最終更新
TOPIC DETAIL · WORKFORCE

BPO・コンタクトセンターの人材と雇用|従業員数・在宅化・人材不足【2026年版】

BPO、とりわけコールセンター/コンタクトセンターにとって、人材の確保は最大の課題です。労働人口の減少を背景に、電話などで顧客対応を行うコミュニケーター(オペレーター)の不足が深刻化しています。日本コンタクトセンター協会(CCAJ)の調査では、従業員数を公開した会員65社の合計は287,288人で、会員社の約60%が在宅でのオペレーションを実施しています。人手の確保が難しくなるなか、在宅勤務の導入や、生成AI・自動化による生産性向上で対応が進んでいます。人材不足の実態、在宅化の進展、生産性向上の取り組みの順に整理します。

コンタクトセンター従業員数
287,288
CCAJ調査で従業員数を公開した65社の合計(2024年度、会員社ベース、業界全体ではない)
出典: 一般社団法人日本コンタクトセンター協会(CCAJ)「コンタクトセンター企業実態調査」(会員社ベース)
在宅オペレーション実施率
60%
CCAJ会員社のうち在宅オペレーションを「すでに実施」している割合(2025年度)
出典: 一般社団法人日本コンタクトセンター協会(CCAJ)「コンタクトセンター企業実態調査」(会員社ベース)
SV1人あたりの担当数
8.83
CCAJ会員社の平均(2024年度)。スーパーバイザー(SV)1人が管理・育成するコミュニケーターの人数
出典: 一般社団法人日本コンタクトセンター協会(CCAJ)「コンタクトセンター企業実態調査」(会員社ベース)
総センター数
477カ所
CCAJ会員社の合計(2025年度)。1社あたり平均8.1カ所
出典: 一般社団法人日本コンタクトセンター協会(CCAJ)「コンタクトセンター企業実態調査」(会員社ベース)

コンタクトセンター企業の従業員数(CCAJ会員社ベース)

公開した会社数が年によって異なるため、合計値どうしの単純な比較はできない(各年の社数を併記)
2022年度
総従業員数(公開社数)
269,307人(50社)
2023年度
総従業員数(公開社数)
272,929人(61社)
2024年度
総従業員数(公開社数)
287,288人(65社)
2025年度
総従業員数(公開社数)
274,180人(60社)
読み解き

日本コンタクトセンター協会(CCAJ)の調査では、従業員数を公開した会員社の合計は2024年度に287,288人(65社)でした。ただし、公開する会社数は年によって変わるため、合計値どうしを単純に比べて増減を語ることはできません。たとえば2024年度の287,288人と2025年度の274,180人の差は、公開した会社数が65社から60社へ減ったことが主な要因で、業界の人員が減ったことを意味するものではありません。

増減を見るには、前年度と比較できる同じ会社にそろえた数字を使います。2024年度に2年連続で回答した53社では、従業員数は前年度から16,991人増加しました(263,357人から280,348人へ)。コールセンターは離職率が高い職場とされる一方で、需要に応じて採用を続けており、比較可能な会社で見ると雇用の規模はおおむね維持・拡大しています。

コールセンターの人材不足は、なぜ深刻なのか

労働人口の減少という構造要因

コールセンター/コンタクトセンターの人材不足は、景気の波による一時的なものではなく、労働人口の減少という構造的な要因に根ざしています。電話などで顧客対応を行うコミュニケーター(オペレーター)は、多くの人手を必要とする職種であり、採用市場が縮むなかで、必要な人数を確保すること自体が難しくなっています。

採用と定着の難しさ

コールセンターは、業務の負荷や対応の難しさから、離職率が高い職場とされてきました。採用してもすぐに辞めてしまうと、教育コストが積み上がり、現場の品質も安定しません。このため、働きやすい環境づくりや、業務の標準化・効率化による負荷の軽減が、人材の定着にとって重要になっています。

人手不足が業務の形を変える

オペレーターの不足は、業務そのものの形を変えつつあります。従来オペレーターが人手で担ってきた一次対応などの業務を、AIチャットボットや自動化に置き換える動きが加速しています。人手不足は、在宅化や生成AIの活用といった、働き方とテクノロジーの両面での変化を促す原動力になっています。

在宅化と生産性向上は、どこまで進んでいるのか

在宅オペレーションの広がり

人手不足への対応として、在宅でのオペレーションが広がっています。CCAJの調査では、会員社のうち在宅オペレーションを「すでに実施している」割合は約60%にのぼります。導入の理由としては「働き方の多様化のため」が最も多く、災害や感染症に備える事業継続(BCP)の観点も挙げられています。在宅化は、通勤が難しい人材の活用や、勤務地にとらわれない採用を可能にし、人材確保の幅を広げます。

スーパーバイザーによる現場運営

コールセンターの現場では、スーパーバイザー(SV)がコミュニケーターを管理・育成し、品質と生産性を支えています。CCAJの調査では、スーパーバイザー1人あたりが受け持つコミュニケーターの数は平均8.83人でした。在宅化が進むと、対面でない環境での指導や品質管理が課題となるため、システムを活用した運営支援の重要性が増しています。

デジタルとの両輪で生産性を高める

限られた人材で需要に応えるには、一人ひとりの生産性を高める必要があります。生成AIによる対話の自動要約や、定型業務の自動化は、コミュニケーターの負担を軽減し、より複雑な対応に人手を振り向けることを可能にします。人材の確保(採用・定着・在宅化)と、デジタルによる生産性向上の両輪で、人手不足に対応するのが業界の基本的な方向性です。

主要論点

コールセンターの人材不足はどれほど深刻なのか?

