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建設コンサル業界の構造|登録業者数と3業種の仕組み【2026年版】

建設コンサルタント業界は、建設コンサルタント業・測量業・地質調査業の建設関連業3業種で構成されます。国土交通大臣への登録業者数は、建設コンサルタント3,930社・測量業11,140社・地質調査業1,221社(2025年3月末)で、いずれも長期で漸減しています。少数の大手に集中せず中小・地場が広く分布する分散構造で、1社が複数の業種や部門に登録する兼業も多いのが特徴です。ここでは登録業者数の推移・3業種の仕組み・登録部門の構成から、業界の構造を整理します。

建設関連業3業種の登録業者数の推移(1995-2024年度、社)

測量業 / 建設コンサルタント / 地質調査業、いずれもピークから漸減。表の3業種合計は延べ(兼業の重複を含む)で事業者の実数ではありません
単位:
測量業建設コンサルタント地質調査業
03,7507,50011,25015,00011,1403,9301,22195000510152024
出典: 国土交通省 建設関連業の登録状況(各年度末の登録業者数)
年度199519961997199819992000200120022003200420052006200720082009201020112012201320142015201620172018201920202021202220232024
測量業12,91313,31013,68914,00314,32514,42714,62614,62014,75014,48514,16113,89513,68313,32412,97412,69512,56612,43612,27212,11512,00011,95211,91711,80011,70711,63011,57611,47711,31311,140
建設コンサルタント2,7202,8933,0763,2773,4263,6863,9144,0054,1694,1744,2144,1424,0423,9933,9523,9913,9353,9413,9453,9473,9343,9513,9443,9633,9573,9563,9593,9313,9323,930
地質調査業1,0401,1031,1471,2091,2381,2971,3341,3451,3881,3861,3901,3761,3361,3051,2861,2891,2651,2631,2591,2651,2691,2661,2771,2741,2671,2701,2681,2571,2301,221
合計(16,67317,30617,91218,48918,98919,41019,87419,97020,30720,04519,76519,41319,06118,62218,21217,97517,76617,64017,47617,32717,20317,16917,13817,03716,93116,85616,80316,66516,47516,291
前年比+3.8%+3.5%+3.2%+2.7%+2.2%+2.4%+0.5%+1.7%-1.3%-1.4%-1.8%-1.8%-2.3%-2.2%-1.3%-1.2%-0.7%-0.9%-0.9%-0.7%-0.2%-0.2%-0.6%-0.6%-0.4%-0.3%-0.8%-1.1%-1.1%
読み解き

建設関連業3業種の登録業者数は、1990年代後半から2000年代前半にかけてのピークを過ぎ、いずれも漸減しています。測量業は平成15年度(2003年度)の14,750社をピークに21年連続で減少し、2024年度は11,140社です。建設コンサルタントは平成17年度(2005年度)の4,214社から3,930社へ、地質調査業も同年度の1,390社から1,221社へと減ってきました。

減少の背景には、小規模な事業者の廃業や統合があります。公共の調査・設計の需要は国土強靱化や老朽化対策で底堅い一方、担い手である技術者の確保や、業務の高度化への対応が難しい小規模事業者が減り、業者数の裾野が緩やかに細っています。

なお、ここでの登録業者数は社数の構造指標であり、市場の金額規模ではありません。3業種は登録業者数の水準が大きく異なり、測量業がもっとも多く、地質調査業がもっとも少ない構成です。

3業種の登録業者数と分散構造

3業種の仕組み・登録業者数の推移・兼業・分散構造の4つの観点

建設関連業は、測量業・建設コンサルタント・地質調査業の3業種からなります。測量業は土地の位置や形状の測定、建設コンサルタントは社会資本の調査・計画・設計・施工監理、地質調査業は地盤や地質の調査を担い、いずれも社会資本整備の上流を支えます。登録業者数は3業種で水準が異なり、測量業がもっとも多く、地質調査業がもっとも少ない構成です。

測量業
登録業者数
11,140社
根拠と登録開始
測量法(昭和36年〜)
主な業務
土地の位置・形状・境界の測定
ピークからの推移
平成15年度の14,750社をピークに21年連続で減少
建設コンサルタント
登録業者数
3,930社
根拠と登録開始
建設コンサルタント登録規程(昭和39年〜)
主な業務
社会資本の調査・計画・設計・施工監理
ピークからの推移
平成17年度の4,214社から漸減
地質調査業
登録業者数
1,221社
根拠と登録開始
地質調査業者登録規程(昭和52年〜)
主な業務
地盤・地質の調査
ピークからの推移
平成17年度の1,390社から漸減

