではありません。市場規模を引用するときは、どの調査のどの範囲の数字なのかを確認することが重要です。

中期見通し

近未来1-2年

2025-2026年度は、デジタルBPOの広がりを背景にBPO市場の拡大が続くとみられます。矢野経済研究所の予測では、2025年度に5兆2,682.8億円規模が見込まれています(予測値)。システム運用に紐づくIT系BPOが伸びを牽引し、官公庁・自治体や中堅・中小企業への裾野拡大も需要を支えます。

中期3-5年

中期では、生成AIを活用したBPOサービスの実用化が進み、人手とデジタルを組み合わせるデジタルBPOが市場の重心になります。矢野経済研究所の予測では2029年度に5兆8,703.5億円規模へ拡大する見通しです(予測値)。IT系主導の成長が続く一方、非IT系でも自動化・AI活用による高付加価値化が進むとみられます。

長期

長期では、労働人口の減少が国内全体の人手不足を強め、業務の外部委託と自動化への需要を構造的に押し上げます。一方で、委託にあたっての請負と労働者派遣の区別や、個人情報を扱う委託先の監督など、コンプライアンス面の対応が前提となります。市場規模の数字を読む際は、実績(2023-2024年度)と予測(2025年度以降)の区別、コールセンター市場など別調査との集計範囲の違いを踏まえることが重要です。

よくある質問

BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)市場の規模はどのくらいですか?
矢野経済研究所の調査によると、2024年度の国内BPO市場は事業者売上高ベースで5兆786.5億円(前年度比+4%)です。内訳は、システム運用管理を担うIT系BPOが3兆1,220億円(同+5.9%)、コールセンターや人事・経理などを担う非IT系BPOが1兆9,566.5億円(同+1%)で、IT系が市場の約6割を占めます。
IT系BPOと非IT系BPOの違いは何ですか?
IT系BPOは、企業のシステム運用管理業務を委託されて代行するサービスです。非IT系BPOは、それ以外の業務を代行するサービスで、コールセンターなどのコールセンター系業務、人事・福利厚生・総務・経理などの間接部門系業務、購買・調達や営業などの直接部門系業務が含まれます。2024年度はIT系が3兆1,220億円、非IT系が1兆9,566.5億円で、IT系が市場の約6割を占めています。
BPO市場には何が含まれ、何が含まれませんか?
本市場は、通常は企業内部で行うシステム運用管理・コールセンター・人事・福利厚生・総務・経理・購買・調達・営業などの業務を、発注企業から委託を受けて代行するサービスを対象としています。一方、税務・物流・情報システム開発・ビルメンテナンスなど、従来から外部に委託することが一般的な専門的なサービスは、このBPO市場の集計には含まれません。
BPO市場とコールセンター市場の関係は?
コールセンター/コンタクトセンターの業務そのものは、非IT系BPOの中核業態としてBPO市場に含まれます。一方で「コールセンター市場」は、これとは別の調査として事業者の売上高を集計した数字で、BPO市場とは集計範囲が異なります。矢野経済研究所のコールセンター市場の調査では、電話応対などを請け負うコールセンターサービス市場が2024年度に1兆517億円、システムを提供するコンタクトセンターソリューション市場が4,190億円です。これらはBPO市場(5兆786.5億円)とは別の数字で、単純に足し合わせるものではありません。
2025年度以降の数字は予測ですか?
はい。本ページの2023年度・2024年度は実績値、2025年度以降は矢野経済研究所による予測値です(2025年度5兆2,682.8億円、2029年度5兆8,703.5億円)。予測値は調査の版によって改定されることがあり、実際に前回(2024年)調査の2024年度予測は、今回(2025年)調査の実績で下方修正されています。引用する際は、どの時点の調査による予測かを確認することが望ましいです。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    矢野経済研究所「BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)市場に関する調査(2025年)」
  2. 2.
    矢野経済研究所「コールセンター市場総覧 〜サービス&ソリューション〜(2025年)」
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