コールセンター/コンタクトセンターの人材不足は、労働人口の減少を背景とした構造的な課題です。電話やチャットで顧客対応を行うコミュニケーター(オペレーター)は多くの人手を必要とする職種で、採用市場が縮むなかで必要な人数の確保が難しくなっています。

日本コンタクトセンター協会(CCAJ)の調査では、従業員数を公開した65社の合計は2024年度に287,288人でした。これは会員社の自己申告にもとづく数字で業界全体ではありませんが、業界の規模感を示します。2年連続で回答した53社で見ると、従業員数は前年度から16,991人増えており、需要に応じた採用は続いています。

ただし、コールセンターは離職率が高い職場とされ、採用しても定着しなければ教育コストがかさみ、現場の品質も不安定になります。必要な人数を採用し続ける難しさと、定着させる難しさの両方を抱えている点が、この業界の人材問題の本質です。

在宅化は人材不足の解決策になるのか?

在宅オペレーションは、人材確保の幅を広げる有力な手段になっています。CCAJの調査では、会員社の約60%が在宅オペレーションを実施しており、導入理由としては「働き方の多様化」や、災害・感染症に備える事業継続(BCP)が挙げられています。

在宅化のメリットは、通勤が難しい人材の活用や、勤務地にとらわれない採用が可能になることです。育児や介護と両立したい人、地方に住む人など、これまで通勤前提では採用しにくかった層を取り込めます。一方で課題もあり、対面でない環境でのコミュニケーターの指導・品質管理や、個人情報を扱う在宅環境のセキュリティ確保などが挙げられます。

在宅化は人材不足を和らげる一手ですが、それだけで解決するわけではありません。在宅でも品質と生産性を保てる運営の仕組みづくりと、後述するデジタルによる生産性向上を組み合わせることが必要です。

人手の確保とデジタル化は、どう組み合わされるのか?

人材不足への対応は、「人手の確保」と「デジタルによる生産性向上」の両輪で進みます。一方だけでは、増え続ける需要に応えきれないためです。

人手の確保では、在宅化による採用層の拡大に加え、働きやすい環境づくりや業務の標準化による定着の改善が進みます。スーパーバイザー(SV)による現場運営も重要で、CCAJの調査では1人のSVが平均8.83人のコミュニケーターを受け持っています。デジタル化では、生成AIによる対話の自動要約や、定型業務の自動化が、コミュニケーターの負担を軽減します。

この両輪の関係は、市場の動きにも表れています。人手による運営を担うコールセンターサービス市場が伸び悩む一方、システム化を支えるコンタクトセンターソリューション市場やAIサービス市場が拡大しているのは、限られた人材を補うための投資が業界の重心になりつつあることを示しています。限られた人手をデジタルで補い、付加価値の高い対応に振り向けることが、人手不足時代の基本戦略です。

中期見通し

近未来1-2年

当面は、在宅化と自動化の併用が標準になるとみられます。人手不足が続くなか、在宅オペレーションで採用層を広げつつ、生成AIや自動化でコミュニケーターの負担を軽減する動きが進みます。スーパーバイザーによる品質管理を、システムで支援する取り組みも広がります。

中期3-5年

中期では、人とデジタルの役割分担が定着するとみられます。定型的な対応をAIが担い、複雑な対応や最終確認を人が担う体制が一般化します。限られた人材を、より付加価値の高い業務へ振り向ける動きが進み、コミュニケーターに求められるスキルも変化していきます。

長期

長期では、労働人口の減少が一段と進むなか、人材の確保と生産性向上の両立が業界の存続を左右します。在宅化や自動化への対応力が、事業者の競争力を決める要素になります。人材の数字を読む際は、CCAJの会員社ベースの数字が業界全体ではないこと、公開社数の変動により合計の単純比較ができないことを踏まえることが重要です。

よくある質問

コールセンターの人材不足はどのような状況ですか?
労働人口の減少を背景に、電話などで顧客対応を行うコミュニケーター(オペレーター)の不足が構造的に深刻化しています。コールセンターは離職率が高い職場とされ、採用と定着の両面が課題です。対応として、在宅勤務の導入や、生成AI・自動化による生産性向上が進んでいます。
コンタクトセンターで働く人は何人くらいいますか?
日本コンタクトセンター協会(CCAJ)の調査では、従業員数を公開した会員65社の合計は2024年度に287,288人でした。これは会員社の自己申告にもとづく数字で、業界全体の就業者数を網羅したものではありませんが、業界の規模感を知る参考になります。公開する会社数が年によって変わるため、年ごとの合計を単純に比較することはできません。
コールセンターの在宅化はどのくらい進んでいますか?
CCAJの調査では、会員社のうち在宅オペレーションを「すでに実施している」割合は約60%です。導入理由としては「働き方の多様化」が最も多く、災害や感染症に備える事業継続(BCP)も挙げられています。在宅化は、通勤が難しい人材の活用や、勤務地にとらわれない採用を可能にします。
コミュニケーターとスーパーバイザーの違いは何ですか?
コミュニケーター(オペレーター)は、電話やチャットなどで顧客対応を行う従事者です。スーパーバイザー(SV)は、コミュニケーターを管理・育成し、現場の品質と生産性を支える役割です。CCAJの調査では、スーパーバイザー1人あたりが受け持つコミュニケーターは平均8.83人でした。
人材不足にどう対応しているのですか?
「人手の確保」と「デジタルによる生産性向上」の両輪で対応しています。人手の確保では、在宅化による採用層の拡大や、働きやすい環境づくりによる定着改善が進みます。デジタル化では、生成AIによる対話の自動要約や定型業務の自動化が、コミュニケーターの負担を軽減します。限られた人材を、付加価値の高い対応へ振り向けることが基本戦略です。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    一般社団法人日本コンタクトセンター協会(CCAJ)「コンタクトセンター企業実態調査」
📄 資料DL💬 無料相談