3業種の役割 — 測量・調査設計・地質

測量業は、土地の位置・形状・境界を測定し、地図や測量成果を作成する業種で、社会資本整備の最も上流にあたります。航空測量や衛星測位、レーザーによる地形計測など、技術の高度化が進んでいます。登録業者数は11,140社で、3業種のなかでもっとも多い一方、平成15年度のピークから21年連続で減少しています。

建設コンサルタントは、道路・河川・橋梁・上下水道などの社会資本(インフラ)について、調査・計画・設計・施工監理(工事が設計どおり進むかを確認・管理する業務)を担う業種で、建設関連業の中核です。登録は21の専門部門に分かれ、専門性の高い技術者が業務を担います。地質調査業は、ボーリングなどで地盤や地質を調べ、構造物の設計や防災の基礎資料を提供する業種です。3業種は、測量で地形を把握し、地質で地盤を調べ、その情報をもとに建設コンサルタントが計画・設計を行う、という工程で連携します。

登録3業種の兼業 — 1社が複数業種に登録

建設関連業では、1社が複数の業種に登録する兼業が多くみられます。建設コンサルタント3,930社の内訳をみると、建設コンサルタントだけを登録している事業者は976社で、残りは測量業や地質調査業もあわせて登録しています。3業種すべてに登録する事業者は766社にのぼります。

このため、3業種の登録業者数(測量業11,140社・建設コンサルタント3,930社・地質調査業1,221社)は、それぞれの業種ごとに数えた数字であり、単純に足し合わせた16,291社が事業者の実数を表すわけではありません。3業種とも登録する766社は3つすべての数字に含まれ、2業種を登録する事業者も2回数えられるためです。業界の規模を業者数でみるときは、この重複に注意が必要です。

分散構造 — 中小・地場が広く分布

建設コンサルタント業界は、少数の大手に集中せず、中小・地場の事業者が広く分布する分散構造です。公共の調査・設計の発注は、国だけでなく全国の都道府県・市町村にわたるため、各地域に根ざした中小の事業者が数多く存在します。登録業者3,930社の多くは、こうした地域の中小事業者です。

上場企業や非上場の大手も存在しますが、これらが業界全体を占めるわけではなく、規模のある事業者と地域の中小事業者が併存しています。業者数の減少が続くなかで、小規模事業者の統合や、規模のある事業者への集約が緩やかに進んでいます。

建設コンサルタントの登録部門(延べ登録数、2024年度)

21部門・延べ10,473登録が母集団(1社が複数部門に登録するため延べ、シェアは延べに占める割合)
項目登録数構成比シェア
道路1,74416.7%
鋼構造及びコンクリート1,35312.9%
河川、砂防及び海岸・海洋1,20811.5%
土質及び基礎8478.1%
農業土木7627.3%
都市計画及び地方計画7597.2%
下水道7527.2%
建設環境5335.1%
施工計画、施工設備及び積算4314.1%
地質4063.9%
上水道及び工業用水道3643.5%
トンネル2562.4%
森林土木2282.2%
港湾及び空港2132.0%
造園1801.7%
電気電子1311.3%
鉄道910.9%
廃棄物680.6%
水産土木660.6%
電力土木480.5%
機械330.3%
延べ10,473登録10,473100.0%
読み解き

建設コンサルタントの登録は、道路・河川・橋梁・上下水道など21の専門部門に分かれます。1社が複数の部門に登録するため、部門ごとの登録数を合計すると延べ10,473登録になります(登録業者数3,930社に対して、1社あたり平均で複数部門)。

もっとも多いのは道路で、延べ登録の16.7%(1,744登録)を占めます。次いで鋼構造・コンクリート、河川・砂防、土質・基礎などが続き、土木系の社会資本分野に登録が厚い構成です。道路や河川といった公共のインフラが、建設コンサルタントの主な業務分野であることを反映しています。なお、ここでの割合の分母は延べ登録数10,473であり、登録業者数3,930社とは異なります。

主要論点

なぜ登録業者数は減り続けているのか?

建設関連業3業種の登録業者数は、いずれもピークから漸減しています。測量業は平成15年度の14,750社から11,140社へ21年連続で減少し、建設コンサルタントも平成17年度の4,214社から3,930社へ減ってきました。

背景にあるのは、小規模な事業者の廃業や統合です。公共の調査・設計の需要は国土強靱化や老朽化対策で底堅い一方、業務は高度化・専門化しており、技術者の確保や新しい技術への対応が難しい小規模事業者が事業を続けにくくなっています。担い手である技術者の高齢化も、業者数の減少に影響しています。

需要が底堅いなかで業者数が減るということは、仕事が相対的に規模のある事業者へ集まりやすいことを意味します。ただし、業界全体は依然として中小・地場が広く分布する分散構造で、特定の企業に集中しているわけではありません。

なぜ1社が複数の業種・部門に登録するのか?

