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建設コンサルの設計DX|BIM/CIMと3次元データ活用【2026年版】

建設コンサルの調査・設計の現場では、BIM/CIM(構造物などを3次元モデルで表し、設計情報を統合する取り組み)や、レーザースキャナ・ドローンによる点群測量など、上流のデジタル化が進んでいます。国土交通省は2023年度から、直轄の詳細設計などでBIM/CIMの活用を原則としています(小規模なものを除く)。調査・設計といった上流で扱うデータの質は、その後の施工や維持管理の生産性にも影響します。建設コンサルは、この上流の情報化を担う立場にあります。

BIM/CIMとは何か、なぜ設計段階で使うのか

設計情報を3次元モデルに統合する

BIM/CIMとは、構造物や地形を3次元のモデルで表し、そこに設計の情報を統合する取り組みです。従来の2次元の図面では、複数の図面を照らし合わせて構造物の形や配置を読み取る必要がありましたが、3次元モデルなら形や位置関係を直感的に把握できます。橋やトンネル、河川構造物などの設計で、部材どうしの干渉(ぶつかり)のチェックや、必要な材料の数量の算出、関係者との合意形成に役立ちます。

国が直轄事業で活用を原則としている

国土交通省は、建設生産プロセス全体の生産性を高める「i-Construction」の取り組みの一環として、BIM/CIMの活用を進めています。2023年度からは、国が自ら発注する直轄事業のうち、詳細設計(施工に向けた具体的な設計)などでBIM/CIMの活用を原則としています(小規模なものを除く)。公共の設計業務を多く担う建設コンサルにとって、3次元モデルで設計を行う技術は、業務を進めるうえでの基盤になりつつあります。

測量・調査の3次元化(点群データ)とは

レーザーやドローンで地形を点の集まりとして計測する

点群測量とは、レーザースキャナやドローン(UAV)を使い、地形や構造物を無数の点の集まり(点群)として3次元で計測する技術です。従来の測量に比べ、広い範囲や複雑な地形を短時間で、面的に把握できます。得られた点群は、地形の3次元モデルや、設計・維持管理のための正確な基礎データになります。測量業は、こうした計測技術のデジタル化が進む分野です。

上流の計測データが後工程の土台になる

点群で得た3次元データは、設計(BIM/CIM)や、施工・維持管理の各段階へと引き渡されます。正確な現況のデータがあれば、設計の精度が高まり、後工程での手戻りも減らせます。調査・測量という最も上流の工程を、正確な3次元データとして整えることが、社会資本づくり全体の質と効率を左右します。建設コンサルや測量業は、この土台づくりを担っています。

上流のデータ活用は、生産性にどうつながるのか

調査から維持管理まで、データをつないでいく

建設コンサルが担う調査・設計は、社会資本づくりの最も上流の工程です。ここで作成した3次元データや設計情報が、施工、そして完成後の点検・診断・維持管理の各段階へとつながっていきます。上流で質の高いデータを整えるほど、後工程でそのデータを生かしやすくなり、全体の生産性の向上が期待されます。逆に、上流のデータが不正確だと、後工程で作り直しや手戻りが生じます。

維持管理の時代に、データの蓄積が生きる

インフラの維持管理の比重が高まるなか、点検・診断で得られる情報を蓄積し、次の設計や補修に生かすことの重要性が増しています。3次元モデルにひもづけて劣化の情報を管理できれば、施設の状態を継続的に把握しやすくなります。上流のデータ整備は、造る場面だけでなく、長く使い続けるための維持管理の場面でも生きると考えられます。調査・設計から維持管理までデータをつなぐこの流れのなかで、建設コンサルは上流の情報化を担う役割を期待されています。

設計・調査の上流で使われる主なDX手法

調査・設計の段階で用いられる代表的な手法と、建設コンサルが担う役割(いずれも定性)
BIM/CIM(3次元モデルによる設計)
主な対象工程
調査・設計(詳細設計など)
建設コンサルの役割
構造物や地形を3次元モデルで表し、設計情報を統合。干渉のチェックや数量の算出、関係者との合意形成に用いる
点群測量(レーザースキャナ・ドローン)
主な対象工程
測量・調査
建設コンサルの役割
レーザースキャナやドローン(UAV)で地形・構造物を点の集まり(点群)として3次元計測し、設計・維持管理の基礎データとして引き渡す
データの連携・活用
主な対象工程
調査〜設計〜維持管理の橋渡し
建設コンサルの役割
調査・設計で作成した3次元データを、施工や維持管理の段階へつなぐ。点検・診断で得た情報を次の設計に生かす
読み解き

建設コンサルの設計DXの中心は、BIM/CIMによる3次元設計、点群による3次元計測、そしてそれらのデータの連携・活用です。いずれも、調査・設計という上流の工程を情報化し、後に続く施工や維持管理へデータをつなぐことを狙いとしています。これらは施工現場の自動化とは異なり、社会資本づくりの土台となるデータをつくる取り組みです。建設コンサルや測量業は、この上流の情報化の担い手として、DXを進めています。

主要論点

なぜ建設コンサルの設計DXが重要なのか?

