なぜ印刷会社は印刷以外の事業へ広げるのか?
最大の理由は、印刷市場の構造的な縮小です。製造品出荷額等でみた印刷市場は2023年に5兆934億円で、1991年のピークから縮小が続いています。電子化で出版印刷や商業印刷の需要が減るなかで、印刷だけに依存していては成長を描きにくくなっています。
もう一つの理由は、印刷技術の応用範囲の広さです。版に微細な模様を作る技術や、インキを精密に塗る技術は、半導体・ディスプレイ・電池といった別分野の部材づくりに生かせます。縮小する市場から、技術を生かせる成長市場へ軸足を移すのが、印刷会社の多角化の本質です。
つまり多角化は、単なる事業の追加ではなく、蓄えた技術資産を成長分野で再利用する戦略だといえます。