建設関連業では、1社が測量業・建設コンサルタント・地質調査業の複数に登録する兼業が多く、3業種すべてに登録する事業者は766社にのぼります。建設コンサルタントの登録部門でも、1社が複数部門に登録するため、部門別の登録数は延べ10,473登録になります。

複数の業種・部門に登録する理由は、社会資本整備の仕事が工程として連続していることにあります。測量で地形を把握し、地質で地盤を調べ、その情報をもとに設計を行う、という一連の業務を一社で受けられれば、発注者にとっても効率的です。総合的な建設コンサルタントほど、幅広い業種・部門をカバーする傾向があります。

このため、業界の規模を業者数でみるときは注意が必要です。3業種の登録業者数を単純に足すと重複を含むため、事業者の実数とは異なります。業者数は、それぞれの業種・部門ごとの登録の広がりを示す指標として理解するのが適切です。

建設コンサルタントはどんな分野に強みを持つのか?

建設コンサルタントの登録は21の専門部門に分かれ、どの部門に登録しているかが各社の得意分野を表します。全体では、道路が延べ登録の16.7%でもっとも多く、鋼構造・コンクリート、河川・砂防、土質・基礎などの土木系の部門に登録が厚い構成です。

これは、道路や河川、橋梁といった公共の社会資本が、建設コンサルタントの主な業務分野であることを反映しています。一方、上下水道や都市計画、建設環境、地質などの部門もあり、社会資本の幅広い分野をカバーしています。

各社は、得意とする部門に技術者を配置し、その分野の業務を中心に受注します。道路や河川に強い総合的な建設コンサルタントもあれば、上下水道や地質など特定の分野に専門特化した事業者もあり、部門の構成が各社の性格を形づくっています。

中期見通し

近未来1-2年

登録業者数の緩やかな漸減が続く見通しです。公共の需要が底堅いなかでも、担い手の確保が難しい小規模事業者の廃業や統合が進みます。一方で、規模のある事業者や、特定分野に専門性を持つ事業者は、受注を維持しやすい状況が続きます。

中期3-5年

技術者の高齢化と確保の難しさが、業界構造に影響します。事業者の集約や連携が進み、規模を確保して技術者をそろえる動きや、測量・地質・設計を一体で担う総合化が進む可能性があります。BIM/CIMなどの設計DXへの対応力も、事業者の競争力を左右します。

長期5-10年

社会資本の維持管理・更新が本格化するなかで、業界がどう担い手を確保するかが長期の論点です。業者数が減るなかで需要を満たすには、生産性の向上や、複数の事業者・自治体をまたぐ広域的な連携が必要になります。分散構造のまま効率をどう高めるかが問われます。

よくある質問

建設コンサルタントの登録業者は何社ありますか?
国土交通大臣への登録業者数は、建設コンサルタント3,930社です(2025年3月末)。あわせて測量業は11,140社、地質調査業は1,221社が登録しています。ただし1社が複数の業種に登録する兼業が多く、3業種すべてに登録する事業者も766社あるため、これらを単純に足した数は事業者の実数とは異なります。
建設関連業の3業種とは何ですか?
建設関連業とは、測量法にもとづく測量業、建設コンサルタント登録規程にもとづく建設コンサルタント、地質調査業者登録規程にもとづく地質調査業の3業種を指します。測量業は土地の測定、建設コンサルタントは社会資本の調査・計画・設計・施工監理、地質調査業は地盤の調査を担い、いずれも社会資本整備の上流を支えます。
建設関連業の「兼業」とは何ですか?
兼業とは、1社が複数の業種に登録していることです。建設関連業では兼業が多く、建設コンサルタント3,930社のうち建設コンサルタントだけを登録しているのは976社で、残りは測量業や地質調査業もあわせて登録しています。3業種すべてに登録する事業者は766社です。工程が連続する社会資本整備の業務を一体で受けられる利点があります。
建設コンサルタントの登録部門とは何ですか?
建設コンサルタントの登録は、道路・河川砂防・鋼構造・上下水道・地質など21の専門部門に分かれ、各社は得意とする部門に登録します。1社が複数部門に登録するため、部門別の登録数を合計すると延べ10,473登録になります。もっとも多いのは道路で延べ登録の16.7%を占め、土木系の分野に登録が厚い構成です。
建設コンサルタント業界は寡占ですか?
いいえ。建設コンサルタント業界は、少数の大手に集中せず、中小・地場の事業者が広く分布する分散構造です。公共の発注が全国の自治体にわたるため、各地域に根ざした事業者が数多く存在します。上場企業や非上場の大手もありますが、業界全体を占めるわけではありません。

参考資料 / 一次ソース

  1. 1.
    国土交通省 建設関連業の登録状況
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