建設コンサルが担う調査・設計は、社会資本づくりの最も上流の工程です。ここで作成する設計情報やデータの質が、その後の施工や維持管理の進めやすさを左右します。BIM/CIMで設計情報を3次元モデルに統合し、点群で正確な現況データを整えることは、後工程での手戻りを減らし、全体の生産性の向上につながると期待されています。

国土交通省が直轄の詳細設計などでBIM/CIMの活用を原則としたことで、公共の設計業務を多く担う建設コンサルにとって、3次元での設計は業務の基盤になりつつあります。発注者と受注者が同じ3次元モデルを共有すれば、設計内容の確認や合意形成もしやすくなります。

こうした上流の情報化は、単なる道具の置き換えではなく、調査・設計の進め方そのものを変える取り組みです。建設コンサルにとって、設計DXへの対応は、業務の質と効率を高めるうえで避けて通れない課題になっています。

BIM/CIMや点群測量は、何を変えるのか?

BIM/CIMは、構造物や地形を3次元モデルで表し、設計情報を統合します。従来の2次元図面では複数の図面を読み合わせる必要があった作業が、3次元モデルでは形や位置関係を直感的に把握できるようになります。部材どうしの干渉のチェックや、数量の算出、関係者との合意形成がしやすくなります。

点群測量は、レーザースキャナやドローンで地形・構造物を点の集まりとして3次元計測する技術です。広い範囲や複雑な地形を短時間で面的に把握でき、得られたデータは設計や維持管理の正確な基礎になります。測量業のデジタル化を代表する技術のひとつです。

これらに共通するのは、調査・設計という上流の工程を情報化し、後工程へデータをつなぐという考え方です。上流で質の高いデータを整えることが、社会資本づくり全体の質と効率を高めることにつながります。

設計DXを進めるうえでの課題は何か?

設計DXを進めるには、3次元での設計や点群の処理に対応できる技術者と、それを支えるソフトウェア・機器への投資が必要です。建設コンサルには規模の大きな企業から中小の企業まで幅広くあり、DXへの対応の度合いには差が生じやすいと考えられます。人材の育成や設備の投資が、対応を左右します。

また、上流で作成したデータを後工程で生かすには、施工や維持管理の段階も含めてデータをつなぐ仕組みが求められます。関係者の間でデータの形式や扱い方をそろえていくことも課題です。技術の標準化や、発注者・受注者の双方の対応が進むことが期待されます。

こうした課題はあるものの、公共の設計業務でBIM/CIMの活用が原則となるなかで、設計DXへの対応は着実に進むとみられます。建設コンサルにとっては、上流の情報化を担う技術力が、今後の競争力を左右する要素になっていくと考えられます。

中期見通し

近未来1-2年

公共の詳細設計などでBIM/CIMの活用が原則となるなかで、3次元での設計や点群測量への対応が、業務を進めるうえでの基盤として広がる見通しです。発注者と受注者が3次元モデルを共有する取り組みも進み、設計の確認や合意形成のしやすさが高まると期待されます。

中期3-5年

調査・設計で作成したデータを、施工や維持管理の段階へつなぐ取り組みが進むとみられます。点検・診断で得た情報を蓄積し、次の設計や補修に生かす動きも広がると考えられます。DXへの対応の度合いによって、企業の間で生産性の差が生じる可能性もあります。

長期5-10年

調査から設計、施工、維持管理まで、社会資本にかかわるデータを一貫してつなぐ仕組みづくりが長期の論点になります。建設コンサルには、上流でデータの土台を整える役割がいっそう求められると考えられます。担い手である技術者が、こうしたデジタル技術を扱えるよう育っていくことも課題です。

よくある質問

BIM/CIMとは何ですか?
構造物や地形を3次元のモデルで表し、そこに設計の情報を統合する取り組みです。2次元の図面に比べ、形や位置関係を直感的に把握でき、部材どうしの干渉のチェックや、材料の数量の算出、関係者との合意形成に役立ちます。国土交通省は2023年度から、直轄の詳細設計などでBIM/CIMの活用を原則としています(小規模なものを除く)。
点群測量とは何ですか?
レーザースキャナやドローン(UAV)を使い、地形や構造物を無数の点の集まり(点群)として3次元で計測する技術です。広い範囲や複雑な地形を短時間で面的に把握でき、得られたデータは地形の3次元モデルや、設計・維持管理のための正確な基礎データになります。測量業のデジタル化を代表する技術のひとつです。
建設コンサルの設計DXは、施工現場のDXとどう違うのですか?
建設コンサルの設計DXは、調査・設計という上流の工程を情報化する取り組みで、BIM/CIMによる3次元設計や点群測量が中心です。一方、施工現場のDXは、建設機械の自動化や省人化など、工事そのものを効率化する取り組みです。両者はつながっていますが、建設コンサルが主に担うのは、社会資本づくりの土台となる上流のデータを整える役割です。
設計DXは建設コンサルの生産性を高めますか?
上流で質の高いデータを整えることは、後に続く施工や維持管理での手戻りを減らし、全体の生産性の向上につながると期待されています。BIM/CIMで設計情報を統合し、点群で正確な現況を把握すれば、設計の精度が高まります。ただし、その効果を十分に引き出すには、対応できる技術者の育成や、データをつなぐ仕組みづくりが必要です。
i-Constructionとは何ですか?
国土交通省が進める、建設生産プロセス全体の生産性を高める取り組みの総称です。調査・測量から設計、施工、維持管理までを対象としています。このうち建設コンサルが主に関わるのは、BIM/CIMによる3次元設計や点群測量といった、調査・設計の上流の情報化の部分です。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    i-Construction・BIM/CIMの推進(国土交通省)
  2. 2.
    国土交通省 測量分野のデジタル化(点群データの活用)
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